林田力



二子玉川ライズ図書館ターミナルに反対続出


二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期事業)地域内への世田谷区立図書館ターミナル入居計画に対して住民の反対意見が続出している。世田谷区は「二子玉川東地区再開発第2期事業における公共施設に関する説明会」を2013年10月17日19時から世田谷区等々力の玉川区民会館第1・第2集会室で開催したが、住民の納得が得られたとは言えない。

二子玉川ライズに対しては住環境破壊、公共性がない、税金の無駄遣いなどと批判されている(林田力『二子玉川ライズ反対運動1』「二子玉川ライズは街壊し」)。住民による裁判も起きている。東京高等裁判所第1民事部(福田剛久裁判長)は二子玉川ライズ行政訴訟を棄却したが、住民は最高裁に上告した。

世田谷区は二子玉川ライズに公共施設を入居させることで、公共性を出そうとする。これは二子玉川ライズ住民訴訟の口頭弁論での世田谷区長側の以下陳述に沿ったものである。「地域住民にとって身近な公共性・公益性をさらに高める観点から、図書館等と交流スペースの設置など、公共空間の拡充の実現に向けて事業者との協議も始めております」。しかし、それは住民の求める公共性とはギャップがある(林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』「二子玉川ライズ住民訴訟が実質的和解で終結」)。

世田谷区は6月に住民向けの説明会を開催し、図書館ターミナル入居案を披露したが、世田谷区が払う賃料の高額さなどから反対意見が続出した。莫大な賃料を支払う世田谷区案更なる税金の無駄遣いと批判された。現実に破綻した再開発の尻拭いのために公共施設を入居させ、税金で補填するケースがある。この6月の説明会で出た意見などを基に検討し世田谷区を説明するために今回の説明会になった。

説明会では二子玉川ライズへの図書館ターミナル入居への賛成意見は皆無であった。世田谷区が二子玉川ライズへの図書館ターミナル入居に熱心になるのか理解できない。住民は図書館ターミナルを求めていない。住民が求めている施設は集会所や図書館である。二子玉川ライズへの入居も住民の希望ではない。住民にとって人工地盤の上の二子玉川ライズは行きにくい不便な場所である。

世田谷区にとっても問題がある。世田谷区は公共施設の維持管理・更新費用が財政負担となる中で無責任に公共施設を新設できないと説明する。それならば住民が望まない図書館ターミナルは白紙にすべきである。世田谷区は公共施設の維持管理コスト軽減のために新規の公共施設は複合施設としたいとする。二子玉川ライズへの図書館ターミナル入居は、これに反する。集会所と図書館を併設すれば複合施設になる。

世田谷区は図書館ターミナルの開設と本格的な公共施設整備の検討は別個の問題であり、平行して進めたいと説明する。しかし、世田谷区は財政事情の厳しさを強調しており、図書館ターミナルの先行投資は本格的な公共施設整備の障害になる。世田谷区が本気で玉川への公共施設整備を検討しているならば、図書館ターミナルは二重投資になる。財政投資の論理では図書館ターミナルを新設した事実が玉川の公共施設整備を後回しにする立派な理由になってしまう。

また、図書館は社会教育機関である。カウンターだけの図書館ターミナルで社会教育を果たせるか疑問である。説明会は住民向けであり、住民の立場からの反対意見になったが、公務員労働運動などの見解も聞きたいところである。



二子玉川ライズ図書館ターミナルのコスト

二子玉川ライズへの図書館ターミナル新設はコスト面からも問題がある。今回の世田谷区案は再開発組合側が無償提供に合意したために賃料が無償になったが、後出しである。東急不動産だまし売り裁判と共通する東急の不誠実な体質が垣間見える。

しかも、賃料は無償でも再開発ビルのテナントとして管理費(共益費)は支払わなければならない。賃料の無償は贈与にならないか、固定資産税の扱いはどうなるか、不明点が残っている。図書館ターミナルには運用コストがある。

図書館ターミナルが民間委託を予定している点も問題である。二子玉川ライズは東急電鉄・東急不動産主体の営利性の強い再開発である。同じ東急グループの東急コミュニティーは公立図書館の指定管理者になっている。東急コミュニティーの共同事業体が指定管理者となっている図書館として板橋区立氷川図書館・東板橋図書館・小茂根図書館がある。二子玉川ライズには膨大な税金が補助金として投入されているが、図書館ターミナルを東急コミュニティーが受注すれば一層の税金が東急グループに流れることになる。

