希望のまち東京in東部
希望のまち東京in東部事務所では以下のイベントを定期開催しています。
・毎週木曜日午後6時半から8時半まで市民カフェ
・毎週土曜日午後2時から4時まで読書会
参加者には「空き家活用と投資用マンション問題」などの資料を配布しています。
※予定は変更されることもありますので、希望のまち東京in東部Webサイトをご確認ください。

訪問介護事業と生活支援サービス事業

訪問介護事業と生活支援サービス事業を比較します。スケールは大きく異なるところです。訪問介護事業は法によって人員基準が定められており、最低でも常勤換算2.5人以上が定められています。これでは一人親方的な起業ができません。

これが事業計画を考える上で最大のネックになっていました。従業員の給料を払うために売り上げを拡大しなければならないという本末転倒の議論になります。これに対して生活支援サービス事業は一人からでも始められます。スモールスタートが可能であり、ここが大きな利点です。

メリット・デメリットは、まず上記のスケールの点があります。介護事業のメリットは準市場であるため、顧客の購買力以上の市場規模があることです。デメリットはメリットの裏返しになりますが、規制産業であり、上記の人員基準はじめ様々な規制があることです。自由な価格設定やサービス設定もできません。

生活支援サービス事業のメリットは自由市場です。全てが自由です。但し、介護保険を当たり前と考える介護保険利用者から見れば割高の料金に映るでしょう。

訪問介護事業のメリットともデメリットとも評価できる点として、専門化している点です。様々な資格を持つマルチスキル要員には宝の持ち腐れになります。マルチスキル要員は生活支援サービス事業の方が活躍の場が広がります。

ランニング・コストは生活支援サービス事業の方が少なくて済みます。どちらも労働集約的な事業であり、人件費が最大の固定費になります。訪問介護事業は事業規模に関わらず、人員を維持しなければならず、これが大きなランニング・コストになります。

どちらも車の所持・移動は考慮していません。江東区内の移動は自転車で可能です。一方通行の道も多く、車移動は慣れていないと大変です。

ユーザーは訪問介護事業では基本的に介護保険の被保険者になります。規制産業であり、顧客を選り好みしてはいけないことになっています。ユーザーとの初期チャネルはケアマネージャーや病院です。このチャネルの確保が課題です。これが市民カフェでの共通の認識になり、ヒアリングが必要との結論になりました。

これに対して生活支援サービス事業では介護保険の被保険者以外もユーザーになります。高齢者にも限りません。ユーザーが直接選ぶため、選ばれる事業者にならなければなりません。訪問介護事業もユーザーが事業者を選ぶ建前ですが、ケアマネや病院の紹介の影響が大きいことは否めません。ここは9月28日の市民カフェで議論することですが、チラシのポスティングになるのではないかと思います。

「成長産業なのに、薄利である」との指摘は正しいです。これは訪問介護事業が規制産業であることが原因です。報酬が画一的に定められており、利益率を高めるにはコストカットするしかありません。人員基準など画一的な規制に適合させるために事業規模とは不釣合いなコストが要求されます。

生活支援サービス事業も労働集約的な事業である点で、薄利になりがちな点は否めませんが、規制産業に比べれば大きな違いがあります。


希望のまち東京in東部市民カフェ第165回「訪問介護事業の定款」

希望のまち東京in東部市民カフェ第165回「訪問介護事業の定款」が2017年9月21日(木)、東京都江東区東陽の希望のまち東京in東部事務所で開催された。最初に株式会社か合同会社かを議論した。どちらも有限責任の法人である。

株式会社と比べると合同会社は組織が簡略である。株式会社も取締役会や監査役を設置しないことができる。しかし、株主総会は設置しなければならない。株主総会を設置するとなると、議決や権利行使の基準日など定款の記載が複雑になる。しかし、決議の省略の規定を入れることができる。これによって実運用では株主総会招集の手間を減らすことができる。以下のような条項である。

「取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案について議決権を行使することができる株主の全員が提案内容に書面又は電磁的記録によって同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。」

