左翼的脱原発と放射脳カルト

林田力

脱原発運動が克服すべき課題は放射脳カルトとの決別である。放射脳カルトと同一視されることは、脱原発運動への市民的支持を損なわせる(林田力『放射脳カルトと貧困ビジネス』Amazon Kindle)。福島、さらには東日本で生活する人々の誇りを傷つける放射脳カルトが市民的な支持を得られる筈がない。

放射脳カルトは市民のためと言いながら、その市民が放射脳バッシングに走れば途端に衆愚であると軽蔑する。放射脳カルトへの嫌悪感を理解しようともせずに。それはつまるところ、放射脳カルトが市民の中に根を張ることができない根無し草だからである。住民は切り花ではない。根を福島におろしている。ひっこ抜けると考えているならば放射脳カルトの傲慢である。

放射脳カルト批判の正当性は明々白々であるが、現実の脱原発運動は不思議なくらい放射脳カルトと親和性が高い傾向が見られる。脱原発を唱えたいから脱原発運動に取り組むというよりも、脱被爆を唱えたいから脱原発も唱えているとしか考えられない傾向が見られる。『白竜』原子力マフィア編の連載中断はスルーするにもかかわらず、『美味しんぼ』の鼻血描写は必死で擁護する。放射脳カルトは脱原発運動が市民的広がりを失う原因になり、ますます先鋭化した放射脳カルトが持ち込まれるという悪循環に陥らせる。

この放射脳カルトへの傾斜は左翼からの脱原発運動に顕著である。左翼的脱原発の電力自由化への理解不足・関心不足とあいまって、「左翼的脱原発が経済や産業を知らない」と揶揄される要因になっている。生活の糧を稼ぐことから距離がある者ほど、実務的な問題には関心が薄く、イデオロギー的な傾向を強めると批判される。左翼内部でも心ある人からの批判はあるものの、全体的には放射脳カルトへの傾斜が改まる雰囲気はない。

放射脳批判は正論過ぎるほど正論である。脱原発運動が放射脳カルトと同視されて市民の反感を買わないように批判を続ける意義は大きいが、純粋に「左翼的脱原発は何故、放射脳カルトと親和性を持ってしまうのか」との疑問が生じる。

この疑問からは、より根源的な疑問「左翼は何故、脱原発を唱えるのか」が生じる。今や護憲平和と脱原発が左翼の二枚看板のようになっている。左翼が護憲平和に匹敵する扱いで脱原発に持続的に取り組んでいることは実は不可解なことである。一般的には「福島第一原発事故で示されたように原発は影響の大きい重要な問題であり、それ故に脱原発を重視している」と説明できる。

しかし、これまで左翼は社会問題に関心が高かった訳ではなかった。むしろ、護憲平和一本槍で、現代人が直面している問題に冷たかった。それが若年層の左翼への反感・右傾化につながっている。それ故に左翼が脱原発という新しいテーマを重視していることは驚くことである。ネット右翼などは「プロ市民が人の集まるテーマを求めて脱原発を取り上げている」と揶揄するが、その種の便乗主義の知恵も回らないほどに左翼には教条的な護憲平和一本槍の傾向がある。

そのような左翼が脱原発に継続的に取り組む理由は、脱原発が護憲平和に重なるためである。護憲平和の原点は十五年戦争の戦争被害である。その中でも広島・長崎への原爆投下は大きな位置を占める。この原爆による被爆と原発事故の被曝の恐怖を重ね合わせるから、脱原発は左翼にとって熱心に取り組むテーマになる。つまり左翼的脱原発が脱被曝あっての脱原発になることは必然となってしまう。

先頃に中沢啓治『はだしのゲン』の閲覧禁止が問題になった。私は閲覧禁止に反対の立場であるが、左翼に反感を抱く側からすると左翼の本質を理解した合理的なアクションであった。私も『はだしのゲン』を読むことで被爆イコール鼻血というイメージをトラウマ的に持たされた一人である。私の小学生時代に学級文庫にあった唯一の漫画が『はだしのゲン』であり、漫画を読みたいと思ったら『はだしのゲン』しかなかった。閲覧禁止の是非は別として、教師が『はだしのゲン』をプッシュすることに異を唱える保護者がいることは理解可能である。

私は東急不動産消費者契約法違反訴訟が社会性を深める出発点である(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』「勝訴の影響」)。東急リバブル東急不動産と闘った私にとって、放射能詐欺業者を喜ばせるだけの貧困ビジネスの放射脳カルトを批判することは自然なことである。しかし、左翼的脱原発の根源に被爆(被曝)の恐怖があると考えるならば、放射脳カルト批判の正論を主張するだけでは受入れられない可能性がある。被爆(被曝)の恐怖の受け止めなければ共感は得られないとの考えも成り立つ。

一方で左翼的脱原発が原爆投下による被爆の恐怖を原点とするならば、それはエネルギー政策として考えた脱原発とは乖離はある。その乖離は脱原発運動と世論調査などでは多数派となる国民の支持する脱原発との乖離にも通じる。ここからは左翼的脱原発では脱原発を実現することができないのではないかとの悲観的結論が生まれてしまう。



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