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林田 力 『東急不動産だまし売り裁判』著者

兵庫県警と沖縄県警が交通違反の冤罪

兵庫県警と沖縄県警で交通違反の冤罪が起きた。神戸地裁は2019年4月16日に交通違反の冤罪を認める判決を言い渡した。60代男性が乗用車を運転中に携帯電話を保持したとして交通違反を摘発された60代男性が「違反していない」と訴えた裁判である。


山口浩司裁判長(小池明善裁判長代読)は「的確な証拠は見当たらず、違反行為をしたと認められない」と判断。男性の運転免許更新時に、県公安委員会がこの違反を理由にゴールド免許の「優良運転者」でなく「一般運転者」としたことを違法として取り消した。


男性は2014年6月、神戸市垂水区の国道2号を走行中に垂水署の巡査に摘発された。山口裁判長は、巡査の供述が「客観的な証拠や事実関係と整合せず、信用することができない」とした(「交通違反はなし「巡査の供述、信用できず」 ゴールドから一般免許への変更は違法」神戸新聞2019年4月16日)。


沖縄県那覇署は違反ではないにもかかわらず、道交法違反(指定通行区分違反)による取り締まりをしていた。場所は那覇市真地の県道222号と県道82号を結ぶ真地交差点。これまで判明した無違反取り締まりは2016年3月から18年4月の約2年間で152件。県警は対象者に通知し、違反点数の取り消しと反則金の返納を進めている(「無違反取り締まり152件 那覇署 真地交差点で2年間」琉球新報2018年9月9日)。


警察の職務怠慢の何物でもない。捕まえやすいところでやりたいように違反取締りをしていた結果である。運転手の損害は反則金だけでない。点数減点で仕事が出来なくなったり、任意保険の金額が上がったり、受けられるべき割引が受けられなかった損害がある。


あまりにも理不尽で屈辱的な言いがかりをつけられたと感じるドライバーは多い。「裏でどんな取締りをしても、どんな高圧的な態度で暴言を吐いても、常にテレビでヒーロー扱いされてしまうことが、一部の白バイ隊員の暴走を助長していることに気付いてほしいものだ。白バイ隊に関しては、多くのドライバーが「反則金徴収部隊」だと思っている現実にもっと迫ってほしい」(近藤駿介「白バイ隊はヒーローなのか、それとも「反則金徴収マシン」なのか?」BLOGOS 2018年9月7日)

十連休のリスクと不合理

十連休はリスクがあります。皆が休日が続いて嬉しいと歓迎すると思っているならば公務員は世間知らずです。多くのコンピューターシステムは24時間365日稼働するようになっていますが、平日運用と休日運用を分けています。休日運用が10日も続くことはこれまでなく、何が起こるか分からないリスクがあります。新元号対応以上に危ないとの声もあります。

 

西暦と元号では西暦の方が合理的です。元号は改元でリセットされるという単位として欠陥があります。データベースでは元号の項目と年の項目の2項目を作る必要があります。

 

休みの考え方も日本よりも世界の方が合理的です。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教では週の一日を安息日とします。世の中の進歩によって週休二日になり、AIやロボットの普及でもっと増えるかもしれません。この発想は労働と休みのバランスから出発しており、合理的です。これに対して日本の休みはイベントに付随します。休みをお上の恩恵としてありがたがる体質が抜けていません。十連休は非合理です。合理性を追求することが日本を暮らしやすくする道です。

コインハイブ事件で検察側が控訴

コインハイブ事件の無罪判決を不服として、横浜地検は2019年4月10日付で控訴した。求刑は罰金10万円。検察側の面子だけではないか。

 

無罪男性の代理人の平野敬弁護士は以下のように批判する。「控訴趣意書が出ていないため、現時点ではどの点について反論しているのか不明だが、罰金10万円で控訴して東京高裁で争うということは、今後も控訴審において男性を拘束し続けるということ。罰金10万円という量刑の重さに比べて、人権侵害の度合いが見合っているのか」(出口絢「コインハイブ事件で検察側が控訴 無罪判決に不服」弁護士ドットコム2019年04月10日)。

 

