月別アーカイブ:2019年08月
林田 力 『東急不動産だまし売り裁判』著者

長野県警で屋外痴漢や淫行の警察不祥事

長野県警の男性巡査部長(31)が2019年8月2日、10代の女性4人の尻を触ったなどとして、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された。書類送検容疑は、2016年10月25日から2019年6月16日までの間に計4回、県内の路上や屋外施設で、面識のない女性4人の尻を衣服の上から手で触るなどした疑い。関係者から通報があり捜査を進めたところ、他の3件も判明したという(「巡査部長が4人に痴漢疑い 長野県警、停職3カ月」共同通信2019年8月2日)。


長野県警は同日、停職3カ月の懲戒処分とした。巡査部長は容疑を認めているといい、同日付で依願退職した。これで身内に厳しい処分と言えるのか。警察官以外の人場合、ほとんどのケースで逮捕されているが、何故か警察官が犯人の場合、身柄拘束されないことが多い気がする。


長野県警では松本署生活安全1課の巡査部長が2018年5月10日、淫行で逮捕された。逮捕容疑は2016年11月から17年3月に計4回、長野県内のホテルで18歳未満の少女にみだらな行為をさせた疑い。2017年12月に少女から警察に被害の訴えがあり、発覚した(「少女に“みだらな行為”43歳巡査部長逮捕 長野県警」テレビ朝日2018年5月11日)。


巡査部長は当時勤務していた県南部の署で、少年非行防止などを担当する生活安全課に勤務しており、立ち直り支援業務の関係で16年8月に少女と知り合ったという(「<長野県警>児童福祉法違反容疑で43歳巡査部長を逮捕」毎日新聞2018年5月10日)。生活安全部門に携わるようになって12年目だった。


県警は警察官の立場を利用していたとみて調べている(「淫行容疑で警察官逮捕=業務通じ知り合う―長野県警」2018年5月10日)。県警は2018年5月31日付で柴田英和巡査部長を懲戒免職処分とした(「淫行の巡査部長免職=長野県警」時事通信2018年5月31日)。

愛媛県警が杜撰な捜査で女子大生を誤認逮捕

愛媛県警松山東署は2019年7月22日、松山市の女子大学生を窃盗の疑いで誤認逮捕した。松山市清水町の路上でタクシーから降りる際に売上金などおよそ5万5000円が入ったセカンドバッグを盗んだとするが、大学生はタクシーを利用しておらず、事件と無関係だった。

 

松山地検は2019年7月26日、大学生を不起訴処分としたと発表した。区検は処分理由を「嫌疑なし」とした(「誤認逮捕の女性不起訴 松山区検「嫌疑なし」」愛媛新聞2019年7月27日)。

 

大学生の担当弁護士は2019年8月1日、県庁で記者会見し、任意の取り調べで「執拗に自白を強要された」とする本人の手記を発表した。公表された文書によると、大学生は2度に渡る任意の取り調べの際に一貫して犯行を否認していたが、松山東警察署の捜査員から大学生を犯人と決めつけ自白を強要するような言葉を執拗にかけられたとしている。

 

「タクシーに乗った記憶はないの?二重人格?」(「誤認逮捕女子大学生 「執拗に自白を強要」(愛媛県)」南海放送2019年8月1日)。

「就職も決まっているなら大事にしたくないよね君が認めたら終わる話」(「「執拗に自白を強要された」 誤認逮捕の女子大学生が手記【愛媛】」テレビ愛媛2019年8月1日)。

 

大学生が「本当の犯人を捕まえてください」と話すと、「犯人なら目の前にいるけど」と大学生を犯人と決めつけた(「取り調べ中「認めたら終わる話」=誤認逮捕の女子大生が手記-愛媛」時事通信2019年8月1日)。

 

代理人弁護士は以下のように述べた。「取り調べの際には大声を上げるなど威圧的な言動もあった。自白を取るための捜査に怒りを覚えた」。

 

県警は「タクシーのドライブレコーダーに映っていた犯人の顔立ちが女子大学生に似ていたため、取り違えた」と言い訳する(「女子大学生“窃盗”誤認逮捕「警察から執ように自白迫られた」」TBS 2019年8月1日)。顔が似ていた程度の主観的な理由で、他に証拠もなく自白を強要する警察は無能公務員である。

 

「女子大生は2日後に釈放され、再捜査で別の若い女が容疑者として浮上した」(「誤認逮捕「本当に悔しい」 愛媛の女子大生手記公表」日本経済新聞2019年8月1日)。真犯人が見つかったから釈放された訳ではない。そもそも捜査をきちんとしていなかったことになる。目の前の問題を片付ければいいという無能公務員の点数稼ぎ体質である。

 

杜撰な捜査に先入観ありきの取り調べ。自分の見たい情報、聞きたい言葉、それをたった一つの真実としてそれ以外を排斥する。点数稼ぎ目的で、こいつはヤレると甘く見た相手を犯人に仕立て陥れる。目の前の問題を解決するという名目で、真犯人であろうとなかろうと我慢を押し付け、事件を決着することを優先する頭の悪い解決方法である。相手の自由意思を許さず、服従だけを強い、衆愚である事を求める警察の取り調べは人間という存在そのものを侮辱している。

 

県警に誤認逮捕の原因について質問したが、明確な回答はなく、取り調べ担当刑事からの直接の謝罪を受けていないともしている(「女子大生に執拗に迫り「二重人格?」…誤認逮捕で手記」読売新聞2019年8月1日)。担当刑事が直接謝りもしてないというところに、普通以下の無能さを露呈している。保身だけの無能公務員である。この刑事は恐らく大学生が苦痛から自殺しても「ざまーみろ」と歯をむき出して笑いそうである。

 

中村時広県知事は「重大な人権侵害」と言及した(「「ずさん捜査」愛媛県警に批判 女子大生を誤認逮捕」共同通信社2019年8月11日)。

 

小坂井久弁護士は以下のように指摘する。「取調室はまさにブラックボックスで、言葉良くないが、一番法にのっとらねばならない場所が無法地帯だった。可視化してちゃんと透明にしない限り、必ず問題が起こる空間と考えないといけない」(「警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発 密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?」FNN.jpプライムオンライン2019年6月30日)

 

松下整(まつした・ひとし)県警本部長は以下のように述べる。「女性が嘘をついていると決めつけ、強制捜査をすれば、すぐに自供するだろうと思ってしまった。もっと多角的に捜査したり、上司に相談したりしていれば、誤認逮捕は防げた」(「愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身」産経新聞2019年8月15日)

 

女性は、取り調べ担当刑事から「普段通りの取り調べだった」と発言したとされ、「いつも自白を強要するかのような取り調べを行っていることに危険性を感じた」と訴えた(中川祐一、遠藤龍、木島諒子「「いつも自白を強要するかのよう」 愛媛誤認逮捕の女性、県警を痛烈に批判」毎日新聞2019年10月5日)。




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