林田力『東急不動産だまし売り裁判』研究



等々力2丁目コインパーキング建設計画に批判


世田谷区等々力2丁目のコインパーキング建設計画が近隣住民から批判されている。計画地は東急大井町線尾山台駅の側である。4メートルの細い道に面した場所である。但し、電信柱などもあるため、実質は4メートルよりも細い道である。この道は元々私道で、現在は区道である。

そこに不特定多数が駐車するコインパーキングが建設されると住環境が悪化する。狭い道に不特定多数の車が入ることは通行の危険を生じさせる。子ども達の遊び場にもなっている。保育園への通園路にもなっている。幼児が三輪車で遊び、自転車の乗り方を学ぶ道でもある。

コインパーキングでは騒音や排気ガスも発生する。車の扉を閉めるだけで音が響く。深夜も含む24時間、頻繁な出入りがあるために住民の迷惑は甚大である。不特定多数が入ることは防犯面の不安もある。住民は契約者が特定し、車の利用パターンも決まっている月極め駐車場ならば許容できると述べている。

住民側が疑念を高めた背景に事業主の建設方式がある。コインパーキング計画地は狭い通りにのみ面する奥まった通りにあるが、その隣の表通りにも面した土地に同じ事業主が賃貸アパートを建設している。このため、近隣住民はアパート住人向けの駐車場と受け止めていた。それを否定する説明を事業主もしなかった。コインパーキングは住民にとって寝耳に水であった。住民側はコインパーキングにするならば、表通りに面した土地にすべきてあったと指摘する。

このコインパーキングの説明会が11月30日に玉川支所で開催された。事業主本人は高齢を理由に出席せず、娘夫婦とコインパーキング運営業者が出席した。住民側は月曜日に連絡して金曜日に開催する、勤め人が参加しにくい時間帯に設定されたことを問題視する声が出た。また、説明会開催の案内が周知されていない、住民をフォローしていないと批判された。そもそもコインパーキングにすることを2日前に知ったという住民もいる。

説明会冒頭では事業主側から「どうしてコインパーキングが悪いのか」と開き直った発言がなされた。「事業の一環として進めたい」「地域の迷惑になるかは分からない」などの発言が続いた。「月極駐車場よりもコインパーキングの方は実入りがいい」との本音も出た。

これに対して住民側は「狭い道に不特定多数を呼べば事故になる」など様々な問題を指摘した。今でも車の出し入れを隣近所で譲り合っている状態である。顔見知りの隣同士だから譲り合いできるが、コインパーキング利用者が住民に配慮するとは思えない。それに対して事業主側は「譲い合いの精神で」 と言った。これは自分達の金儲けのために住民に迷惑を押し付ける発想である。住民が一方的に譲ることは譲り合いとは言わない。

コインパーキング運営業者は事故が起きても責任は持てないと述べた。ゴミが散乱する原因になるために自動販売機の設置を取りやめ、防犯カメラを設置した点は近隣住民への配慮と述べた。しかし、住民からは「コインパーキング利用者に通り抜けさせない措置が必要」「コインパーキング利用者が塀を乗り越えて侵入する危険が高いので、塀を高くして欲しい」「小便やゲロなどで汚される」などの不満が出た。

住民側は「手をかけずに金儲けだけを考えるな」と批判する。住民側は街づくりのために働いてきた。東急電鉄とも戦ってきた。大井町線の急行で沿線の騒音・振動が激しくなった。東急と交渉してロングレールにさせた。住民側は様々な選択肢を持っている。事業主側がコインパーキング前提に固執するならば話し合いではない。

住民側は事故や犯罪などコインパーキングによる様々な問題を指摘したが、事業主側は「何故、事故が起こることを前提に考えるのか」と反論した。これには失笑を禁じ得ない。これは福島第一原発事故をもたらした原発推進派と同じ論理である。事故が起きれば「想定外」と責任逃れし、被害者には「ザマーミロ」と隠れて舌を出す。無責任な悪徳業者と同じである。

住民側は会社の姿勢を知るためにCSRの提示を求めたが、コインパーキング運営業者はCSRをないと回答した。代わりに親会社の抜粋版を提示した。

事業主一家は古くからの地主である。近隣住民が家を建てる時には「ピアノ教室があり、子ども達が出入りするので、車の出し入れには注意してください」と言われたという。それにも関わらず、自分達が土地利用する際にはコインパーキングとすることは矛盾である。

月極駐車場よりもコインパーキングの方が住民にとって迷惑になることは自明である。どうして「ご迷惑をおかけすることになる」と言えないのか。自販機設置しないなどの小手先だけの対応で住民に配慮しているなどと胸を張るのではなく、迷惑をかけることを認めないのか。事業主の発想に貧困を感じた。

コインパーキング建設反対運動は珍しい。コインパーキング運営業者も説明会開催自体が初めての経験と述べていた。この問題は住民しか利用しないような細い道しかない場所にコインパーキングを作る特殊性が根源にある。世田谷区では路地状敷地の重層長屋問題というニッチな建築不動産紛争で社会に問題を提起した。これも重層長屋そのものよりも、ロフトを作るなどの脱法性を問題視したものである。今後はコインパーキングの弊害に注目が集まる可能性がある。



コインパーキング計画地

コインパーキング計画地

コインパーキング計画地

コインパーキング計画地が面する細い道路。左手の建物は同じ事業主が建築した賃貸アパート。






東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。