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林田力『ブラック企業・ブラック士業』

林田力『ブラック企業・ブラック士業』はブラック企業やブラック士業に関連する論稿を集めた書籍である。ブラック企業やブラック士業は社会問題になっている。ブラック企業は労働者、特に若者を搾取して使い捨てにする企業を指す。パワハラ(パワーハラスメント)やサービス残業強要で過労死を出した東急ハンズが好例である。そのブラック企業に違法行為を指南する悪徳弁護士・弁護士法人などがブラック士業である。

【書名】ブラック企業・ブラック士業/ブラックキギョウ ブラックシギョウ/Evil Corporation and Evil Lawyer
【著者】林田力/ハヤシダリキ/Hayashida Riki
【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』『東急不動産だまし売り裁判7』
『東急不動産だまし売り裁判訴状』『東急不動産だまし売り裁判陳述書』『東急不動産だまし売り裁判陳述書2』『東急不動産だまし売り裁判陳述書3』
『東急大井町線高架下立ち退き』『裏事件レポート』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』
『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』『二子玉川ライズ反対運動10』

東急ハンズがブラック企業大賞2013にノミネート
東急ハンズにブラック企業大賞を
東急一時金請求裁判控訴審
渡邉美樹公認にブラック企業容認批判
ワタミ・渡辺美樹へのブラック企業批判
渡邉美樹とゼロゼロ物件の隠蔽体質
ブラック企業と参議院議員選挙
オリンパス制裁人事第2次訴訟
オリンパス制裁人事第2次訴訟第4回口頭弁論
矢田部過労死裁判
ブラック企業が刑事告訴で意趣返し
峯岸みなみ坊主はブラック企業と同じ
ブラック士業(ブラック弁護士法人)研究
ブラック士業の労働条件
ブラック弁護士法人はブラック企業の指南役
ブラック弁護士法人とゼロゼロ物件
ブラック士業の最大の被害者
「事務所名 退職」の検索でブラック士業回避
過労死を生み出すブラック士業
ブラック士業の異常性
ブラック士業被害者
ブラック士業批判の正当性
宇都宮健児氏、日弁連会長選挙当選の要因
宇都宮健児日弁連新会長の課題はモンスター弁護士の排除
ブラック士業とヤンキー
市川海老蔵暴行事件は反社会的勢力との戦い
被害届出し渋りで底が見えた海老蔵事件の元暴走族
海老蔵バッシングの嘘で明らかになる六本木の闇
男になれなかった市川海老蔵
市川海老蔵暴行の伊藤リオン実刑判決は痛み分け
『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』
『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか』
『甘い薬害』弁護士の腐敗
『暗殺教室』ヤンキー批判
『暗殺教室 5』ブラック企業批判

林田力『ブラック企業・ブラック士業』

ブラック企業・ブラック士業 の書評 / 林田力 / 林田力 / |本が好き!
http://www.honzuki.jp/book/208708/
ブラック企業・ブラック士業 感想 林田力 - 読書メーター
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ブラック企業・ブラック士業 - はてなキーワード
http://d.hatena.ne.jp/asin/B00E7KPI5Q
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ブラック弁護士法人(ブラック法律事務所)研究

ブラック企業が社会問題になっているが、ブラック弁護士法人(ブラック法律事務所)も問題として認識されつつある。ブラック弁護士法人は弁護士としての使命感や倫理観がなく、利益のために反社会的で違法性の高い業務に手を染める事務所である。

悪徳弁護士だけでなく、悪徳行政書士や悪徳社労士を含めてブラック士業とも呼ばれる(「ブラック企業に入れ知恵する“ブラック士業”が暗躍中」日刊SPA! 2012年12月4日)。弁護士個人の異常性に着目してモンスター弁護士とも呼ばれる(林田力「宇都宮健児日弁連新会長の課題はモンスター弁護士の排除」PJニュース2010年3月27日)。

