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林田力「私的使用目的の複製」1999.11.15  Top

知的財産は消費の非排他性non-exclusivenessという公共財的性質を有するため法的に知的財産の無断利用行為が禁止されていなければ創作者の利益は無視される[1]。そのため知的財産権という法的権利が創作者の命綱になるが、知財制度は知的財産の供給者と享受者が分離されており、少数の事業者等が情報の供給手段を寡占していて、消費者はこれらの供給手段を介して供給される情報を享受する地位に止まっているとの仕組を前提として構築されていた[2]。しかし「万人が出版者」と言われるほど情報の送り手が拡大したネットワーク社会において[3]、従来のような送り手に対する権利を認めることで十分か、いかにして権利を実現するかということを考えていかなければならない[4]

本論ではそのような問題として家庭内における著作物利用を取り上げる。従来、家庭内における著作物利用は権利者の利益に影響を与えないものとして放置されていた。しかし民生用機器の普及によってhome tapingは著作者に甚大な損害を与えるようになっている。そこでまず私的使用目的の複製について概観し、それからhome tapingから著作者の利益を守る方策として複製機器の禁止、私的録音録画補償金、複製制御技術について取り上げ、それらの長短を検討する。

私的使用

著作権者は著作物を複製する権利を専有するが(著二一)、特別の場合について「著作物の通常の利用を妨げず、かつ、その著作権者の正当な利益を不当に害しない」範囲では著作物の利用促進のため著作権が制限される場合がある(fair use.ベルヌ九()TRIPs 13, WCT 10)[5]。著作物を個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(私的使用)を目的とする場合はその一つで、著作権者に無許諾で自由に複製できる(著三〇())。往々にして著作権制限規定は拡大解釈されがちである。かつて私企業は私的な存在なので企業内の複製は私的使用目的の複製に該当し合法であるという珍解釈が主張されたほどである[6]。しかし本来は例外として厳格に解釈されなければならず[7]、疑問があるならばベルヌ条約九条二項に戻るべきである。

家庭に準ずる限られた範囲内とは、単に数量的局限性のみならず家庭に準ずる緊密・閉鎖・非営利性によって結合した集団内のことである[8]。私的使用目的の複製は使用する本人が行う必要がある。私的使用目的で複製したものでも私的使用以外の目的での使用は著作権侵害になる[9]

米国でも私的使用のためのコピーがどの範囲までなら法を犯さないかについては不明確で研究を進める必要があると指摘されている[10]。ドイツでは公共図書館による著作物の複写と注文によるファックス・郵送による頒布も、図書館による複製に対しては複写機器操作者料金の形で公正な報酬が著作権者に払われており、私的使用のための複製(独著作権法五三)になるとした判例がある[11]

カナダでは研究及び私的学習のために一般的なfair dealingを認める[12]。法律協会による会員への文献供給サービスに対して協会はfair dealingを主張したが、協会は会員のコピーの使途に関する情報を求めることもしていないためfair dealingを主張できないとした判決がある[13]

シンガポール著作権法も研究又は私的学習のための著作物の利用をfair dealingとする[14]。スリランカでは個人的な使用のためにコピーの作成が許容されており、量的な制限は設けられていない(知的所有権法典五二号(一九七九)一三(a)(i))[15]

元々、私的複製は筆写のような零細・限定的な複製が想定されており、旧著作権法(明治三二年)三〇条は「発行スルノ意思ナク且機械的又ハ化学的方法ニ依ラスシテ複製スルコト」は偽作(著作権侵害)とみなさないものとしていた。当時は機械・化学的複製ができる者は限られていたが、複製機器が家庭内に普及するようになると、規定の上ではそのような複製も侵害ではあるが、その発見は困難であり事実上野放しにならざるを得ず旧法の規定は実情に反すると考えられるようになった[16]。そこで手段を禁止するのではなく目的・範囲で制限すべきと主張され、現行法はそのように規定された[17]

しかしその後の複製技術の発達・普及は目覚しくオリジナルと区別のつかない大量の著作物の複製が家庭内で行われている。しかもレンタルやエアチェックによって自分の購入していない著作物も複製される。日本は著作物利用技術の開発の面では世界のトップレベルであり[18]、他方でCD レンタルが業として繁盛しているためhome tapingの被害は特に大きい[19]。全米音楽出版社協会と日本音楽出版社協会の共同コミュニケ(二〇〇〇..)でも私的コピーとテクノロジーの発展の結果から生じる潜在的損失に憂慮すると声明された[20]

一般に著作物は一人につき一製品しか購入されない[21]。いかに富裕でも、熱烈なファンでも例えばモーニング娘。「恋のダンスサイト」を一人で一〇枚も買ったりはしない。従って一つの著作物が複数人で利用されるとそれだけ著作物の売上が減少してしまう。例えばレンタルしたCDを自分のMDにダビングした者は改めて同じCDを買うことはない。その結果、自分が購入してもいないのにその曲を自由に聴けるようになり、本来売れるはずのCDが売れなくなってしまう。

他方、自分が購入したCDを自分で聴くためにMDにダビングする場合は1枚のCDを複数人が利用するわけではないから著作権者に影響を与えないとの見解もある。しかしCDCDプレーヤーでしか再生できないが、他の媒体に録音することによってCDプレーヤー以外の機器でも再生できるようになってしまう。CDという媒体によって自らの作品を販売する著作者は購入者がそのCDを何回聴こうと文句はない。しかし著作物をCD以外のメディアで自由に再生することまで許容してはいない。

著作権の制限が許されるのは、特別の場合で、著作権者による著作物の通常の利用に影響を及ぼさず、著作権者の正当な利益を不当に害しない場合であるが、オリジナルの購入の減少は著作権者の利益を害する。又、それはオリジナルの販売という形による著作物の利用に影響を与える。とりわけCDの生産枚数・売上が減少している現在[22]、そのような損害は権利者にとって容認しがたいだろう。そしてhome tapingは非常に広範に行われており、特別の場合とはいえない。故に機械・自動的複製は私的使用であっても著作権侵害に該当しうると考えるべきである。

アナログ技術といえどもオリジナルと比べて質が格段に落ちるわけではないが、特にデジタルはオリジナルとコピーが同値で安価・迅速・劣化せずに複製が可能である[23]。そのためデンマーク知的所有権法(一九九五)は個人的な使用のために資料をコピーすることを認めつつも、デジタルからデジタルへのコピーを禁止した[24]

実際、プログラムの著作物は私的使用目的であっても複製は許されないと主張されている[25]。インドでは純粋に私的・個人的使用のための複製物の作成は許容されるが、プログラムは除かれる[26]。又、既に自分が入手した有対物たる複製物を私的使用目的で複製する場合と、自己の支配圏外にある存在する複製物を複製する場合では著作権者に与える影響が異なるため、ネットワークを介してサーバに蓄積されたデータを個人がダウンロードする場合は私的使用目的の複製には該当しない[27]

機械・自動的複製は私的使用であっても著作権を及ぼすべきというのが結論だが、そうであるならばユーザーは私的使用目的でも権利者に許諾を得なければCDやビデオをダビングしてはならず、無断でダビングした場合は著作権侵害として民事・刑事責任を追及される。しかしhome tapingは誰でもどこでも容易になされるもので、権利者が把握することは困難である。著作物利用の把握の困難はこれに限定されず、home tapingの場合は録音物が存在する点で演奏権侵害よりも立証が容易な面もないわけではない。しかし演奏権侵害は基本的に店舗で行われ、その点で限定的だが、home tapingは一般の住宅で行われる。しかも一回一回のhome tapingによって生じる損害は軽微である。そのため、私的複製に著作権者の許諾を要するとしたところで、現在の技術水準では私的複製に権利行使すると取引・訴訟費用が高くつき不経済である[28]。判例時報には毎号一−三件の知的財産関係の判決が収録されているが、平成十一年版判例時報総索引(一六五五−一六九〇)には私的使用目的の複製に関する判決は一件もない。そもそも著作権者側が私的使用目的の複製を許容した根拠もこの点にあったわけだが、だからといってhome tapingを放置してよいほどその害が小さくないことは前述の通りである。ここにhome tapingの問題点がある。

複製機器

ここで著作権者が自らの利益を確保しようとするならば原点に戻って対策を立てなければならない。問題は高性能の複製機器の開発・普及にある。複製機器があるから複製が行われるのであり、そのために著作権者の利益が失われた。複製機器は著作物の複製以外にも用いられるかもしれないが、複製機器が多くの場合、著作物の複製に用いられることは否定できない[29]。従ってhome tapingを行うのは機器の使用者であって機器の製造販売業者ではないが、製造販売業者は機器の購入者による著作権侵害の寄与者として共同責任を問われうる[30]

カラオケスナック経営者がカラオケ装置を用いて著作物を無断利用したことに対し、カラオケ装置のリース業者の著作権侵害が認められた例がある(大阪地判平六..一七判時一五一六-一一六)。判示のようにリース業者がリース契約を締結するに当たり、カラオケスナック経営者に著作権法遵守を積極的に促す法的義務が認められるかは疑問だが、リース業者はカラオケ店における同装置の無断使用が著作権侵害になることを当然知っているはずであり、その事実を知りながら同装置からの収入を得ていることは著作権者との関係において直接的な著作権侵害にあたる[31]

他方、デジタル音楽放送が受信者のMD録音を助長しており著作権侵害とする訴えを、録音は受信者の自由意思に基づくものとして棄却した例がある[32]。しかしこのような見解は実態に沿うものではなく、複製機器メーカーも法律の遵守はユーザーの責任と他人事ですますことはできず、ユーザーが著作権を尊重する保障がなければ著作権侵害の蓋然性の高い機器を販売すべきではない。

実際、スクランブル機能を解除する暗合鍵が解読されインターネット上に掲載されたためDVD-Audio再生機は販売延期措置がとられた[33]。又、日本レコード協会主催「アジア・太平洋地域著作権・新技術フォーラム」(銀座東武ホテル一九九九.一〇.)では最新の録音機器であるSuper Audio CD[34]DVD-Audio、メモリースティックウォークマンについて各メーカーの開発担当者からプレゼンテーションが行われたが、全てのプレゼンで著作権保護の手段に触れていた[35]。著作権侵害で訴えられたRioも三代目の「Rio 600」の発売にあたり、「著作権保護についてはどんなメディアや音声形式にもかかるようになっている」と説明する[36]。つまり複製機器の開発には著作権への配慮が不可欠であり、それを無視して機器を販売したらメーカー自身の責任が問われることになる。

