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林田力

埼玉県警所沢警察署接見妨害国賠訴訟

#警察不祥事 #国賠訴訟 #人権侵害

埼玉県警所沢警察署は任意の取り調べを受けている男性との面会を妨害した。接見妨害に対する国家賠償請求事件(令和元年(ワ)第1093号)で、さいたま地裁(石垣陽介裁判長)は2021年11月12日、弁護権の侵害を認め、5万5000円の支払いを命じた。

 

任意の取り調べを受けていた男性との面会を埼玉県警所沢警察署に妨害されたとして、埼玉弁護士会所属の市川拓郎弁護士は県に損害賠償を求めて国賠訴訟を起こした。弁護士は2017年11月24日、男性が任意聴取を受けていた所沢署を訪れた。署員に男性との面会を求めたが、「逮捕状執行の手続き中のため待ってほしい」などと伝えられた。弁護士はすぐに面会させるよう抗議したが、男性と会えたのは逮捕後だった。所沢署は約13分後、弁護士が接見を申し入れていることを男性に伝えないまま逮捕状を執行。その約21分後に接見を認めた。

 

裁判所は接見妨害を違法と認定した。判決は、弁護人は任意聴取中の容疑者と自由に接見する権利があると指摘。石垣裁判長は「捜査上の支障を理由に、一方的に面会を制限することは許されない」と述べた(「任意聴取で「弁護権を侵害」 埼玉県に賠償命令 さいたま地裁」毎日新聞2022年11月13日)。弁護士からの接見申し入れがあった際、署は男性に面会を希望するかすぐに確認する義務があったとして、対応は違法と結論づけた。

 

市川弁護士は判決後の取材に「訴えが認められてうれしい。警察には接見交通権を尊重し、適法な対応をしてほしい」と述べた(杉原雄介「任意聴取中に県警が接見妨害、県に賠償命令 さいたま地裁「対応は違法」」東京新聞2021年11月12日)。この判決を報道した東京新聞のWebサイトは関連記事として、深谷署長のトイレットペーパー窃盗を表示する(「トイレットペーパー盗んだ元警察署長を書類送検「急な便意が不安で…」 窃盗容疑で埼玉県警」東京新聞2021年6月10日)。

 

判決は、さいたま地裁C棟105号法廷で出された。同じ日に同じ法廷で中野相続裁判さいたま地裁第21回期日(平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件)があった。裁判官の構成(石垣陽介裁判長、高橋祐子裁判官、牧野一成裁判官)も同じである。

 

さいたま地裁(石垣陽介裁判長)では埼玉県熊谷市6人殺害事件の国賠訴訟も係属している。埼玉県警が不審者情報を適切に周辺住民に提供しなかったために妻と娘2人が犠牲になったとして、遺族が埼玉県に損害賠償を求めて提訴した(平成30年(ワ)第2193号国家賠償請求事件)。しかし、県側は争う姿勢を示しており、お互いの主張は平行線のまま。原告は「裁判はなかなか進まない。今は我慢しているところ」と、もどかしさを抱える(「<熊谷6人殺害>犠牲の妻子に男性謝る「死刑にできず、ごめん」 大切な家族写真「頑張って生きなくちゃ」」埼玉新聞2020年9月17日)。

 

さいたま地裁には個人が埼玉県警察の行為に対して埼玉県に損害賠償を求めた国賠訴訟も係属した(平成29年(ワ)第1290号損害賠償請求事件)。その口頭弁論(石垣陽介裁判長、大谷恵子裁判官、牧野一成裁判官)は2020年11月27日午後1時15分から、C棟105号法廷で開かれた。

 

原告本人が意見陳述した。謝罪がなされないなど埼玉県警側の不誠実な態度を問題視した。署長や監察官に会うことも門前払いされたという。日本の公務員組織の悪い文化の集大成が出ており、傍聴していて寒気がした。原告は新たな証拠を収集しているところであり、審理の継続を求めた。これに対して埼玉県側は結審を求めた。石垣陽介裁判長は判決に不服があれば控訴すれば良いと述べて結審した。

 

この口頭弁論は中野相続裁判第16回口頭弁論の直前に行われた。中野相続裁判とは裁判官の構成が一人異なる。中野相続裁判では大谷恵子裁判官の代わりに玉本恵美子裁判官が入っている。105号法廷は向かって右側の傍聴席が全て報道記者席になっていた。

https://hayariki.wixsite.com/hayashida/post/nakano_inheritance16-4

 

埼玉県警に対する損害賠償請求では埼玉県警機動隊水難救助部隊の佐々木俊一巡査(当時26歳)の水死の国賠訴訟がある。佐々木巡査は足を痛めていたため訓練中止を願い出たが聞き入れられず、先輩隊員に息継ぎができないまま水中に3~4回沈められ水死した。さいたま地裁は2019年6月26日判決で埼玉県に9200万円の支払いを命じた(「埼玉県に9200万円賠償命令 訓練中の機動隊員溺死」毎日新聞2019年6月26日)。

 

警察不祥事と言えば神奈川県警が悪名高いが、埼玉県警も多い。埼玉県警の桶川ストーカー殺人事件は警察の体質批判の先鞭となった。近時の警察不祥事では警察官が職務を騙って犯罪を行う警察詐欺・警察犯罪が目に付く。これも埼玉県警が先鞭である。草加署巡査(22)は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。川越署巡査(25)は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。詐欺師である。犯罪者そのものである。市民をだまし脅し、金をむしり取る。

 




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