「『ブラック事務所』と言われるところは、違法すれすれの危ない業務でも、時にはあからさまに違法な業務でも平然と手を出すことが特徴であり、同業者の非難にもかかわらずブラックな需要に応える(あるいは弱い依頼者を食い物にする)ことで生き残っている法律事務所です」(黒猫のつぶやき「「ブラック」な法律事務所に務めることの危険」2012年12月8日)

ブラック弁護士法人は三重の意味でブラックである。第一にブラック弁護士法人の労働条件はブラック企業と同じである。第二にブラック弁護士法人はブラック企業の指南役になっている。第三にブラック弁護士法人はブラックな法律論を展開し、司法への信頼を破壊する。法を守る弁護士が率先して労働法などの法律を無視する点で世の中のブラック企業以上に悪質である。

ブラック弁護士法人の労働条件

ブラック弁護士法人(ブラック法律事務所、ブラック士業)の労働条件はブラック企業そのものである。ブラック弁護士法人は雇用者として新人弁護士や事務職員に対してブラックである。若手弁護士や事務職員を劣悪な条件で働かせ、うつ病から離職へ追いこみ、平然と「使い捨て」にする。

「今年弁護士登録した(第64期)の弁護士に話を聞くと、すでに周りの同期が何人も弁護士事務所を「自主退社」しているという。その経過はブラック企業と瓜二つである。相談室のドアを閉めていたところ、「外から相談の様子が見えないと、何が起こるかわからない。非常識だ」(おそらく、開けていても同じことを言われるだろう)と激しく叱責されたり、できるはずのない高度な訴状の作成をいきなり命じられる。そして、昼休みにも高度な法律の問題で質問攻めにして追い込む。ある女性弁護士は、見るからに痩せ衰えて、「自分は仕事ができない人間だ」というようになり、性格まで変わってしまったという。こうして、知り合いの内何人もが同じように弁護士事務所を去り、中には弁護士登録をやめてしまった人も出ているという。」(今野晴貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』文春新書、2012年)

ブラック弁護士法人と指摘される法律事務所に対して、以下の告発がある。パワハラ・無茶振り・サービス残業が横行している。労働基準監督署を恐れてか、タイムカードを19時に打刻させた上で夜の部を開始する。稀に定時で帰宅しようものなら、中間管理職に「もう帰るのか」と嫌味を言われ、翌日に処理限度を超える量の仕事や無理難題を回される。弁護士がやるべき仕事を事務職員に押し付ける。

有給休暇を使うと退職勧告を受ける。事務職員の体調不良を労るどころか、叱責する。体調不良で連続して休むと、診断書の提出が義務付けられており、診断書代は自腹である。上司お気に入りの事務員が繁忙期に連続の有給休暇を申請しても許可するが、普通の事務員が閑散期に単発の有給休暇を申請しても拒否する。

面談なしに従業員の給与や賞与を下げる。部下のミスをわざと衆目に晒して必要以上に恥をかかせる。家庭内トラブルで事務所にファックスされた事務員の離婚届を吹聴する。

1月から3月までに10人以上が退職した。単純計算で10日に1人以上が辞めている。特定上司のパワハラに堪えかね、有能な従業員が次々と退職したが、「辞めたのは使えないクズ」と豪語している。

東日本大震災ではブラックぶりが露骨になった。震災時に防災責任者は情報収集や従業員の避難誘導を行わず、業務の継続を強要し、席を立とうものなら賞与の減額を示唆した。震災後に大半の鉄道が不通となり、大多数の従業員が出社の手段が皆無だったにも関わらず、出社できなかった従業員全てを欠勤(減給)処分にした。

運行制限や計画停電で通常とは違うルートで通勤せざるをえなかった従業員に差額分の実費支給をせず自己負担を強要した。節電意識は皆無で、深夜までのサービス残業を強要した。被災した実家の片付けのための有給休暇申請を拒否した。

ブラック弁護士法人はブラック企業の指南役

ブラック弁護士法人(ブラック法律事務所、ブラック士業)はブラック企業の指南役である。利益至上主義の弁護士法人がブラック企業の法務や労務管理を担当する。ブラック弁護士法人がブラック企業蔓延の一因になっている。

