大和ハウス工業の中国関連会社から不正引き出し

大和ハウス工業株式会社は2019年3月13日、中国大連市の関連会社から約234億円の会社資金が不正に引き出されたと発表した。「大連大和中盛房地産有限公司(代表者:片岡幸和、本社:中華人民共和国大連市)において、預金残高と帳簿に差異があることが発覚し調査したところ、合弁先(大連中盛集団有限公司)から派遣されている取締役ならびに出納担当者(計3名)による不正の疑いがあることが判明いたしました」(大和ハウス工業株式会社「中華人民共和国の関連会社における不正行為に関するお知らせ」2019年3月13日)

「入出金作業は出納担当者が一手に担っていたとのことだが、中国の会計監査では銀行口座と突合するため、このような原始的な手法が発覚しないとは考えにくい。少なくとも数年間にわたって会計監査が機能していなかった可能性がある」(広岡延隆「他人事と笑えぬ大和ハウスの中国巨額流用事件」日経ビジネス2019年3月25日)

第三者委員会報告では大和ハウス工業のガバナンスに問題があったことを指摘する。「執行部がこれらの監査役からの指摘に具体的な対応を行った形跡はない」「DH の取締役会では、2012年に大連 JV の増資に係る報告事項とその承認決議がなされた以降、一度も大連JVについて報告も審議もなされていない」(大和ハウス工業株式会社第三者委員会「第三者委員会報告書(開示版)」2019年6月18日、65頁)。

大和ハウス工業の温泉詐欺

大和ハウス工業は資産の評価見直しを含め、持分法投資損失を計上した。2019年6月25日に開催した第80期定時株主総会後の取締役会で、不正引き出し事件と戸建て・賃貸住宅での型式認定不適合問題に対して、経営責任と役員の処分を決定した(「大和ハウス工業=中国の会社資金不正引き出しと型式認定不適合問題で役員を処分」住宅産業新聞社2019年7月8日)。大和ハウス工業は不祥事が相次いでいる。同質性の高い組織は集団浅慮に陥り、危機を招きやすい。

大和ハウス工業元所長が太陽光発電で裏金



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