社会
林田 力 『東急不動産だまし売り裁判』著者

続警察不祥事

【書名】続警察不祥事/ゾクケイサツフショウジ/The Sequel to Police Scandal
【著者】林田力/ハヤシダリキ/Hayashida Riki 
日本の警察不祥事や不適切な取り調べ、特に事実と異なる自白の強要は深刻である。警察官の不祥事が多い。警察不祥事や警察官の犯罪が頻発している。「酒、金、そして異性。警察官が道を踏み外す3大要素とされている」(今井良「1人の女性警官をめぐるトリプル不倫――最新の警察不祥事ランキング1位は「異性関係」」文春オンライン2019年8月9日)。報道されている不祥事は氷山の一角だろう。


警察不祥事は元々多かったが、揉み消し処理能力を上回ったのではないか。警察不祥事は昔からあったものの、隠蔽されており、今は昔よりは情報が出るようになったと考える。それにしても埼玉県警や京都府警で警察官が市民から金をだまし取る事件は悪質さの度合いが異なると感じる。


警察不祥事のレベルアップする背景には、警察による個人情報の取得があると考える。たとえば埼玉県警岩槻署の男性警部補は2010年2月から2014年6月にかけ、「捜査に必要」と偽り、知人女性の個人情報を照会するための書類を携帯電話会社などに提出した。公用端末での不正照会を含め、計10人66件の個人情報を不正取得した。この種の警察不祥事に徹底的な厳罰化しなかったことが警察不祥事のレベルアップになった。


警察官は信用できないと思われる行動が目に付いてきた。権威を笠に着て暴力を振るい、真実を覆い隠そうとする。事件を隠蔽する体質の組織が社会から非難されることは当然である。そこには不快と嫌悪の感情が生じる。人権は文明的で安定した社会を形成し、運営していく上で重要なものである。人権保障を骨抜きにすることは危険極まりない。ところが、日本では憲法を無法の解釈によって運用し、不当な扱いを繰り返している。忠誠心過剰で判断力過少の犬は救い難い。それは奴隷以下の卑しい存在ではないか。人間は考えることを止めたら終わりである。思考の放棄は駄目である。


腐った組織には情報公開が必要である。テレビ局は「日本列島警察不祥事24時」「警察官犯罪24時」を制作し、放送すべきである。高視聴率は間違いない。警察24時で犯罪者に対する厳しい対応が放送されている。警察官が起こした犯罪なら、それ以上に厳しい処罰をとらなければ公正ではない。


ネットニュースのコメント欄には以下のコメントが寄せられた。「先日前橋であったコンビニ強盗のニュースを映像でみましたが、機動隊まで出動して、最後は総出で犯人をボコボコにしてました。あれをみて、身内にもあれ以上のボコボコがあるのか?と思いました」。


警察不祥事は怒りや疑念を呼び覚ます。市民の憤り、恐怖と不安は想像を絶する。警察の対応は不信を育てる肥沃な土壌である。情報公開なしの警察改革はナンセンスの上にナンセンスを積み重ねるものでしかない。

林田力『続警察不祥事』

香川県警警部補が息子の犯罪で証拠隠滅【警察不祥事】

香川県警の40代男性警部補は息子の犯罪で証拠隠滅した。警部補の未成年の息子は2018年6月、交際相手の女性に暴力を振るったり、女性のスマートフォンを盗んだりした。これに対し、警部補は、女性のスマホを息子から預かって隠したり、女性側に被害届を警察に出さないように求めたりしたという。


警部補は証拠隠滅容疑で書類送検され、警部補は略式起訴された。高松簡裁は罰金の略式命令を出した。香川県警は2019年5月23日付で減給10分の1を3か月間続ける懲戒処分にし、警部補は、同日付で依願退職した。県警は、この事件を報道発表しなかった。県警は私的な行為は停職以上を公表するとした警察庁の指針を発表しない理由とする(野口博之「情報公開請求で初めて発表…警部補の息子事件隠し 「甘すぎる」批判に香川県警はどう答えた?」J-CASTニュース2019年8月9日)。


