東部勝手連キックオフ

林田力

宇都宮けんじ東部勝手連有志は2013年12月26日に江東区亀戸で「(仮称)東部勝手連キックオフ」を開催した。候補者・政策・戦術・体制について話し合った。

最初に東京都知事選挙の候補者として宇都宮健児氏がふさわしいと確認した。候補者は誰がいいかという議論ではなく、政策ベースで判断することにした。2012年都知事選挙の宇都宮政策が素晴らしいために宇都宮氏を支持するとの結論になった。

政策ありきであるために「宇都宮氏または宇都宮政策の継承者」という表現も考えられた。しかし、どこまで合致していれば「継承」と言えるのかは難しい。ある人が「大体同じ」と評価しても、別の人は「根本的なところで相違する」と評価するかもしれない。むしろ誰が立候補するにしても早く準備する必要がある。宇都宮氏以外に思い浮かばない状況ならば決断の後押しをしたいとの考えから宇都宮氏に断定した。

次に政策である。宇都宮政策を素晴らしいとする立場であるが、一年の経過に対応する必要もある。特に次の4点を強調する必要があると考える。お仕着せの政策でなく私たちの政策提言があってこそ、市民運動である。

第一にブラック企業対策である。「ブラック都政からの転換」は全体的なキャッチコピーになる。ブラック都政のままでは都民の生活はますます悪くなる。

選対も雇用政策・労働政策に強い人がいて色々と考えているだろうが、ブラック企業というキーワードが入るのと入らないのとでは反応が異なる。労働組合的なスローガンを忌避する若者もブラック企業という言葉が入ると注目する。

ブラック企業は2012年の流行語大賞のトップテン入りし、参議院議員選挙でも争点になった。労働基準監督署は国の管轄であるが、人員が足りていない。東京都が条例制定などで独自に規制することは可能である。都営『ダンダリン』を設立すると面白い。

第二に住まいの貧困対策として空き家活用・家賃補助である。東京にも沢山の空き家がある。空き家を低所得者向け住宅に活用する。それによってゼロゼロ物件や囲い屋、脱法ハウスなど貧困ビジネスの需要を絶つ。

若者は孤立し、「助けて」と言うこともできない状況に陥っている。そこでシェアハウスで若者の交流・話し合いの場を作る。若者の貧困問題は「都政わいわい勉強会in 東部地区」が取り上げてきたテーマであり、空き部屋を利用・改造して格安で他の人と触れあえる「シェアハウス」を作ることは都政として真っ先に取り組むべき問題である。都営『テラスハウス』と名付けると話題性もある。このシェアハウスを地域と結びつけ、商店街の復活」を軸にした地域社会の活性化につなげる。

第三に特定秘密保護法廃止である。特定秘密保護法は地方自治の危機でもある。反対運動では国民が取り締まられる危険が強調されるが、地方自治体の活動にも同じことが当てはまる。特定秘密保護法反対運動は脱原発以上に若者が集まったという印象がある。この勢いを都知事選挙につなげたい。

第四に選手と市民のためのコンパクトなオリンピックである。葛西臨海公園の自然破壊のように新設ではなく、既存の施設を活用する。慣れ親しんだ既存施設を最大限活用する。多くの都民はオリンピック開催を純粋に喜んでおり、オリンピック返上は都民の感情に反する。オリンピックを名目にした大型開発や自然破壊、無駄遣いの批判は当然であるが、それだけに徹してもオリンピックへの姿勢についての回答にならない。消極的に見られてしまう。

そこで積極的に「選手と市民のためのコンパクトなオリンピック」を打ち出し、「慣れ親しんだ既存施設」を重視することで新規開発しないことに価値を付加する。金権まみれの開発業者のための街づくりを否定する。オリンピックの理念に基づいたものにする。

その他の政策として、文化政策の強化が指摘された。首都東京大学を建て直し、人文科学を充実させる。基礎自治体マターであるが、図書館の民間委託を見直す。民間委託によって職員のレベルが下がっている。雇用慣行もメチャクチャになっている。これは官製ワーキングプアを生み出し、東京都自身をブラック企業化させている。

エネルギー政策については脱原発を主張することが当然として、具体的な道筋が問われる。電力自由化(発送電分離)によって原発を稼動させる経済的メリットをなくすることで脱原発を達成する。2012年選挙では「都が『新エネルギー会社』を創って脱原発を具体化する」を公約に掲げたものの、事実上お蔵入りした。そのために脱原発と言うだけで具体策のない候補者との印象を与えた。これは2012年選挙の敗因でもある。

戦術として若者が投票したくなるようなアピールをする必要がある。若い人をどう投票に呼び込むか。やはり若者は貧困問題に食い付く。ブラック企業や住まいの貧困は若者にとって切実な問題である。ブラック企業や貧困ビジネスが若者を食い潰している。生活に密着した訴えが必要である。観念論ではない、具体的な貧困の現実を指摘する。

参院選で若年層の支持を集めた候補者の手法を取り入れる。「東京から国政を変えよう」と訴える。「特定秘密保護法廃止」も「コンパクトなオリンピック」も「東電解体、発送電分離し自然再生エネルギーによる地産地消の電力インフラ」も東京から国政を変えることで可能になる。

体制面は東部地区には様々な市民派勢力(政党、労組、市民運動など)があり、横の連携を密にする。選対と密に連絡する。選対も一つのところで全都を見ることは大変であり、分権化できるところは分権化することが望ましい。


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