無罪判決に対して検察側が控訴せずに確定した事件に瑞穂区白龍のマンション建設反対つぶし事件がある。マンション建設反対運動のリーダーが2016年10月7日に建設現場責任者の男性の胸を突き転倒させ、ダンプカーに接触させたとして逮捕された。しかし、名古屋地裁は2018年2月13日に防犯カメラの映像などから責任者の証言は信用できないとして、無罪判決を言い渡した(「マンション建設反対運動の男性無罪確定 「胸突かれ転倒、ダンプに接触」現場責任者の証言「信用できず」 名古屋地検、控訴せず」産経新聞2018年2月28日)。

 

控訴人が出す文書は刑事事件では控訴趣意書、民事事件では控訴理由書と区別される。ところが、東急不動産消費者契約法違反訴訟で控訴した東急不動産は控訴理由書ではなく、控訴趣意書と題する書面を提出した(林田力『東急不動産だまし売り裁判14控訴審』Amazon Kindle)。東急不動産代理人が無知なのか。東急不動産だまし売りの告発に対する刑事弾圧を仄めかしたいのか。

 

Coinhive刑事起訴に批判
https://www.hayariki.net/coinhive/
コインハイブCoinhive裁判で無罪判決
https://www.hayariki.net/coinhive2/

 

立候補

東急不動産だまし売り裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟)は令和に伝える平成の消費者問題に立候補します。東急不動産(販売代理:東急リバブル)は東京都江東区の新築分譲マンション販売時に「眺望・採光が良好」など環境面の良さをアピールポイントとしながら、隣が作業所に建て替えるという不利益事実を説明しませんでした。


引き渡し後に真相を知った購入者は消費者契約法第4条第2項(不利益事実の不告知)に基づいて売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻しました。消費者契約法第4条第2項は事業者が利益となる事実を告げながら、不利益となる事実を告げなかった場合に契約の取り消しを認めています。東急不動産だまし売り裁判は、この規定を不動産売買契約に適用したリーディングケースです。この裁判をまとめた書籍が林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』です。

LIXIL会長がパワハラメール

住宅設備大手のLIXILグループ(リクシル)の潮田洋一郎・会長兼CEOが部下に対して高圧的なメールを2019年3月4日に送っていた。メールには以下のような脅しのような文言が並んでいるという。
「(社員としての)分をわきまえなさい。何様か」
「経営者としてギリギリの線を考えているのに下らない文章まで会長名で書こうとは何事か」
「広報には向いていない」
「(人事担当役員に)身の振り方を相談しなさい」


A氏が潮田氏の全社員宛てメールの草稿について、ある進言をしたことが、逆鱗に触れたと見られている(「「分をわきまえろ。何様か」リクシル潮田会長が部下に送った“パワハラ”メール」文春オンライン2019年4月10日)。パワハラの自覚がないのだろうか。


LIXILはゴタゴタが続いている。LIXILグループは2018年10月31日、2019年4月までに瀬戸欣哉社長が退任し、山梨広一社外取締役が社長に就任する人事を発表した。現場や業界を無視した経営施策の失敗が更迭の理由と分析されている。これは新社長も同じと見られる。「藤森、瀬戸、山梨と現場から遠いプロ経営者が3代続くLIXILの経営は、迷走が続いている」(林哲矢「迷走リクシル、「2度目の社長更迭」の深刻度」東洋経済オンライン2018年11月12日)。


社長個人の問題よりも、任命と更迭を繰り返す創業家の責任が大きいだろう。2018年10月31日の取締役会では「指名委員会5人の中から瀬戸氏の後任2人を選ぶことを、ガバナンス(企業統治)の観点から疑問視する声も上がった」という(「LIXIL瀬戸氏の不可解な“解任劇”創業家・潮田氏復帰の背後に何があったのか」日経ビジネスOnline 2018年11月7日)。


社長の施策が現場無視と批判されるが、現場が抵抗し、嫌がるような改革が市場からは求められていることもある。ビジネスシーンでは変革に対する阻害要因「チェンジモンスター」をやっつけろという記事さえある(小沢匠「アドビ日本法人が販売モデルを転換、浮上する「チェンジモンスター」の存在」日経XTECH ACTIVE 2018年11月7日)。


