林田力 二子玉川ライズ反対運動



二子玉川ライズ反対運動2012年十大ニュース


二子玉川ライズ反対運動2012年十大ニュースを発表する。第一に二子玉川ライズ住民訴訟の実質的和解による終結である。都市計画を巡る住民訴訟が実質的和解で決着することは極めて異例である。

世田谷区は「再開発区域周辺の環境影響に対しましては、区としても環境に十分留意して、法令に基づく環境影響評価の手続きに則った適切な対応はもとより、きめ細やかな対応を事業者に求めてまいります」と法令以上の「きめ細やかな対応」を再開発組合に求めると陳述した。

第二に東急電鉄株主総会での二子玉川ライズ周辺住民と東急大井町線高架下住民の共闘である。6月28日に株主総会の会場となったBunkamuraオーチャードホール(東急文化村)の入口付近において共同で抗議のビラ配りを実施した。東急に苦しめられている住民が地域を越えて結束した。

第三に世田谷区と住民との協議である。住民有志との二子玉川ライズ風害対策協議では協議を繰り返す中で、ようやく世田谷区も多摩堤通り横断対策や風速の定点測定の検討に入った。二子玉川ライズでは高層ビルのビル風被害が深刻である。二子玉川東地区第一種市街地再開発組合のビル風被害対策は何ら確たる成果を生み出せてはいない。

また、地元アンケートに基づいて地元の問題を整理した90課題の解決のための取り組みを開始した。二子玉川ライズ2期事業への補助金は公共性を精査し、7億円削減した。

第四に二子玉川ライズ二期ビルへの楽天本社移転による公共性欠如の明白化である。楽天が二子玉川ライズ二期ビル(賃貸オフィス)27フロアに本社を移転する。再開発オフィスビルが丸ごと一企業の本社ビルになり、その建設費を税金で補助することの異常性が深まる。二子玉川ライズに公共性はない。

楽天の本社移転は二子玉川ライズの事業リスクを大きくする。賃貸オフィスは赤字覚悟で賃料を下げても、テナントが集まらない苦境にある。東京都心でさえ、多くのオフィスビルが頭を抱えている。電機メーカーの業績不振から日中・日韓関係の悪化まで日本経済に暗い影を落とす不安要素はいくつもある。楽天が建設中のオフィスビルを借りたことから、よほど楽天にとって好条件であったことは容易に予想できる。

その上、楽天のようにフットワークの軽い企業は数年後には本社を再度移転する可能性もある。楽天の現在の本社は楽天タワーと呼ばれるが、そこから移転することは土地建物への思い入れが少ない企業と言える。英語公用語化に見られるように世界を意識しており、海外への本社移転も考えられる。楽天が再移転すれば二子玉川ライズは膨大な空室を抱えることになる。

第五に世田谷区の利用者負担増大見直しへの反対表明である。世田谷区の「区民利用施設使用料の見直し」「認可保育園保育料の見直し」「区立幼稚園保育料の見直し」「新BOP学童クラブ利用料の導入」「高齢者紙おむつ支給・おむつ代助成事業の見直し」などへの反対意見提出を呼びかけた。

二子玉川ライズ二期事業(二子玉川東第二地区市街地再開発事業)など開発関連予算を廃止・削減すれば見直しは不要になると主張した。二子玉川ライズへの補助金などの開発予算が財政を圧迫し、福祉が切り捨てられている。二子玉川ライズ問題と福祉の問題をリンクさせた。

第六に東京都知事選挙への取り組みである。「人にやさしい街づくりをめざし、宇都宮さんを応援する会」や世田谷勝手連に集い、宇都宮けんじ候補を応援した。「人にやさしい東京をつくる会 政策集」には「都心部の大規模開発を抑制し、環境重視・生活重視のまちづくりを進めます」「住環境・日照の保全など住民の意向と周囲との調和を重視します」などの政策が掲げられた。

第七に二子玉川ライズ行政訴訟・東京地裁だまし討ち判決である。二子玉川ライズ行政訴訟は東京都世田谷区を中心とする住民らが二子玉川東第二地区市街地再開発組合設立認可の取り消しを求めて東京都を提訴した行政訴訟である。林田力も原告・控訴人の一人である。

東京地裁(川神裕裁判長)は判決言い渡し期日を三度も延期し、中間判決言い渡しと称しながら終局判決を言い渡した。内容面でも小田急判決に依拠すると称しながら独自の論理で原告適格を否定した。二子玉川ライズ行政訴訟は控訴され、控訴審で争われることになる。

第八にNPO法人区画整理・再開発対策全国会議の第45回区画整理・都市再開発対策全国集会への参加である。二子玉川ライズと同様に東急不動産が参加組合員となっている十条駅西口地区再開発事業反対運動などと交流した。

東京都北区上十条の十条駅西口地区第一種市街地再開発事業は低層部が商業施設の複合タワーマンションを建設する計画であるが、生活者の街を破壊すると批判されている。地権者の権利変換率は異常に低く、東急不動産らが地権者の犠牲の上に利益を得る再開発である。

第九に桃野よしふみ世田谷区議によるデジコン問題の住民訴訟提訴である。デジコン問題は二子玉川ライズを舞台とした補助金不祥事である。世田谷区がデジタル映像コンテンツ関連企業を二子玉川周辺に集積させようとして、NPO法人ディジタル・コンテンツ・インスティテュート(DCIn)に補助金を交付したが、その1カ月後に成果を出さぬままDCIn撤退により事業が中止された問題である。

第十に二子玉川ライズ問題の露出である。東京新聞は以下のようにビル風問題を報道した。「東京都世田谷区の東急二子玉川駅前に完成した再開発ビル前で、強風を受けた80代の女性が倒れて骨折するなど、過去1年間に少なくとも3人が重軽傷を負っていたことが、周辺住民への取材で分かった。」(山内悠記子「二子玉 「ビル風害」 住民が対策要望」東京新聞2012年7月1日)

岩見良太郎『場のまちづくりの理論 現代都市計画批判』でも二子玉川ライズの弊害が取り上げられた。「土地の高度利用の追究で、緑地・オープンスペースはきわめて貧困なものとなり、また、局地的にそれをおこなったため、周辺地域に機能障害・環境破壊をもたらすものとなっている」(144頁)。林田力『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』も刊行された。


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。