林田力 東急不動産だまし売り裁判



新しいせたがやをめざす会懇談会


新しいせたがやをめざす会は2012年6月3日に「世田谷区政の現状と課題を考える懇談会」を世田谷区上馬の東京土建世田谷支部会館で開催した。保坂展人世田谷区長も出席して発言した。東急電鉄・東急不動産中心で進める再開発・二子玉川ライズへの反対意見も強く寄せられた。二子玉川ライズの危険性と調査の必要性を広くかつ鋭く問題にできるかがが、ギリギリの局面を切り開く鍵になる。以下では二子玉川ライズ問題に関連する発言を紹介する。

中村重美氏は「保坂区政の現状と課題―『めざす会』としての問題提起」の中で不十分な側面として二子玉川ライズなどの開発問題を挙げた。「大型開発優先区政からの転換」を掲げた選挙時公約を未完と評価する。都市計画道路や市街地再開発などについて情報公開や住民参加という「事業の進め方」は提起されるが、「個別具体的な事業名」に触れた見直しの方向性は示されない。

「道路・大型開発優先区政からの転換」を求める区民の選択が保坂区政の誕生を生み出した。果たして「区政の転換」を求めた区民の期待に応えて、区政改革が進められるのか、大きな岐路に立っていると指摘した。

保坂区長が増え続ける空き家の活用に言及したことに対し、住民からは新築分譲マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」が空き家増加の一因と指摘された。今は中古の住宅を売却したくても買い手がつきにくい。二子玉川ライズのような新築マンションが大量供給されることで、まずます中古住宅は売れなくなる。

その結果、空き家が増え、世田谷区を悩ませている。従って世田谷区が二子玉川ライズに税金を投入することは住宅政策の矛盾である。中古住宅を保有する区民を苦しめ、世田谷区に空き家対策の尻拭いをさせることになると語った。

「二子玉川ライズにはもちろん反対」という住民は「具体的な見直しについて住民と世田谷区が少しでも解決に向かって取り組むようにする」ことを訴えた。具体的に二子玉川で積み重ねている努力の実績が今後の世田谷の街づくりの試金石になるように住民も努力する。二子玉川ライズの問題は近隣住民だけの問題ではない。

区長にも区の職員の皆さんにも一緒に取り組んで欲しい。既に担当部署の方は住民の生の声を聞こうという場を作っているので、それを少しずつ積み重ねていってそれを生かせるようにしてほしい。

二子玉川は官庁街などのビル街とは違う。人が住んでいる住宅街である。高齢者も子どもも障害者も居住している。そこに不釣り合いな超高層ビルができたために被害が大きくなっている。二子玉川ライズ周辺で具体的に起こっている被害について、住民アンケートでも「困った、困った」だけではなく、「こうしてほしい」という意見が出ている。それを具体的な形のある解決策にしてもらいたいと語った。

二子玉川ライズの風害についても意見が出された。世田谷区の部署と3年間も協議を続けているが、「やるやる」と言って何も進んでいない。その間にもビル風で転倒した負傷者が3人も出ている。ビル風で転倒した老婦人は怪我で腕が上がらなくなってしまった。

風速10メートル程度の風が吹いた時には職員を出すという話になっているが、全て住民からの通報で出ているような状態である。区の担当者は異動でいなくなり、誰も責任を持たない状態である。「自分達が責任持つ」というようなこと言いながら誰も責任を持たない。2012年3月31日は、とても風が強かったために区の役職者に電話をしたが、来なかった。後から漏れてきた情報では妻と熱海に花見に行っていたという。これで務まる訳がない。このようなことが許されていいのか。是非区長にもお伝え願いたいと訴えた。

会場からの意見では二子玉川ライズ以外にも梅ヶ丘病院跡地問題など個別の問題を抱える人々の切実な声が続出した。これらは選挙前の政策作りの段階から指摘されていた内容である。選挙前と同じ意見が続出したということは厳しい見方をすれば保坂区長就任による前進を実感できていないということになる。

これは深刻な問題である。裏切られたと感じた支持者が強固な批判勢力になる例は珍しくない。最近の民主党が好例である。その意味では、個々の問題を抱える人々を包含し、区長と対話する場を設けた「新しいせたがやをめざす会」の枠組みは貴重である。


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。