東急コミュニティーの指定管理者としての評価は高くない。東急コミュニティーの共同事業体は杉並区立成田図書館・阿佐ヶ谷図書館の指定管理者であったが、従業員の管理費1600万円着服横領事件が発覚し、撤退を余儀なくされた。港区では指名停止となった。

また、神奈川県は県営住宅の管理者に外部評価委員会で評価が高かった県土地建物保全協会を選定せず、管理料等が低いとの理由で県外の東急コミュニティーを指定するという不明朗な動きに出た。これに対して神奈川県議会・平成20年9月定例会では河野幸司議員から維持修繕費目当てのダンピングの可能性が批判された。また、発注先が東急系列中心になるとも批判された。

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外部評価委員会は相模原地域の県営住宅の選定では、総合点でも委員の数でも県土地建物保全協会が東急コミュニティーを上回る評価をしました。ところが、県土整備部は、東急コミュニティーが提案した事務費・指定管理料が少ないとの理由で、外部評価委員会の判断を覆してしまいました。確かに東急コミュニティーの事務費・指定管理料は、県保全協会より少ない4,939万円で、県が参考指定管理料とした金額に対して74%となっています。しかし、この金額が、指定業務を的確に行うための経費をきちんと計上している額なのか疑問を持たざるを得ません。

県営住宅の指定管理料には、相模原地域で言えば、東急コミュニティーが4,939万円とした事務費・指定管理料以外に3億4,883万円の維持修繕費が加わります。東急コミュニティーには、事務費・指定管理料を少なくして指定管理者となり、3億円を超える維持修繕費で利益を上げる、こうした思惑があると思われます。東急コミュニティーは県内に支店がありますが、本社が東京都世田谷区にあり、3億円を超える維持修繕費については、系列の190社の協力専門会社で進めるとのことですから、東急グループ系列への工事発注が中心となります。県営住宅全体では、今年度の維持修繕費は約32億にもなりますので、この多額の維持修繕費の的確な管理運営、地元中小企業への発注を踏まえても、県営住宅の管理業務を民間に任せるべきではありません。

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二子玉川ライズ公共施設説明会

説明会では最初に宮崎・政策経営部長が挨拶した。公共施設にご意見をいただくために開催した。区の案としては図書館ターミナルを整備することにしたという。

説明は小田桐・政策経営部政策企画課長、花房・教育委員会事務局教育政策部中央図書館長が担当した。小田桐課長「2階の約50平米を整備する。リボンストリートから直接入る。6月の説明時から面積が3分の1に減った。民間事業者への委託を想定する。6月の説明では年間1500万円の賃料としていたが、無償になった」

花房図書館長「図書館ターミナルは世田谷区立図書館ビジョンで図書館を補完する施設と位置付けている。図書館ターミナルは地域図書館と同レベルのカウンター業務を行う。検索機の操作方法が難しいのではないかとの質問が前回なされたが、検索機の操作方法の説明もする」

説明は30分程度で終わり、残りの1時間半が住民との質疑応答である。東京外かく環状道路の説明会は説明1時間に対して質疑応答は30分のみというものもあった(林田力『二子玉川ライズ反対運動11外環道』「外環道・大深度使用認可申請説明会」)。それに比べると、この説明会は質疑応答に多くの時間を割いており、好感が持てる。

以下は質疑応答の内容である。質疑応答では複数の質問を一括して受けて回答した。そのために世田谷区側が全ての質問に回答せずに流れてしまったものもある。

質問「今の内容では6月の説明会に参加者が求めるものではない。私達は図書館ターミナルを求めたのではない。公共施設について総合的な話を聞けると思ってきた。今の話では納得できない」

質問「本の貸し借りだけである。どうして、このような結論になったのか。図書館は本の貸し借りだけではない。それ以外の機能が大事である。閲覧室に人が埋まっていた。子どものコーナーもある。雑誌や新聞を読む人もいる。図書館ターミナルでは課題は解決しない」

質問「区議が一人も出席していないことに驚いた。議員は出席すべきである。ワンルームマンション程度の面積で公共施設と言えるか。

図書館ターミナルは再開発の人工地盤を登らなければ利用できない。高齢者や子どもにはハードルがある。二子玉川ライズタワー&レジデンス寄りで玉川三丁目、四丁目住民は利用しにくい。再開発地域以外に適切な場所はいくらでもある。

