林田力 二子玉川ライズ反対運動



二子玉川ライズ強風対策で多摩堤通り横断対策が俎上に


東京都世田谷区で進行中の再開発・二子玉川東地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)では日照阻害、景観破壊、コミュニティの分断、電波障害、水害の危険増大、税金の無駄遣い(総額700億円)など様々な問題が噴出している。中でも超高層ビル建設によるビル風被害は深刻な問題である。老婦人が歩行中にビル風で転倒し骨折するなど住民の生命健康を脅かしている。

その中で世田谷区民有志は世田谷区にビル風対策を求め、繰り返し協議を続けてきた。2012年9月18日には世田谷区民4名(同席者2名)が、世田谷区役所で堀川雄人・生活拠点整備担当部長ら区職員とビル風問題を協議した。林田力も同席した協議では世田谷区側から「工程表(案)」が提示され、「多摩堤通り横断対策検討」も明記された。協議は1年以上継続しているが、目立った進展が見られなかった。今回、工程表が提示されたことで実効性あるビル風対策の具体化を期待する。

二子玉川東地区第一種市街地再開発組合はビル風対策として植栽やパネルを設置しているが、住民からは効果がないと批判されている。住民からは特にビル風の強い多摩堤通りを横断するために「屋根つきの歩道橋」や「地下道」を求める声が出ている(二子玉川の環境を守る会NEWS No.36)。「多摩堤通り横断対策検討」が住民の期待に応えられるか、要注視である。

住民は協議で風速の定点観測を強く要望した。二子玉川ライズ敷地外の強風ポイントでの風速の24時間365日の定点測定である。指示記録計の設置は過去の協議でも要望していたものである(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「世田谷区民が二子玉川ライズのビル風問題を世田谷区と協議」)。しかし、世田谷区側は「まず風工学の専門家と相談してから」と及び腰の回答であった。これには住民は失望した。そもそも専門家はデータのないところで判断できない。データなしで専門家に相談しても有効な回答は得られない。専門家に相談するためにもデータの蓄積が必要である。

住民からは様々な問題点が指摘された。

第一に回転灯の音声案内の音量である。住民に強風を注意喚起するために音声案内が設置されたが、強風時は音が聞こえない。音量を見直す必要がある。

第二に西陸閘の横断歩道以外の強風時の危険箇所での対策である。交通広場の北側や東陸閘の横断歩道も強風の危険がある。高齢者がしがみついている現場を見た。事故が起きる可能性もある。これらの場所にも警告灯や補助員が必要である。

第三にファーストフード店の臭気である。冬は臭いだけであったが、夏は熱風と臭気で気分が悪くなる。臭気の滞留もビル風と同じく高層ビルの構造の問題である。横断歩道で待っている人のところに臭気が流れてくる。

第四に強風時の補助員の活動指針が不明確である。バスの乗降客の誘導はするが、二子玉川南地区からの住民の手助けはしない。補助員を出す条件・判断主体、補助員の人数、補助員の仕事内容、緊急連絡先などを含むマニュアルの提示を求めた。

また、今回の協議では指摘できなかったが、近隣住民は「二子玉川ライズ ガレリア」で開催されるイベントの騒音問題も抱えている。



協議は前回(2012年7月13日)協議の報告書(議事録)の訂正要求で始まった。

住民「『区として抜本的な案を出して欲しい。年末までに見通しを出して欲しい。来年度予算で執行できるように出して欲しい』との趣旨の発言が抜けている」

住民「同じく具体策を示して欲しいとの要望があったことを加えて下さい」

住民「前々から土木建築の専門家だけでは分からないから、電気技術職を入れるように主張していた。世田谷区側から『何故、電気技術職が必要なのか』と今頃になって尋ねられることが問題である。保坂区長は真剣に安心安全と言っているのか。それを区職員は踏襲しているのか」

区「区長の掲げる安心安全の街づくりや開発では住民の意見を聞くという方針で対応している」

住民「12月に組合から断られたことを理由には風速データを出せないと言ってきた。住民をだましたことにならないか」

区「何月何日の風速という形での提供を想定している」

住民「24時間365日のデータを要求している。だましていることにならないか」

区「だましていない。回転灯設置や音声案内などの対策をしている」

住民「十分と思っているか。目標管理はしないのか。工程表を示してください」

区側が工程表を配布する。

区「一期組合は今年度で解散する予定。追加の風対策は二期組合で対応すると確約が取れている。道路のパネルは組合が設計して区が承認した。道路法の許可を得て設置している」

