林田力 東急不動産だまし売り裁判



保坂展人・世田谷区長と語る車座集会が等々力で開催


保坂展人・世田谷区長と語る車座集会が2011年9月24日、世田谷区等々力の玉川区民会館で開催された。区長が区内各地で開催すると約束した車座集会の一つである。

車座集会は事前に応募した40人程度の住民と区長が話し合う集会である。区民の一度の発言時間は3分という制約があるものの、テーマは限定しない。意見や提案を一緒に考える場との位置づけである。

集会では東日本大震災を反映して、防災上の話題が集中した。東日本大震災での実体験から防災対策上の不備が指摘された。その一つが帰宅困難者の問題である。ある区民は「様々な防災訓練をしてきたが、帰宅困難者に対応した訓練はしてこなかった」と述べた。

これに対して、保坂区長は「帰宅困難者の問題は各地から寄せられている」とし、「休日の日中に大地震が起きたら、(大勢の買い物客などが集まる)二子玉川や下北沢では多数の帰宅困難者が発生する。現状では困ることになる」と現状の不備を認めた。「学校などの避難所に誘導するとしても、学校が路地を入った分かりにくい場所にあることもある。標識なども課題」とした。

また、保坂区長の公約「大型開発の見直し」の具体的適用として二子玉川再開発(街の名称:二子玉川ライズ)のビル風や東急大井町線の地下化の問題が話題になった。ビル風の問題は一向に解決していないことへの不満が表明された。

「二子玉川ライズのビル風は高層ビルの建設中から問題になっていたが、一向に解決していない。対策をやると言いながら引き延ばしている。土木部門だけでは解決できず、部門の垣根を越え、さらに行政と民間の垣根を越えて情報共有し、解決の知恵を絞るべき。4月に年配の女性がビル風にあおられて転倒し、骨折した。風害は二子玉川に、あれだけの高層ビルを建設したことに起因する問題である。東急は未だに見舞いに行っていない。赤い血が流れていない。」

これに対して、保坂区長は「風対策をスピーディーにすること」が課題であると認めた。また、「他所から訪れる人に比べると、現に居住している住民にとっての風害の深刻さは異なる」とした上で、「大場啓二区長時代から始まる再開発計画に対して、いかに住民の声を活かしていけるのか努力したい」とまとめた。

東急大井町線等々力駅の地下化については賛否両論が噴出した。等々力駅の地下化は等々力渓谷などの理由で強固な住民反対運動が起きている問題である。賛成派は踏切の危険性から地下化の推進を求めた。これに対して反対派は、そもそも東急電鉄の進める地下化は急行追い抜きの待避線が目的であり、踏切の解消にならないと反論した。

さらに別の区民からは「東日本大震災や福島第一原発事故を踏まえ、二子玉川再開発や大井町線地下化の問題は、大きなビジョンで考えるべきではないか」との発言がなされた。

車座集会では区長の政治姿勢も質問された。区長の職員向け発言「行政は継続性が重要。95パーセントを継続」の趣旨が問われた。これについて、区長は「5パーセント変われば全体が大きく変わる。区長が変わったからと言って、たとえば住民票の色を変えるようなことはしない」と答えた。

区長交代による変化のための変化を否定する区長の回答は正論である。しかし、これは二子玉川ライズや下北沢の開発に反対する住民とはギャップがある。開発反対の住民運動は「開発政策が間違っている」「開発の進め方が間違っていた」と主張する。過去の開発政策を前提とした上で欠点を改善することよりも、開発政策が正しいものか、継続に値するかどうかを検証することを期待する。

世田谷区では熊本哲之前区長時代にもタウンミーティングを実施していた。タウンミーティングと比べると、車座集会は人数を絞ったために参加者から発言できないことの不満はなく、荒れることはなかった。それでも発言時間は制限されており、十分に話せない不満は残った。

「意見や提案を一緒に考える場」との位置づけであったが、発言と回答で終わってしまい、問題意識を深められたとは言い難い。土手の草刈りや公園の鍵管理など普段から支所や出張所レベルで住民の意見を聞いていれば対応可能な問題も多く、区政の根本的な問題を論じる時間的余裕はなかった。住民参加の実を上げるには一工夫が必要である。

その後、保坂展人区長は上記記事に対し、9月28日に自身のtwitterで「課題として書かれていることはその通りと思う。」とコメントした。


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。