コインハイブCoinhive裁判で無罪判決

コインハイブCoinhive裁判で横浜地裁(本間敏広裁判長)は2019年3月27日に無罪を言い渡した。警察の暴走を裁判所が止めた形になった。略式裁判で有罪になった人々は冤罪被害者である。警察の強迫で泣き寝入りを余儀なくされた冤罪被害者の損害や名誉の回復は国の責任である。被害は広範囲に及び、深刻である。


冤罪は決して他人事ではない。冤罪によって今まで築き上げた多くのものを失ってしまう。それにもかかわらず、警察の捜査に違法性はないとされてしまう。今こそ日本人はこれ以上冤罪被害者に泣き寝入りさせることがないよう真剣に考えるべき時が来ている。焼け野原から経済大国にしてしまう前に進むだけ、頑張るだけの日本的発想は時代遅れである。


代理人の平野敬弁護士は以下のように指摘する。「不正指令電磁的記録に関する罪の要件は曖昧なため慎重な適用が求められるが、各地方警察は乱暴に摘発を進めており、今IT業界から大きな懸念が寄せられている」(「コインハイブ事件で無罪判決 弁護人「警察の暴走、食い止められることを願う」」弁護士ドットコム2019年3月27日)。


一方で判決が反意図性を認定した点は懸念する。「ネット上で次々に誕生する新技術には、一般のユーザーに認知されていない、気付かない所で作動するものが多い。他の新技術も反意図性が認められる懸念がある」(「仮想通貨 他人PCで「採掘」無罪」読売新聞夕刊2019年3月27日)


情報セキュリティー会社EGセキュアソリューションズの徳丸浩社長は以下のように指摘する。「コインハイブはデータを破壊するなどせず、ウイルスでないとの判断は妥当」(「無断採掘ウイルス認めず」読売新聞2019年3月28日)。


「ブラウザクラッシャー(通称:ブラクラ)にあたるとは言い難いジョークページを兵庫県警がブラクラだと認識していたり、モロさんの事件では「お前やってることは法律に引っかかってんだよ!」と神奈川県警の捜査員がすごむ音声が公開されるなど、警察の捜査手法への批判や「IT業界の萎縮を招きかねない」との声は少なくありません。」(「コインハイブ事件 横浜地裁、Webデザイナー男性の主張認め「無罪」判決」ねとらぼ2019年3月27日)


組織内での初動対応によってその後の被害が大きく変わってくる。多くの事例では警察の捜査に問題があっても、外部から指摘を受けるまで問題化することはない。自組織で自発的に行うべき見直しがなされていない。情報公開がなされず、実態を正確に把握できなければ、警察不祥事の対応も困難になる。風化はしない。むしろ問題は拡大する。



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