滋賀県議選立候補者らが事情聴取で救急搬送

2019年4月7日投開票の滋賀県議選立候補者の60代男性と選対関係者だった60代女性が滋賀県警の事情聴取で体調が悪化し、救急搬送された。男性は6時間にわたってほぼ休憩なしで聴取され、女性は発熱などを訴えたが取り調べを続けられたという。


男性は4月8日午後5時頃、公選法違反容疑で県警に任意同行され、大津署で事情聴取を受けた。男性は、聴取前に、昼夕食を取っておらず、何度も水を飲ませてほしいと訴えたが、取調官は応じなかったという。


午後11時過ぎ、男性は胸の痛みや動悸を感じ、取調官に「救急車を呼んでほしい」と依頼。しかし、取調官は「夜風に当たれば」と話した。その後、男性はいすから崩れ落ちるように倒れたという(「滋賀県警の捜査実態…睡眠2時間、救急車要請も「夜風に当たれば」聴取中倒れた男性が明かす」京都新聞2019年6月6日)。同11時半頃に救急車で大津市内の病院に搬送された。点滴を受けて翌9日未明に帰宅したという。


選対関係者の女性は8日から11日まで同署で任意の事情聴取を受けた。10日に発熱し、11日の聴取前に体調不良を訴えたが、女性は昼過ぎ頃から事情聴取を受け、同日午後7時10分ごろに取調室から救急搬送されたという。男性は「人の命や健康を度外視し、捜査に執着する姿勢は許せない」と話す(「県警の聴取中に2人救急搬送、「水飲みたい」「発熱」聞き入れられず 滋賀、選挙違反の任意捜査で」京都新聞2019年6月6日)。


取り調べで6時間も水も飲ませないとは拷問と変わらない。同情しない者は人として大切な感情が欠けていると言わざるをえない。日本は発展途上国である。暑い時期は取り調べによる熱中症を発生するだろう。個人差があるため、クーラーは逆に冷え性を悪化させる場合もある。長時間の取り調べが拷問になる。


県警捜査2課の竹谷均課長は「取り調べ前に体調を確認した」とコメントする(「「体調不良、聞き入れられず」聴取中の2人搬送」読売新聞2019年6月6日)。途中で体調が悪くなることは考えていない。家を出るときに元気な人が駅で気分が悪くなることはある。体調悪化で救急車で搬送されたことは事実であり、警察官や残酷な行為を止められない上司の処分が必要である。


鹿児島県警の志布志事件は選挙違反の冤罪事件であるが、長時間の取り調べや自白強要が問題になった。問題は法律よりも行政にある。あまりにも杜撰で保身と無能ばかりの行政に原因がある。行政改革は絶対に必要である。税金を食べるだけの行政マインドを消費者感覚から改めさせなければならない。


やはり取り調べは全て可視化して被疑者や被告人側がアクセスできるようにする必要がある。それだけ警察官の取り調べが信用出来ないということである。警察組織では自我を殺そうと意識する余り物事の理非を判断する能力が著しく低下しているのではないか。人権意識は糸の切れた凧どころか、糸が切れて地面に落っこちて、骨の折れた凧のような状態である。


昭和のやり方は21世紀には通用しない。「昭和の世代の常識は、もう令和に入った今の時代においては多くが非常識になっていると考えるべき」(徳力基彦「カネカの炎上騒動で考える、炎上時の弁護士的対応が燃料投下になる理由」Yahoo!ニュース2019年6月7日)


奈良県警では勾留中の医師が留置場で遺体となって発見された。医師の全身にはあざがあり、取り調べ中に暴行を受けた疑いがあるとして遺族側は刑事告発した。岩手医科大学(法医学)の出羽厚二教授は「取り調べていた警察官が足を蹴り上げたんじゃないか」と指摘する(「警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発 密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?」関西テレビ2019年6月6日)。もし痣が自傷行為によるものならば看守が制止するだろう。



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