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2014年東京都知事選挙結果分析

文責:林田力

 

東京都知事選挙・東部地区結果分析

東京都知事選挙・江東区分析

 

東京都知事選挙・東部地区結果分析

東京都東部地区(足立区、荒川区、江戸川区、葛飾区、江東区、墨田区、台東区)の選挙結果を分析する。分析できることは3点ある。第一に東部地域は2012年と比べて宇都宮けんじ票が伸びている。第二に東部地域は依然として全都平均の得票率を下回っている。第三に台東区を除いて宇都宮票は細川票を上回った。

 

 

宇都宮票数

得票率

2012年得票

増減

東京都計

982594.767

0.201802

968960

13634.77

台東区

12873

0.181246

11286

1587

墨田区

16661.996

0.179739

14329

2332.996

江東区

34553.982

0.188298

30642

3911.982

荒川区

13987

0.193039

11936

2051

足立区

40957.972

0.188235

39511

1446.972

葛飾区

28493.986

0.195793

24182

4311.986

江戸川区

34319.979

0.168107

31231

3088.979

 

第一の点について宇都宮票の増減は東高西低の傾向がある。葛飾区の増加票数約4312票は大田区7828票に次いで区市町村別増加票数2位である。江東区は3位である。東部地域の票の伸びは2012年に宇都宮支持が検討した西部地域と好対照をなしている。また、東部地域は台東区を除いた全ての区で宇都宮票が細川護煕票を上回っている。

東部地域の伸びは、東部勝手連が早い段階で宇都宮けんじ支持を決め、活動を開始したことが寄与していると考える。宇都宮けんじ氏が主張した脱原発以外の生活密着課題は東部地域で特に切実に響いた。選挙後も運動を続けると言った場合に東部地域は重点地域になる。2012年宇都宮けんじ東部勝手連のメンバーが身近な貧困問題をテーマに勉強会を開催してきた活動の方向性も正しかった。

第二の点は課題である。宇都宮票は伸びており、方向性の正しさも確認できた以上、地道に継続していくしかない。宇都宮得票率が全都平均を下回った分は舛添要一氏に流れている。舛添要一氏の得票率は台東区を除いた全ての区で全都平均を上回った。宇都宮氏を支持しない層は舛添氏を支持する傾向が強い。

これは仕方がないことである。「都政わいわい勉強会in東部地区」では24日に候補者の介護政策を比較したが、細川氏の政策は舛添氏以下であった(都政わいわい勉強会in東部地区:貧困問題その3 ブラック介護問題、都政でできることは)。社会保障について宇都宮氏も舛添氏も行政の責任で提供することを公約に掲げているが、細川氏は「自助・共助・公助」と行政の責任のウェイトを下げている。マスメディアが当初描いた二強対決の構図で舛添氏と細川氏の政策を比較するならば、舛添氏を選択することになる。細川氏は次善の候補者としても推すことはできない。

第三の点は宇都宮票の伸びの裏返しである。問題は舛添氏の得票率が全都平均よりも下回った台東区では細川票が次点になっていることである。舛添得票率が全都平均を下回ることと細川票が次点になることは世田谷区や武蔵野市でも見られる。これは「STOP安倍を実現する力のある候補は細川で、共産党や共産党と手を握った宇都宮氏は自民党別働隊」という攻撃を補強する事実になってしまう。

しかし、細川氏のような脱原発至上主義路線が都政課題について真面目に政策で判断する保守層の怒りを買ったことも事実である。本来ならば細川氏が獲得できる保守層は脱原発至上主義に嫌悪感を抱いている。脱原発至上主義者は細川氏を熱狂的に支援することで幾つかの地域で宇都宮票を上回る成果を出したとしても、大局的には贔屓の引き倒しになった。

 

東京都知事選挙・江東区分析

2014年東京都知事選挙の江東区の結果を分析する。江東区の主要3候補者の得票は宇都宮けんじ34,553.982票、舛添要一85,994.000票、細川護煕30,676.000票である。全都得票率と江東区の得票率の比較では、舛添氏が全都得票率を上回り、宇都宮氏と細川氏が下回った。

江東区の宇都宮票は2012年東京都知事選挙の30642票から約3912票も増やしている。これは区市町村別増加票数で大田区7828票、葛飾区4312票に次いで3位である。

2013年参議院選挙比例区の得票と比較する。宇都宮けんじ氏の推薦政党は日本共産党と社会民主党、緑の党がある。宇都宮氏の得票は3党の比例票を上回っている。これに、みどりの風の得票を加えても宇都宮氏の得票が僅かに上回っている。

参院選の投票率52.61%に対して都知事選の投票率は46.14%である。実際は強固な支持者が投票に行き、無党派層ほど投票に行かなくために単純な比例はできないが、参院選の票を46.14/52.61=0.88で乗ずると、ほぼ同じ割合になる。このように調整してみると、宇都宮氏の躍進ぶりが明確になる。市民の力で押し上げた。

 

政党

得票数

得票率調整

日本共産党

27,342

24,061

社会民主党

3,107

2,734

緑の党

2,327

2,048

32,776

28,843

みどりの風

1,676

1,475

34,452

30,318

 

毎日新聞の出口調査によると、宇都宮氏は共産支持層の約8割と、社民支持層の約7割から支持を集め、民主の2割強にも食い込んだという(「都知事選:舛添氏、無党派層にも支持広げる 出口調査」毎日新聞201429日)。これを基に算出しても宇都宮氏の躍進が示せる。尚、毎日新聞の出口調査では緑の党の情報がないが、共産支持層でも約8割というところからは緑の党支持層の割合は高くないと考えられる。

 

政党

比例票

割合

想定票数

得票率調整

日本共産党

27,342

0.8

21,874

19,249

社会民主党

3,107

0.7

2,175

1,914

民主党

16,067

0.2

11,247

9,897

 

 

35,296

31,060