林田力 二子玉川ライズ反対運動



二子玉川ライズ問題解決への東京都への要望


東急電鉄・東急不動産主体の二子玉川ライズは有害な街壊しである。二子玉川ライズは東京都世田谷区玉川で超高層ビルを建設する再開発事業である。本体事業地で約12ヘクタール、関連事業地をあわせると約20ヘクタールという都内最大規模の再開発である。

二子玉川東地区第一種市街地再開発事業(1期事業)、二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業(2期事業)に分かれる。共に東京都が再開発組合設立を認可した。1期事業は竣工済み、2期事業は建設中である。

主要高層ビルは以下の通り。

・分譲マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」 地上46階 151m 1棟

・分譲マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」 地上30階 102m 2棟

・商業施設「二子玉川ライズ ショッピングセンター」など 地上18階 82.5m 1棟

・ホテル・事務所棟 地上31階 137m 1棟(建設中)



【住環境を破壊し、東急グループの営利目的に再開発に巨額の税金を投入】

再開発地域周辺は多摩川と国分寺崖線に囲まれた自然豊かな地域であり、高層ビルの乱立は自然環境や住環境を破壊する。再開発で建設される建物は分譲マンション、賃貸オフィス、商業施設など東急電鉄・東急不動産の営利施設で、公共性は皆無である。

二子玉川ライズ2期事業の補助対象は歩行者通路・広場・屋上庭園など公衆が利用できる空間整備、商業店舗・文化情報施設など誰でも利用できる施設、交通問題対策として駐車(輪)場、防災・安全関連施設、ホテルの展望ロビー・宴会場など交流・集会・宿泊施設などとされる。これらは開発業者が自己の負担で整備すべきものである。東急電鉄・東急不動産の金儲けに税金を投入することは不公正である。

既に二子玉川ライズには総額約430億円の補助金(税金)が投入されてきた。これは再開発本体だけの数字であり、隣接道路・公園など関連事業費を加えると600億円以上になる。これこそが税金の無駄遣いであり、東京都は税金無駄遣い再開発認可をやめるべきである。

二子玉川ライズの総事業費は1414億円と見込まれている。内訳は1期が約1023億円で、2期が約391億円の見込みである。これに対して補助金の額は約462億円である。内訳は1期が約425億円で、2期が約37億円の見込みである。2期の37億円は保坂区政で7億円を削減した後の金額である。

二子玉川再開発の総事業費に占める補助金の割合は約32・7%である。開発業者の開発コストの約3分の1を世田谷区と東京都と日本国で負担していることになり、異常な数値である。六本木ヒルズでは、この割合が3・1%であった。六本木ヒルズの総事業費は約3046億円、補助金は約96億円である。二子玉川ライズは桁外れの税金を無駄遣いし、複合被害を増幅し、常態化させる有害事業であって、公共性を根本的に破壊している。二子玉川ライズは中止すべきである。

東急電鉄・東急不動産の営利事業である二子玉川ライズへの補助金投入は、税の無駄遣いの最たるものである。欧州債務危機や中国の景気減速懸念、未曽有の円高などにより、景気の先行きに不透明感が漂う。沈み行く中間層、広がる格差、先の見えない若者。ここにおいて無駄な公共事業削減の重要性が再び高まっている。諸手を挙げて大型開発を歓迎した時代は過去のものである。大型開発依存は深刻な雇用情勢の悪化に晒される。大型開発依存が続けば、日本の競争力低下に拍車がかかる。

大型開発は地域経済に貢献しない。東京都墨田区の東京スカイツリー周辺の商店街では東京スカイツリー開業後に来客が激減した。感覚的には80%減という(上田雅典「開業半年、スカイツリー活況 “足元”には光当たらず」産経新聞2012年11月19日)。観光客向けの飲食店や土産物店だけでなく、地元客を相手にしていた精肉店や青果店などからも売り上げが落ちたとの声が相次いでいる(「ツリー周辺 商店街調査…墨田区」読売新聞2012年11月14日)。

東急グループの「美しい時代」を象徴する街が東急大井町線高架下である。そこ東急電鉄の一方的な立ち退きで退去した商店や住宅が並ぶ異様な光景であった。レトロ感覚の商店街が賑わっていたとは思えないほどの荒廃ぶりであった。



【住民意見無視の組合設立認可】

東京都の組合設立認可手続きには問題がある。

一期事業では地権者や周辺住民などからの意見書が反対意見で占められていたことが、東京都情報公開条例に基づき開示された文書から明らかになっている。

反対意見は「国分寺崖線という地域の特性と少子化・低成長時代に高層ビルの林立はそぐわない。それよりも樹木と芝生を植えて都民の憩いの場となる自然を再生することが必要。」などである。

二期事業では199通の意見書が東京都に提出され、そのうちの191通は反対意見であった。さらに131名の口頭意見陳述と9名の専門家による補佐人意見陳述が行われ、それらの圧倒的多数も反対意見であった。

東京都は、これらの圧倒的な反対意見を無視して認可しており、反対意見を退けたことについての説明責任も果たしていない。東京都による自主的な組合設立認可の見直しを求めたい。



【原告適格否定】

東第二地区再開発組合設立認可の取り消しを求める訴訟が100人以上の原告によって提起され、東京高裁に控訴審(平成24年(行コ)第306号)が係属中である。この裁判で東京都は再開発地域に隣接する住民を含む全住民の原告適格を否定するという社会的には非常識な主張した。行政訴訟は行政の違法を正すものであり、違法が正されることは行政にとっても利益である。それ故に何が何でも、黒を白と言いくるめてでも勝てばいいという応訴態度は考え違いである。東京都には応訴態度の再考を求めたい。



【深刻なビル風被害】

二子玉川ライズによる住環境破壊で深刻さを増しているものがビル風被害である。「二子玉川ライズ オフィス」付近の横断歩道を横断中の老婦人がビル風に煽られて転倒し、骨折し、腕が上がらなくなった。住民が安心して生活できない街になってしまった。

二子玉川は多摩川からの風が吹きぬける場所にあり、ビル風の影響は他の場所よりも大きいが、環境アセスメントでは東京都千代田区大手町の東京管区気象台のデータを利用しており、実情を反映していない。再開発組合は住民への風速データの開示さえ拒否している。

住民の生命、健康、安全がかかっている。東京都には再開発組合設立を認可した自治体として、世田谷区と共にビル風の被害実態を調査し、調査結果を住民に開示し、安全安心な街とするための必要な対策を求めたい。


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。