ハードではないが、米国ではMP3のサーチサイトや、Real Audio PlayerのコンテンツをMP3Windows Media Audioのフォーマットに変換するプログラムの開発者が著作権の寄与侵害等で提訴されている[37]。当該開発者自身が著作権を侵害しているわけではないが、海賊行為を助けることになるからである。MP3.com社の「Instant Listening Service」「Bean-It」は著作権侵害と認定された(RIAA v. Mp3.com Inc, 92 F. Supp. 2d 349 (US Dust. S.D.N.Y. 2000).)。「Instant Listening Service」は同社と提携したオンラインショップで音楽CDを購入したユーザーにパッケージが届けられる前にその曲をストリーミング配信によってネット経由で視聴できるようにするサービスである。MP3.com社はこのサービスはレコードファンに彼らがまだ持っていなCDを買うようにさせるいわばレコードの販売促進に寄与するものであり、RIAAMP3.comfair use規定に頼ることはできないというためには、MP3.comの行っているコピーが本来の市場を減少させることを証明しなければならないと主張していた[38]。「Bean-It」は手持ちの音楽CDMy MP3.comに登録しておけば音楽CDを持ち歩かなくても登録した曲をネット経由でストリーミング再生できるようにしたオンライン・ジュークボックスサービスである[39]

米国ではユーザー同士のパソコンからデジタルコンテンツをコピーできるNapsterが問題になっている。前者に対してRIAAは著作権を侵害する違法コピーを助長したとして一九九九年一二月カリファルニア連邦地裁に提訴し、地裁はサービス停止の仮処分命令を出した。判決はNapsterを「単に音楽の無断ダウンロードをするシステムに過ぎない。著作権侵害をしない使い道はほとんどない」とし、「化け物を作ったのも同然で、後始末のため楽曲を無断でコピー・交換できないようなソフトも開発する義務がある」とした[40]。尤も米国で訴訟がこじれている原因の一つは、著作権法がネットワーク時代に対応するよう明文化されていないことにあり、日本国内なら利用者は明らかに違法になる[41]

著作権にとって更に脅威なのは二〇〇〇年三月に登場したソフトGnutellaである。これは米国のオンラインサービス会社の従業員により開発・公開され、すぐに回収されたがアングラで普及・改良されているという[42]。このため音楽配信ビジネスの展望を危ぶむ声さえ出ている[43]

複製機器も同様であり、理論上著作権者には複製機器の販売を差し止める権限があると考える。複製機器によって個々の著作権者の著作権が侵害される可能性は微々たるものだが、集中的権利処理機構やクラスアクションによれば侵害の蓋然性は高まる。実際、権利者団体がメーカーを著作権侵害で訴えた国(e.g.西独(当時))もある。しかし日本では多くのレコード会社が機器メーカーの子会社であるためか(例えばソニー・ミュージックエンターテイメントSMEはソニーの子会社[44])、そのような例はない。

従って理論上は複製機器の製造販売の禁止がhome taping問題の根本的な解決策である。しかしこれは民生用レコーダ機器の存在を否定することであり、技術の進歩を妨げることになる。確かに科学技術の発達は大幅な生活水準の向上をもたらすが、同時にそれが法益に甚大な脅威を与えうる存在であることも忘れてはならない[45]。豊かな生活の陰には犠牲がつきものであり、どこかにしわ寄せがあるならばそれを埋める工夫を考えなければならない[46]

これに対しては科学技術の発達が損害をもたらすとしてもそれは使う人間が誤用したからであって、技術の進歩自体は善又は価値中立であり、進歩は妨げてはならない、という批判がある。しかしそのような科学信仰は能天気すぎる。先に軍事用技術が開発され後からそれに民生用技術に転用され、環境保全技術よりも環境を破壊する技術の方が長足の進歩を遂げているのは、技術進歩が中立ではなく技術を利用する人間の意図を反映しているからである。つまり現代社会には、人助けよりも人殺しのために科学技術を利用したい、という人の方がそうでない人よりも多くの権力や財力を掌握しているからなのである。同様に著作権を守る技術よりも著作権を侵害する技術の方が進んでいるのは、著作権を守りたい人よりも侵害したい人の勢力の方が強いからである。

研究者自身はひたすら技術進歩に貢献するために研究に専念しただけであり、損害を与えるつもりなど毛頭なかったと弁解するかもしれないが、自己の研究分野への専念が全社会的に見れば無自覚的にある種の抑圧に荷担してしまうこともありうる[47]。それ故、特定の技術を規制・禁止することも時には必要であり、著作権が法によって保護すべき利益であるならば、それを侵害する技術の禁止は正当化できる。

但し特定の技術を禁止したとしても、それで開発者の開発意欲を止められるかは別である[48]。技術進歩は価値中立でなく、人間の欲望を反映しているからである。産業革命期の英国では新発明によって多数の手工業者や労働者の生活が苦しくなったため、彼らは機械打ちこわし運動(Luddite運動)によって中世的労働者の滅び去った地位を取り戻そうと試みたが、弾圧され失敗に終わった[49]。その後、労働者は機械を否定するのではなく労働組合の組織化や労働立法によって自らの利益を守るようになった。技術の禁止は安易にできるものではないから、技術を法に合わせるのではなく法を技術に合わせるという発想が採れるならばそれを模索するのも一計である[50]

民生用複製機器は個人の文化生活を向上させうるものであり、文化を保護する著作権法が豊かな文化生活にブレーキをかけるのはあまり好ましくない。しかも複製技術は著作権にとって脅威だが、それは著作権侵害のためにだけ用いられるものではなく、著作権が生まれたのも最初の複製技術である印刷術が発明されたからであり[51]、複製技術の進歩なしでは著作権の発展はない。そのため著作者はhome tapingの禁止ではなく、いかにして私的複製から報酬を引き出すかという方向に発想を転換した[52]。そこで考案されたのが補償金制度である。

補償金請求権

私的録音録画補償金制度は西独で初めて採用され(一九六五)、墺、ハンガリー、コンゴ、フィンランド、アイスランド、葡、仏、西、豪、蘭(一九八〇年代); ブルガリア、チェコスロバキア、伊、デンマーク、ベルギー、米(Audio Home Recording Act of 1992 (17 U.S.C.A. 1001 et seq.))、加(一九九〇年代)で導入されている[53]。日本でもJASRAC等による同制度の要望(一九七七)が契機となって、文化庁著作権審議会等で審議が重ねられたがメーカーの反発が強く紆余曲折を経て、ようやく一九九二年著作権法によって規定された[54]。これは著作(隣接)権者に私的使用を目的として政令で定めるデジタル機器・機材(記憶媒体)を用いて録音・録画を行う者に対して補償金請求権を認める制度である。補償金請求権は一般の著作権に認められる差止請求権を有しない。従って著作権者は報酬を請求できるだけで私的複製を止めさせることはできず、報酬額の決定権ももたない[55]

著作権者は著作物を支配する権利を有するが、私的使用の場においては著作権者の支配は事実上貫徹しにくく、たとえ可能としても貫徹させることには懸念もある。デジタル技術は著作権侵害を容易にする一方で、権利行使・管理をこまやかに行うことを可能にさせつつある[56]。実際、ネットワークを活用することでカラオケや貸しレコードの利用曲・利用回数をより正確に把握できるようになったし、放送波に乗っている権利情報をモニターして利用実態をチェックする仕組も実現しつつある[57]。それ故私的使用のコントロールも技術的には不可能ではなくなるかもしれない。

しかし私的使用の範囲内ならば自由に録音したい、というのが音楽愛好家の自然な欲求であり[58]playの度毎にpayを求められるのは消費者には抵抗がある[59]。加えて著作権の管理が利用者の特定を必要とし、その利用契約を記録するならば、利用著作物の履歴データが取れることになり、ユーザーのプライバシーを侵害し[60]、政府の思想調査・統制に悪用される危険もある[61]。管理社会において個人の尊厳を保持するために人は自らの私生活から他人の干渉を排する権利を有しており(東京地判昭三九..二八下民集一五--二三一七宴のあと事件、Griswold v. Connecticut, 381 U.S. 479.)[62]、これは権利者の経済的利益以上に保護されるべき法的価値である。尤も購入データによるプライバシー侵害はクレジットカードからでも既に生じうることである。プライバシーは権利者に対する実効的な権利の付与と政府による適切な規制によって保護していくべきであり、著作物の取引のみを否定する理由にならない。

何れにせよ著作物が利用者の私的領域に入っても著作権は消滅しないが、利用者の私生活上の権利と衝突するから権利と権利の調整が必要になる。そのため家庭内では著作権は完全な形で発現できず例外的に報酬請求権となると説明することもできる。しかし私的複製でも機械的複製が著作権の対象ならば、個別に権利者の許諾を得て複製するのが本則である。使用料を払いさえすれば自由に利用させる報酬請求権の方が、著作権者に多くの収入をもたらし有利であるとの見解もあるが、それは著作権者がたとえ報酬をもらったとしても利用させたくないと考えている場合は根拠にならない。個別の複製権の行使が困難なために、補償金徴収制度と報酬請求権を組み合わせて著作者の金銭的利益だけでも確保しようとする苦肉の策に過ぎない。

(一) 補償金対象機器

補償金対象機器はデジタル方式に限られる。本来、アナログ・デジタルを区別する必要はなく、現に独仏ではアナログ機器にも補償金をかける[63]。ただアナログ録音による損害はすでに生じてしまったものであり、この技術は近未来には陳腐化するから、今更アナログ録音は自由という慣行を破ってまですることもないかもしれない[64]。しかしデジタルはこれから普及する技術であり、アナログ製品に置き換わりつつある[65]。実際、一九九九年のMDポータブルの国内出荷台数は二六六万台で、アナログカセット方式のヘッドホンステレオの二六四万台を上回った[66]。コンポもMD付きが主流となっており、中でもCDからMDに倍速でダビングできる機種が人気を集めている[67]

録画機器についてもデジタル放送の開始・普及により需要拡大が見込まれている[68]。従来のD-VHS機は既存のテレビ並みの画質でしか録画できなかったが、松下電器はBSデジタル放送の試験放送に合わせて、デジタルハイビジョン放送の画質を劣化させずに録画できる機器を発売する[69]。又、CDの約七倍の記憶容量があるDVDの録画機・録画用記憶媒体も開発されている[70]

政令指定録音機器はDAT (Digital Audio Tape recorder), DCC(Digital Compact Cassette), MD (Mini Disk)(一九九三.); オーディオ用CD-R, CD-RW (一九九八.一〇)、録画機器はDVCR(Digital Video Cassette Recorder), D-VHS (Data Video Home System)(一九九九.)である。CD-R, Compact Disk Recordableはデータの書き込みが一度だけ書き込みができるディスクで、CD-RW, Compact Disk Rewritableは何度(一〇〇〇回以上)でも書き換え可能である[71]

補償金対象機器は録音録画専用機とされているため汎用機(e.g.パソコン)は録音録画機能があっても補償金の対象にはならない。録音録画専用でなければ著作物の複製以外に使用されることも多いだろうが、かなりの割合で私的複製は行われうるのが実情である。実際、インターネットができるテレビや携帯電話等、高性能化する情報端末に対抗して、テレビの録画や音楽の編集等、AV機能を強化したパソコンが相次いで登場している[72]。従って補償金額は専用機より低額としても録音録画機能を有する機器全てを補償金の対象とすべきである[73]

