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埼玉県警所沢警察署接見妨害国賠訴訟
#警察不祥事 #国賠訴訟 #人権侵害
埼玉県警所沢警察署は任意の取り調べを受けている男性との面会を妨害した。接見妨害に対する国家賠償請求事件(令和元年(ワ)第1093号)で、さいたま地裁(石垣陽介裁判長)は2021年11月12日、弁護権の侵害を認め、5万5000円の支払いを命じた。
任意の取り調べを受けていた男性との面会を埼玉県警所沢警察署に妨害されたとして、埼玉弁護士会所属の市川拓郎弁護士は県に損害賠償を求めて国賠訴訟を起こした。弁護士は2017年11月24日、男性が任意聴取を受けていた所沢署を訪れた。署員に男性との面会を求めたが、「逮捕状執行の手続き中のため待ってほしい」などと伝えられた。弁護士はすぐに面会させるよう抗議したが、男性と会えたのは逮捕後だった。所沢署は約13分後、弁護士が接見を申し入れていることを男性に伝えないまま逮捕状を執行。その約21分後に接見を認めた。
裁判所は接見妨害を違法と認定した。判決は、弁護人は任意聴取中の容疑者と自由に接見する権利があると指摘。石垣裁判長は「捜査上の支障を理由に、一方的に面会を制限することは許されない」と述べた(「任意聴取で「弁護権を侵害」 埼玉県に賠償命令 さいたま地裁」毎日新聞2022年11月13日)。弁護士からの接見申し入れがあった際、署は男性に面会を希望するかすぐに確認する義務があったとして、対応は違法と結論づけた。
市川弁護士は判決後の取材に「訴えが認められてうれしい。警察には接見交通権を尊重し、適法な対応をしてほしい」と述べた(杉原雄介「任意聴取中に県警が接見妨害、県に賠償命令 さいたま地裁「対応は違法」」東京新聞2021年11月12日)。この判決を報道した東京新聞のWebサイトは関連記事として、深谷署長のトイレットペーパー窃盗を表示する(「トイレットペーパー盗んだ元警察署長を書類送検「急な便意が不安で…」 窃盗容疑で埼玉県警」東京新聞2021年6月10日)。
判決は、さいたま地裁C棟105号法廷で出された。同じ日に同じ法廷で中野相続裁判さいたま地裁第21回期日(平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件)があった。裁判官の構成(石垣陽介裁判長、高橋祐子裁判官、牧野一成裁判官)も同じである。
さいたま地裁(石垣陽介裁判長)では埼玉県熊谷市6人殺害事件の国賠訴訟も係属している。埼玉県警が不審者情報を適切に周辺住民に提供しなかったために妻と娘2人が犠牲になったとして、遺族が埼玉県に損害賠償を求めて提訴した(平成30年(ワ)第2193号国家賠償請求事件)。しかし、県側は争う姿勢を示しており、お互いの主張は平行線のまま。原告は「裁判はなかなか進まない。今は我慢しているところ」と、もどかしさを抱える(「<熊谷6人殺害>犠牲の妻子に男性謝る「死刑にできず、ごめん」 大切な家族写真「頑張って生きなくちゃ」」埼玉新聞2020年9月17日)。
さいたま地裁には個人が埼玉県警察の行為に対して埼玉県に損害賠償を求めた国賠訴訟も係属した(平成29年(ワ)第1290号損害賠償請求事件)。その口頭弁論(石垣陽介裁判長、大谷恵子裁判官、牧野一成裁判官)は2020年11月27日午後1時15分から、C棟105号法廷で開かれた。
原告本人が意見陳述した。謝罪がなされないなど埼玉県警側の不誠実な態度を問題視した。署長や監察官に会うことも門前払いされたという。日本の公務員組織の悪い文化の集大成が出ており、傍聴していて寒気がした。原告は新たな証拠を収集しているところであり、審理の継続を求めた。これに対して埼玉県側は結審を求めた。石垣陽介裁判長は判決に不服があれば控訴すれば良いと述べて結審した。
この口頭弁論は中野相続裁判第16回口頭弁論の直前に行われた。中野相続裁判とは裁判官の構成が一人異なる。中野相続裁判では大谷恵子裁判官の代わりに玉本恵美子裁判官が入っている。105号法廷は向かって右側の傍聴席が全て報道記者席になっていた。
https://hayariki.wixsite.com/hayashida/post/nakano_inheritance16-4
