イラクとシリアのイスラム国

林田力

「イラクとシリアのイスラム国」が大きな問題になっている。その中で「イスラム国」という表現を使うべきではないという指摘がある。「イスラム」が好ましくないという指摘と「国」がよろしくないという指摘がある。

そのためにISISまたはISILという表現を使用すべきとの主張がある。しかし、これは意味がない。ISISにしてもISILにしてもISはIslamic Stateの略であり、イスラム国を英語で言っているだけである。英語が分かる人にはイスラム国そのものである。英語が分からない人に対する、ぼかし以上の効果はない。イスラム国が不適切ならばISも不適切としなければダブルスタンダードになる。

因みにISISかISILかではISILが優勢である。外務省の渡航情報もISIL(イラク・レバントのイスラム国)になっている(「イスラム過激派組織のISIL(イラク・レバントのイスラム国)による日本人と見られる人物の殺害を受けた注意喚起」)。

しかし、ISILという表現には問題がある。これは「イラクとレバントのイスラム国」の略である。レバントは現在のシリア一国だけでなく、東地中海全体を指す。そのためにISILは誇大広告になる。彼らとしてはシリア・レバノン・パレスチナ・ヨルダンの国境線が欧米列強による人工的なものに過ぎないとの論理のため、「イラクとレバントのイスラム国」でいいが、それは彼らの理想である。東急不動産だまし売り裁判を出発点とする私にとって誇大広告は受け入れられない。

ISILと表現した場合に「アイエスアイエル」ではなく、「アイスル」と読まれることがあるが、これは問題がある。それはアラブ諸国でイスラム国に敵対する政治勢力がイスラム国をダーウィッシュと呼んでいることと構造的には変わらず、イスラム国を侮蔑することになる。イスラム国に敵対する政治的立場の人々が使うことは否定しない。日本の政治家が自己の政治的信念に基づいて使うことも否定しない。しかし、この言葉は全ムスリムを代弁する中立的な表現ではなく、他者に使用を強要するものではない。

イスラム国の人々はムスリムであり、自分達こそがイスラムの正道と考えている。サラフィー主義という政治思想あり、言われるほど極端で異常な勢力ではない。世俗的なムスリムの人々が「イスラム国はイスラムではない」と考えることは理解するが、それも多様なイスラムの中の一つの考えに過ぎず、それが唯一絶対というものではない。「イスラム国はイスラムではない」という主張も一つの政治的立場を反映したもので、それを他者に押し付けるならば独善になる。

「イスラム国という名称を使うな」は「日本のイメージが悪くなるから日本赤軍を別の呼称に言い換えよう」というようなものである。日本赤軍が極悪非道なテロを行っても、日本人一般が迫害されるべきでない。イスラム国がイスラムではないからムスリムを迫害することが誤りではなく、ムスリムの中に過激なテロリストが存在することをもってイスラム国と無関係のムスリムを迫害することが誤りである。


イスラム国の問題

「イラクとシリアのイスラム国」の問題は一般に言われるような原理主義的な狂信者達ではなく、アラブ社会主義的なバース党残党でないかと考える。イスラム国にはイラクのフセイン独裁政権与党であったバース党の幹部も加わっている。

このバース党はアラブ社会主義バース党と称されるもので、世俗的であり、本来ならば原理主義とは相容れない。その相容れないバース党残党を取り込んでいることがアルカイダなどと比較した際のイスラム国の大きな特徴である。この特徴がイスラム国の残虐性の背景になっているのではないか。

イスラム国は他の囚人の処刑映像を繰り返し見せることで、囚人の心を折るという冷酷な仕打ちをしているとされる。これは狂信者の所為というよりも、独裁国家の官憲の手口と親和性がある。

また、イスラム国は米国の手口を真似ている。囚人にオレンジ色の服を着せることはグアンタナモで米軍がしていることの復讐である。ヨルダンのパイロットを火炙りにしたことも米軍がムスリムの遺体を火葬にしたことの復讐である。生きたまま火炙りにすることが残酷という以前に、ムスリムにとっては遺体を焼くことがタブーである。

これら「目には目を」の復讐と説明できるが、宗教的な原理主義者が復讐するとしても憎むべき敵と同じ体系を採るであろうか。この様な思考回路は原理主義よりも冷戦時代のソ連に近いものがある。

どうも日本の所謂市民派は、アラブの人々との連帯と言った場合に世俗的で社会主義と親和性のあるアラブ社会主義的な人々を善玉と見る傾向が強いように感じる。ここはエジプトのナセル大統領をリアルタイムで英雄と賞賛した世代とは認識が断絶しているところがあるかもしれない。

歴史として認識することしかできない世代としては、アラブ社会主義は冷戦構造(ソ連の後押し)があってのもので、シリア・アサド政権やイラク・フセイン政権のような独裁権力の維持には役立っても、アラブ社会の地に足ついた政治思想ではなかったと考える。むしろ欧米イスラエルへの対抗軸はサラフィー主義の方が自然である。冷戦を引きずった社会主義寄りの姿勢で、サラフィー主義勢力を軽視・否定するならば、苦しみ怒れるアラブの人々との真の意味の連帯にならない。




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