MP3(MPEG Audio Layer-3)用プレーヤーもデジタル録音機器ではないとされる。米国では全米レコード協会Record Industry Association of Americaが携帯型MP3再生機器Rioの製造者を著作権の寄与侵害contributory copyright infringementで訴えた訴訟ではRioは単なる再生機器とされ棄却された(Recording Industry Association of America v. Diamond Multimedia Systems, Inc., 180 F. 3d 1072 (9th Cir. 1999).)[74]。仮に対象機器になるとしても、MP3のプレーヤーやエンコーダーには有体の機器だけでなく無形のアプリケーションソフトもあり[75]、しかも無償配布されているものもあるため今後の検討が必要である[76]

録音録画以外にも大量複製やマルチメディアの分野では補償金対象機器の拡張が予想される[77]。実際、独、ハンガリー、リトアニア等は複写機器にも課徴金を課しており[78]、日本でも著作権審議会で検討されたことがある[79]。更に電子図書館と著作権法の衝突を解消するためにデジタル出版物用ブラウジング端末への補償金制度の適用も提言されている[80]

政令指定機器のみが本制度の対象になるため、新種のデジタル機器が発売される度に政令を改正する必要が生じる[81]。新種のデジタル機器は発売される前に補償金対象機器に指定しておくべきだが、多くの場合メーカーは指定を待たずに発売に踏み切ってしまう。それ故、一定の要件を満たせば自動的に補償金の対象にする包括的な指定が必要だろう。それが難しいならば、補償金のかけられていないメディアでの無断複製は著作権侵害になるのだから、そのような侵害の蓋然性の高い機器を販売するメーカーに対して著作権侵害の責任を追及することで対抗すべきである。

(二) 指定管理団体

補償金請求権は補償金請求権者のために権利を行使することを目的とする団体であって、文化庁長官の指定する指定管理団体がある時は、当該指定管理団体によってのみ行使される(著一〇四-)。録音の指定管理団体は()私的録音補償金管理協会Society for the Administration of Remuneration for Audio Home Recording, SARAH、録画は()私的録画補償金管理協会Society for the Administration of Remuneration for Visual Home Recording, SARVHである。米国の私的録音徴収団体はDigital Audio Recording Technology Coalitionである。指定団体制は商業用レコードの二次使用料を受ける権利にも採用されており(著九七)、実演家の権利は芸団協、レコード製作者の権利は日本レコード協会が指定されている。ベルギーのレコード使用料の指定団体はMicrocam(クラシック・ポップスのアーティスト)Uradex(アーティスト、ダンサー、俳優)SIMIN(レコード製作者)である[82]

補償金は特定機器・機材の価格に上乗せされ、その購入時に一括して支払われる(著一〇四-)[83]。特定機器・機材の製造・輸入業者は管理団体による補償金の請求・受領に対して協力義務を負う(著一〇四-)。メーカーが購入者から預かった補償金は業界団体である日本電子機械工業会・日本記録メディア工業会を通じて管理協会が受け取る。日本電子機械工業会・日本記録メディア工業会は補償金制度導入以前(一九八一)からhome tapingによる著作権者の損害への配慮として著作権資料協会の著作権思想普及事業に助成金を払っていた[84]

本来、著作権の使用料等の金額は、権利者と利用者の契約により決定されるものだが、補償金については関係者、関係団体が多数に上ることから文化庁長官の認可事項とされた。金額の案を定めて申請する主体は指定管理団体だが、機材等に上乗せの一括補償金については日本電子機械工業会(機器)、日本記録メディア工業会(記録媒体)の意見を聞くことが義務付けられている[85]

補償金額は録音機器が基準価格に二%を乗じて得た額又は一〇〇〇円(デジタル録音機能二個を内蔵する機器にあっては一五〇〇円)の何れか少ない額に、消費税相当額を加算した額である。記録媒体は基準価格に三%を乗じて得た額に消費税相当額を加算した額である(二〇〇〇年度)。制度発足当初(一九九三・九四年度)は機器・機材とも一%で出発した。基準価格は製造業者又は輸入業者が国内において最初に流通に供した際の価格、即ち卸売価格であるが、その算出についてはカタログに表示された標準価格の一定割合(機器六五%、機材五〇%)をもってあてることができる[86]

録画機器の補償金額は一%で上限一〇〇〇円、機材一%である(二〇〇二年度まで)[87]。音楽作品に比べて映像作品は制作費が高く権利者も多いから補償金額も高額であるべきだが、録音機器に比べて録画機器は高額であり、機器の普及も初期段階なので文化庁の斡旋によって当面は低額になった[88]

本来は著作権者各人が著作物を複製される度毎に請求するのが筋だが、それを把握することは難しく、一々請求するならば高コストになってしまうため、このような方式が採られた。このような著作権使用料の丼勘定は他にも見られる。日本複写権センターは企業等と契約を結び文献複写から著作権使用料を徴収して著作権者に分配する仲介団体だが[89]、使用料は企業の従業員数、複写機の台数等に基づいて算出される。音楽著作物の放送等でも、著作権管理団体が包括的に許諾し、著作権料を個々の利用に対してではなく放送機関の収入の一定割合に約定するブランケット契約が行われている[90]。これは放送機関の収入増加に応じた使用料徴収・曲別支払い方式の煩雑さの軽減という点で権利者・利用者双方にメリットがあるが[91]、集中的権利処理機構による権利行使を前提とする。

著作権料の丼勘定は止むを得ぬ便法だが、それが常態化すれば著作権を私権とする法制度は根本から覆りかねない。私的録音録画行為を把握できる技術的基盤が存在するならば私的複製した者に対し複製した分だけ請求するのが望ましく、将来それが可能になった時のために著作権法三〇条()は補償金支払義務者を機器の製造業者ではなく私的録音録画を行う者と規定した[92]

徴収された補償金は先ず権利者団体に分配され、更に各団体から各権利者へ再分配される。SARAH()日本音楽著作権協会Japanese Society for Right of Authors, Composers and Publishers, JASRAC(三六%)()日本芸能実演家団体協議会(三二%)()日本レコード協会(三二%)SARVH は私的録画著作権者協議会(六八%)、芸団協・日本音楽事業者協会(二九%)、日本レコード協会・音楽出版社協会(%)に分配する。一九九五年度の芸団協の受取額は四二〇〇万円であった[93]

私的録画著作権者協議会はJASRAC・日本脚本家連盟[94]・日本シナリオ作家協会・日本文芸著作権保護同盟(全体の三二%)NHK・民放連・全日本テレビ番組制作者連盟・日本映画製作者連盟・日本映画製作者協会・日本映像ソフト協会・日本動画製作者連盟(三六%)に再配分する。尚、管理協会経費(基本財産・運営経費)の分担比率もこの割合である[95]

補償金を受ける権利は管理協会に参加している団体に限定されないから、非会員の権利者からの請求に対しては補償金分配の細目とともに、分配を準備しなければならない。更に私的録音録画補償金請求権は著作者に属する権利だから、外国人著作権者に対しても内国民待遇national treatment(ベルヌ条約五、ローマ条約二)としてこの権利を保障しなければならない[96]

私的録音以外の著作権料の分配も扱っている各権利者団体は、補償金についても既存の分配方式に連結すれば低費用で分配を行える。しかし既存の分配方法や独占団体による一極管理自体に不満を抱く著作権者も少なくない[97]。取引の専門家ではない著作者本人が権利行使するよりも専門家である管理団体がした方が本人にとってもより有利な結果をもたらすと管理団体の幹部はうぬぼれているかもしれないが、それは余計なお世話である。人は誰も他人の財産を自分の財産を使うように注意深く使わないから[98]、一般に他人による権利行使は本人の利益を害する。自己の財産権を自由に行使できるようにすることが、各人に自己の効用が最も高くなるような形での権利行使を可能し、本人に最大の利益をもたらす[99]

権利者団体は無力な個人である著作者[100]bargaining powerを獲得する手段であるが、官僚化や組織自体の自己目的化の弊害を伴いがちである。しかも管理団体が独占状態にあるならば独占の弊害も生じる[101]。しかも日本の権利者団体の多くは所管官庁の後押しで設立されており[102]、その要職に著作権行政に携わった官僚が占めることも珍しくない。例えば戦前著作権行政を担当した内務官僚国塩耕一郎はJASRACの会長・理事長に就任した[103]。又、現行著作権法案の起草者である加戸守行はリクルート事件後の「人心一新」によって文部省官房長を辞職した後、JASRAC理事長を務めた[104]。著作者保護の美名の下に著作者に帰属されるべき著作権使用料が天下り文部官僚の給料・退職金に化けてしまう危険もある。

私的録音録画補償金は一定額の報酬請求権だから誰が権利行使しても大差なく、事務的負担を軽減し円滑な補償金の徴収のために単一の指定管理団体に行使させるのは止むを得ないとされる[105]。著作権審議会権利の集中管理小委員会「専門部会中間まとめ」(一九九九)、「報告書」(二〇〇〇)は、著作者に著作権管理団体の選択権を保障するために管理制度の見直しを提言したが[106]、指定団体制度については合理的として維持を適当とする[107]。しかし自己の選択と責任において委託したわけではない権利者の財産権を扱う以上、明確な責任に基づいて委託者と高度の信頼関係を築かねばならず、それには団体運営の民主・透明性、権利者へのaccountabilityが不可欠である。

補償金はメーカーから一括して徴収されるのでその性質は課徴金・目的税に類似する[108]。そのため税金として徴収してその一部を権利者に分配する国もある(スウェーデン、ノルウェー)。しかし補償金請求権は著作権者の私権であり国の介入は自由主義の原則から好ましくない。

(三) 私的録音以外の用に供する場合

補償金は機器・機材の価格に上乗せされるため、他人の著作物以外の録音のためにデジタル機器を購入する者も補償金を払わなければならない。そのため補償金を払った者は指定管理団体に対し、機器・機材をhome taping以外の用に供することを証明すれば補償金の返還を請求できる(著一〇四-())。一般原則によれば権利を行使する者が自分の権利を立証しなければならないが[109]、機器の購入者が著作物をコピーする蓋然性が高いのでコピーしない者に証明させることにした。

購入時に補償金分を支払わないことを認めないのは私的録音以外の用に供することの証明には一定期間の事実が必要と考えられるためである[110]。ただ私的録音以外の用に供しないことの証明は困難で、仮にできたとしても証明に費やす労力・費用は補償金額に見合わないことが多く、この規定は返還請求を諦めさせるためにあるようなものである。この私的録音しない人からも補償金を徴収する点がこの制度の欠陥として非難が集中している。