ブラック弁護士法人がブラック企業に違法なパワハラや給与カット、サービス残業強要などの悪知恵をつけている。業種も異なり、互いに接点のないブラック企業が同じようなブラックな手口を採っていることを不思議に思ったことはないだろうか。これはブラック法律事務所が複数のブラック企業の顧問弁護士となってブラックな手口を指導しているためである。

「辞めようとしたら弁護士から違法な損害賠償の書類が送られてきたり、団体交渉に行くと会社側の弁護士や社会保険労務士がでたらめな主張を繰り返して、紛争を長期化させることが少なくない」(「ブラック企業に入れ知恵する“ブラック士業”が暗躍中」日刊SPA! 2012年12月4日)

ブラック企業は就職先として絶対に避けなければならないことは言うまでもないが、ブラック企業の存在自体が日本社会に害悪を及ぼしている。ブラック企業の弊害は若者の鬱病、医療費や生活保護の増大、少子化、消費者の安全崩壊、教育・介護サービスの低下など多岐にわたる。ブラック企業が日本の未来を奪う日本劣化の原因といっても過言ではない。ブラック弁護士法人の根絶がブラック企業根絶の道である。

ブラック弁護士法人と貧困ビジネス

ブラック弁護士法人(ブラック法律事務所、ブラック士業)は弁護士や司法への信頼を破壊する。サービス業のブラック企業は低価格で消費者にサービスを提供する側面もある。しかし、ブラック弁護士法人は業務自体がブラックである。

たとえばブラック弁護士法人(ブラック法律事務所、ブラック士業)はゼロゼロ物件などの貧困ビジネスで利益を上げている。真っ当な弁護士ならば手掛けない貧困ビジネスをブラック法律事務所では企業法務と称している。

ゼロゼロ物件では家賃滞納者への暴力的な追い出し行為が社会問題になった。住まいの貧困に取り組むネットワークなどの活動で、追い出し屋への社会的な批判も高まった(林田力「住宅政策の貧困を訴える住まいは人権デー 市民集会=東京・渋谷」PJニュース2011年6月15日)。このためにゼロゼロ物件業者にはブラック法律事務所を代理人にして建物明け渡し請求をする動きがある。

ブラック弁護士法人の被害者

ブラック弁護士法人の最大の被害者は、そのデタラメかつ違法な主張に対応しなければならない相手方である。ブラック弁護士法人はブラックな法律論を展開し、司法への信頼を破壊する。

「私の経験でも、完全に違法な行為に若い弁護士が加担してくるケースは後を絶たない。時には、まったくでたらめな損害賠償の請求書類に何人もの弁護士が名前を連ねて送ってくる。『脅し』のつもりなのだろう。」(今野晴貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』文春新書、2012年)

「今後、食い詰めたブラック士業がどんな荒唐無稽なことを言い出すのか、考えると恐ろしい」(「ブラック企業に入れ知恵する“ブラック士業”が暗躍中」日刊SPA! 2012年12月4日)

ブラック法律事務所はブラック企業のような違法前提の依頼人を除いて関係者に害悪しか及ぼさない。利益至上主義のブラック法律事務所にとって一般の依頼人も搾取の対象である。

ブラック弁護士法人は宣伝広告だけは熱心だが、依頼人は搾取の対象である。以下のように告発される。冷たい対応に早口の説明、担当弁護士を連絡なしで勝手に変えられる。あげくのはてに「僕達はこれで飯を食っているのだから、弁護士費用を滞っては困る」とヤクザ並みの報酬請求を受けた。あまりの冷たさに泣いたという。

東日本大震災では勤め先が被災し、収入の途絶えた依頼者にも入金督促の電話が繰り返された。近隣の金融機関が被災し、入金したくとも出来ない依頼者に、隣県に出向いてでも振り込みするよう指示した。