合同会社のネックは信用されるかという点がある。行政やケアマネージャーに認めてもらえるか。ラーメン屋ならば消費者は店を選ぶものであり、経営主体が個人事業であろうと合同会社であろうと株式会社であろうと気にすることは少ない。ケアマネも行う介護事業所ならば自社で完結できるので問題が少ないが、ケアマネに選ばれる立場である訪問介護の専業事業者で合同会社は不利に働かないか。

次に管理者やサ責(サービス提供責任者)の兼務について議論した。管理者は管理業務の妨げになるような兼務が許されていない。どれくらいが妨げになるかの基準は明示されていない。各自治体担当者の裁量行政になっている。立ち上げたばかりの介護事業所では、管理業務が多いとは考えられない。

一般論として5人未満の組織にマネジメントだけを行う要員を抱える余裕はない。プレーイングマネージャーになることは当然である。管理の要する時間は10%程度ではないか。しかし、それでは裁量行政を通らない可能性が高いとされる。管理業務に50%程度を割り当てるとの説がある。介護事業が一般のビジネスと比べて高コスト対立になる所以である。他の業態の企業に介護の仕組みを適用するならば、管理職だらけになってしまうだろう。

提示された事業計画案は決して悪いものではない。半年で損益分岐点を超え、2年で単年度黒字、3年で累積黒字を達成することは立派な事業計画である。

どのような計画にも集客見通しが想定通りに進まないリスクは存在する。この計画は経営者の報酬を積んでおり、想定を下回れば経営者の手取りを減らすことができる。このために即資金ショートする訳ではない。経営者報酬分の赤字幅を許容する余地のある弾力性を持った計画である。

ネックは開業資金が大きくなることである。そのために二の足を踏みたくなる。しかし、経営者が初年度は報酬を得られず、貯金で食いつなぐことは珍しい話ではない。開業資金を純粋に事業に要する費用と経営者の生活費に充てる預貯金の和と考えれば、それほど予算感から外れた計画ではない。

要は介護事業をやりたいかというところに帰着する。介護事業にこだわらなければ、もっとスモールスタートで始められる選択肢が広がる。介護事業のメリットはサ責や管理者の経験を積めることである。これに対して、生活サポート事業はスモールスタートがメリットであるが、介護事業そのものではない。

市民カフェの参加者からは有意義な議論だったとの感想が寄せられた。市民カフェの中盤までは事業要件など細かな議論が白熱したために、おいてけぼりにしてしまったのではないかと心配していた。そのために有意義との感想は嬉しい。

本気で事業に取り組むならば、市民カフェで議論されたような具体的な検討が絶対に必要です。それが万人にとって面白い話題ではないことも事実であるが、理念的な議論ばかりでは何も進まない。バランスが重要である。

各人が理念的な議論にも参加し、具体的な検討にも参加することが理想である。とはいえ人には得手不得手がある。そのために理念的な検討をする人と具体的な検討をする人の分業を考えたくなる。もっとも、これは理念と具体案の齟齬が生じやすくなる。

ここで理念を優先にすると、具体的検討が理念の議論に振り回されるばかりになり、結局、何も進まない状態になる。具体案を検討する人に対して、もっと理念を考えて欲しいという要望があるかもしれない。そうなると、ある人は理念的な議論しか参加しないが、別の人は理念的な関心事にも応えた上で具体的な検討も行うことになる。これは後者の負荷が大きくなり、不公正になるだろう。

現実性を考えれば具体案優先になる。それが官僚主義に陥らず、現場重視の地に足付いた姿勢である。この場合のデメリットは理念の議論が空論になることであるが、それを織り込む必要がある。理念の理想通りにいかないから「嫌だ」ではなく、現実的に提示された具体案の実現に協力することが必要だろう。

希望のまち東京in東部市民カフェ第163回「訪問介護事業の始め方」

希望のまち東京in東部市民カフェ第163回「訪問介護事業の始め方」が2017年9月7日(木)、東京都江東区東陽の希望のまち東京in東部事務所で開催された。本日は白露である。朝夕涼しくなり、草木の葉に宿る露が白く光ることに因む。

介護保険サービスは、介護保険法の2000年4月1日の施行によって、主に高齢者向けの社会保険制度の一つとして開始された。介護保険サービスは、自ら費用の一部を負担し、自ら選択して利用するという利用者主体の制度である。