しかし、そもそも証拠隠滅行為を私的な行為とする判断が間違っている。さらに警察官の犯罪隠しが減給で済むこともおかしい。自分達の処分が甘すぎるのに、その甘い処分が報道発表基準に該当しないと主張することは二重の欺瞞になる。香川県警では同じく40代の警部補が割れた皿を買い取らせようとリサイクル店を威圧したとして、威力業務妨害、不退去、傷害、脅迫の4つの容疑で書類送検された。


警察不祥事は昔からあったものの、隠蔽されており、今は昔よりは情報が出るようになったと考える。それにしても埼玉県警や京都府警で警察官が市民から金をだまし取る事件は悪質さの度合いが異なると感じる。ここにレベルアップする背景には、警察による個人情報の取得があると考える。
たとえば埼玉県警岩槻署の男性警部補は2010年2月から2014年6月にかけ、「捜査に必要」と偽り、知人女性の個人情報を照会するための書類を携帯電話会社などに提出した。公用端末での不正照会を含め、計10人66件の個人情報を不正取得した。この種の警察不祥事に徹底的な厳罰化しなかったことが警察不祥事のレベルアップになった。

埼玉県警や高知県警で個人情報不正取得

埼玉県警川越署巡査の詐欺事件に有罪判決【警察不祥事】

さいたま地裁(高島由美子裁判官)は2019年8月7日、詐欺未遂と地方公務員法違反の罪に問われた埼玉県警川越署刑事課の元巡査に懲役3年、執行猶予4年を言い渡した。元巡査は死因の調査業務などと偽って、病死した埼玉県川越市の男性の遺族から2019年3月に現金50万円ほどをだまし取ろうとした。また、検視を担当した女性の遺族の個人情報を2019年2月に知人の40代男性に漏らしていた。


さいたま地検は2019年5月16日、川越署巡査を詐欺未遂と地方公務員法違反の罪で、さいたま地裁に起訴した。初公判で川越署巡査は起訴内容を認めた(「元巡査 詐欺未遂などの罪認める」テレ玉2019年6月24日)。検察側は川越署巡査が冒頭陳述で警察の運転免許を確認するシステムから個人情報を得ていたと指摘した。


判決は「警察官の立場を悪用した卑劣で悪質な犯行」と指摘する。一時的に貯金を増やそうと犯行に及んだ経緯に「金欲しさの犯行で酌量の余地はない」と述べた。求刑は懲役3年であり、求刑通りとなるが、求刑が軽過ぎる。警察官が職務を悪用したことが問題である。この種の犯罪は機械的に3倍にするような立法が必要である。警察官が職務を悪用した場合の罰は厳格でなければならない。市民は、この警察官を嫌わずにいられない。この警察官の価値観に少しでも歩み寄ることはできない。


さらに執行猶予が理解できない。判決は「懲戒処分となって依願退職するなど社会的制裁を受けている」と説明する。しかし、懲戒処分は僅か停職6カ月である。懲戒免職ではない。民間なら懲戒解雇が当たり前の悪質な事件であり、懲戒処分は減刑の理由にならない。むしろ埼玉県警の処分が甘過ぎて、社会的制裁を受けていない。

 

依願退職で執行猶予ならば、すぐに転職できてしまう。警察組織による再就職斡旋もなされるかもしれない。元不良警察官が工事現場の警備員になり、歩行者や自転車に高圧的な態度をとり、無駄な迂回をさせる例もある。
元巡査が一時的に貯金を増やそうとした背景には、上司から生活指導を受けたと説明された(「遺族から現金だまし取ろうとした元巡査、情報も漏らす 地裁が執行猶予「依願退職などすでに社会的制裁」」埼玉新聞2019年8月8日)。元巡査の情状酌量の要素にはならないが、上司からの生活指導が公務員的官僚的管理主義的なもので、問題解決には逆効果になるものだったのではないか。