このようにブラック弁護士法人への依頼は避けなければならないが、それでも最大の被害者は相手方である。依頼人は騙された面があるとしても、自らの選択でブラック法律事務所に依頼した。これに対して相手方は巻き込まれた存在である(林田力「宇都宮健児日弁連新会長の課題はモンスター弁護士の排除」PJニュース2010年3月27日)。



林田力「恫喝訴訟(SLAPP)対策は攻撃が最大の防御」PJニュース2010年3月25日
林田力「宇都宮健児日弁連新会長の課題はモンスター弁護士の排除」PJニュース2010年3月27日
林田力「大阪弁護士会のアヴァンス刑事告発は改革か守旧か」PJニュース2010年4月9日
林田力「弁護士懲戒請求で対象弁護士が文書閲覧禁止を上申(上) 」PJニュース2010年5月3日
林田力「弁護士懲戒請求で対象弁護士が文書閲覧禁止を上申(下) 」PJニュース2010年5月5日
林田力「山本剛嗣弁護士の国家公安委員任命への疑念」PJニュース2010年6月5日
林田力「「一澤帆布」の泥沼相続紛争は「遺言」が罪つくり」PJニュース2010年7月5日
林田力「「臓器移植」で名誉毀損訴訟、千葉地裁が主張整理案提示」PJニュース2010年7月20日
林田力「法律事務所もレンタルオフィスで開業」リアルライブ2010年8月24日
http://npn.co.jp/article/detail/94714730/
http://news.livedoor.com/article/detail/4964745/
林田力「『甘い薬害』弁護士の腐敗」JanJanBlog 2010年9月7日
林田力「弁護士の不適切な削除要求で被害拡大(1)」PJニュース2010年9月11日
林田力「弁護士の不適切な削除要求で被害拡大(2)」PJニュース2010年9月12日
林田力「弁護士の不適切な削除要求で被害拡大(3)」PJニュース2010年9月13日
林田力「弁護士の不適切な削除要求で被害拡大(4・終)」PJニュース2010年9月14日
林田力「臓器移植名誉毀損訴訟で調査嘱託申し立て=千葉」PJニュース2010年9月23日
林田力「遺言書重視の誤り(上)」PJニュース2010年9月29日
林田力「遺言書重視の誤り(下)」PJニュース2010年9月30日
林田力「動機の錯誤をめぐる二元説と一元説(上)」PJニュース2010年11月24日
林田力「動機の錯誤をめぐる二元説と一元説(下)」PJニュース2010年11月25日
林田力「電話代行サービスは電気通信事業にならないか(上)」PJニュース2010年12月1日
林田力「電話代行サービスは電気通信事業にならないか(下)」PJニュース2010年12月2日
林田力「アヴァンスの書類送検はモンスター弁護士への警鐘(上)」PJニュース2010年12月13日
林田力「アヴァンスの書類送検はモンスター弁護士への警鐘(下)」PJニュース2010年12月14日
林田力「日弁連理事会で貧困問題を提言」PJニュース2011年7月20日

相続裁判

林田力「弁護士の粗末な交渉で泥沼相続紛争(上) 」PJニュース2010年10月7日
林田力「弁護士の粗末な交渉で泥沼相続紛争(中)」PJニュース2010年10月8日
林田力「弁護士の粗末な交渉で泥沼相続紛争(下)」PJニュース2010年10月10日
林田力「相続裁判で税務署職員の税務書類作成が論点に」PJニュース2010年11月9日
林田力「相続裁判の当事者尋問では終末医療も問われるか(上)」PJニュース2011年1月11日
林田力「相続裁判の当事者尋問では終末医療も問われるか(中)」PJニュース2011年1月12日
林田力「相続裁判の当事者尋問では終末医療も問われるか(下)」PJニュース2011年1月13日