無償で提供を受けるとビル風問題などで東急を指導できなくなるのではないか。

多目的ホールを作っていただきたい。この案は一度白紙に戻して、シネコンの一つを多目的ホールにするなどを考えるべきである」

質問「図書館ターミナルは再開発に公共性を持たせるための後付けではないか」

回答「玉川地域は出張所や、まちづくりセンターを新設することも含めて検討している。集会系施設の需要を踏まえて検討する。納得いただける施設の整備を検討している。

すぐに多目的ホールを建設することは用地などの面で厳しい。

図書館ターミナルは暫定施設とは位置付けていない。図書館需要に早急に対応するものである。ターミナルの運営開始後の利用状況を踏まえて検討したい。

図書館ターミナルの端末は指でタッチして操作する。夜間延長など利便性向上を検討する」



質問「第一回目の説明会の宿題に答えていない。玉川高校の跡地がある。図書館ターミナルには反対である。二子玉川には図書館ターミナルよりも大切な問題がある。ビル風問題が大切である。脆弱な計画では、とても進められない。安心安全のまちづくりが先である。本を誰が二階に持っていくのか。駐車場は用意されているのか」

質問「玉川の公共施設は寒い限り。図書館はない。集会所もない。図書館は何かを考えて欲しい。子ども達が本をじっくりと読んでいない。発想を転換して欲しい」

質問「玉川住民は税金の使われ方が他の地域に比べて不公平である。図書館ターミナルは順番が逆ではないか。出張所の新設を検討しているならば、それを先にすべきである。二子玉川地域にどのような公共施設を作るかが先である」

回答「玉川高校の跡地も視野に入れて検討する必要がある。ビル風対策は重要であるが、世田谷区としては平行して進めたいと考えている。まず可能な図書館ターミナルを進めたい。本の運搬については、他のテナントと同様に搬入搬出の手配をしたい。

本来的な図書館が設置されることが理想とは思う。それが建設されるには時間がかかる。その間に図書館ターミナルを利用してほしい。

どういった公共施設の配置が必要かは考えなければならない。それは他の地域も含めて検討しなければならない。現時点で具体的に申し上げられないことはご理解いただきたい。

玉川地域の公共施設はトータルで考えなければならないと認識している。老朽化対策や複合化と結び付けて検討している。示す努力をしているので、お待ちください」

質問「待つ間は計画をストップさせるということか」

回答「平行して進めたい」

質問「ビル風で負傷者が出ている。図書館ターミナルとビル風対策のどちらが大切か」

回答「ビル風問題は調査を進めている」

質問「進んでいない。ビル風問題を提起してから、4年以上経過している。進めるつもりはないのではないか。ビル風注意のテロップを出すように言っている。やる気があれば簡単にできることである」

回答「進めていけるものは進めたい」



質問「場所がないとのことであるが、東急の土地がある。二子玉川ライズには莫大な税金を投入している。二子玉川の公共施設整備の必要性は認めているならば、検討状況を説明してください。東急と交渉しているならば交渉状況を説明してください」

質問「図書館ターミナルは公共施設整備の必要性を誤魔化そうとしている。二子玉川ライズは快適な都市空間になっていない。住民は悲鳴をあげている。税金を投入しての再開発ならば公共的なものを作ることが当たり前である。一度白紙に戻して、しっかりした公共施設を検討してほしい。図書館ターミナルは暫定でなければ到底受け入れられない。この場所に作ることは暫定である。図書館が必要な場所だから。図書館ターミナルを作って後は知らない、定年まで勤めて退職金をもらうということはバカな話である」

質問「計画時に世田谷区は公共施設を作ることを考えなかったのか。東急に条件をぶつけなかったのか」

回答「世田谷区は二子玉川ライズに対して床に対する権利を持っていない。そのために公共施設を作るということにならない」



質問「多摩川の河川敷にコミュニティカフェを作っていいと国土交通省に聞いた。50平米程度のものを作るならば、多摩川の河川敷にコミュニティカフェを作って併設した方がいい。高齢者も子どもも集える」

回答「多摩川の河川敷を使えるという制度があることは知っている」

質問「既に隅田川では使っている」

回答「河川敷は安全性の点で課題がある」



質問「図書館ターミナルは一生懸命論じる話ではない。何か裏があるのではないか。タダほど高いものはない。ビル風問題の解決が先決である」

回答「ターミナル図書館の第一号であり、どれだけ使われるかは分からない。是非、その検証をさせてほしい。ターミナルを作って公共施設の検討が終わりとは考えていない。交渉は行っていない」

