林田力 林田力

北海道警察の札幌方面の警察署に所属する20代の男性巡査が2020年10月に北海道内で大麻を譲り受けたなどとして大麻取締法違反容疑がある。巡査は書類送検され、2020年11月13日に懲戒免職になった。ところが、札幌地検岩見沢支部は12月21日、男性を不起訴処分とした。札幌地検は不起訴の理由を明らかにしていない(「大麻譲り受けた疑い”北海道警元巡査の男性”不起訴処分…札幌地検 巡査すでに懲戒免職」UHB 2020年12月22日)。

 

大麻は知人男性から譲り受けたとみられていて、「警察官になる前から吸っていた」と話す(「「警察官になる前から吸っていた」20代男性巡査 “大麻譲り受けた”として書類送検…北海道警が懲戒免職」北海道ニュースUHB 2020年11月13日)。「大麻常習者が警察の試験をパスし、実際に警察署で勤務していたとは驚きだ」(「20代巡査、大麻を譲り受けたとして書類送検「警察官になる前から吸っていた」発言に驚愕」リアルライブ2020年11月23日)

 

道警では21世紀に入ってから依存性薬物に関する懲戒処分は今回を含め5件になる(「大麻譲り受けた警察官 懲戒免職」NHK 2020年11月13日)。北海道警察では現職の警察官が4回も薬物事件で逮捕されている。

 

生活安全特別捜査隊班長の稲葉圭昭警部(当時40代)は2002年に覚せい剤取締法違反で逮捕された。

 

札幌中央署地域課の30代巡査部長は2007年に覚せい剤取締法違反で逮捕された。

 

函館西署警備課の30代の巡査部長は大麻とみられる薬物を譲り受けたとして2017年に麻薬特例法違反で逮捕された(「薬物逮捕の現職警官は北海道警4人目 なぜ? 元幹部が分析…46歳巡査部長覚せい剤所持で逮捕」北海道ニュースUHB 2018年10月11日)。

 

道警札幌中央署薬物銃器対策課の巡査部長は2018年10月10日に覚せい剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕された。

 

依存性薬物の使用は薬物関係者との付き合いから始まる。大阪府警や山形県警でも現職警察官の薬物犯罪が起きている。大阪府警堺署巡査も山形県警巡査も知人から大麻を勧められたことが大麻使用のきっかけになった。山形県警巡査は「親しくしていた友人グループからしつこく誘われ、断れなかった」と話す(「元警察官の男 大麻使用を認める 「友人からしつこく誘われ、断れなかった」 山形市」さくらんぼテレビ2020年10月7日)。

 

薬物関係者と接点を持つと不幸になる。薬物関係者と接点を持たないことが必要である。薬物関係者が会いたいと言ってきても会ってはならない。薬物関係者には人を巻き込もうとする性質がある。薬物使用を知られると、警察や厚労省など当局に通報され、捕まることを恐れて、自分が薬物をしていることを知った人間を共犯者にして通報できなくしてしまおうとする心理が働く。

 

故に絶対に避けなければならないことは、身近に薬物を使用している人間がいることを知った場合に、友情や同情心から自分達仲間内だけで何とか救おう、依存性薬物から足を洗わせようとすることという。それで逆に何人も引きずり込まれてしまった事例がある。薬物からの更正は専門機関でなければ困難である。薬物関係者という悪魔に、つけ込む隙を断じて与えてはならない。

 

大麻は「「身体への悪影響がない」「依存性がない」などの誤った情報が流布されていて、心理的にハードルが低いせいか、さまざまな違法薬物使用の“入り口”となる「ゲートウェイ・ドラッグ」とも呼ばれるが、実際は危険性が高い。乱用すれば幻覚作用で集中力がなくなったり、情緒が不安定になったりする。何もやる気がしない状態(無動機症候群)が引き起こされ、社会生活に適応できなくなることもあるという」(「覚醒剤、大麻、MDMA…違法薬物、それぞれの恐ろしさを確認する」産経新聞2020年2月11日)

 

「大麻の長期使用者では、学業成績が低い者が多く計算能力や言語の表現能力に問題がみられる。またその他の薬物の乱用者が多く、仕事の能力が低く失業者が多い」(徳村光昭「大麻の健康障害に関するエビデンス」慶應保健研究第27巻第1号4頁)

 

近畿大薬学部の川畑篤史教授(病態薬理学)は「脳に作用するメカニズムは覚醒剤とほぼ同じ。過剰摂取で幻覚や幻聴の症状も出るし、大麻は恐ろしい薬物だと認識してほしい」と指摘する(「幻覚・幻聴…覚醒剤と危険性同じ 「大麻は恐ろしい薬物だと認識してほしい」専門家警鐘」産経新聞2016年3月16日)。

 

米オハイオ州の死亡証明書データと紐付けたメディケイド保険請求データを利用した研究では大麻使用障害は非致命的自傷と全死因死亡との有意な関連が認められた。全死因死亡には偶発的過量服用による死亡や殺人による死亡が含まれる(Fontanella CA, et al. Association of Cannabis Use With Self-harm and Mortality Risk Among Youths With Mood Disorders. JAMA Pediatr. 2021 Jan 19.)。

 

大麻の煙には高濃度の発がん性物質が含まれており、大麻使用者は呼吸器疾患のリスクが上がる。また、大麻の慢性使用は他の精神疾患の発症や悪化の要因になる可能性がある。

 

うつ病にかかっている35歳未満の人の中で、10代の時に大麻(マリファナ)を摂取してなければうつ病が防げたかもしれないケースが英国で6万件、米国では40万件に達する可能性がある(松丸さとみ「思春期に大麻を摂取してなければうつ病が防げたかも 米国で40万件」Newsweek日本版2019年2月20日)。

 

薬物乱用は暴力の原因になる。「因果関係が明白な事例は多い。(14年にオーストラリアで)マリフアナで被害妄想を起こしたと思われる人物が、8人の子供を殺害する事件も起きている」(ニーナ・ゴドルスキー「マリフアナ合法化で暴力犯罪は増え続ける」Newsweek日本版2019年2月19日)



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