埼玉県警に対する損害賠償請求では埼玉県警機動隊水難救助部隊の佐々木俊一巡査(当時26歳)の水死の国賠訴訟がある。佐々木巡査は足を痛めていたため訓練中止を願い出たが聞き入れられず、先輩隊員に息継ぎができないまま水中に3~4回沈められ水死した。さいたま地裁は2019年6月26日判決で埼玉県に9200万円の支払いを命じた(「埼玉県に9200万円賠償命令 訓練中の機動隊員溺死」毎日新聞2019年6月26日)。
警察不祥事と言えば神奈川県警が悪名高いが、埼玉県警も多い。埼玉県警の桶川ストーカー殺人事件は警察の体質批判の先鞭となった。近時の警察不祥事では警察官が職務を騙って犯罪を行う警察詐欺・警察犯罪が目に付く。これも埼玉県警が先鞭である。草加署巡査(22)は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。川越署巡査(25)は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。詐欺師である。犯罪者そのものである。市民をだまし脅し、金をむしり取る。
マンション建設反対運動の無罪男性のDNAや指紋、顔写真抹消判決
マンション建設反対運動のリーダーが逮捕時に採取されたDNA型などのデータ抹消を求めた訴訟の判決が2022年1月18日に名古屋地裁であった。西村修裁判長はDNA型、指紋、顔写真のデータを抹消するよう国に命じた。弁護団によると、警察が保管しているDNA型などのデータ抹消請求が認められたのは全国初とみられる(「暴行無罪男性のDNAデータ、国に抹消命令…捜査で採取された指紋や顔写真も」読売新聞2022年1月18日)。
名古屋市瑞穂区の奥田恭正さん(65)はマンション建築反対運動のリーダーだった2016年10月、工事現場の監督を突き飛ばしたなどとして逮捕された。しかし、名古屋地裁は2018年2月に防犯カメラの映像からも突き飛ばす行為はなかったと認定して無罪判決を出し、確定した。奥田さんは同年7月、違法な逮捕や勾留で精神的苦痛を受けたとして国と愛知県などに計1100万円の損害賠償を求めるとともに、国に警察庁のデータベースからDNA型などの抹消を求め提訴した。
無罪確定後のデータ保管は、憲法が定める人格権の一部である、プライバシー権や自分の情報の公開範囲を決める権利の侵害と主張。根拠法や必要性、合理性がなく、将来罪を犯す可能性があると扱われるのと同じで、「屈辱的で、著しい人権侵害」と主張した(「無罪確定の男性の指紋やDNAデータ、国に削除命令 名古屋地裁」朝日新聞2022年1月22日)。
判決は、原告側の主張に沿い「何人もみだりにDNA型を採取されない自由があり、取得された後に利用されない自由も含まれる」と指摘(「無罪確定男性から採取の指紋、DNA型など抹消命じる 名古屋地裁」毎日新聞2022年1月18日)。
「犯罪の証明がないと確定した場合は、具体的な必要性が示されなければ、保管する必要がなくなったと解するべきだ」。奥田さんの無罪判決が確定していることなどを挙げ、「余罪や再犯の可能性を認めるのは困難で、保管する必要がなくなったというべきだ」(道永竜命「DNAデータなど抹消命令 警察が保管、無罪男性が請求 名古屋地裁」2022年1月18日)。
奥田さんは以下のように語った。「無罪なんだから、10月7日(事件の日)以前の私に戻してほしい。非常に良い判決だった」(「「無罪なのだから以前の状態に戻して」 捜査で採取の指紋やDNA抹消を求めた男性 国に抹消を命じる判決」CBCテレビ2022年1月18日)
高知県香南市官製談合で課長の起訴取り消し
高知県香南(こうなん)市発注工事を巡る官製談合事件で、高知地検は2021年12月3日、入札価格情報を漏らしたとして官製談合防止法違反などの罪で起訴していた市住宅管財課の男性課長(58)の起訴を取り消した。On December 3, 2021, the Kochi District Public Prosecutor’s Office cancelled the indictment of a male section chief of the city’s Housing Management Division (58), who had been charged with violating the Law for the Prevention of Bid Rigging for leaking bid price information in a bid rigging case involving construction work ordered by the city of Konan, Kochi Prefecture.