これに対してはデジタル機器・機材には音楽を録音する権利がセットで販売されていると考えればよいとされる。つまりデジタル機器の購入者はデジタル機器だけでなく音楽を録音する権利も購入したと考える。録音できる権利を買った人が実際に録音する、しないは本人の自由であり、私的録音以外の用に供したとしてもそれは本人の選択の結果に過ぎない。しかしこれは録音できる権利が不要な人にも押し付ける抱合せ販売であり、抱合せは買い手の商品選択の自由を奪う不公正な取引方法である(不公正な取引方法一般指定一〇項)[111]

だが物流では流通と商品の利用可能性が一体化しているから、有体物の取引では信用できない相手とは取引しなければ損害を被ることはないが、著作物は無体物としての特質から事実上の流通と法的利用可能性が乖離しているため[112]、私的録音は音楽を録音する権利のない人でも事実上できてしまう。従って著作物の場合は円滑な権利処理システムを作らなければ無断利用が横行しかねず(著作物利用を拒否されたにも関わらず無断で著作物を使用した例に、最判昭四七..四著判I-五二七東海観光事件、東高判昭六〇.一〇.一七無体一七--四六二現代日本の美術事件)、その点で著作権取引では著作権者は弱い立場にあり抱合せが必要である。それでも録音しないのに補償金を払わされる利用者の不満は残る[113]

しかし複製機器で他人の著作物を複製しない人でもこの機械が多くの場合、著作物の複製に用いられることは否定できないだろう。著作権を尊重するならばメーカーは複製機器を販売すべきではなく、逆に言えば補償金制度によって一括的な権利処理を行ったから消費者はデジタル機器を利用できるようになったのである。その意味でこれは著作物の複製をしない人も含めた全てのデジタル機器利用者に必要な制度である。

(四) 共通目的基金

徴収された補償金は全額権利者に配分されるのではなく、補償金額の二割は著作(隣接)権の保護に関する事業、著作物の創作の振興・普及に関する事業のために支出される(共通目的基金)。著作権法一〇四条の八は二割以内で政令に定める割合に相当する額とするが、上限の二割に定められている。

SARAHでは前者の事業として()著作権情報センターCopyright Research and Information Center, CRICに委託して著作(隣接)権についての懸賞論文の募集、著作権に関する書籍の刊行、CRIC附属著作権研究所による調査研究、著作権相談室、Web site(http://www.cric.or.jp/)の開設等を行っている[114]。又、東アジア・南太平洋諸国の著作権関係者を日本に招聘し、意見交換を図るための国際会議であるアジア・太平洋著作権・著作権隣接セミナーを第二回以降文化庁と共催している[115]

後者の事業にはJASRAC・芸団協主催の演奏会(舞台芸術フェア「二一世紀へ〜歌い継ぐ日本の心〜」(東京オペラシティコンサートホール一九九九..一九)、舞台芸術フェア・フォークコンサート 音楽創生「人生は旅・・・探し物は見つかりましたか?」(すみだトリフォニーホール一九九九..二五))への助成や助成事業の公募がある[116]

補償金は管理団体から各権利者に分配されるが、私的録音についての完全な統計がなく著作物利用に応じた正確な分配を行うことができないため、分配から漏れた著作権者への配慮として著作権者全体の利益となる事業への支出により一種の間接的な分配を行う必要がある[117]。又、デジタル機器の普及によって多くの人が音楽鑑賞として録音の再生を聴くことで満足するようになると、実演家は生演奏をする機会を奪われ機械的失業に陥るため[118]、権利者以外の実演家も補償されなければならない。

更に私的録音を行わない人も事実上補償金を払わされるため、その分を権利者への分配から除いて公益のために用いるのは背理ではない[119]。私的録音以外でデジタル機器を使う目的には野鳥愛好家による鳥の鳴き声や親による子どもの声の録音等も考えられるが、最も多いのは自分の作品の録音だろう。「売れている」アーティストならば補償金のかからない業務用機器を使っていようが、高価な業務用機器に手が届かない無名のアーティストやアマチュアは民生用機器を使わざるをえず、大量に録音するため小額の補償金でも負担は大きい。しかも鳥の声を録音する野鳥研究者ならば証明は不可能ではないが、音楽家は他人の作品もよく聴くだろうから私的録音をしないとの立証は無理だろう。

以上、共通目的基金の対象として三者を想定したが、いずれも著作物の創作活動に携わっており、著作権保護及び著作物の創作の振興・普及に関する事業に支出することは彼らの利益に適っている。前者の事業はクリエイターを直接潤すものではないが、この事業によって人々が著作権を尊重するようになれば著作権者全体の利益となる。後者の事業も著作権者全体を受益者とは言い難いが、クリエイターと雖も無から有を生み出すことはできず著作物や実演は他の著作者・実演家の影響を受けて成立するから[120]、文化全体の基盤を確立・進展させることは個々の著作物・実演の開花につながる[121]。そのため著作物の創作の振興・普及事業への支出は文化の土壌を豊かにし個々により大きな果実を収穫させるだろう。

著作権者全体の利益という観念は権利者個人の利益とは別概念だから、共通目的基金という語はミスリーディングで、補償金が権利者に帰属しないという意味で公共目的への支出と位置付ける見解もある[122]。そこから補償金を権利者の意思とは関係なく強制的に特定の文化的目的に充てることは著作権法の公法的性格[123]、個人の私権としての著作権概念の変質と評されるが[124]、補償金の全額が著作物複製の対価として払われているわけでも、補償金がhome tapingの被害者全員に分配されるわけでもない以上、その一部を共通目的基金に充てることは「各人に各人のものを(Cicero)」という正義の原則[125]に背馳しない。

但し果たして二割がその額として正当かは、著作権の存続期間と同様、立証不可能な問題である。私的録音録画補償金請求権は外国人著作権者にも保障されるから、補償金の相当部分を文化的目的のために使用することは、結果的に国内権利者のためだけへの支出となり内国民待遇違反になる、という制限がある。

(五) 共通目的基金批判

事実の問題として共通目的基金が共通目的のために使われているかには議論があるが、だからこそ共通目的基金を共通目的、即ち著作者のために支出しなければならないと強調することに意義がある。

ただ共通目的基金の対象となる層はアーティストとしての社会的評価は高くなく、それ故権利者団体内の発言権も弱いか皆無なので、権利者団体が真に彼らのためになる事業に支出するかとなると悲観的にならざるをえない。しかも共通目的基金の委託先であるCRICは文部省の後押しで法人化された著作権行政の外郭で[126]、官民一体で開発された東京オペラシティに事務所を構えている[127]。天下り文部官僚の給料や退職金・飲食費に充てられることだけは絶対に避けたいところである。

補償金の一部を共通目的基金として留保しても、全額を権利者に配分しても、補償金の配分からはみ出た者のところへは配分されない点で同じである。ただ前者の場合は共通目的のために支出されるから、彼らを間接的に潤すことができると説明される。しかしそのような利益は後者によってももたらされる。何故ならば著作者各人も著作者共通の目的のためというような大それた動機はもたないにしても、著作(隣接)権の保護に関する事業や著作物の創作の振興・普及に関する事業のために支出するからである。著作者ならば自分の作品を保護する著作権への関心が低いはずはないし、自分の作品だけでなく他人の作品にも少なからぬ興味を抱いているはずである。

著作者各人の支出は自己のジャンルに偏ったものだろうが、各人が各人の関心ある分野に投資することは文化にも市場原理を機能させることになり効果的な資源配分になる。それ故、著作者に多くの補償金が配分されれば、著作者は各人の関心の赴くままにではあるが、著作(隣接)権の保護に関する事業や著作物の創作の振興・普及に関する事業のために多く支出し、結果的に配分から洩れた者も間接的に潤すことになる。

実際、一口に著作権思想・著作物の創作の振興・普及と言っても著作物には様々な種類があり、ある分野への支出はその分野の著作者・実演家を潤すにしても他の分野の著作者・実演家には益するところが少ない。全著作権者が一様に受益する事業などなく、その意味で共通目的基金の支出は常に不公平を免れず、偏った資金配分は文化の発達を歪める。共通目的基金は有限であり数多くの選択肢から共通目的によりふさわしい事業を選ばなければならないが、そのような能力と責任が果たして管理団体の幹部にあるだろうか。

人は自分の理解できる範囲でしか理解しようとしない。大人は中高年の自殺に対しては過酷なリストラの犠牲者と同情する一方で一〇代の自殺には命を粗末にしていると非難しがちである。ある日の新聞では小学校校長による性的嫌がらせ行為と小学六年生による強制猥褻について報道されていたが、見出し・文量とも後者をより大きく報じていた[128]。小学校校長という立場の方がはるかに許しがたい行為ではないだろうか。後者を重大視するのは同年代に甘く少年に厳しい新聞記者・編集者の意識の反映ではないだろうか。それとも教員によるセクハラは日常茶飯事で報道しても誰も驚かないということなのだろうか。後者は犯罪と反論するかもしれないが、同様の行為にも関わらず逮捕されたというだけで大きく取り上げるならばジャーナリズムは警察の広報部に成り下がることになる。それが公正な報道というジャーナリズムの使命に背馳することになるかは相次ぐ警察による組織的な虚偽発表をみれば明らかである。

著作者各人も各人が最もよく知っている自分のジャンルこそが最も文化的価値があり共通事業に相応しいと考えて譲らないだろう。結局のところ、共通目的基金の支出先は主張者の政治力によって決定されてしまうのではないか。著作者各人に補償金を分配し彼らが共通目的のために支出することを期待するのに比べて、補償金の一部を共通目的基金として留保し共通目的のために支出した方が、はるかに自覚的であるが、仮に管理団体の幹部が(現実は異なるだろうが)真に利他的な動機から共通目的基金の支出先を決定しようとしたとしても、神よりも猿に近い人間には全ての現在及び将来の著作者の利益を見通し最も多くの著作者の効用を増大させる事業を選択する能力はない。それ故、立法論としては共通目的基金がなくても、共通目的基金によってもたらされるであろう利益はもたらされるから、この制度は廃止すべきと考える。

(六) 小括

補償金制度は著作者の利益を保護する点で従来の著作権制度と同じだが、報酬請求権である点、指定管理団体によって行使される点、著作物の複製と補償金の支払いがリンクしていない点、著作物を複製しない人も事実上払わされる点、補償金の全額が権利者に配分されない点で大きく異なる。補償金制度が著作権と相違するのは必要があってのことであり、一応もっともな理由を述べることはできる。しかし著作者の著作物に対する利益が個人の私権であるなら、そのような補償金制度の特徴はデメリットでしかない。

現行の著作物保護制度には著作権と補償金の異なる二つの制度が並存しているとみることができる[129]。今後も家庭内における著作物利用は増大しつづけるだろうし、補償金制度の対象も拡大するだろうから、補償金は著作権者の収入源として著作権のロイヤルティー以上に重要になるかもしれない。だがたとえそうだとしても補償金制度による利益確保は必ずしも権利者を満足させるものではなく、あくまで変則的な処理であるということは忘れてはならない。私的録音に対する報酬請求を要求できるのも著作者の知的営為の成果に対する排他的支配が認められているからであって、著作者の権利の基本は支配権にある。従って支配権として機能させることができる技術的環境が整備されたならば本則に戻すのが望ましい。