これまでは老人福祉法を根拠として、自治体の責任における措置として対応されていた。これは本人や家族が希望するサービスが提供されないという問題があった。また、行政中心の措置制度は施設偏重となり、自立を目指したサービスに乏しいという傾向があった。しかし、身体の自由が利かなくなったとしても、自分のことは自分で決め、自分の思うように生きたいという願いは普遍的なものである。

訪問介護は利用者の自宅へ訪問して、家事、入浴、食事、排泄等を介助するサービスである。予め居宅介護支援事業所のケアマネージャーによって決められた、ケアプランに従ってサービスを提供する。

訪問介護事業の目的は、利用者の尊厳を守り、利用者の人権や自己決定を尊重し、利用者の立場に立ち、変化する利用者ニーズに柔軟かつ積極的に対応した訪問介護サービスを適切に提供することである。これによって、利用者がその有する能力に応じて可能な限り自立した日常生活を営むこと及び利用者を介護する家族らの負担軽減に努める。

介護事業には人員基準や設備基準、運営基準が定められている。人員基準は訪問介護員、サービス提供責任者、管理者がある。

訪問介護員は常勤換算方法で2.5人以上配置する。資格要件は介護職員初任者研修修了(130時間)。常勤の所定労働時間が8時間5日の週40時間であるとする。サービス提供責任者を常勤とすると、常勤換算方法で1.5人以上配置する。残りを非常勤とすると、週60時間となる。週20時間のパートならば3人である。

サービス提供責任者は利用者40名又はその端数を増すごとに一人以上の者を配置する。サービス提供責任者は介護福祉士や実務者研修修了者などの必要がある。サービス提供責任者が訪問介護に従事することは可能。

管理者は指定訪問介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の者である。兼務は管理業務に支障が生じる恐れがある場合は認められない。

設備基準は事業運営のために必要な広さの専用の区画を設ける。相談室はパーテーションでの仕切りなど、訪問介護を受ける利用者や家族のプライバシーに配慮されている必要がある。設備及び備品は一般の事務機器の他に感染症予防用の手指を洗浄するための消毒液が求められる。

運営基準は利用申込者に対するサービスの提供内容及び手続の説明及び同意やサービスの提供拒否の禁止などがある。訪問介護員等の健康状態を管理し、設備や備品等についての衛生管理もする。苦情を受け付けるための窓口を設置し、苦情処理に必要な措置及び記録をする。賠償責任保険へ加入が実質的に求められる。

介護産業は規制産業であり、参入障壁が高い。ラーメン屋を開業する場合、最初から店員を雇って始めようとはしない。しかし、介護では開業当初から約3人で始めなければならない。これは個人が起業する上でハードルが高い。現実から遊離した市民運動家の発想では介護事業者には高い基準を要求しがちである。

介護職員初任者研修修了には標準で130時間かかる。フルタイムで丸1ヶ月かかる。現実に介護に取り組むことを考えると、ハードルが高い。これで増大する介護需要を賄えるのか。官僚は天下り先を確保したいだけではないか。これも現実から遊離した市民運動家の発想では、もっと資格を厳しくすべきという議論になりやすい。

【開業準備スケジュール】
6ヶ月前:法人登記
5ヶ月前:事務所リフォーム、職員採用面談、ロゴ・名刺・HP開始
3ヶ月前:什器・備品手配
2ヶ月前:指定申請、職員受入、宣伝(利用者獲得)開始

【支出例】
項目 金額(万円)
給与、管理者 240
給与、サ責 240
給与、介護員常勤 216
給与、介護員非常勤 192
賞与 222
福利厚生 133.2
交通費 28
事務所家賃 130
水道光熱費 7
通信費 4
衛生費 24
研修費 24
広告宣伝費 60
保険料 12
消耗品 12
表札看板 10
備品 65
法人設立費用 33
開業手続関連 50
合計 1702.2
身体介護1時間の報酬を4,423円とした場合、年間3849件を実施することで収支が成り立つ。月間320件、1日17件である。

希望のまち東京in東部市民カフェ第162回「訪問介護事業」

希望のまち東京in東部市民カフェ第162回「事業としての介護」が2017年8月31日(木)、東京都江東区東陽の希望のまち東京in東部事務所で開催された。実務者研修修了者が話題提供者になった。市民カフェ第161回「事業としての介護」の続きである。介護事業の中でも最も身近であり、今後多様な需要が予想される訪問介護事業を取り上げる。

