『ジョン・ラーベ』葛飾上映会

林田力

映画『ジョン・ラーベ』葛飾上映会が2015年12月6日、葛飾区立石の「かつしかシンフォニーヒルズ」アイリスホールで開催された。日中戦争での日本軍の南京占領時に、ジョン・ラーベというシーメンス南京支社長が多数の中国人を助けた実話を映画化した。

『ジョン・ラーベ』は朝香宮鳩彦王・上海派遣軍司令官の戦争責任に迫る。「皇室も軍部の暴走の被害者」的な戦後日本の俗説に正面から対峙する作品である。日本では商業ベースの公開がなされなかったが、勿体ないことである。

海外の作品として見た場合に本作品の最大の衝撃は、ナチスドイツのハーケンクロイツが爆撃を避ける平和の印として機能していることである。これは中々勇敢なことである。特殊事例を一般化するつもりはないが、あるものが異なる状況では異なる意味合いを持つことはある。

ジョン・ラーベは人道的博愛主義者ではなく、中国人従業員にナチス式敬礼を教え込む植民地主義者であった。そのラーベが多数の中国人を救うところに日本軍の見境のない野蛮性がある。

そして日本人にとっての本作品の衝撃は虐殺の加害者として皇族を位置付けていることである。日本軍において皇族将校がどれほどの実権を持っていたかは議論がある。戦力外の「お客様」として扱われていたとの見解もある。しかし、もし本作品のような実態があったならば、日本軍の組織的欠陥として真剣に考えるべき問題である。殿下と呼ばれる人物が階級以上の発言権を振りかざすならば組織は正しく機能しなくなる。貴族のバカ息子が幅を利かせると組織は壊れる。これは『銀河英雄伝説』など様々な作品で描かれている。

圧倒的な兵力で包囲して降伏させるでもなく、敵兵を逃走しやすくして占領しやすくすることもしない。これは職業軍人的な視点からも合理性に乏しい。古代日本の蝦夷や熊襲征伐の感覚で軍を率いた皇族がいたから虐殺が起きたのではないか。本作品は日本軍の蛮行を説明する説得力のある解釈になる。

変えるな9条!葛飾憲法集会・集団的自衛権学習会

変えるな9条!葛飾憲法集会実行委員会が2014年6月12日(木)、4回連続憲法学習会の第1回を立石地区センターで開催した。小沢隆一・東京慈恵会医科大学教授で、テーマは「歴代政府の憲法解釈と集団的自衛権〜「安保法制懇」の報告にふれて」である。

集団的自衛権は軍事同盟の名残である。軍事同盟が対峙することで均衡が保たれたこともあったが、そのような平和は一発の銃声で崩れ去る。第一次世界大戦である。国際連合が基本とする集団安全保障と、集団的自衛権は似て非なるものである。集団安全保障は仮想敵を持たない。集団的自衛権は軍拡につながる。

但し、国連憲章でも集団的自衛権が固有の権利として盛り込まれた。現実には集団的自衛権は大国の都合のよい口実として使われた。アメリカによるベトナム戦争やソ連のアフガニスタン侵攻などである。小国がまとまって集団的自衛権で大国の侵略を退けた例はない。集団的自衛権は封印しなければならない危険なものである。

日本政府は当初、自衛権の発動としての戦争も否定していた。その後、自衛隊合憲解釈に変遷した。その際に集団的自衛権は明確に否定した。政府は集団的自衛権違憲論を維持してきた。内閣法制局は訳の分からない人が首相になっても成り立つような法律の御意見番として存在する。閣議決定で解釈を変えて、それから法律を変えるという安倍首相の答弁は議院内閣制の内閣の位置を知らない。法の世界のクーデターである。

安保法制懇談会は集団的自衛権の全面解禁論を採ったが、政府は限定容認論を採った。世論などの反対を意識したものだろうが、よく読むと少しも限定になっていない。安倍首相のしていることは語るに落ちたものであるが、海江田さんの斬り込みは弱い。野党なのだから大胆に斬り込まないと挽回できない。