複製制御技術

これまでは複製装置が製造販売されてしまったら、著作権者としては私的複製を禁止することが不可能になるという前提で議論していた。しかし技術の発達は複製制御技術を実用化させ、権利者は予め著作物に複製制御技術を組み込むことで、著作物の無断コピーを防止できるようになった。無断コピーをなくすためには複製機器を禁止するしかないというのが従前の主張だったが、複製機器が普及しているとしても複製制御技術を利用すれば権利者はコピーをコントロールすることができる。機械の問題は機械だけでは解決できないが、機械が解決の手がかりを与えてくれることも多く、技術革新は著作権と複製機器の対立に複製制御技術という解決策を提示した。

複製制御技術はハード全機種に対応させなければその意義は半減するため、コンテンツ製作者と機器メーカーの合意で標準化が進められるのが普通である。例えばインターネットによる音楽配信の複製制御技術では、世界各国のレコード会社、家電メーカー、通信事業者等によって主導的デジタル音楽保護活動SDMIが結成され、技術仕様を公開して標準化を進めている[130]

録音の複製制御技術にはSCMSCGMSやシンクパルス方式がある。連続複製防止システムSerial Copy Management System, SCMS方式は一世代のコピーしかできない技術で、コピー世代管理システム Copy Generation Management System, CGMSはデジタル記録媒体に「コピー不可」「コピー一世代可」「コピー自由」等のデジタル信号(Copy Control Information)を組み込みソフト供給者が複製回数を選択できる方式である[131]。これは権利者が作品毎に自分の意志で選択を可能にさせる点で複製コントロール技術として理想的である。

シンクパルス(マクロビジョン)方式はアナログ信号の一部に一定の信号を組み込み録画機器に認識させて無断録画に対して鑑賞に堪えないような映像にし、デジタル映像の場合は全く録画できないようにする技術で、映像暗号化システムContent Scrambling System, CSSは所定の手続を踏んで製造・販売された機器以外では解読できなくする暗号技術である。

既存のオーディオメディアはSCMS方式が規格だが、日本限定のDVD-AudioCGMSと同様、権利者が選択できる方式を採用する[132]DVD, Digital Versatile DiscではCGMSCSSが組み合わせて使われ、たとえ無断コピーしても違法複製物からは映像が出てこないという二重の防御構造になっている[133]。技術は進歩により破られるのが常だから、一つのコピーガード技術が未来永劫有効性を保つということはありえないが、個々の要素技術を組み合わせること(システム技術)によって複製防止のレベルは飛躍的に向上する[134]

従来はほとんどのコンピュータソフトにもコピープロテクションが施されていたが、ビジネスソフトは一九八〇年代後半からユーザー側の不満やFDからCD-ROMへの移行等を理由にプロテクトしない傾向が強まった[135]。プロテクトは正規のユーザーにとってバックアップコピーが作れない、自由に自己のシステムに組み込めない、HDRAMディスクが使えないという不便を与えるためである[136]

SCEは家庭用ゲーム機「プレイステーション2」を海賊版が横行しているアジアで発売するに当たり、コピーガードを強化する方針という[137]。ヤマハは電子データ化した楽譜をインターネット上で配信するサービスで購入者が取り込んだ楽譜を印刷する回数を制限するシステムを採用する[138]

これらコピーガードは利用機器が反応する信号を著作物等に付すことにより無断複製を防ぐもので、解除装置等を用いて当該信号の除去・改変を行えばコピーが可能になる。しかし著作権者が複製制御技術を施したのは、自己の著作物の複製を禁止するためであり、にもかかわらず解除して複製することは著作権者の意思に反する。それ故コピーガードを回避して行った複製は著作権侵害である(著三〇()二号)[139]

しかし解除装置が一度市中に出回れば無断コピーを防ぐのは困難だから根元から止める必要があり、WCT, WIPO Copyright Treaty (CRNR/DC/94, December 23, 1996) § 11は著作者が利用する技術的手段technical measuresの回避circumventionに対して、適切な法的保護・効果的な法的救済を定めることを義務付けた。

これを受けて日本著作権法一二〇条の二は技術的保護手段の回避専用装置・プログラムの公衆への譲渡・貸与、それを目的とする製造・輸入・所持、公衆の使用に供すること、プログラムの公衆送信・送信可能化、及び業として公衆の求めに応じて技術的保護手段の回避を行うことに対しては刑事罰(一年以下の懲役又は一〇〇万円以下の罰金)を科して規制した[140]。この規制はコピープロテクトへの対応を装置側に義務付けるものではない[141]

回避専用装置によって著作権侵害の危険性は高まるが、特定の著作権者の著作権が侵害されるとは言えないため非親告罪とされた[142]。汎用機器や無反応型機器は規制の対象から除かれる。既に著作権法一二〇条の二違反の容疑で逮捕された例がある[143]

又、不正競争防止法も技術的制限手段を無効化する機器等の譲渡を不正競争とし、それにより営業上の利益を侵害される(虞のある)場合は差止めや損害賠償を請求できることとした[144]。不競法は取引の対象となる情報全てを保護の対象とする点で著作権に関わる行為を規制する著作権法と異なる[145]。又、技術的手段の回避行為自体を規制対象とすることは見送られた[146]

米国でもDigital Millennium Copyright Act of 1998 (Pub. L. No. 105-304, 112 Stat. 2860, 17 U.S.C. 1201 et seq.) WCT § 11に対応する。§ 1021(b)(1)はコピーコントロール等、著作者の権利を効果的に保護する技術的手段を回避する装置等の製造・輸入・供給、公衆提供その他の取引を禁止する。又、コピーコントロール技術に適合しない一定のアナログビデオカセットレコーダーの製造販売も禁止する(§ 1021(k))[147]

(一) 著作権保護技術

著作権保護技術にはコピーコントロールの他にも電子透かしやアクセスコントロールがある。アクセスコントロールは著作物の視聴を制限する技術で、有料放送にかけられているスクランブル等がそれである。日本でもBSデジタル放送に向けて放送事業者等がスクランブル技術等を共同で管理する会社を設立する[148]。又、DVDには世界の地域毎に再生を制限するリージョナルコードが利用されている。ソニーのプレイステーション2にも採用されているが、このシステムを無効にする方法がインターネットで流れたため、プログラム起動ソフトを改善し、発売済みのものは交換することにした[149]

従来の通説では著作権者には著作物の使用を制限する権利はなく、著作物の使用は公に行わない限り自由とされるため、アクセスコントロールは著作権の問題外とする見解がある。そのためアクセスコントロールはWCT § 11の対象外とされ[150]、日本法上も不競法で規制される。

不正アクセスはむしろ刑事法学において熱心に研究されており[151]、不正アクセス禁止法はネットワークを通じてアクセスの制限機能を解除する情報・指令を入力して不正に利用できるようにする行為に一年以下の懲役・五〇万円以下の罰金を科す[152]。他人のID、パスワードを用いてISP, Internet Service Providerのコンピュータに侵入したとして本法による初摘発が行われた[153]。又、音楽会社のコンピュータに不正侵入したとしてライバル会社役員が同法違反の疑いで逮捕された[154]

しかし従来著作物の使用が自由だったのは使用をコントロールする手段がなかったためであり、他方、ネットワーク化は著作者の収入源を複製物の販売から著作物の使用に対する課金へ移行させつつある。それ故、技術の進展により使用行為の把握が可能になるならばそこにも著作権を及ぼすべきである[155]。国際会議でも放送事業者に放送を視聴できなくするためにかけられているスクランブルを解除する権利Right of Decodingを認めるべきとの提言がある[156]

コピーガードやアクセスコントロールを著作権法の問題とすることに違和感を覚える向きもあるが[157]、著作権者に発覚されずに容易に著作権を侵害できる情報社会では、著作権者は技術的手段によって著作物利用行為をコントロールするしかない[158]。バラ色に描かれがちなオンライン上の著作権管理システムもその成否はオフライン上の保護システムの安定性に依存する[159]

技術的保護手段及びその回避に対する法的規制と情報ライセンス契約が組み合わされることで、「契約の暴走」による知財法を空洞化させるとの見解もある[160]。しかし著作物にそれらの技術が用いられるということはそれらの技術を利用して著作物の複製・使用をコントロールしようという著作物提供者の意思の現れであり、その回避は提供者の意思を害するから解除装置の規制は正当化される[161]。技術的手段・権利管理情報の保護は著作者の権利が著作物の通常の利用・著作者の正当な利益の見地から関係する、あらゆる種類の行為に及ぶ一般的性質のものであり、それらの権利の効果的な保護・行使・執行に必要な全ての合理的な法的手段が適用されるべきであることをはっきりと示している[162]。そしてこのように解せばコピーガード回避に対し著作権者に民事的請求権を認めるべきとも言える[163]

イギリスでも上院にコピー防止システムを回避するための装置の製造に新しい法律上の不法行為を導入する法案が提出された。これは議員の個人提案で法律になる見込みは薄いが、提案の幾つかは立法に影響を与えると見られている[164]

これらの技術はそれ自体が知的財産(e.g.特許権、著作権、営業秘密)になり得、これらの技術の回避者に対しては知的財産権侵害として追及する試みも行われた(Atari Games Corp. v. Nintendo America Inc., 975 F. 2d 832 (Fed. Cir. 1992).)。しかし知的財産権はその技術の開発者に認められるもので、その技術を利用して著作物の利用をコントロールしようとする著作権者の利益を保護するものではない。

コンテンツを一律にコピープロテクト・アクセスコントロールするならば著作権の対象ではない情報の複製・アクセスをも禁ずることになり情報の利用を阻害するとの批判もある[165]。しかし著作権の対象でない情報についても提供者がその複製・アクセスを制限したいという意図は、著作権法上の保護を受けることはできないとしても尊重されるべきで、そのような情報でも制御技術を回避して複製・アクセスを試みるならば情報提供者の意図に反しその利益を害するから、彼に対する不法行為となる。

DMCA § 1201(a)はアクセスコントロールを回避する装置等の製造・輸入・公衆提供その他の取引を禁止し、加えて回避行為自体をも禁止する。しかしこれは情報コンテンツ、ライセンス契約、権利管理情報が一体的に流通するインターネット技術によってもたらされた知的財産法の変容の一例と捉えるべきであり、著作権者にアクセスコントロール権という支分権を認めたものではないとされる[166]。ニューヨーク南部地区連邦地裁は二〇〇〇年二月二日、DVDCSSを解除するDeCSSというソフトウェアをウェブサイトにアップロードする行為を本条に違反するとしてサイトから除去することを命じた[167]