住民「道路交通法上の問題はないか」

区「道路法の許可を得ており、道路交通法上の問題はないとの認識である」

住民「怪しげである。玉川警察署に確認するので、担当部署を教えて下さい。風対策で植えた植栽の種類は何か」

区「シラカシ。常緑樹である」

住民「NECスーパータワー(日本電気本社ビル)では建物の中が空洞になっていて風が抜けるようになっている。二子玉川ライズの植栽は木が育ち、枝が伸びると建物を傷つける。輻射熱で片側が枯れてしまう。あれだけ接近した場所に植えたら防風林としては無理。効果があると思っていますか」

区「皆無とは思っていません」

住民「十分と思っていますか」

区「十分とは思っていないので、このように色々としている」

住民「有識者を集めるとのことであったが、有識者のメンバーを教えて下さい」

区「集めるということではない。風工学の専門家の知恵を借りる。環境アセスメントの見直しは予定していない。制度上必要という形にはなっていない。パネル設置などはアセスメントとは関係ない。現地の風対策である。検討会では、これまでの風対策に効果があったかについても検討していきたい」

住民「問題が生じているのに二期事業が完了するまで環境アセスメントをしないのか」

区「現行制度では中間アセスメントという定義はない」

住民「世田谷区拠点整備部としては必要ないと考えているのか」

区「環境アセスメントの考え方として、事前に評価を行い、万が一、事業完了後に影響が大きいようならば改善策を採る」

住民「ビル風のように建物完成を待たずに問題が分かっているならば、竣工まで待つ必要はない」

区「皆様の御意見を聞いて改善しようとしている。アセスメントの制度は別である」

住民「問題が起これば早く対策するということで宜しいか」

区「検討している」

住民「過去に定点測定の数を増やし、24時間測定することを提案した」

区「風の測定をするとは考えていない。専門家の意見を聴いた上で検討する」

住民「それには真っ向から反対する。世田谷区には一歩踏み出せと言ってきた。事故が起きることを前提に考えなければならない。現実に怪我人が出ている。今頃になって検討会を立ち上げる、平成26年度までの計画とは何を言っているのか」

住民「前回、『敷地内は組合の計っているデータ報告を受け、区としては把握していける』との説明があったが、それは正しいか」

区「1-B街区で三箇所測定している。回転灯の場所と交通広場の植え込み、北側である」

住民「それで敷地をカバーしているのか。高層マンション『二子玉川ライズ タワー&レジデンス』もポイントである」

区「マンション敷地には設置していないが、(マンション敷地に隣接する)二子玉川東第二地区に設置する」

住民「区が設置しなくてどうするか。再開発組合がデータを出さないと言えば、それで終わってしまう」

住民「再開発組合の設置した風速計のデータが自動的に世田谷区に送られるような仕組みになっているのか」

区「なっていない」

住民「組合が測定しているだけでは不十分である。生のデータが区に来る必要がある」

住民「住民にとっては敷地外の風速が重要である。住民が影響を受けるのは敷地外である。近隣の住宅の屋根が飛ばされる、植木がひっくり返されるとの被害を受けている。(世田谷区が購入した)2個の携帯型風速計だけでは不十分である。専門家の意見を聴いて必要があれば測定すると主張するが、拠点整備部ではどうなのか」

住民「区が責任を持って測定すべき。ビル風によって植木鉢が頻繁にひっくり返っている。他の地域とは異なる強風が吹くという事実を区は把握しなければならない」

住民「ゴールデンウィークに検討すると言っていたのに、これから検討会では誠意を感じない。電気技術職を入れろと言っているが、改善されていない」

住民「敷地外についても『何月何日の風速データを教えてください』と住民から要望があれば世田谷区には答える義務がある。それはできるのか」

住民「まず測定するという態度が先になくてはならない。専門家が言ってから計るという姿勢では駄目だ。そもそも計る必要があるから風速計を購入した筈である。現実にビル風被害を受けている住宅に設置したらどうか」

住民「世田谷区は住民には風速計を貸し出さないと言っている。世田谷区は住民を舐めている。所管が責任を持つと言っていたのに何もしていない。世田谷区は再開発組合に舐められている。丸呑みにされている。ビル風による負傷者が出ていることを区長は知っているのか」

