林田力 東急不動産だまし売り裁判



東急大井町線高架下追い出しは居住の権利侵害


東京急行電鉄(東急電鉄)による東京都品川区の大井町線高架下住民追い出しは居住の権利(the right to adequate housing)を侵害する。「住まい」は人間らしい生活を営むための基盤であり、生存権(憲法第25条)の基礎である。トルコのイスタンブールで1996年に開催された第2回国際連合居住会議はイスタンブール宣言を満場一致で採択し、「居住の権利」が基本的人権の一つであることを再確認した。

そして国連人権委員会「強制立ち退きに関する決議」は強制立ち退き行為を「人権、特に適切な住宅への権利に対する重大な違反」と定める。東急電鉄の立ち退き要求は人権に対する重大な違反である。東急電鉄は高架下住民の生活・営業保障もせず、代替住宅や代替店舗も提供しない。耐震補強工事を立ち退きの名目にするが、工事終了後の帰還も保証していない。

東急電鉄による高架下住民追い出しは深刻な問題である。住民にとって生活や生業の場であり、賃借権の相場を下に立ち退き料を幾らか払えば済むという話ではない。そのような土俵での議論にしてしまうことが根本的な誤りである。住民達は生活に困り果てている。環境を守り、命を守るために、緊迫した状況になっている。住民の声を聞いて欲しい。住民には生活保障が必要である。その思想的バックボーンとなるものが居住の権利であり、人権である。

金儲け優先で不誠実な東急に対しては人権で対抗することが有効である。人権論は、どれほど経済的ニーズがあろうとも、「居住は人権であり、人権侵害は許されない」と絶対的な人権で否定する論理である。ここには論理的な強さがある(林田力「マンション建設反対運動は人権論で再構築を」PJニュース2011年6月17日)。日本の問題は裁判所も行政も国際人権に冷淡であることである(國信綾希「障碍者権利条約に関する一考察」慶應義塾大学大学院法学研究科論文集第52号、2012年、91頁)。それでも諦めないことが大切である。

東急不動産だまし売り裁判でも消費者契約法による取消という消費者の権利で対抗した。東急不動産だまし売り裁判は東急リバブル・東急不動産は不利益事実を隠して新築分譲マンションをだまし売りした事件である。

東急リバブルも東急不動産も隣地建て替えにより、日照・眺望・通風が皆無になることを販売時に説明しなかった。この東急不動産だまし売りの核心は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)で明確に説明した。

東急不動産だまし売り裁判によって明らかになった東急グループは、まるで封建時代の組織であり、近代企業としてのコーポレートガバナンスや社会的責任、さらには危機管理意識も無きに等しい。社内には尊大で狭量、かつ自己満足的な世界観が醸成されている。大井町住民は長年、高架下を借りて家賃を支払い、東急電鉄と共に東急沿線の発展に貢献してきた。その高架下住民を一方的に追い出すところに東急電鉄の無神経さ、非情さ、忘恩がある。

居住の権利への注目は運動論的にも意義がある。居住の権利や住まいの人権を掲げた運動があり、活発に活動している。悪質なゼロゼロ物件業者の宅建業法違反を告発した「住まいの貧困に取り組むネットワーク」などが活動している(林田力「住宅政策の貧困を訴える住まいは人権デー市民集会=東京・渋谷」PJニュース2011年6月15日)。

居住の権利は阪神大震災でも問題になった。被災地に強引に再開発ビルが建設され、昔ながらの住民が追い出され、再開発ビルに入居した商店主も借金だらけで夜逃げするという悲劇が起きている。東急不動産は東日本大震災で復興支援をしているが、被災地を搾取することになるのではと懸念される。住民不在の再開発は二子玉川ライズにも重なる。

東急を失速させられるものは市民の声と行動である。東急不動産だまし売り裁判を大きな前進と捉えた上で、気持ちを弛めず、さらに全国的運動を盛り上げよう。東急に対して居住の人権侵害反対のアピールと抗議を行っていこう。東急の暴挙を絶対に許さないために、ご協力をお願いする。




東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。