(二) 複製制御技術と権利制限規定

著作権法には私的使用目的の複製を始め、権利制限規定が定められている。しかし著作物にコピープロテクトをかければ著作者は権利制限規定に該当する行為でも事実上利用を制限できる[168]。その場合に権利制限規定によって認められた利用方法を行うために、コピープロテクトを回避・解除することは権利制限規定によって許容される行為として正当化可能であるか、という問題がある[169]

私的使用目的の複製については故意に技術的保護手段を回避して複製すれば侵害とする(著三〇()二号)。しかしそもそも現行著作権法の起草者によれば権利制限規定は全て任意規定であり[170]、権利者がコピープロテクトをかけて著作物を提供し、ユーザーは押し付けられたものとしてもそういうものとして購入した以上、プロテクトを破るのは権利者の意思に反し侵害とすべきである。

(三) 補償金請求権と複製制御技術

既存のオーディオインフラに採用されている複製制御技術であるSCMSは一世代までのコピーが認められているため、権利者は完全にコピーをコントロールすることができない。現在もっとも普及している音楽メディアはCDだが、CDではSCMS以上の権利保護技術の採用は現実問題として無理とされる。そのため権利者が好むと好まざるとに関わらず一世代までのコピーはされてしまい、その分不利益を被る。この損失は私的録音録画補償金によって償われることになる。

これに対してはわざわざ補償金という不便な制度を設けなくても、CDの価格にコピー一回分の著作権料を上乗せして販売することも考えられる。これならば著作物の複製と補償金の配分が比例しないという補償金制度の欠点を回避できる。しかしCDの購入者が常に録音するとは限らないし、CD以外(e.g.放送)からも音楽は録音される。録音機器の購入者が常に他人の著作物を録音するとも限らないが、前者より後者の方がその可能性は高いだろう。加えてCDの売上が落ちている中での値上げは権利者にとって避けたいだろうし、それは却って無断コピーを増加させかねない。

他方、補償金制度は複製機器の販売時に一度徴収するだけだが、録音装置が稼動している限りhome tapingは行われうるため、複製装置の利用によって著作権者が被る損害を完全に救済できない。そのため補償金制度を採用したとしても、コピーガードは必要であり、現在のところコピーガードと補償金制度は著作権保護の車の両輪である。

権利者にとって補償金制度は複製をコントロールできないための代償であり、複製制御技術が可能ならばそれによるのが理想である。しかし複製が制限されるならば容易に同位のコピーがとれるデジタルの魅力は半減しユーザーには不満かもしれない。複製制御技術は権利者が作品毎に複製の可否やその回数を選択するためのもので、全ての複製を禁止してしまおうとするものではない。しかし実際のところ、複製を禁止できるにもかかわらず、あえて複製自由にする権利者は少ないだろう。

そのため録音機器を放送の受信機器と同様に扱い、機器の所有者に対し定期的に使用料支払い義務を課す方式も提案されている。しかしこの方式だと徴収団体は録音機器の保持者を発見しなければならず、実現は困難である[171]。とりわけ携帯用機器の保持者の追跡は難航しよう。更にプリペイドカードを購入してそれを差し込まないと録音できなくし、それを回収することによって著作物の利用頻度を測定して補償金の正確な分配の実現を図るシステムも開発中とされる。

補償金を払うならばhome tapingは自由という制度は複製をコントロールしたいという著作権者の当然の要求を満足させるものではないが、補償金を払うならば複製してもよいという権利者がいるならばそれはそれでよく、そのような態度は著作物を自由に録音したいというオーディオファンの希望にも合致する。それ故、複製制御技術が基本だが、私的複製を容認する権利者が確実に補償金を得られるように補償金制度も維持・改善していくべきである。

結語

著作権は著作物に対する支配権であり著作物が利用者の私的領域に入っても著作権は消滅しないが、そこに権利行使することは困難である。そのため現状は複製機器の禁止、私的録音録画補償金、複製制御技術による私的複製のコントロールが考えられる。著作権者にとっては複製機器の禁止が早道だが、それは人々に科学技術の成果を享受させないことになる。複製制御技術によるコントロールは権利者にとって理想的であり複製機器とも両立できるが、複製制御技術は全ての機器に対応していなければ意味がないので、対応していない機器の製造販売の禁止が前提となる。複製機器の禁止を完全に放棄することはできないのである。

補償金は私的利益の保護を求める権利者にとっては迂遠であるが、ユーザーは補償金さえ払えば自由にhome tapingできる。権利者も複製のコントロールの犠牲においてhome tapingから収入を引き出すことができる。しかし補償金制度も全ての機器を対象にする必要があり、対象外の機器に対しては速やかに指定機器にするか製造販売の禁止によって対抗しなければならない。又、補償金が機器の購入時に一度しか徴収されなければ複製機器が稼動されつづける限り行われるhome tapingの損害を埋めることはできない。そのため補償金によるとしても複製制御技術は必要である。

他方、home tapingを禁止するよりもそれを認めて収入を得ることを望む権利者もいるかもしれない。そのため基本的には複製制御技術によるとしてもそのような権利者のために補償金制度を残しておくことは有用である。

書物をフィールドとしていた著作権法だが[172]、デジタル時代になると著作者の創作方法も著作物の種類もユーザーの著作物利用方法も大きく変わっていく[173]。しかし著作物がノンパッケージとして流通するにしても[174]、パッケージの形で残るにしても、著作物の存在の陰には著作者の知的努力があるのだからその努力を踏みにじるような形で著作物が利用されてはならないし、努力に対しては正当な報酬が支払われなければならない[175]。これはデジタル時代においても不変の真理である。



[1] 田村善之「デジタル化時代の知的財産法制度」ジュリ一〇五七(一九九四)五五

[2] 水谷直樹「情報のデジタル化・ネットワーク化と著作権法制の対応」ジュリ一一三二(一九九八)一一

[3] 苗村憲司=小宮山宏之・マルチメディア社会の著作権(慶大出版会一九九七)二二三(苗村)、上野達弘「近未来の著作権をめぐる議論状況」コピライト四六一(一九九九)七一、斎藤智子「インターネットに規制の動き 表現の自由損なう恐れ」朝日新聞一九九七..一〇、Lucas, G.「技術超える映画の感動」読売新聞一九九九..一三、渡辺浩弐「ゲーム評論家の死」読売新聞夕刊一九九九..二、池松洋「沖縄音楽ネットに開放」読売新聞夕刊一九九九..一四

[4] 相澤英孝「知的財産法制」ジュリ一〇七三(一九九五)二九六

[5] Kanjanakle, N.「タイにおける著作権保護」コピライト四五九(一九九九)一一四、Tiwari, S.「新たなミレニアムのための著作権」コピライト四六三(一九九九)

[6] 久保田裕「ソフトウェア産業は違法コピーとの戦い」コピライト四六四(一九九九)二八

[7] 清水幸雄・著作権実務百科(学陽書房一九九二)-二五

[8] 北村行夫・判例から学ぶ著作権(太田出版一九九六)二五六

[9] 作花文雄「著作権制限規定と著作者人格権」コピライト四六一(一九九九)一二二

[10] 原田文夫「デジタル・ミレニアム著作権法、ある評価」コピライト四六六(二〇〇〇)三六

[11] 原田文夫「公共図書館の複写に判例()」コピライト四五九(一九九九)九七

[12] 原田文夫「カナダの著作権法の動向」コピライト四六九(二〇〇〇)三〇

[13] 原田文夫「法律協会、複写で敗訴」コピライト四六七(二〇〇〇)四〇

[14] Lim, G. =原田文夫訳「シンガポールにおける著作権及び隣接権の保護」コピライト四六九(二〇〇〇)五〇

[15] Boteju, W.B.G. =原田文夫訳「スリランカにおける著作権及び隣接権の保護」コピライト四六九(二〇〇〇)四七

[16] 小林尋次・現行著作権法の立法理由と解釈(文部省1958)208

[17] 山下邦夫「権利のためのたたかい小史」コピライト四五九(一九九九)八七

[18] 斉藤博「著作権制度、次の一〇〇年」コピライト四五九(一九九九)七三

[19] 畑陽一郎「SDMI(主導的デジタル音楽の保護活動)の動向」コピライト四五九(一九九九)九四、千葉卓男「レコード産業の発展と著作権」情報化社会と法(青山学院大学法学部一九九六)二九四

[20] 原田文夫「日米音楽出版社の会合」コピライト四六九(二〇〇〇)三〇

[21] 中島隆信「知的生産物と日米の貿易構造の関わりについて」三田商学研究四〇-(一九九八)

[22] 射場俊郎「オーディオ・レコードの生産と売り上げ一五年ぶりに前年より減少」コピライト四六七(二〇〇〇)四三

[23] Samuelson, P., Digital Media and the Changing Face of Intellectual Property Law, Rutgers Computer & Technology Journal, vol.16, No.2 (1990) 323.

[24] 原田文夫「私的使用のためのデジタルコピー」コピライト四六八(二〇〇〇)四九

[25] 久保田裕「私的利用の無断コピーも違法に」Weekly BCN 1999.1.25

[26] Lalmalsawma=原田文夫訳「インドにおける著作権および隣接権の保護」コピライト四六七(二〇〇〇)五六

[27] 宮下佳之「新たなコンテンツ流通形態と著作権法」コピライト四六八(二〇〇〇)

[28] 北川善太郎「著作権制度の未来像」コピライト四六五(二〇〇〇)

[29] 小泉直樹「ドイツにおけるコピープロテクト解除規制」ジュリ一一三二(一九九八)二三

[30] 斉藤博「『私的利用』のための録音・録画」磯村哲還暦・市民法学の形成と展開(有斐閣一九七八)二九五

[31] 山口裕博「判批」判評四三八(一九九五)六九

[32] 「デジタル放送録音自由」朝日新聞二〇〇〇..一七、「複製権侵害認めず」読売新聞二〇〇〇..一七、「『スカパー』側勝訴」毎日新聞二〇〇〇..一七

[33] 射場俊郎「DVDオーディオ・プレーヤーの発売延期」コピライト四六六(二〇〇〇)三九、島田範正=高橋真人「DVDオーディオ再生機発売延期」読売新聞一九九九.一二.

[34] SACDは従来のようにフィルタリングして音域を狭めるような操作をせずに、原音をほぼそのまま記録できるため、100kHz以上の高音域の再生や、一二〇デシベル以上の広いダイナミックアレンジが得られる(既存CDは約九六デシベル)。「原音に近い音が楽しめるSACDプレーヤー」週刊ダイヤモンド(二〇〇〇..)六四

[35] 射場俊郎「著作権法一〇〇年各団体の記念行事の記録前」コピライト(二〇〇〇)二七

[36] リード「音楽のネット配信、変わる鑑賞方法」読売新聞二〇〇〇..