報道は「スマホゲームの課金などで、借金があってやった」など巡査のゲーム中毒を問題にする傾向がある(「警察官が遺族から詐欺 「ゲーム課金で借金」」ホウドウキョク2018年10月12日)。しかし、借金は「スマートフォンゲームの課金などで数十万円」と報道されており(「埼玉県警の22歳刑事を詐欺容疑で逮捕 スマホゲーム課金で借金苦か」産経新聞2018年10月19日)、犯罪に走らなければならないという意味では極端に大きい訳ではない。


管理主義的な警察組織では個人がスマホゲームをしているか申告させることが再発防止策になりそうであるが、それは筋違いであり、プライバシー侵害である。そのような管理主義的な締め付けは、ストレスフルにして性犯罪などの警察不祥事を逆に増やしかねないだろう。

埼玉県警巡査が遺族から金をだまし取る

愛知県警巡査長が妻の鼓膜を破る傷害容疑で書類送検

愛知県警緑署地域課に所属する巡査長の男が自宅で妻の顔を殴り大ケガをさせた傷害の疑いで書類送検された。巡査長は2019年1月、愛知県豊川市の自宅アパートで警察官でもある妻(33)と口論の末、バケツで水をかけたうえ、顔を平手で3発殴り大ケガをさせた傷害の疑いが持たれている。妻は右耳の鼓膜が破れる全治6カ月の大怪我をした。


2019年6月になり関係者が「現職の警察官が処罰を逃れるのは許せない」として県警に刑事告発した。巡査長は容疑を認めた上で「口論した後に寝ている妻の姿を見て無性に腹が立った」などと話している(「警察官夫婦で傷害事件…夫が妻にバケツで水かけ顔を平手で3発 鼓膜破れる重傷 夫“書類送検」東海テレビ2019年8月6日)。寝ている妻にバケツで水をかけ、殴りかかるとは一方的なDomestic Violence; DVである。


大阪府警では元警部補で交番相談員の父親(60)と同居する会社員の長女(28)が2018年9月23日に暴行の疑いで兵庫県警網干署に逮捕された。午後8時半頃、自宅で父親が長女の顔を平手で1、2回殴り、長女が父親の肩などを複数回拳で殴った疑いがある。


父娘は以前から風呂の湯量などを巡って口論になっていたが、長女の「今日は湯量を増やしてやったぞ」という言い方に父親が腹を立て、殴り合いに発展したという。長女が「DV(ドメスティックバイオレンス)をされた」と110番通報した。同署は2人がさらなる暴行に及ぶ可能性があるとして逮捕したが、長女は24日未明に釈放した。


父親は大阪府警の警部補だった2017年4月、JR網干駅で駅員の制服を引っ張ったとして、暴行の疑いで現行犯逮捕され、その後、起訴猶予処分となっていた(「「今日は増やしてやったぞ」に父立腹 風呂の湯量巡り娘と殴り合い 元警察官逮捕」神戸新聞2018年9月24日)。定年退職後の2018年4月からは曽根崎署の交番相談員として勤務していた(「父娘お風呂バトル 元警部補の父は暴行で現行犯逮捕」日刊スポーツ2018年9月25日)。


逮捕歴があっても交番相談員になれる警察の人事はどうなっているのか。警察不祥事では不祥事そのものに加え、身内にだけ甘い処分が批判される。身内に甘い処分が悪い結果をもたらした事件である。交番相談員という形で退職後の面倒を見ることも甘い。警察不祥事では再就職先の情報公開も必要である。

長野県警で屋外痴漢や淫行の警察不祥事

長野県警の男性巡査部長(31)が2019年8月2日、10代の女性4人の尻を触ったなどとして、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された。書類送検容疑は、2016年10月25日から2019年6月16日までの間に計4回、県内の路上や屋外施設で、面識のない女性4人の尻を衣服の上から手で触るなどした疑い。関係者から通報があり捜査を進めたところ、他の3件も判明したという(「巡査部長が4人に痴漢疑い 長野県警、停職3カ月」共同通信2019年8月2日)。