高度経済成長やバブル期の「成功体験」を持つ企業は、旧習に囚われたまま衰退する危険の方が高い。右肩上がりの経済成長の時代は何もしなくても売れた時代であった。成功体験と呼ぶよりも成功幻想が似合っている。


現場の腐敗も深刻である。LIXIL子会社の「LIXIL鈴木シャッター」は2019年1月11日、防火シャッターなどの定期検査を行う防火設備検査員の資格を社員13人が不正に取得していたと発表した。資格取得の前提となる防火設備講習を受ける際、上司の指示で実務経験期間が実際は1カ月から2年1カ月であったが、「(受講資格がある)3年以上」と偽っていた。資格取得後、東京都と千葉、長野両県の学校や病院など計68棟で定期検査を行っていたという(「検査員資格を不正取得=LIXIL子会社で」時事通信2019年1月11日)。


私は東急不動産だまし売り裁判の経験からLIXILの企業体質が「さもありなん」と感じる。東急不動産だまし売り裁判の東急不動産代理人はLIXILの前身のトステムが訴えられた裁判のトステム代理人やトステム建材産業振興財団の評議員になっていた。この弁護士は改竄した証拠を提出し、母親の危篤を理由として原告本人尋問を当日になって延期させて証拠収集を行った(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。

林田力はWebメディアに立候補

林田力はWebメディアに立候補します。私には隣地建て替えという不利益事実を隠して新築分譲マンションをだまし売りされた被害経験があります(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。そこから以下の思いを抱いています。
自己決定権を尊重したい。望まないことを強要されない、負担を押し付けられることのないようにしたい。そのために情報公開を徹底し、人々がメリット・デメリットの正しい情報に基づいて選択できるようにしたい。これをWebメディアを通して実現していきたいと考えています。だまし売りの防止や検出も徹底したいと考えております。
改めまして、これまでのアクセスに心より感謝申し上げます。今後もより良い情報を提供できるよう努力してまいりますので、引き続き、林田力をどうぞよろしくお願い申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 

林田力のTwitterは2019年4月4日に8周年を迎えました。フォロワー18000人超の最有力のオウンドメディアに成長しました。Twitterのアイコンを東急不動産だまし売り裁判の画像から写真に変更しました。https://twitter.com/hayachikara/status/1113802012376817664
林田力のSNSも多くの方に支持されています。
Facebookページ2000いいね
https://www.facebook.com/tokyufubai/
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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』のPVの再生回数は12000を突破しました。どうもありがとうございます。

 

チキン大好き

林田力『チキン大好き』は鶏肉料理のグルメレポートです。唐揚げや焼き鳥、フライドチキンなどを取り上げます。子どもの頃は牛肉が肉の王様と思っていましたが、最近は鶏肉を好みます。


鶏肉には飽きない魅力があります。定期的に食べたくなります。鶏肉は牛肉や豚肉に比べて消化に良いとされます。コレステロールや脂肪分が少なく健康に良いとされます。糖質も多くありません。牛肉や豚肉と比べて重たくなく、手軽な感覚があるところが良いのでしょう。鶏肉は省資源です。穀物を肉に転換する効率は牛肉と比べると高いです。
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中央区長選・中央区議選公開討論会でSDGs

中央区長選挙・中央区議会議員選挙立候補予定者公開討論会が2019年4月2日(火)に月島区民センター4階ホールで開催されました。私は指定発言者として「SDGs 住み続けられるまちづくりを」を話しました。SDGsは国連の定めた持続可能な開発目標です。人口減少・高齢社会の持続可能なまちづくりと参加型まちづくりを問題提起しました。


公開討論会には以下の予定候補が参加しました。
区長選予定候補 山田英久さん(無所属)
区議選予定候補 小坂和輝さん(無所属)
区議選予定候補 高橋まき子さん(立憲民主党)
区議選予定候補 古田ひろきさん(幸福実現党)


連絡先の判明している全ての予定候補者に案内状を出しました。区長選予定候補の山本たいとさん、西田ちからさんからは欠席の連絡がありました。熊倉哲也さんは一旦参加連絡を受けましたが、欠席となりました。


今回の公開討論会は指定発言者が問題提起し、予定候補者が政策を発表し、参加者が質問する形式です。中央区の課題自体の考察を深め、それら課題について立候補予定者の考え方を知ることを目的とします。中央区長選挙と中央区議会議員選挙は4月14日(日)告示、21日(日)投票日です。