区「区長は議会答弁で言及している」

住民「『このままでいいのですか』と区長に詰め寄ってください」

住民「敷地外の測定は必要」

区「要望としてうかがいました」

住民「それは、やらないとの回答と同じだ」

区「現時点では必ず測定するとまでは至っていない。区が計測することは一つの候補とは思っている。それなりに経費がかかることであるため、簡単には結論を出せない」

住民「来年度の予算で執行できるように予算請求までに結論を出して欲しい」

区「予算請求は全般的に厳しくなっており、厳しいと考えている。まず風工学の理論に基づいて問題点を整理したい」

住民「それは前任者から聞いて下さい。我々は何年も棒に振っている。メーカー(建設会社)に聞けばいい。三田国際ビルでは建物竣工後にビル風の影響を調査している」

区「植栽など進展もある。不十分とお叱りを受けるかもしれないが」

住民「東急が風速データを出さないと言えば、区は住民には公表できないと言う。みっともないと思わないか。所管・所管と言うが、何の責任を果たしているか。工程表が平成26年度まで続くことは対応として遅すぎる」

区「平成26年度まで続いている理由は二子玉川ライズ二期事業の工事が続くためである。早期に対策できるものは適宜実施する」

住民「一期事業の風害が問題である。二期工事は関係ない」

区「二期工事も影響を及ぼすから無関係ではない」

住民「二期工事があるから、一期工事の問題を先送りすることは駄目」

区「そのような趣旨ではない。回転灯や音声案内などの対策を採っている」

住民「一期事業の問題は未解決という認識である。専門家とはどのような検討をするつもりか」

区「植栽やパネルの設置など従前の風対策について専門家の意見を聴く。もう少し上手く実施できたのではないかとの反省もある。風環境の現況や変動を把握する。二期事業では早め早めの対策を採る。一期事業の風対策は問題が起きた後であった。できることはやっていきたい」

住民「植栽は効果があったか」

区「木が大きく育てば育つほど効果はある」

住民「建物と植栽の位置関係では樹木は大きく育たない」

区「育ち難いところでも工夫や検討の余地はある」

住民「無理だ。最初の環境アセスが間違っていた」

区「アセスは事業実施後の事後アセスで判断する」

住民「(アセスの制度を定めた)東京都を当てにはしていない。世田谷区はどうなのか。保坂区長は安心安全と言っている」

住民「工程表の各タスクの主体がはっきりしていない。世田谷区なのか再開発組合なのか」

住民「全て世田谷区が責任を持つべきである」

区「多摩堤通り横断対策から、その他の対策まで組合の負担で行うべきものと考えている。検討会は区の負担と考えている。来年度は正式に専門家を招く。そのために報酬が必要である」

住民「風対策は区の責任であり、区が約束して下さい。区は区民を守る立場である」

住民「組合では植栽は完了したとの認識ではないのか」

区「追加・補強を求めることはある」

住民「組合には多摩堤通り横断対策を組合が負担するとの認識はあるのか」

区「組合に話しており、御理解をいただいている」

住民「できることを約束して下さい。掛け声だけでは仕方がない。形で見せて下さい」

住民「工程表に定点測定を入れて下さい」

住民「定点測定は簡単である。50万円でできる。敷地外の測定結果がなければ対策を採りようがない」

区「いかなる目的で敷地外で測定するか、整理できていない」

住民「現実にビル風の被害が起きている。近隣住民の敷地には折れ傘が捨てられる被害も受けている。壊れた自転車まで捨てられた。測定しなければ進まない。来年度予算で測定を」

区「測定して数字が出たとして何をやるかが明らかにはならない。そこから対策が導き出せない」

住民「東急の測定が正確であるか、判断材料になる」

区「風速は測定ポイントによって異なる。区としても風が強い場所は把握している。横断歩道や交通広場である。風対策の効果の予測は難しい」

住民「一歩踏み出して、24時間測定して欲しい。できないとの言葉は逃げである」

区「逃げるつもりはない。風の強い日に測定しており、それを継続する」

住民「区はビル風を災害として考えていない。防災の面から考える必要がある。風速計を置くか置かないのか。近隣住民は傘を捨てられる、自転車を放り投げられるという被害に遭っている。現地現場主義でなければならない。実施して駄目な部分は直す」