危機管理

林田力「クライシスマネージャー(1)第3回養成講座開講」PJニュース2010年6月28日
林田力「クライシスマネージャー(2)危機管理総論」PJニュース2010年6月29日
林田力「クライシスマネージャー(3)状況判断と工作員」PJニュース2010年6月30日
林田力「クライシスマネージャー(4)パンデミックとBCP」PJニュース2010年7月1日
林田力「クライシスマネージャー(5)邦人の安全とメンタルヘルス」PJニュース2010年7月2日
林田力「クライシスマネージャー(6)暴力組織と薬物蔓延」PJニュース2010年7月3日
林田力「クライシスマネージャー(7)CBRNEテロ」PJニュース2010年7月4日
林田力「クライシスマネージャー(8)マスコミ対策とコンプライアンス」PJニュース2010年7月5日
林田力「クライシスマネージャー(9)裁判対応」PJニュース2010年7月6日

日弁連理事会にも韓流偏重批判が飛び火

俳優の高岡蒼甫の韓流批判発言に端を発した韓流偏重批判。フジテレビ抗議デモ主催者が交際を理由に活動終了を表明し、高岡蒼甫も謝罪するなど一段落の感があるが、周回遅れで日本弁護士連合会(日弁連)の理事会にも飛び火した。出席した理事によると、日本と韓国の弁護士会の交流会の名称を「韓日バーリーダーズ会議」と韓国を先に表記したことを問題視する意見が出されたという。
日弁連は言わずと知れた弁護士の上部団体である。貧困問題などへの取り組みで知られる宇都宮健児氏が2010年3月に会長に当選したことは大きな話題となった。理事会は規則制定や総会議案、各種意見書を審議する日弁連の議決機関である。
10月19日に東京都千代田区の弁護士会館1701号にて開催された理事会では福島原発事故をはじめ、様々な問題が審議された。たとえば、この日に承認された「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針についての意見書案」では「除染の対象基準として追加被爆線量が年間1ミリシーベルト未満となることを目指すべき」などと主張する。出席理事からは「除染は単に放射性物質の場所的移動を行うだけで、全体量は変わらない」と除染の限界を指摘する意見も出された。
また、弁護士自身に直結する法曹人口問題では、適正な法的需給バランスの観点から急進的増加ではなく漸進的増加への移行方針を示すことが話し合われた。急激な増員は弁護士の質の低下、倫理観の減退を招き、市民にも具体的な弊害をもたらすことをデータなどで説明する方向である。
社会性があるテーマが続く中で、毛色の変わった質問が執行部の報告事項「第1回韓日バーリーダーズ会議」でなされた。これは9月23日から25日まで韓国済州島(チェジュ)で行われた韓国弁護士会との交流会議の報告である。
この会議では外国弁護士の受け入れなど両国の法曹に共通する問題が意見交換され、韓国では外国弁護士受け入れを自国弁護士の海外進出とリンクさせて考えていると報告された。ここでも既得権を固守しようとする内向きの日本と、外に打って出る元気のある韓国の差が浮き彫りになった。
この報告への質問は内容ではなく、表題に対してのものであった。会議の名称が「韓日バーリーダーズ会議」となっていることに噛み付いた。何故、「日韓」ではないのかという主張である。これに対して執行部は「韓国で開催する場合は韓日、日本開催は日韓とすると日韓双方で申し合わせしている」と説明した。
これはフジテレビに対する韓流偏重批判と同じ流れである。フジテレビもサッカーの日本と韓国の試合を「韓日戦」と表記して噛み付かれた。これに対してフジテレビは「開催国(ホーム)を前に、対戦相手国(アウェイ)を後に表記する原則に従った」と説明する。日弁連理事会にも飛び火した周回遅れの韓流偏重批判であるが、改めて国際感覚の乏しい自国中心主義が露呈した格好である。

警察のHIV感染者差別

警視庁の採用試験に合格したのに、エイズウイルスHIV感染の無断検査の結果、採用を拒否されたとして、東京都内に住む20代の男性が都を相手に1170万円余の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が2000年10月19日に東京地裁(福岡右武裁判長)であり、被告都は警察学校の入校者全員にHIV検査を実施すると明言せずに検査していたことを事実上認める書面を提出した。