公開討論会と言えば予定候補者同士の討論会をイメージしますが、この公開討論会は異なります。政治家が市民の質問に答えることは当たり前ですが、日本は当たり前のことが中々できない水準です。参加した予定候補者を称えます。このような会が今後も活発に開催されることを期待します。


主催は愛する月島を守る会。私は2019年1月29日(火)の愛する月島を守る会第69回勉強会で「二子玉川再開発問題」の話をしました。司会・ファシリテータは齋藤一恵さん。2017年の東京都議会議員選挙(中央区)の立候補者です。


指定発言者は以下の通り。
・日本橋首都高地下案:宮城大学元教授 小澤尚さん
・国連SDGs:情報処理安全確保支援士 林田力
・中央区に不足する医療施設整備施策 建築家・都市環境プランナー 阿部彰さん
・築地再開発案 NPO文化立国推進委員会 玉田俊雄さん

主催団体や指定発言者、参加予定候補は当日までに変更があり、事前案内とは齟齬があります。

 

私はSDGsの11番目のゴールの「住み続けられるまちづくりを」を中心に話しました。他の指定発言者や参加者の話から「住み続けられる」という価値が求められていることを再確認しました。まちづくり分野の政治家の公約では「何々を作ります」というものが浮かびがちです。しかし、今の住まいで住み続けられるようにするというニーズは忘れられがちです。


私への質問ではビル風被害の問題が指摘されました。中央区では高層ビルのビル風で転倒して負傷するなどの被害が出ていると指摘されました。災害時に火災がビル風に煽られて甚大な被害をもたらすと不安を抱えています。


二子玉川ライズで事業者が実施している対策は、警備員が歩行者を誘導すること、風速計を設置すること、風速が強い時に警報を鳴らすことなどで根本的な対策になっていません。この説明は、その程度の対策しかできないのかと失望と失笑をもたらしました。「売ったら売りっぱなし」「建てたら建てっぱなし」ではなく、その後の問題を追及することが大切です。


開発優先のまちづくりの状況を何とかしたいという思いを感じました。既存の住環境を破壊する開発に対して、有効な手を打てていません。新築をありがたがる国民意識を変えることが遠回りでも有益と感じました。


会場には築地市場の建物の保存を求める活動をしているグループも来られました。スクラップ&ビルドではなく、建物を使い続けることもSDGsの持続可能に合致します。

 

ビル風対策は討論会開催後の4月12日に出馬を表明したジャーナリストの上杉隆さんが公約に取り入れています。上杉さんは「みんなでつくる、中央区長」を掲げ、その中の「みんなでつくる、「まち」」には「ビル風対策」を掲げます。ビル風対策が政策の骨子であることは報道でも紹介されました(「ジャーナリストの上杉氏が東京・中央区長選出馬へ」産経新聞2019年4月12日)。


また、SDGsは熊倉哲也さんが取り組んでいます。熊倉さんは地域課題を解決する会代表として、SDGsサミット2018を2018年12月23日に東京都北区の北とぴあで開催しました。ここで私は「自殺ゼロ、いじめゼロ×SDGs」を話しました。

 

熊倉さんは4月5日の記者会見で以下のように語ります。「新しい区長は生活者の目線で区民の声を吸い上げられる人物、ビジネス感覚を有し利害調整ができる人物が必要」(「中央区長選 元総合宝飾会社員・熊倉さん出馬表明」東京新聞2019年4月6日)。

 

 

 

SDGs 住み続けられるまちづくりを

「SDGs 住み続けられるまちづくりを」と題して問題提起をします。林田力と申します。
話の内容ですが、最初に自己紹介をします。続いてSDGsの概要を説明します。それから本日は、まちづくりが主題ということで、SDGsの中のまちづくりの目標である「住み続けられるまちづくりを」を説明します。日本政府と東京都のSDGsの取り組みを紹介します。最後に課題を問いかけます。
最初に自己紹介です。私は『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』というノンフィクション書籍の著者です。これはマンション購入トラブルを消費者契約法で解決した裁判を描いた書籍です。これは私の体験談を本にしました。
新築マンション購入時に隣が建て替えられて日照や通風がなくなるという不利益事実が説明されませんでした。引き渡し後に真相を知り、消費者契約法で売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻りました。この裁判の後も住まいの問題に取り組んでいます。