長野県警は同日、停職3カ月の懲戒処分とした。巡査部長は容疑を認めているといい、同日付で依願退職した。これで身内に厳しい処分と言えるのか。警察官以外の人場合、ほとんどのケースで逮捕されているが、何故か警察官が犯人の場合、身柄拘束されないことが多い気がする。


長野県警では松本署生活安全1課の巡査部長が2018年5月10日、淫行で逮捕された。逮捕容疑は2016年11月から17年3月に計4回、長野県内のホテルで18歳未満の少女にみだらな行為をさせた疑い。2017年12月に少女から警察に被害の訴えがあり、発覚した(「少女に“みだらな行為”43歳巡査部長逮捕 長野県警」テレビ朝日2018年5月11日)。


巡査部長は当時勤務していた県南部の署で、少年非行防止などを担当する生活安全課に勤務しており、立ち直り支援業務の関係で16年8月に少女と知り合ったという(「<長野県警>児童福祉法違反容疑で43歳巡査部長を逮捕」毎日新聞2018年5月10日)。生活安全部門に携わるようになって12年目だった。


県警は警察官の立場を利用していたとみて調べている(「淫行容疑で警察官逮捕=業務通じ知り合う―長野県警」2018年5月10日)。県警は2018年5月31日付で柴田英和巡査部長を懲戒免職処分とした(「淫行の巡査部長免職=長野県警」時事通信2018年5月31日)。

愛媛県警が杜撰な捜査で女子大生を誤認逮捕

愛媛県警松山東署は2019年7月22日、松山市の女子大学生を窃盗の疑いで誤認逮捕した。松山市清水町の路上でタクシーから降りる際に売上金などおよそ5万5000円が入ったセカンドバッグを盗んだとするが、大学生はタクシーを利用しておらず、事件と無関係だった。

 

松山地検は2019年7月26日、大学生を不起訴処分としたと発表した。区検は処分理由を「嫌疑なし」とした(「誤認逮捕の女性不起訴 松山区検「嫌疑なし」」愛媛新聞2019年7月27日)。

 

大学生の担当弁護士は2019年8月1日、県庁で記者会見し、任意の取り調べで「執拗に自白を強要された」とする本人の手記を発表した。公表された文書によると、大学生は2度に渡る任意の取り調べの際に一貫して犯行を否認していたが、松山東警察署の捜査員から大学生を犯人と決めつけ自白を強要するような言葉を執拗にかけられたとしている。

 

「タクシーに乗った記憶はないの?二重人格?」(「誤認逮捕女子大学生 「執拗に自白を強要」(愛媛県)」南海放送2019年8月1日)。

「就職も決まっているなら大事にしたくないよね君が認めたら終わる話」(「「執拗に自白を強要された」 誤認逮捕の女子大学生が手記【愛媛】」テレビ愛媛2019年8月1日)。

 

大学生が「本当の犯人を捕まえてください」と話すと、「犯人なら目の前にいるけど」と大学生を犯人と決めつけた(「取り調べ中「認めたら終わる話」=誤認逮捕の女子大生が手記-愛媛」時事通信2019年8月1日)。

 

代理人弁護士は以下のように述べた。「取り調べの際には大声を上げるなど威圧的な言動もあった。自白を取るための捜査に怒りを覚えた」。

 

県警は「タクシーのドライブレコーダーに映っていた犯人の顔立ちが女子大学生に似ていたため、取り違えた」と言い訳する(「女子大学生“窃盗”誤認逮捕「警察から執ように自白迫られた」」TBS 2019年8月1日)。顔が似ていた程度の主観的な理由で、他に証拠もなく自白を強要する警察は無能公務員である。

 