原告側代理人は「公的な機関の無断検査が明らかになったのは初めて」と話す。労働省の「職場におけるエイズ問題に関するガイドライン」の「解説」には「本人の同意のないHIV検査はプライバシーの侵害になる」「採用選考の応募者が知らない間に検査が実施されることはあってはならない」と明記されている。

原告は1997年に合格し、警察学校に入校する際の身体検査で血液を採取された(1998.7)。都側は書面で、警察官の職務が企業や他の職種の公務員とは異なる極めて特殊なもので、「HIV感染者が就業することは困難」と説明。「警視庁は、職務を執行するのに支障があるHIVに感染しているか否かを確認する必要があり、検査を実施することは違法ではない」と主張した。その上で、「無断検査」との原告の指摘に対しては、HIVという言葉は使っていないが、警察学校職員は当然HIVを含む伝染病疾患についても検査するという明確な認識を持って入校生に身体検査を行うと告げている、拒否する者もいなかったから全員が承諾したと認識して検査を実施している、と傲慢にも述べ、賠償責任を認めなかった。

『京ガス男女賃金差別裁判 なめたらアカンで! 女の労働』を読んで

本書は京ガス男女賃金差別裁判の原告である著者による男女差別是正の闘いの記録である。同一価値労働同一賃金原則(ペイ・エクイティ)を主張して勝利した京ガス訴訟を中心とする。
著者はガス工事会社の京ガスで働き続けたが、同じ経験や能力、仕事内容であっても、女性である著者と男性従業員との間には厳然たる賃金格差が存在した。同期入社の男性従業員と比較すると、初任給の時点で3万円余りの差があったが、年々格差が広がっていった。
1993年から1998年までの5年間の賃金の差は約635万円にも上る。この差額分を不法行為に基づく損害賠償とし、京ガスに支払いを請求したのが京ガス男女賃金差別裁判である。加えて男女差別により被った精神的苦痛に対する慰謝料も請求した。
一審・京都地裁判決は「原告が女性であることを理由とする差別」と正面から著者の主張を認めた。認容額は低かったものの、紛れもなく勝訴判決である。控訴審・大阪高裁ではジェンダーバイアスの強い裁判官に苦しめられながらも、一審判決をベースとした実質勝訴の訴訟上の和解で終結した。
本書を読むことで、裁判で闘う原告の奮闘が理解できる。とりわけ先例の乏しい分野で勝訴判決を勝ち取ることの並々ならぬ苦労が看取できる。
私も不利益事実(隣地建て替えなど)を説明されずにマンションを購入してしまい、消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判によって売買代金返還を勝ち取った経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。故に著者の奮闘には大いに共感できる。
著者の経験は労働法の分野のみならず、個人が組織を相手に裁判闘争をする上で有益な示唆が多い。著者の勝因を私の裁判経験も踏まえつつ、闘志、理論、事実の立証の三点から指摘する。
第一に闘志である。裁判は闘争である。闘争とは良くも悪くも世間に波風を立てることである。故に「自ら省(かえり)みて直(なお)くんば、千万人といえども我行かん」の心意気が求められる。
日本人は裁判を避ける傾向があるとされるが、他人の目や批判を過度に恐れる性質があるためである。これに対し、著者は「人が安易に理解することを信じていない」「批判や無理解は人生につきもの」と述解している(212頁)。たとえ孤立しても、自らの権利の救済のために裁判闘争を進めるだけの精神的強さが著者にはある。
実際のところ、京ガスとの闘争は大変なことであった。指名解雇に抗議した著者がビラ配りを始めたところ、自家用車に数十個の生卵をぶつけられるなどの嫌がらせを受けたという(18頁)。
権利侵害に対し、異議を唱えて活動することは当然の権利の筈である。しかし、正義を追求した人が反対に有形無形の嫌がらせを受けてしまうのが陰湿な日本社会の現実である。私自身、東急不動産との裁判中はマンションに怪文書を配布されるなどの被害を受けた。