住民「具体的な問題が出てきているので、それを説明する。

まず回転灯で音による警告が出されるようになったが、強風時は音が聞こえないという問題がある。回転灯設置前は『住民の立会いの下に検討しましょう』という話であったが、実運用を踏まえてということで住民の意見を聞かれないままになっている。見直す必要がある。

次に強風時の危険箇所は西陸閘の横断歩道だけではない。交通広場の北側にも非常に強い風が吹く。警告灯や補助員が必要である。高齢者がしがみついている現場を見た。東陸閘の横断歩道も危険。事故が起きる可能性もある。

強風時の補助員のマニュアルはない。前回の打ち合わせで出た区のマニュアル作成はどうなかったか。

ファーストフード店の排気が改善されない。冬は臭いだけであったが、夏は熱風と臭気で気分が悪くなる。これもビル風と関係する問題である。横断歩道で待っている人のところに臭気が流れてくる。熱くて臭い」

住民「乱流の問題である。乱流は理論では扱いが難しい。やってみなければわからないから踏み出すべきである」

住民「再開発組合の補助員はバスから降りた人を誘導するだけである。多摩川方面から来た人は無視している」

住民「世田谷区が再開発組合に丸投げだから起きることである。再開発組合は住民の安心安全に責任を持たない」

住民「マニュアルを住民に見せて欲しい。ガレリア南側出口のスクリーンは風速毎秒8メートルで閉められるというが、その判断主体が曖昧になっている。責任者はいないのか。きちんと知っておきたい。命令系統や緊急連絡先を住民に周知すべきである」

区「責任者はいるはず」

住民「区が『はず』という回答では駄目。事実を確認していないのか」

区「一般論を話したまでである」

住民「組合は『風速8メートルになったら門を閉める。要因が必要かは判断する』と説明している。区は組合のマニュアルを納得しているのか。丸投げでは困る。区としての行動規範を作ったのではないか」

区「持っている」

住民「それを見せて下さい」

区「区のマニュアルは区職員の行動規範であって、事業者に対するものではない」

住民「それは違う。前回の打ち合わせで『区のマニュアルも作り、事業者に対しても申し入れしていく。できることはしっかりやっていく』と書いてある。強風時に何人の要員が来て、何をするか、明確に定義し、組合を指導すべき」

住民「3月末の強風時に補助員は出ていなかった。組合が区と約束したことを果たさなければどうするか」

区「罰則はない」

住民「だから組合のやりたい放題になっている。24時間どのような体制になっているか、区は把握しているか。強風時に補助要員を何人出したか、区は都度報告を求めているか」

住民「マニュアルを次回提示していただく。防災として捉えて欲しい。組合の体制も周知して欲しい」

区「組合のマニュアルは出せるか分からない。内部文書なので、区が受け取っても住民への開示は同意が得られない可能性がある。現状を確認した上で対応させて下さい」

住民「音声を大きくすることは誰にでもできる。東急にやらせれば済む話である」

区「ファーストフードの悪臭については二子玉川ライズの建物管理者に改善を申し入れた。改善を検討しているので待って下さいとの回答であった」

住民「住民のために口を出して下さい。期限を定めなさい。いつまでにという話が出てこない。臭いの問題は普通のデパートではあり得ない。食品売り場や飲食店の臭いが他のフロアに来たら致命的である」

住民「前回の打ち合わせでは検討会について『7、8月中に立ち上げ準備を行い、9月、秋以降には専門家を含め立ち上げたい』とのことであった。現状はどうなっているか」

区「メンバーを集めて、状況を説明した。担当者レベルの会合は実施した」

住民「検討会の名称は決まっているのか」

区「名称はない。正式に付けるとしたら風対策となる」

住民「前回の話からすると立ち上げが遅い。早く立ち上げて欲しい。『やる、やる』と言ってから、時間が経っている」

住民「予算が厳しいとの話であったが、二子玉川ライズ二期事業の補助金7億円を削減しているのだから、定点測定を実施して欲しい」(注:削減額7億円は国税を含めたもの。区税は約3億円)

住民「区民が被害を受けており、その実態を調べることが目的になる」

住民「区のマニュアルはいつもらえるか」

区「2、3日後に電話かファックスで回答する」

林田力


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。