「女子大生は2日後に釈放され、再捜査で別の若い女が容疑者として浮上した」(「誤認逮捕「本当に悔しい」 愛媛の女子大生手記公表」日本経済新聞2019年8月1日)。真犯人が見つかったから釈放された訳ではない。そもそも捜査をきちんとしていなかったことになる。目の前の問題を片付ければいいという無能公務員の点数稼ぎ体質である。

 

杜撰な捜査に先入観ありきの取り調べ。自分の見たい情報、聞きたい言葉、それをたった一つの真実としてそれ以外を排斥する。点数稼ぎ目的で、こいつはヤレると甘く見た相手を犯人に仕立て陥れる。目の前の問題を解決するという名目で、真犯人であろうとなかろうと我慢を押し付け、事件を決着することを優先する頭の悪い解決方法である。相手の自由意思を許さず、服従だけを強い、衆愚である事を求める警察の取り調べは人間という存在そのものを侮辱している。

 

県警に誤認逮捕の原因について質問したが、明確な回答はなく、取り調べ担当刑事からの直接の謝罪を受けていないともしている(「女子大生に執拗に迫り「二重人格?」…誤認逮捕で手記」読売新聞2019年8月1日)。担当刑事が直接謝りもしてないというところに、普通以下の無能さを露呈している。保身だけの無能公務員である。この刑事は恐らく大学生が苦痛から自殺しても「ざまーみろ」と歯をむき出して笑いそうである。

 

中村時広県知事は「重大な人権侵害」と言及した(「「ずさん捜査」愛媛県警に批判 女子大生を誤認逮捕」共同通信社2019年8月11日)。

 

小坂井久弁護士は以下のように指摘する。「取調室はまさにブラックボックスで、言葉良くないが、一番法にのっとらねばならない場所が無法地帯だった。可視化してちゃんと透明にしない限り、必ず問題が起こる空間と考えないといけない」(「警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発 密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?」FNN.jpプライムオンライン2019年6月30日)

 

松下整(まつした・ひとし)県警本部長は以下のように述べる。「女性が嘘をついていると決めつけ、強制捜査をすれば、すぐに自供するだろうと思ってしまった。もっと多角的に捜査したり、上司に相談したりしていれば、誤認逮捕は防げた」(「愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身」産経新聞2019年8月15日)

 

女性は、取り調べ担当刑事から「普段通りの取り調べだった」と発言したとされ、「いつも自白を強要するかのような取り調べを行っていることに危険性を感じた」と訴えた(中川祐一、遠藤龍、木島諒子「「いつも自白を強要するかのよう」 愛媛誤認逮捕の女性、県警を痛烈に批判」毎日新聞2019年10月5日)。

大船渡高・佐々木朗希選手の温存は当たり前

大船渡高・佐々木朗希選手は2019年7月25日の高校野球岩手県大会決勝戦で温存された。佐々木選手は前評判の高いエース投手であったが、マウンドには上がらず、投球練習もしなかった。大船渡高は決勝に敗れ、甲子園を逃したが、選手の健康を優先した。

 

昭和の精神論根性論からの脱却として評価する。正直なところ、これに批判が出ることが理解できない。選手もコーチも精神論根性論ではなく、合理主義で野球に取り組むようになっているのに観戦者が昭和の感覚のままではないか。

 

既にエース温存は2016年夏の甲子園でも行われている。複数のチームがエース投手を先発させず、温存させる戦術を採った。これらのチームは序盤で大量失点して敗北した。このためにエース温存は失敗戦術と揶揄されがちであるが、選手の肩の負担を軽減するためには大切なことである。

 

高校野球は特殊日本的精神論、根性論の権化のような世界という悪印象がある。2016年夏の高校野球でも女子マネージャーをグランドに立たせないという古い体質をさらけ出した。それでもエース温存がなされることは、良い時代になったと感じる。これは昭和の高校野球では考えられないことである。

 

あだち充『H2』は1990年代に連載された高校野球漫画である。ここでは悪役の敵投手が腕に少しの違和感を抱いて降板するシーンがある。チームにとっては勝つか負けるかの瀬戸際であり、エースに続投して欲しいところである。しかし、投手は大事をとって降板する。監督にとっては高校野球を勝ち進むことが目的であるが、投手にとっては高校野球が終わりではなく、選手生命は高校卒業後も続く。