通常、原告は侵害された権利を回復するために提訴する。従って裁判で主張が全面的に認められたとしても、それは失われた損害を回復するものに過ぎず、それによって利益を得ることにはならない。原告にとっては認められて当然という感覚である。しかし現実には認められるまでに膨大な時間と費用を要し、相手が組織ならば有形無形の嫌がらせまで受ける。
「正当な主張を貫くことで何故、これほどまでに苦労しなければならないのか」という著者の悲痛の思いは本書全体に一貫して流れている。この不合理への憤りには私も大いに共感する。
第二に確固たる理論の存在である。裁判の一義的な目的は法的紛争の解決である。人間の尊厳を回復するための最後の手段として裁判を選択する場合が多いものの、制度面から見た裁判の目的が法的紛争の解決にある点を忘れてはならない。
そのため依拠する法律理論が重要になる。闘志は十分にあり、同情すべき事案であるにもかかわらず、裁判では敗訴してしまう例が少なくないが、これは理論構成が不十分であった可能性が高い。
著者は同一価値労働同一賃金原則(ペイ・エクイティ)を掲げ、決して揺れなかった。著者が厳しい裁判闘争を継続できた要因として、何よりも確固たる理論的支柱を保持していたことが挙げられる。私の東急不動産との裁判でも消費者契約法(不利益事実不告知)に基づく売買契約の取消しという理論構成を貫いた。
京ガス裁判も私の裁判も一審勝訴、控訴審で訴訟上の和解という点が共通する。訴訟上の和解というのは民事訴訟法に規定された訴訟を終了させる形式の一つである。「仲直り」を意味する日常語的な和解とは全く異なる。
「訴訟上の和解」を相手方への妥協や屈服と捉えて忌避する向きもある。それは第一には日常語の和解と混同したためであり、第二にはブレない理論構成を有していない場合に無制限の妥協に陥ってしまったためである。従って、譲れない理論構成を貫き通せるならば、形式的には訴訟上の和解であろうと、胸を張って実質勝訴と宣言できる。
第三に事実の立証である。裁判は事実を法律理論に当てはめて結論を導き出すが、この事実も当事者が主張立証しなければならない。著者が同一価値労働同一賃金原則で勝訴するためには、著者の仕事が男性の仕事と同一価値労働であることを立証する必要がある。
実際のところ、これが難作業であった。「管理職男性と同等価値の仕事をしている」という事実を理解してもらえるまでは想像以上の時間を費やし、苦労したという。女性である著者の担当したガス工事の検収・清算業務は「仕事の価値が低い」という「思い込み」や「イメージ」を弁護団や支援者にも払拭してもらう必要があった(187頁)。
労働者自身が、女性の仕事の価値は男性の仕事よりも低いというイメージに惑わされている現実がある。企業側は社会的な「イメージ」や「思い込み」を操作・利用することで、骨を折らずに否定しようとする。単に「女性事務員の仕事だから」ということで、著者の主張を圧殺しようとする。
私の裁判でも、日照や眺望が阻害されたのが北側の窓であったために、東急不動産は具体的な立証をすることなく、「北側だから大した問題ではない」という態度をとった。これに対し、私は自己の物件で東急不動産(販売代理:東急リバブル)が北側の日照や眺望をセールスポイントとしていたことだけでなく、他の物件でも北向きの住戸を分譲していることを立証した。
当人にとっては分かりきったことかもしれないが、裁判では裁判官に説明する必要がある。よって、きめ細かな主張立証が必要である。一般に日本人は「以心伝心」を好み、それ故に理解されないと安易にコミュニケーションを拒絶してしまう傾向がある。この点、著者は「人が安易に理解することを信じていない」性格であるため、かえって相手の理解が得られるまで説明する、しぶとさを発揮できたのではないかと考える。
本書は男性中心の企業社会に正面から異議を唱え、人間的な労働とは何かをフェミニストの視点から伝えることを意図しているが、同時に個人が組織相手に闘うことの大変さ、不合理な現状も実感できた。これから組織と闘おうとする、又は現に組織と闘っている人にとって闘いの心構えを知ることもできる一冊である。(林田力)