今回の討論会の主催団体の「愛する月島を守る会」では2019年1月29日の第69回勉強会で「二子玉川再開発問題」について話しました。東京都世田谷区の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)によってビル風などの住環境が破壊される問題です。中央区も超高層ビルが多く、重なる問題です。

 

それでは本題のSDGsです。エス・ディー・ジー・エスと書いてエスディージーズと読みます。持続可能な開発目標という意味で、世界が達成するための目標です。Sustainable Development Goalsの頭文字です。2015年9月の国連サミットで採択されました。17の目標(ゴール)と、それぞれの目標をより具体的に示した169のターゲットを定義しています。17のゴールはカラフルなアイコンが作られています。
先進国も途上国も取り組む目標です。発展途上国を念頭に置いた課題が多いですが、先進国も自身の問題として取り組む目標です。


たとえば3番目の目標の「すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.5は「薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する」とします。
多くの国では薬物と言えば麻薬が大きな問題ですが、日本では危険ドラッグが深刻です。危険ドラッグを撲滅することがSDGsの達成につながります。
また16番目の目標の「平和と公正をすべての人に」のターゲット16.4は「2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する」とします。
多くの国では組織犯罪と言えばマフィアが問題になりますが、日本では半グレなどの振り込め詐欺が深刻です。
このようにSDGsは必ずしも特別なことではなく、自分達の社会課題の解決がSDGsにつながります。
SDGsは全世界が取り組む目標として国連で採択されたものであり、全世界が取り組む目標です。ところが、日本での認知度は非常に低く、五人に一人も知りません。世界と比べて日本は遅れています。このように言うと世界に合わせるだけが能ではない、日本は日本の良さがあると反論する向きもあるでしょうが、この調査をした電通の「ジャパンブランド調査2018」では日本への好意度が高い人の方が、好意度が低い人に比べてSDGs 認知率は高いとしています。日本への好意を維持し、増やす上でもSDGsへの取り組みは有益です。
日本国内の職業別の認知度では管理職の認知度が高い結果になりました。現時点ではSDGsを知らない人の方が多いですが、そのような状態から時代を動かすトレンドは作られます。
今の学生はSDGsを知る人が増えています。埼玉大学の2018年の学園祭の第69回むつめ祭では表面がSDGs、裏面が薬物乱用啓発のチラシが入場者全員に配布されました。SDGsはドラッグがダメということと同じくらいの常識になりつつあります。このような学生が毎年社会人になりますので、SDGsの社会への浸透も深まります。

 

それではSDGsのまちづくり分野である11番目のゴールの「住み続けられるまちづくりを」に入ります。ここでは「住み続けられる」がポイントです。封建社会は人間が土地に縛られていました。そのために近代社会に入ると居住移転の自由が強調されました。
一方で資本主義社会は地主が金儲けのために住んでいる人を追い出す囲い込みという問題が起きています。現代でも立ち退きがあります。移転する自由だけでは弱いです。居住移転の自由を、移転を強いられない自由を包含するものに再構成する必要があります。「住み続けられるまちづくりを」は、この観点から素晴らしい目標と考えます。

 

「住み続けられるまちづくりを」のターゲットは以下です(総務省仮訳)。
11.1 2030年までに、全ての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、全ての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
11.5 2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
11.6 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
11.7 2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。

 

SDGsのターゲットには手段を規定しているものもあります。枝番がアルファベットになっているものです。
11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。
11.b 2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
11.c 財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。

 

ターゲットのポイントをかいつまみますと、持続可能がキーワードになります。もともとSDGs自体が持続可能な開発目標ですが、「住み続けられるまちづくりを」でも持続可能というキーワードがあります。
さらに、この持続可能な計画は参加型というキーワードがあります。
SDGsは結果だけでなく、プロセスも規定します。「結果オーライ」やエリートの定めた計画に従うというアプローチではありません。
参加型はSDGsの他のターゲットでも記載されています。
目標16「平和と公正をすべての人に」のターゲット16.7は「あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する」とします。
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲット17.17は「さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する」とします。
また、参加して意思決定するためには正しく判断するための情報が必要です。SDGsでは情報公開も定めています。
16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。
16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。