 

真っ当な思考であるが、悪役のエゴとして描いたところに20世紀という時代を感じる。これに比べれば21世紀の甲子園でエース温存戦術が採られたことに時代の変化である。21世紀の現実は20世紀の漫画を追い越した。エース温存で敗退したチームに清々しさを覚える。

滋賀県警警部が強制わいせつや公用車ラブホテル

滋賀県警の男性警部(53)は2019年7月25日、知人女性に無理やりキスしたなどとして、強制わいせつ容疑で書類送検された。県警は同日、警部を停職1カ月の懲戒処分にし、警部は依願退職した。書類送検容疑は、3日午後9時頃、米原市内の飲食店の男女共用トイレで、知人の20代女性に無理やりキスをしたり、体を触ったりした疑い。


警部は女性ら計3人で会食中、女性と偶然トイレで居合わせ、わいせつ行為に及んだ。警部は酒に酔っていたという。4日に女性から相談を受けた同席の知人男性が被害を訴え、発覚した。
県警は、逮捕しなかった理由を「逃亡の恐れがない」と説明する。市民なら逮捕される容疑でも警察官は逮捕されない。身内に甘い組織である。身内に甘いから警察官の犯罪が続発しているのではないか。


県警は女性のプライバシー保護を理由に警部の所属を明らかにしない(「53歳警部が強制わいせつ容疑 逮捕はせず 県警「逃亡の恐れない」」京都新聞2019年7月25日)。加害警部の所属を明らかにすることがプライバシー侵害になるのか。プライバシー保護が情報隠しの名目に使われている。
滋賀県警の別の男性警部(50)は公務中に警察車両で複数の女性とホテルに行き、不適切な交際をしていた。滋賀県警監察官室は2018年10月26日、警部を減給100分の10(6カ月)の懲戒処分にした。警部は26日までに警部補への降格を申し出た。


警部は2017年2月末から2018年6月の勤務時間中、出会い系サイトで知り合った女性7人と、県内や京都市のホテルに計7回行き、不適切な行為をした。移動には公用車を使い、女性も乗せていた。うち2、3人には約1万5千円ずつの現金を支払った。警部は妻帯者で、出会い系サイトを使った不倫を2014年に始め、十数人と交際していた。警部は「女性と出会うのが楽しくなり、快楽を求めてしまった」と話しているという。


県警などの説明では、2018年7月1日、警部の上司にあたる警視に部下から通報があったが、警視は監察官室に報告しなかった。県警は、監督責任を問い、上司の警視を本部長訓戒とした(「警部が公用車で女性とラブホ、7人と「快楽求め」懲戒処分」京都新聞2018年10月26日)。


欲望を抑えられない点は埼玉県警の公安2課課長補佐の男性警部(57)の盗撮事件と同じである。警部は「若い女性の水着姿に興味があった。これまでにも何回かプールで盗撮した」と話した(「女子高生盗撮の警部を書類送検 勤務中、備品カメラで 埼玉県警」時事通信2010年11月12日)。

吉本興業の闇営業問題

吉本興業の闇営業問題の本質は振り込め詐欺など反社会的な半グレ集団に営業したことである。「現役の犯罪者たちが、その犯罪の看板を隠そうともせずに開催したアゲアゲのパーティーに同席したのみならず、報酬まで受け取っていたわけだから、これは完全にアウトだ」(小田嶋隆「「闇営業」の本筋はそこじゃない」日経ビジネス2019年6月29日)。この点の非難は正しい。


吉本興業は反社会勢力企業がスポンサーに名を連ねるイベントにタレントを派遣していた。「「直営業芸人」が、この反社会勢力のフロント企業を信用したのは、吉本がタレントを派遣したイベントのスポンサーだったからである」(窪田順生「吉本経営陣が宮迫氏らの謝罪会見を頑なに拒んだ本当の理由」ダイヤモンド・オンライン2019年7月25日)。


