大阪市役所5人以上会食200件以上

新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する2021年3月1日から4月4日までに大阪市職員が5人以上で会食などを行っていたケースが200件以上あることが判明した。参加した職員は1000人を超える。

市民に自粛を求めている最中の行為であり、松井一郎市長は「市民の皆様に本当に申し訳ない。全て厳重に対処する」と陳謝した(「大阪市職員の1000人超が多人数や深夜会食 市長が陳謝」毎日新聞2021年4月23日)。公務員は、自粛は民間がするもので、自分達は特権階級とでも思っているのか。

「4人以下」と悟られないように「偽装工作」をしながら店を予約したケースまである(「大阪のデタラメ!市職員の5人以上の会食200件、千人以上参加の仰天「上司の強要、偽装工作」核心証言」AERA dot. 2021年4月24日)。偽装工作までして送別会をしたい理由が理解に苦しむ。コロナ禍の中、大阪都構想の住民投票を行うことに批判もあったが、このような実態を目の当たりにすると大阪市役所を解体することに価値を感じる。

愛媛県新居浜市では職員の歓送迎会自粛を決めた翌日の4月1日に建設部国土調査課の職員12人が市内の飲食店で歓送迎会を実施した(「自粛決めた翌日に市職員12人が歓送迎会…危機管理統括部長「店の支援も必要」」読売新聞2021年4月24日)。

警察組織でも会食や宴会参加後の新型コロナウイルス感染が繰り返されている。兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。埼玉県警では上尾警察署地域課の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。

警視庁尾久警察署では署長(60)は十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。神奈川県警藤沢署員計9人は2021年1月4日に飲酒を伴う会食を行い、このうち4人が新型コロナウイルスに感染した。多人数の会食は感染リスクが高いという学びになる。

滋賀県警では守山署員2人、大津署員、草津署員、甲賀署員各1名の警察官5人が2021年1月29日に草津市内の飲食店2店で会食をした。会食後に3人が新型コロナウイルスに感染した。

神奈川県警藤沢署員計9人は2021年1月4日に飲酒を伴う会食を行い、このうち4人が新型コロナウイルスに感染した。署員らは当初、会食したことを明かさず、体調不良を感じたのに勤務を続けた者もいたという。

宴会に固執する公務員組織は時代錯誤である。今は忘年会スルーやメシハラスメント(メシハラ)という言葉が普及している。キリンホールディングス「コロナ禍を受けた飲酒と『アルハラ』に関する実態調査」ではコロナ収束後も「ないままでいい」と思う飲み会として、1位「取引先との接待」(64.8%)、2位「会社の定期飲み会」(61.9%)、3位は「新年会」(49.5%)となった。

公務員組織は昭和の感覚のままなのか。21世紀に入っても、日本型組織は職員全員に昭和の思想や行動様式を求める傾向がある。組織が大きければ大きいほど古ければ古いほど、無関心勢力や抵抗勢力が変革主導者の足を引っ張る。

続警察不祥事



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