集団的自衛権はアメリカと正真正銘の軍事同盟にすることが狙いである。集団的自衛権を行使したらアジア諸国との関係が悪化する。どこの国とも仲良くなりたいと思うならば集団的自衛権は否定した方がいい。日本国憲法の平和的生存権を他国の人々と共有することが大切である。

休憩を挟み、質疑応答がなされた。質疑応答での質問者の居住地からは区外からの参加者が目立った。

林田力「この問題で内閣法制局が抵抗することは主義主張において賛成できるとしても、内閣法制局が首相に抵抗することは正当化できるのか。官僚集団が独立権力を持つことにならないか。誰が内閣法制局を監視・監督することになるのか」

回答「内閣法制局は各省庁の優秀な人物が集められる。エリート意識があることは確かである。不透明との批判はあるが、それによって法的安定性が生み出されることは事実である。また、内閣法制局の解釈は身勝手に作るものではない。国会で野党からの批判に晒される。それに耐えられる解釈を出している」

質問「内閣法制局にも多数の職員がいる。長官一人を変えれば、それで組織の方向性が変わるものなのか」

回答「内閣法制局長官は大奥イジメでガンが悪化したのではないかと見ている。安倍さんのせいで病気を悪化させた」

質問「日本が集団的自衛権を持つと韓国の反発は必至である。それでも米国が集団的自衛権を望む理由は」

回答「日本に後方支援でやって欲しいことは無数にある。それは韓国軍には期待できない。韓国軍は北朝鮮と対峙する必要がある」

質問「戦争のリアリズムを安倍政権はどう考えているのか」

回答「考えている人はいないと見ている。それがリアルな見方である」

質問「閣議決定された後の戦い方はあるか」

回答「閣議決定は憲法違反であり、認めないとの声を各地で出す。閣議決定だけでは海外派兵できない。そのための法律が必要であり、それを阻止する世論を作る」

質問「大江健三郎さんが平和の準備と言っているが、具体的に何ができるか」

回答「心に平和の砦を築く。想像力を持つ。現在戦争が行われている国の人々に思いを馳せる。理想がなければリアリズムに徹することもできない」

参加者は約30名ほどである。会場は京成押上線京成立石駅の近くである。駅前は商店街が広がり、居酒屋もあるディープな空間である。そこに葛飾区役所などを建設する再開発計画がある。所々に「街壊し再開発は反対」との幟が立てられていた。紺色の背景に白い文字で書かれた幟である。「商店街を潰して区役所を作る再開発は絶対やってはいけない」との意見があった。

連続学習会の第2回は7月10日(木)18時30分からウイメンズパル・3階洋室Aで予定する。講師は半田滋・東京新聞論説・編集委員でテーマは「「専守防衛」から「積極的平和主義」へ〜日米軍事同盟の実態」である。

第3回は8月11日(月)18時30分からウイメンズパル・3階洋室Aで予定する。講師は浅井基文・元広島大学平和研究所所長で、テーマは「憲法と東アジア情勢」である。第4回は9月に予定する。問い合わせ先は、戦争協力にNO!葛飾ネットワーク、かつしか人権ネット、憲法を生かす会・葛飾である。


立石再開発反対運動

解釈で憲法9条を壊すな!4・8大集会&デモ

「解釈で憲法9条を壊すな!4・8大集会&デモ 〜『集団的自衛権の行使』は海外で戦争すること」が2014年4月8日に東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開催された。集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に反対する集会及びデモである。主催は4・8集会実行委員会で120を超える団体が参加している。会場を溢れるほどの参加者が集まり、入場制限をするほどであった。

プレ企画では杉原浩司氏(秘密保護法を考える市民の会)が「戦後レジームを取り戻し、鍛え直す」と述べた。武田隆雄氏(平和をつくり出す宗教者ネット)は「自衛隊員も命を守らなければならない」と述べた。高橋若木氏(TOKYO DEMOCRACY NETWORK)は「このような集会に若い参加者が来にくい」と述べた上で「安倍政権全体に反対する必要がある」と主張した。戯作者の松崎菊也氏は麻生太郎氏や安倍晋三首相の風刺で笑わせた。