反社会的勢力とのつながりは国際問題になる。「IMF(国際通貨基金)などあらゆる国際機関は、テロ組織やマフィア、ヤクザだけでなく、振り込め詐欺みたいな犯罪行為に絡む金融取引を、極めて強い意思のもとに排除しています」(「「吉本・芸人・テレビ局、君ら『全員アウト』やで」元経済ヤクザ語る」ダイヤモンド・オンライン2019年7月25日)


宮迫博之の問題として、ギャラをもらっていたにも関わらず、もらってないと嘘をついたことが指摘される。しかし、問題は反社会的勢力と付き合ったことであり、ギャラをもらったか否かは本質ではない。ギャラをもらっていなくても十分に批判される。


これに対して事務所を通さずに営業したことは本質ではない。これを過度に問題視することは、事務所の芸能人支配の強化という時代に逆行する流れになる。今や副業が推進される時代である。この点で最初から吉本興業は論点がずれていたと感じられた。


そこに吉本興業ホールディングスの岡本昭彦社長の記者会見が火に油を注いだ。恫喝発言を「場を和ませるため」と言い訳する。どうしようもない昭和のパワハラ体質である。悪意があることを認めようとしない。パワハラ加害者がパワハラ発言を正当化する共通の論理である。


「発言はパワハラではないかと聞かれた岡本は、座を和ませようとした冗談のつもりだったと言い訳したが、目が泳いでいた」(元木昌彦「”史上最悪の会見”を開いた吉本の時代錯誤」プレジデントオンライン2019年7月26日)

 

「冗談でしたといって「そっかー、じゃあ仕方がないね」と世間に思ってもらえると思うところが、パワハラ加害者の加害者たるゆえんということにお気づきでない」(「【もやもや】吉本興業・岡本社長の「恫喝は冗談のつもり」発言にパワハラ上司あるあるを感じた、働く30代40代のリアルな反応~その1~」Suits-woman.jp 2019年7月24日)

 

岡本社長は宮迫の契約解消を撤回したことも問題である。これは反社会的勢力との関係という本来の問題を有耶無耶にしてしまう。パワハラを冗談のつもりという発言は昭和的なパワハラ正当化であるが、契約解消撤回も昭和の温情的発言である。21世紀に不要である。

聞いてよ市長!第2回「さいたま市民政策プレゼン大会」

聞いてよ市長!第2回「さいたま市民政策プレゼン大会」が2019年10月30日(水)午後7時から9時まで、さいたま市南区のサウスピア9階多目的ホールで開催されます。さいたま市民の、さいたま市民による、さいたま市民のための市民政策勉強会「Oneさいたまの会」で1年間かけて議論をしてきた政策のプレゼンテーション大会です。清水勇人さいたま市長の前で発表します。市長の前で市民が政策プレゼンを行うことは他市に例を見ない試みです。是非みなさん、お越し下さい。入場無料・入退場自由です!お子様連れも大歓迎です。


2018年9月に続いて2回目の開催です。今回のテーマは文教、市民生活、保健福祉、まちづくりの四つです。保健福祉のテーマでは医療の問題を取り上げます。幸福度ランキングで総合2位に輝くも、健康は8位のさいたま市。


その背景の一つに病院が少ないという事情があります。さいたま市は人口1,301,915人に対し、病院数39、病床数7,978です(2018年度)。これは人口10万人当たりにすると病院数3.0、病床数613です。埼玉県は人口10万人当たりの病院数4.7、病床数853、全国は病院数6.6、病床数1227です(平成30年度厚生統計要覧)。


とはいえ従来型の供給拡大では持続可能性がありません。新しい時代に合った、①患者の診療満足度、②医療従事者の労働満足度、③病院のコスト満足度を高める施策を提案します。

聞いてよ市長!さいたま市民政策プレゼンテーション




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