弁論終結から判決言い渡し

弁論終結から、判決が出るまでの期間は裁判によって区々です。
東急不動産だまし売り裁判では2006年6月28日に結審し、8月30日に判決が言い渡されました。
二子玉川ライズ住民訴訟では2009年11月20日に結審し、2010年5月25日に判決言い渡しとなりました。
この二つの裁判は結審後に和解協議は行われていませんが、結審後に和解協議が行われる裁判もあります。その場合は和解協議決裂後に判決言い渡し日が決められることになります。

司法試験にマンション建設反対運動が登場

平成21年度新司法試験(2009年5月14日〜5月17日)の論文式試験・公法系科目第2問(行政法)ではマンション建設反対運動を題材とした。住環境を破壊するマンション建設に対する建築紛争が重要な法的問題として法曹界に認識されていることを示すものである。
問題文では地上9階・地下2階建てで住戸数100戸の巨大マンションの建設が問題になっている。周辺住民は「D地域の生活環境を守る会」を結成して住環境を守るための運動を展開した。このマンションが接する道路は僅か6メートルしかなく、この程度の道路では巨大マンションを建設するための道路幅として不十分というのが住民の主張である。
また、道路の向い側には市立図書館の児童室の出入口がある。その出入口のそばに135台も収容するマンションの地下駐車場出入口を設置することは児童室を利用する子どもの安全性にも問題があると主張する。さらに不動産業者の主催した説明会では住民に質問の機会を与えず、一方的に終了を宣言するなど形だけの不誠実なものであったと非難する。正に現実のマンション建築紛争と同じ内容である。
この問題の特徴は訴訟の提起を決意した住民から相談を受けた弁護士の立場で考えることが求められていることである。設問ではマンション建設を阻止するために考えられる法的手段を挙げ、マンション建設を違法とするために住民がどのような主張が可能かを論じることになる。
建築紛争での不動産業者の言い分は「建築基準法上合法である」の一点に尽きるが、問題文では建築主に「周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮する」ことを求めた県の条例も登場させている。建築基準法上合法であるかという業者の論理に乗せられずに条例違反も含めて主張することが求められており、非常に実践的である。
弁護士は弱者の見方であり、社会正義を実現する専門家であることが期待されている。ところが実際には社会正義を蔑ろにし、依頼人の利益しか考えない不誠実な弁護士が跋扈している。それ故に司法試験の内容についても色々と議論されている。この意味で不動産業者の横暴から地域住民の生活を守るために戦うことは、あるべき弁護士像に相応しいものである。それを司法試験の問題にしたことは高く評価できる。
記者は大手不動産業者から不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して問題物件をだまし売りされ、裁判で売買代金を取り戻した経験がある。司法の場では建築・不動産問題の特殊性・専門性を持ち出して業者に都合の良い解決を押し付ける傾向が皆無ではない。この経験があるため、司法試験でマンション建設反対運動を取り上げたことを心から歓迎する。

取消訴訟の原告適格を有する者

行政処分の取消訴訟の原告適格を有する者は、当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益」を有するものと解する。この点、当該利益が法的保護に値する重要なものであるなら原告適格を基礎付ける法律上の利益と認めてよいとする見解がある。

都市計画法59条以下の認可の手続き・要件等を定めた規定は,都市計画事業の事業地内の不動産にき権利を有する者個々人の利益をも保護することを目的とした規定と解することができ,したがって,事業地内の不動産につき権利を有する者は,「法律上保護された利益」を有するから認可の取消しを求める原告適格を有するものと解すべきである。

また,事業地の範囲につき,事業認可の形式範囲のみで判断するのではなく事業の実体に着目し,各認可にかかる事業の対象土地全体を一個の事業地と考え,同事業地の不動産に権利を有する者が,各認可全体につき(すなわち鉄道事業認可を含む),その取消しを求める原告適格を有するというべきである。