質問「往々にして検討は、その場で終わってしまう」

回答「運営にかかる人件費相当は試算では年間1700万円程度と考えている。建物はスケルトンで提供される。そのために内装費がかかる」

質問「本の運搬には屋根のある駐車場がいる。障害者用の駐車場も必要である。考えているか」

回答「運営費は世田谷区が負担する。共益費を払う」

質問「世田谷区は東急に金を払いたくて仕方がないのではないか。管理費はいくらか」

回答「月4、5万円くらいと見られる」



質問「ターミナル図書館ありきにしか思えない。空き家もある。五十平米くらいどこでも借りられる。もっと使い勝手のいい場所に入れてほしい。もっと検討してから決めてほしい。

多目的ホールの場所がないと言うが、二子玉川ライズのシネコンの場所を一つ借りればいい。場所がないというのはやる気の問題である。頭を柔らかくして、拠点として恥ずかしくないものにして下さい」

質問「四年計画に二子玉川の公共施設が入ると理解していいのか」

回答「公共施設を新設するとしたら、管理のことも考えると複合施設として考えたい。そうなると、まとまった土地になる。財政の裏付けが必要になる。今のところは分からないという回答にしかならないが、しっかり取り組んでいきたい」

質問「図書館ターミナルは高島屋の前に作ればいい」



質問「授産施設製品や世田谷みやげ販売の話はなくなったと理解していいか」

回答「スペースを作って授産施設の製品を販売する。世田谷土産の販売も考えていきたい。場所を有効活用したい」



質問「世田谷区は老朽化対策が大事と言うが、二子玉川には老朽化している施設もない。公共施設の整備を優先的に対応してほしい」

回答「世田谷区は公共施設の整備に際して有償・適正価格で借りることが基本。今回は無償で提供いただけるとのことである。

郵便局が移転した理由について世田谷区は関知していない。特定郵便局から直営の郵便局に変わっているので、特定郵便局の存続が難しかったと推測する。個人的な推測である。

公共施設が足りないという住民からの指摘は、どの地域からも出ている。維持管理更新費用がかかる中で、公共施設を増やしていいか、という考えもある。その中で二子玉川については検討しているところである」



質問「二子玉川再開発に世田谷区がどこまで関わっているか。二子玉川ライズは近隣住民を考えていない。バス停の屋根はガラス張りで夏は待っている人に厳しい。世田谷区は再開発にどこまで口を出しているのか、金を出しているだけなのか。公共施設整備を検討しているとの話であったが、何をいつまでにというタイムスケジュールを出してほしい」

回答「世田谷区は二子玉川ライズの再開発組合員ではない。ビル風など口を出すべきところは、しっかり口を出したい。玉川に必要な公共施設を作っていきたいとは考えている」

質問「二子玉川ライズに何をどこに作るか、世田谷区は関知していないということか。住民が望んでいる施設を作るように働きかけなかったのか」

回答「三軒茶屋のように地権者として参加していない。行政指導はしている」

質問「今まで二子玉川ライズに税金を投入しているか。東京駅が五百億でできている時代に七百億円も投入している」

質問「総額で三百億円程度」

回答「もっと使われている。公園が抜けている。都税や国税が抜けている。耳障りのいい話は止めよう」

回答「都税や国税の支出分は分からない」

質問「世田谷区として再開発をどう評価しているか」

回答「ビル風などの問題があるが、広域生活拠点として一定の評価をしている」

質問「全く評価できない。東急の教習所移転費用は誰が出しているか。世田谷区は東急には金を出す。東急自動車学校の移転費用を世田谷区は出していないか。耳障りのいいことばかり話してはダメである。」



質問「用賀や喜多見の地区会館は立派で羨ましい。順番はどうなっているか。政治家の口利きか。色々知恵を絞ってやっていただきたい」

回答「今必死にやっているのは企画課長である。何とか実現したいと思ってやっている。そこは理解してほしい」



質問「次回の説明会を設定するのか。煮詰めていきましょう」

回答「区長に報告する。基本計画のタウンミーティングを予定している」

質問「この話をタウンミーティングでするつもりはない」

回答「年度末に最終案としたい。決定前に案として説明する機会は持ちたいと考えている」


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。