介護のニーズは多種多様である。介護保険の枠に収まるとは限らない。行政はルーチン化したがる。パターン化されていないものを考え、取り入れていく。混合介護を考える。「介護する」ではなく、「介護される」と考える。ケアマネは調整役である。介護事業者は利用者が選択する。介護事業者を選ぶことは利用者の権利である。

空き家をグループホームにする。子どもの頃の心の傷は大きくなる。コミュニティーを回復することが健康に資する。人間はグローバル化できない。自分のできることにコミットする。

訪問介護事業には指定基準がある。サービス提供責任者と訪問介護員2.5人以上を配置しなければない。一人で起業することはできない。ここに規制緩和を求める理由がある。事業者は法人格を持っている必要がある。法人名と事業所名が異なるものがある。

高齢者の自己決定権は大きな問題である。立正佼成会附属佼成病院裁判で問題になった。施設の論理が優先している。放置されている。

読書会をしている中でマネジメントが重要と感じている。トップダウンではなく、ボトムアップとする。動機付けする。皆で共有する。人によって興味関心が異なる。それをコントロールすることがマネジメントである。同じことを押し付けてはならない。

これから認知症が増える。世代によって反応が変わる。就職氷河期は大きかった。人間の心理を変えた。逃げ切りが。ワタミは人を潰すブラック企業である。ワタミには過労自殺者・遺族罵倒のイメージがあるが、渡辺美樹は「皆が過労自殺者を支えられたら良かった」と言い放った。皆で支えるという特殊日本的集団主義がブラック企業の温床になっている。

江東区の介護

江東区の2017年1月1日の65歳以上の人口は男性47965人、女性60905人、総数108870人。
総人口は男性250950人、女性255561人、総数506511人。
江東区東陽の65歳以上の人口は男性2719人、女性3695人、総数6414人。
総人口は男性11353人、女性11982人、総数23335人。
江東区亀戸の65歳以上の人口は男性5599人、女性6878人、総数12477人。
総人口は男性30004人、女性29610人、総数59614人。
江東区豊洲の65歳以上の人口は男性1635人、女性2000人、総数3635人。
総人口は男性16596人、女性17773人、総数34369人。

要介護(要支援)認定者数は2016年7月末日現在、第1号被保険者(65歳以上の方)17,783人、第2号被保険者449人(江東区Webサイト「介護保険事業状況」)。
介護保険居宅介護(介護予防)サービス受給者件数は10,797件。
地域密着型介護(予防)サービス受給者数は1,940件。
江東区内の介護保険指定事業所数は2016年9月1日現在、訪問介護(ホームヘルプサービス)86、介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)82。

江東区Webサイト「介護保険 訪問介護(ホームヘルプ)」では「訪問介護(要介護1から5の方)の費用」を以下のように例示する。
身体介護(20分未満)1,881円(利用者負担 189円)
身体介護(20分以上30分未満)2,793円(利用者負担 280円)
身体介護(30分以上1時間未満)4,423円(利用者負担 443円)
身体介護(1時間以上1時間30分未満)6,429円(利用者負担 643円)
身体介護(1時間30分以上30分ごと)912円(利用者負担 92円)
生活援助(20分以上45分未満)2,086円(利用者負担 209円)
生活援助(45分以上)2,565円(利用者負担 257円)
乗車・降車等介助(外出の準備から病院までの移送サービス)(片道につき)1,105円(利用者負担 111円)※運賃相当分は全額自己負担です。
※早朝(午前6時〜8時)、夜間(午後6時〜10時)は25%、深夜(午後10時〜午前6時)は50%の加算があります。
「介護予防訪問介護(要支援1,2の方)の費用」は以下のように例示する。
週1回程度の利用が必要な場合(要支援1,2の方)13,315円(利用者負担 1,332円)
週2回程度の利用が必要な場合(要支援1,2の方)26,619円(利用者負担 2,662円)
週2回を超える利用が必要な場合(要支援2の方のみ)42,225円(利用者負担 4,223円)
※介護予防訪問介護には「身体介護」「生活援助」の区別はありません。
※乗車・降車等介助は利用できません。


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