 

続いて日本政府の取り組みを説明します。日本政府は積極的にSDGsに取り組んでいます。内閣総理大臣を本部長とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置しました。「SDGsアクションプラン2019 2019年に日本の「SDGsモデル」の発信を目指して」を2018年12月に定めました。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/pdf/actionplan2019.pdf
そこでは、まちづくりに関係する内容として、「SDGsを原動力とした地方創生,強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり」とします。もともと国土強靭化という政策を掲げており、強靭なまちづくりに力点が置かれていますが、持続可能なという観点でも興味深い指摘があります。
「持続可能で強靱なまちづくり」では「コンパクト+ネットワーク」推進とします。右肩上がりの開発一辺倒ではないということです。
また、「質の高いインフラ」では「ライフサイクル・コストから見た経済性」をあげます。建築費用だけでなく、維持・管理費用、さらに解体・撤去費用まで見据えて経済性を論じることが求められます。

 

次に東京都の取り組みです。東京都は「2020年に向けた実行プラン」を定めています。「セーフシティ」「ダイバーシティ」「スマート シティ」の「3つのシティ」の実現を目指します。東京都は、この「2020年に向けた実行プラン」の推進がSDGsの達成につながるとしています。
そのことを書いた文書である「「3つのシティ」の実現に向けた政策の強化(2019年度)」は最後に人口減少・超高齢社会と向き合う必要を指摘しています。
「我が国は、既に人口減少局面に入っており、東京の人口も2025年をピークに減少に転じる見込みです。また、世界に例をみないスピードと規模で東京の高齢化が進んでいます。 東京は世界のまだ誰も経験したことのない人口減少・超高齢社会と本格的に向き合っていくことになります」(146頁)
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/action/pdf/08-4_sdgs.pdf

 

最後に私からの問いかけです。
人口減少・超高齢社会の中で持続可能な街づくりとは何かを考えてください。
また、「参加型」できていますかという点を問いかけます。行政は立派な計画を作ることもありますが、住民参加で作られていますでしょうか。
以上を私の問題提起とします。

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『いだてん 東京オリムピック噺』第13回「復活」

NHK大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』第13回「復活」が2019年3月10日に放送された。第1章「ストックホルム大会篇」が完結する。マラソンに出場した金栗四三(中村勘九郎)は日射病で倒れて棄権する。日射病による選手や観客の体調悪化は2020年の東京オリンピック・パラリンピックも他人事ではない。むしろ深刻である。単純なオリンピック盛り上げドラマではなく、問題点を抉る作品である。

 

意識を回復した金栗は住民にJapaneseではなく、日本人と言い張った。これが連絡の遅れた原因ではないか。このストックホルム五輪のマラソンでは死者も出た。三島弥彦(生田斗真)は死ななかった金栗を良かったと言う。死んだら終わりとし、棄権を前向きに描いている点は昭和とは異なる、21世紀のドラマである。

 

三島の属する天狗倶楽部は今風に言えば半グレ・ヤンキーみたいな位置づけで思われるかもしれない。しかし、三島はスウェーデンが白夜で毎晩お祭り騒ぎしているのを五月蠅いと批判する。深夜に馬鹿騒ぎするような半グレ・ヤンキーとは異なる。

 

そもそも当時の大学生は現代以上に知的エリートであった。天狗倶楽部の押川春浪は冒険小説やSF小説を書いており、現代風に言えばライトノベルのようなもので、オタク文化の担い手であった。むしろ現代の半グレ・ヤンキーとは対照的な気質である。

 

昭和的な精神論や根性論を否定する点として、嘉納治五郎による監督の仕事の評価がある。大声で気合いを入れるよりも、マニュアルの整備を評価する。

 

この回は播磨屋が金栗に加え、美濃部孝蔵(森山未來)とも接点を持つ回であった。人力車夫の清(峯田和伸)の台詞で言及されただけである。本来ならば播磨屋本人が出てくるシーンがあり、ピエール瀧の麻薬取締法違反容疑でカットされたのではないか。




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