高田健氏は主催者挨拶で「日本の平和主義は歴史的な岐路に立たされている」と述べた。

志位和夫・日本共産党委員長は「集団的自衛権の行使ができると歯止めがなくなる。日本を殺し殺される国にしてしまう。限定行使と言うが、時の政権が判断するならば、何の歯止めもない。安倍首相の思い通りになっていないから、解釈改憲を目論んでいる。追い詰められているのは改憲勢力である」と述べた。

吉田忠智・社民党党首は「徐々に自衛権の活動領域が拡大されてきた。それでも集団的自衛権の否定が歯止めになっていた。限定容認論の先にあるものは明文改憲である。戦争ができる国づくりを断じて許してはならない」と述べた。

糸数慶子参議院議員は「沖縄では戦争を繰り返さないために闘っている。集団的自衛権を容認すると沖縄が戦争の第一線に立たされる」と主張した。三宅雪子前衆議院議員は「安倍政権のしていることは言葉のマジックである。生活の党は国民の生活を守り、闘っていく」と述べた。

近藤昭一・民主党衆議院議員は「私達は二度と戦争をしないと決意した」と述べた。大江健三郎氏は「日本国憲法は私の生きた時代の精神である。それを守り抜きたい」とスピーチした。

デモには約5千人が参加した。デモではシュプレヒコールだけでなく、「翼をください」などの合唱も行われ、楽しめるものであった。デモを分断して細切れにして出発させる警察の過剰規制に対しては、デモを小規模に見せようとしていると反発の声もあった。

日比谷公園

平和といのちと人権を!5・3憲法集会

「平和といのちと人権を!5・3憲法集会〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜」が2015年5月3日、横浜みなとみらい・臨港パークで開催された。主催は平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会である。

希望のまち東京in東部と9条の会・江東は幟を持って参加した。主催者発表によると参加者は三万人を越えた。ドナルド・マクドナルドの仮装をしている参加者もいた。会場付近では右翼の街宣車が街頭宣伝をしていた。ステレオタイプな右翼とは異なる落ち着いたトーンでテロや暴力と絡めて左翼を批判していた。

政党からは民主党・長妻昭代表代行、日本共産党・志位和夫委員長、社会民主党・吉田忠智党首、生活の党と山本太郎となかまたち・主濱了副代表が挨拶した。各政党平等に挨拶の時間を設けながら、山本太郎だけ別枠で発言させたことがフェアであるか議論があるだろう。

政党挨拶では、生活の党と山本太郎となかまたち・主濱了副代表の話が興味深かった。主濱副代表は党の憲法へのスタンスを説明した。日本国憲法の大原則は維持しながらも、改正すべきところは改正すべきと主張する。自衛権も肯定する。小沢一郎代表も「憲法記念日にあたって」と題する談話(2015年5月3日)で、「何が何でも憲法を改正してはならぬというのもおかしな話で、旧来の護憲・改憲論議というのはあまり意味がありません」と述べる。これは憲法集会参加者の中の旧来の護憲派には同意できない人も少なからずいるだろう。このように立場の異なる人々も集会に結集することは素晴らしい。それが多様性の尊重である。

一方で「生活の党と山本太郎となかまたち」のスタンスが旧来の護憲派と異なるものであることは確認できる。この違いを違いとして認識することは真の意味で多様性の尊重である。日本の左翼の一部には、明らかに違う立場の人を同じ立場と勝手に幻想を抱き、勝手に盛り上がる愚かしい習性がある。それは間違った現状認識であり、他者の尊重にならない。

旧来の護憲派が「生活の党と山本太郎となかまたち」を自分達のスターとして盛り上げるならば滑稽である。それは「旧来の護憲・改憲論議」を無意味と批判する「生活の党と山本太郎となかまたち」の主張を埋没させ、「生活の党と山本太郎となかまたち」の本来のターゲットの支持を得られなくする。贔屓の引き倒しになる。

私としても、かつての大日本帝国のような全体主義の復活は嫌悪するが、リアリティある全体主義体制と言えば大日本帝国以前にソビエト連邦であった。会場では秘密保護法が施行された日本をジョージ・オーウェル『1984年』になぞらえる指摘がなされたが、『1984年』の全体主義体制と言えば最初にソ連を連想する。ソ連のような体制を地上の楽園と見る立場からの安倍政権批判とは一線を画したい。




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