[37] 原田文夫「MP3サーチサイトが訴えられる」コピライト四六六(二〇〇〇)三六、同「ソフト開発会社の著作権責任」コピライト四六七(二〇〇〇)三九

[38] 原田文夫「MP3音楽配信で争い」コピライト四六九(二〇〇〇)二九

[39] 佐藤恵太「音楽著作物のネット上における利用」ジュリ一一八〇(二〇〇〇)五六

[40] 「米ナプスターに停止命令」読売新聞二〇〇〇..二八、西島徹=アデルステイン「ユーザー二〇〇〇万人に影響」読売新聞夕刊二〇〇〇..二八

[41] 「『著作権』崩壊の危機」読売新聞二〇〇〇.一〇.一三

[42] 西島徹「『悪魔』か『夢のソフト』か」読売新聞夕刊二〇〇〇..二三

[43] 大和太郎「ネット音楽配信 イーズ社、二八日にも開始」読売新聞二〇〇〇..九。尚、電子メールアンケートによると、「ネット上から音楽をダウンロードしたことはない」60.0%(男性53.2%、女性66.4%)、「無料のものをダウンロードしたことがある」35.1%(男性42.0%、女性28.6%)、「有料のものをダウンロードしたことがある」5.7%(男性7.4%、女性4.1%)、「ネット上から音楽をダウンロードできることを知らなかった」2.9%(男性1.8%、女性3.9%)、無回答0.7%(男性0.7%、女性0.7%)であった(富士通・第三四回iMi調べ(二〇〇〇))

[44] 松本裕樹=宮崎伸一「企業価値の創造を目指すソニー」週刊ダイヤモンド(一九九九..二七)一六六

[45] 内海朋子「過失の共同正犯をめぐる問題」法学政治学論究四三(一九九九)三四八

[46] 斉藤博「私的録音・録画と報酬請求権」レコードと法(青山学院大学法学部一九九三)四四三

[47] 堤林剣「ケンブリッジ・パラダイムの批判的継承の可能性に関する一考察 一」法学研究七二―十一(一九九九)七五

[48] 田中宥司=瀬戸昌之「遺伝子組換え作物で潤うのはだれか」週刊ダイヤモンド(一九九九..二七)六一(瀬戸)

[49] Marx, K. & Engels, F. =大内兵衛他訳・共産党宣言(岩波一九七一)四八、長瀬守他・図録世界史増補改訂版(東京学習出版社一九九三)八九、全国歴史教育研究協議会・世界史用語集(山川出版社一九八九)一四八

[50] 田村善之「デジタル化時代の知的財産法制度」現代の法一〇情報と法(岩波一九九七)二九二

[51] 小宮山宏之「著作物について」法学研究七〇-(一九九七)一六七

[52] 名和小太郎・サイバースペースの著作権(中公新書一九九六)一五四

[53] 阿部浩二「私的録音録画と著作権に関する海外調査(平成四年九月八日~九月二〇日)報告の概要」コピライト三八五(一九九三)四、原田文夫「カナダの遅い動き?」コピライト四六〇(一九九九)七二

[54] 中村朗「新しいメディアの誕生」コピライト四六四(一九九九)二五(大橋雄吉)

[55] 中山信弘「情報の流通と著作権」本間崇還暦 知的財産権の現代的課題(信山社一九九五)二一九

[56] 斉藤博「交錯する新旧の課題」ジュリ一一三二(一九九八)

[57] 川瀬真「著作権又は著作隣接権の集中管理制度について」コピライト四六五(二〇〇〇)一五

[58] 蒲野宏之・パテントマフィアが日本を狙う(同文書院一九九三)九九

[59] 原田文夫「デジタル・ミレニアム著作権法一周年公聴会、デジタルビデオ」コピライト四六五(二〇〇〇)六六

[60] Geller, P.E., The Universal Electronic Archive, 25 IIC 54, 60 (1994).

[61] 牧野二郎・市民力としてのインターネット(岩波一九九八)一三四

[62] 小林節・増訂版憲法(南窓社一九九四)一四三、浦田賢治・演習ノート憲法改定版(法学書院一九九〇)一一二(小林武)、佐藤幸治「現代国家とプライバシーの権利」法学教室二期五号(一九七四)二八

[63] 「グローバル・スタンダードの難しさ」日本工業新聞一九九七..三〇

[64] 荒竹純一・インターネットと著作権(中央経済社一九九七)一三二

[65] 斉藤俊六「産業再生のカギを握るIT投資」発明九七−七(二〇〇〇)五六

[66] 射場俊郎「国内のパソコン出荷一〇〇〇万台突破」コピライト四六七(二〇〇〇)四三

[67] 「ミニコンポ」朝日新聞夕刊二〇〇〇..二七

[68] BSデジタル『TV市場の起爆剤に』」読売新聞二〇〇〇..三一

[69] 「松下がD-VHS機発売」読売新聞二〇〇〇..

[70] 「松下もDVDレコーダー」東京新聞二〇〇〇..一六

[71] 鈴木徹「多様化する民生用記録メディアの現状について」コピライト四六九(二〇〇〇)二三

[72] 「パソコンでTVも音楽も」読売新聞二〇〇〇.一一.

[73] 高比良昭夫「私的録画補償金管理協会から」コピライト四五九(一九九九)四三

[74] 原田文夫「『リオ』の控訴審判決出る」コピライト四六一(一九九九)一一〇、同「リオの戦い終わる」コピライト四六三(一九九九)三四

[75] 岡本智行他「CDを凌駕する軽さ&音質」ISIZEあちゃら(二〇〇〇.)五七

[76] 松武秀樹「ネットワーク音楽配信の現状」コピライト四六五(二〇〇〇)六一

[77] 半田正夫「マルチメディア時代の著作権」情報化社会と法(青山学院大学法学部一九九六)五七三

[78] 斉藤博「複写問題の行くえ二」コピライト二四二(一九九一)二、原田文夫「機器課徴金制度」コピライト四六二(一九九九)三七、原田文夫「ハンガリーの著作権法改正」コピライト四六六(二〇〇〇)三七

[79] 樋口清一=酒井仁志「出版者の権利確立をめざして」コピライト四六五(二〇〇〇)五五

[80] 名和小太郎「電子図書館」コピライト二〇〇〇(四六六)

[81] 射場俊郎「光ディスクによるデジタル・ビデオレコーダー」コピライト四六一(一九九九)一一五

[82] 原田文夫「ベルギーのレコード使用料軌道に」コピライト四六五(二〇〇〇)六七

[83] 紋谷暢男・無体財産権法概論七版(有斐閣一九九七)四二

[84] 山田文夫「著作権資料協会を支えた二八年間」コピライト四六一(一九九九)九四

[85] 久保利英明=内田晴康・著作権ビジネス最前線七訂版(中央経済社一九九九)三四

[86] 文化庁著作権課「私的録画補償金制度の発足について」コピライト四五九(一九九九)三九

[87] 三山裕三・著作権法概説三版(東京布井出版一九九八)三三、鳩谷又三郎・新訂版ソフトウェアーと著作権法(講談社一九九三)一一四、岸本織江「著作権法施行令の一部改正について」コピライト四六〇(一九九九)三七

[88] 砂原幸雄「ようやくスタートする私的録画補償金制度の舵取り」コピライト四五九(一九九九)七八

[89] 林田学・マルチメディアと法律がわかる本(PHP研究所一九九六)一二六

[90] 原田文夫他「『放送権』の創設から『海賊版レンタルビデオ』退治まで」コピライト四六二(一九九九)二三

[91] 日本民間放送連盟番組・著作権部「民法著作権小史」コピライト四六二(一九九九)三〇

[92] 斉藤博・概説著作権法三版(一粒社一九九四)一六八

[93] 棚野正士「実演家の権利をめぐるビジネス」斉藤博=牧野利秋編・知的財産関係訴訟法(青林書院一九九七)七二一

[94] 寺島アキ子「メディアの発展に対応して」コピライト四六〇(一九九九)六四

[95] 高比良昭夫「私的録画補償金管理協会から」コピライト四五九(一九九九)四一

[96] WIPO国際部= JASRAC 国際室訳・著作権および著作隣接権の集中管理(著作権資料協会一九九〇)四七

[97] 相澤英孝「仲介業務団体の広告とアウトサイダー」著作権判例百選二版(有斐閣一九九四)一九三、中島みゆき「著作権問題の新たな広がり」毎日新聞夕刊一九九九..三、「著作権保護巡り見解分かれる JASRACMAA」読売新聞一九九九.一〇.二七

[98] Freedman, M. =青木昌彦「資本主義の未来は」読売新聞二〇〇〇..(Freedman)

[99] 佐藤公俊「連邦制と『統合された市場』」法学政治学論究四三(一九九九)二八五

[100] 石川達三「司法制度への不信」法学教室二期三号(一九七三)一八〇

[101] 根岸哲「独禁法上における音楽著作権団体の法的地位」今村成和退官 公法と経済法の諸問題下(有斐閣一九八二)三六五、泉克幸「著作権の集中管理と独占禁止法」商大論集四五−四(一九九四)二四一

[102] 夏目裕「文芸家協会と保護同盟」コピライト四六一(一九九九)一〇七

[103] 吉村保「旧著作権法をめぐる人々」コピライト四五九(一九九九)四九

[104] 古沢由紀子「かばい通し裏切られ」読売新聞夕刊二〇〇〇..一三

[105] 佐藤恵太「著作権の集中管理のあり方」ジュリ一一三二(一九九八)五五

[106] 射場俊郎「著作権審議会の小委員会が最終報告書」コピライト四六七(二〇〇〇)四二、豊田きいち「短詩形の無断利用」出版ニュース2000.3上旬号27

[107] 文化庁著作権課「『著作権審議会権利の集中管理小委員会専門部会中間まとめ』について」コピライト四六一(一九九九)七〇、文化庁「著作権審議会権利の集中小委員会報告書の概要」コピライト四六七(二〇〇〇)

[108] 相澤英孝「著作権・著作隣接権といわゆる集中管理」知的財産研究所・知的財産の潮流(信山社一九九五)一〇

[109] 吉野正三郎・集中講義民事訴訟法三版(成文堂一九九八)二一四、酒巻俊雄=庄子良男・手形法・小切手法(青林書院一九九六)一三四(鳥山恭一)、上柳克郎他・新版手形法・小切手法(有斐閣一九九八)一四七(前田庸)、倉沢康一郎・手形判例の基礎(日本評論社一九九〇)一一〇

[110] 加戸守行・著作権法逐条講義改訂新版(著作権情報センター一九九四)五一六

[111] 佐藤一雄他・テキスト独占禁止法三版(青林書院一九九八)一二〇(波光巌)、白石忠志・独禁法講義(有斐閣一九九七)六九、別冊NBL 九不公正な取引方法(商事法務研究会一九八二)六二

[112] 中山信弘「著作者保護と情報の利用、流通促進の基本的視点」ジュリスト一〇五七(一九九四)五〇

[113] 半田正夫「私的録音と補償金請求権」音楽と法(青山学院大学法学部一九九四)一六八

[114] 吉村保「()著作権情報センター四〇年のあゆみ」コピライト四六一(一九九九)一〇二、阿部浩二「CRIC附属著作権研究所の初代所長」コピライト四六〇(一九九九)五七

[115] 竹田透「第四回アジア・太平洋 著作権・著作隣接権セミナーについて」コピライト四六九(二〇〇〇)一七

[116] Sarah「平成一二年度助成公募のお知らせ」コピライト四五九(一九九九)一〇二

[117] 大和淳「私的録音録画補償金協会とその役割」コピライト三八八(一九九三)

[118] 清水幸雄「映像実演の保護と二次利用に関する問題」ジュリ一一三二(一九九八)四五、土井輝夫「レコードの二次使用料の配分」著作権判例百選二版(有斐閣一九九四)一八五

[119] 吉田大輔「報酬請求権制度とその意義」コピライト三七三-一〇

[120] 半田正夫・著作権法の研究(一粒社一九七一)六七、佐野文一郎=鈴木俊夫・改訂・新著作権法問答(出版開発社一九七九)一五七(佐野)

[121] 棚野正士「実演家著作隣接権センター(CPRA)設置とその背景」コピライト四六〇(一九九九)四九

[122] 相澤英孝「著作権・著作隣接権といわゆる集中管理」知的財産研究所・知的財産の潮流(信山社一九九五)二七

[123] 半田正夫・転機にさしかかった著作権制度(一粒社一九九四)三九

[124] 中山信弘「情報と財産権」ジュリ一〇四三(一九九四)八八、同「情報の流通と著作権」知的財産権の現代的課題(信山社一九九五)二一九、尾中普子他・全訂・著作権法二版(学陽書房一九九六)一二五(千野直邦)

[125] 水辺芳郎・演習ノート法学(法学書院一九八二)二八(水辺)

[126] 森田正典「著作権資料研究所(CRICの前身)の誕生の頃」コピライト四六一(一九九九)八六

[127] 谷内信義「21世紀の劇場都市『東京オペラシティ』」発明九五−二(一九九八)六八

[128] 「小六が強制わいせつ」「小学二校長がセクハラ」読売新聞二〇〇〇..九、「わいせつ男は小学六年生」「横浜では小学校校長二人がセクハラで処分」報知新聞二〇〇〇..

[129] 中山信弘「知的財産の動向」思想八〇五(一九九一)七一

[130] 射場俊郎「ネットによる音楽配信の不正コピー防止へ」コピライト四六一(一九九九)一一四

[131] 畑陽一郎「SDMIポータブル機器使用」コピライト四六三(一九九九)一五、久保田裕「私的使用目的の複製も無関心ではWeekly BCN 1997.9.9

[132] 北村幸市「次世代オーディオと著作権保護」コピライト四六七(二〇〇〇)三五

[133] 著作権審議会マルチメディア小委員会ワーキンググループ報告書(文化庁一九九八)一八、松浦康彦「デジタル著作物、電子宅配時代の幕開け朝日総研リポート一三七(一九九九)、射場俊郎「DVD方式の家庭用録画機を発売」コピライト四六五(二〇〇〇)七〇

[134] 渡邉修=藤波進「技術による著作権の保護と管理」ジュリ一一三二(一九九八)三四

[135] 岡邦俊「続・著作権の事件簿三」JCAジャーナル四五−五(一九九八)四七

[136] 雨宮定直「ソフトウェア・ライセンス契約に関する一考察二」JCAジャーナル三五−一一(一九八八)

[137] 浦崎直樹「違法コピー横行」読売新聞二〇〇〇..一八

[138] 「楽譜もネットで」読売新聞二〇〇〇..二五

[139] 越田崇夫「『著作権法の一部を改正する法律』について(前編)」コピライト四六〇(一九九九)二四

[140] 岸本織江=越田崇夫「著作権法の一部を改正する法律」ジュリ一一六五(一九九九)六三、射場俊郎「複製防止機能の解除装置等の規制、附則一四条の廃止など、著作権法改正案を提出(文化庁)」コピライト四五九(一九九九)九九、「ビデオ・CDコピー防止機能解除機製造販売に刑事罰」読売新聞一九九九..一〇、「著作権法改正案今国会成立へ」読売新聞一九九九..

[141] マルチメディア・ソフトウェア委員会「著作権法改正について」知財管理五〇−一(二〇〇〇)九七

[142] 吉田大輔「最近の著作権問題の動向」コピライト四六一(一九九九)

[143] 「コピーガード回避装置の製造・販売業者改正著作権法の初適用で逮捕」コピライト四六七(二〇〇〇)四二

[144] 通産省産業政策局知的財産政策室「『不正競争防止法の一部を改正する法律』について」コピライト四六〇(一九九九)三八

[145] 金井高志「コンピュータソフト・インターネットビジネスにおける著作権問題」コピライト四六四(一九九九)一三

[146] マルチメディア・ソフトウェア委員会「不正競争防止法の一部改正について」知財管理五〇−五(二〇〇〇)六九九

[147] 山本隆司「米国におけるデジタル・ミレニアム著作権法その他最近の著作権法改正について」コピライト四五九(一九九九)二三

[148] 射場俊郎「BSデジタル放送の受信管理会社」コピライト四六七(二〇〇〇)四三

[149] 射場俊郎「プレステ2、発売一ヶ月で一四〇万台出荷」コピライト四六九(二〇〇〇)三一

[150] 文化庁国際著作権課「第二回常設委員会の議論の概要」コピライト四五九(一九九九)三〇

[151] 五十嵐忠行他「ハイテク犯罪対策の推進」警察学論集五一−七(一九九八)一、園田寿=北岡弘章「不正アクセスと刑法」関西大学法学論集四七−六(一九九八)二九、前田雅英「ハイテク犯罪の現状と課題」ジュリ一一四〇(一九九八)九二、山口厚「情報通信ネットワークと刑法」岩村正彦・現代社会と刑事法(岩波一九九八)一〇三

[152] 射場俊郎「不正アクセス禁止法が成立」コピライト四六二(一九九九)三八

[153] 「他人のIDでネットに接続」朝日新聞二〇〇〇..一七、「不正アクセス禁止法逮捕者第1号」読売新聞二〇〇〇..十七、射場俊郎「他人のIDでネットに接続した男を逮捕」コピライト四六九(二〇〇〇)三一

[154] 「ライバル社役員を逮捕」読売新聞二〇〇〇..一一

[155] 田村善之「デジタル化時代の知的財産法制度」同・機能的知的財産法の理論(信山社一九九六)一九二

[156] 上原伸一「放送事業者の新条約に向けて検討開始」コピライト四五九(一九九九)三五

[157] 大橋正春「著作権法学への期待」コピライト四六三(一九九九)

[158] 渡邉晴美「著作権等をめぐる国際的な動き」ジュリ一一三二(一九九八)六二、吉田大輔「著作権法一〇〇年を越えて」コピライト四六四(一九九九)

[159] 北川善太郎・技術革新と知的財産法制(有斐閣一九九二)二〇一

[160] 曽野裕夫「情報契約と知的財産権」ジュリ一一七六(二〇〇〇)八八

[161] 松本恒雄「情報の保護」ジュリ一一二六(一九九八)一九七

[162] Ficsor, M.「デジタル・ミレニアムの足取りの下での人権としての著作権」コピライト四六一(一九九九)二四

[163] 松田政行「著作権法一〇〇年とこれからの一〇年」コピライト四六一(一九九九)三八

[164] 原田文夫「英国で執行面強化の法案提出される」コピライト四六九(二〇〇〇)三〇

[165] Vinje, T.C., A Brave New World of Technical Protection Systems, 18 Eur. Intell. Prop. Rev. 440 (1996); Koffsky, M.I., Patent Preemption of Computer Software Contracts Restricting Reverse Engineering, 95 Colum. L. Rev. 1160 (1995). 平嶋竜太「ネットワークとソフトウェア保護」ジュリ四二(二〇〇〇)四四、中山信弘「二一世紀の知的財産権」SOFTIC Law News 78 (1998)

[166] 芹澤英明「アクセスコントロールとPreliminary Injunction」ジュリ1173(2000)90

[167] 原田文夫「DVDスクランブル破り、敗れる」コピライト四六九(二〇〇〇)二九

[168] 中山信弘「デジタル時代の知的財産権」知財研・21世紀における知的財産の展望(雄松堂二〇〇〇)三四三

[169] 小泉直樹「著作権契約はどこまで自由であるべきか」知財研・21世紀における知的財産の展望(雄松堂二〇〇〇)二〇六

[170] 加戸守行他「著作権制度の100年」ジュリ一一六〇(一九九九)二七(加戸)

[171] フィリップ・パレス=宮澤博明訳・音楽著作権の歴史(第一書房一九八八)一六〇

[172] 小宮山宏之「著作物について」法学研究七〇-(一九九七)一九四

[173] U.S. Congress, Office of Technology Assessment = SOFTIC訳・ソフトウェアと知的財産権(日本評論社一九九三)二七三、斉藤博「情報の集約・頒布と著作権法」高度情報化社会の法律問題(有斐閣一九八四)二五六、Sarkar, P.「デジタル時代の脚本書き」Wired News 1999.10.13Stroud, M. =酒井成美他訳マルチパス『スーパーマン』:ストーリーは君次第」Wired News 1999.10.12Seminerio, M.「雑誌PLAYBOYも元プリンスもWeb著作権侵害を徹底追及」ZDNet 1998.4.3

[174] e.g.北川善太郎「あるインターネット出版」コピライト四五九(一九九九)一、「CDの消える日 ヒット曲は自販機で」朝日新聞一九九九..二七、坂本龍一「広がる音楽のデータ配信」読売新聞夕刊一九九九..一六、寺野正樹「一〇〇円で買える音楽」Upload創刊号(一九九九)一三、小島昇「ソニー ネットで音楽配信」毎日新聞一九九九..二四、藤本史昭「進化する音の機器」毎日新聞夕刊一九九九..二七、「コムロをデジタル配信」読売新聞一九九九..二、井上志津「本の流通に革命『中身だけ』も売ります」毎日新聞一九九九..一五、「出版など一四〇社、一一月から電子書籍配信実験」日経新聞夕刊一九九九..二六、「ゲーム音楽ソフト自販機 持参MDに一曲一五〇円~」読売新聞一九九九..七、射場俊郎「衛星で本を配信 電子書籍コンソーシアムがブックオンデマンドシステムの総合実証実験」コピライト四六三(一九九九)三七、「電子書籍大型実験スタート」読売新聞夕刊一九九九.一一.五、「回線通じて出版物が家に 電子データ化で変わる流通」産経新聞一九九六..三一

[175] 山下邦夫「近未来における音楽の利用」音楽と法(青山学院大学法学部一九九四)五〇一