課長は11月16日に記者会見を開いて捜査を批判した。「初めから否認しているのに(事件の)ストーリーができあがっていたのではないか」(小宅洋介「高知・香南市の官製談合 元市議らの訴因変更 課長の起訴取り消しで」毎日新聞2021年12月3日)。
「私が自白すれば終わる形だった。決め打ちだった」(北島美穂「地検・県警、崩れたシナリオ…起訴取り消しの市課長「私の自白で終わる形だった」読売新聞2021年12月4日)
弁護人の市川耕士弁護士は「無実の課長への違法捜査が明らかになった。検察には起訴取り消しの経緯や理由を説明する責任がある」とコメントした(「市課長の妻「人として全てを否定されたようだ」…起訴取り消し」読売新聞2021年12月4日)。
課長は2020年12月に実施された市営団地解体工事の入札に絡み、志磨村(しまむら)公夫元市議に最低制限価格に近い価格を漏らしたなどとして、2021年9月1日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の両容疑で高知県警に逮捕された。課長は容疑を一貫して否認。弁護人の準抗告でいったん釈放されたが、同じ容疑で地検に再逮捕され、9月22日に起訴された。
「課長から価格を教わった」と話していた志磨村元市議が供述を変えたといい、公判を維持できないと判断したとみられる。地検は11月12日、課長の勾留取り消しを地裁に請求し、即日釈放された。釈放まで約2か月を要している(「地検が市課長の起訴取り消し…官製談合で元市議の供述に疑義、立証困難と判断か」読売新聞2021年12月3日)。あまりに理不尽である。理不尽であると呪ったとしても無理はない。どのような物語も冤罪被害者の前では色褪せてしまう。
地検の上田敏晴次席検事も県警の野村良捜査2課長も現時点では謝罪していないとする(「市課長の起訴取り消し 高知地検、官製談合の罪」日本経済新聞2021年12月3日)。保身第一の公務員組織には以下が欠けている。「悪かったと気が付いたから、悪かったと謝罪する。相手が誰であろうとな。当たり前のことだろう」(あさのあつこ『スーサ』徳間文庫、2014年、254頁)
捜査機関はいつも「捜査に問題はなかった」とコメントするが、捜査に問題がなければこのようなことにはならない。「どうしてこうなったか」を考えなければならない。捜査のミスと正面から向き合う姿勢を持とうとしないから、何度も繰り返される。
「なるほど」
私はうなずいた。
「確かにそれはありますね」
「そうなんですか?」
「説明責任を果たさない保身第一の体質は不便で仕方がないですからね」
「わかりますよ」
そう言って大きく笑った。
「本当にその通りですよ」
続警察不祥事
埼玉県警巡査部長の強制わいせつ未遂
埼玉県警羽生署地域課須影駐在所の巡査部長=羽生市須影=は業務で知った個人情報を不正に利用して女性を呼び出し、体を触ろうとしたとして強制わいせつ未遂の罪で有罪判決を言い渡された(「性行為を20代女性に迫る「誠意を見せて」元巡査部長に執行猶予 女性を懲らしめるためとの主張に裁判官は」埼玉新聞2021年7月2日)。さいたま地裁(菅原暁裁判官)は2021年7月1日に懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)の判決を言い渡した。
巡査部長は2021年4月4日に20代の女性を脅して呼び出し、羽生市内の商業施設の駐車場に止めた車の中でわいせつな行為をしようとしたこと。巡査部長は駐在所の業務で被害女性に応対していた(「エッチさせろ…女性を触ろうとした巡査部長を逮捕 埼玉県警に勤務 わいせつ目的を否認「納得できない」」埼玉新聞2021年4月10日)。そこで収集し個人情報を使って女性を脅迫した。
巡査部長は4月2日と3日に女性の個人情報を不正に利用して携帯電話で連絡した。さいたま地検は被害者の特定につながるとして起訴内容を明らかにしなかった(「埼玉県警巡査部長を起訴 強制わいせつ未遂罪」産経新聞2021年4月28日)。その卑劣な手口は週刊誌で報道された。性悪で冷酷、一刻も早く退場して欲しいと願うほどの唾棄すべき存在である。
「池田容疑者は駐在所に相談に来た女性に目をつけたようです。相談を受けた際に女性の電話番号を手に入れたとのこと。4月4日、女性に『秘密をバラされたくなかったら、カネを持ってこい』と電話で脅迫して、商業施設の駐車場に呼び出しました。女性は池田容疑者のことを覚えておらず、彼も当日は非番で身分を隠していたようです。彼は女性を車の中へ無理やり連れ込み、カネを要求した挙げ句に『エッチをさせろ』と身体を触ろうとしたんです」(「埼玉県羽生市「わいせつ巡査部長」のヤバすぎるウラの顔」FRIDAY 2021年5月1日)
兵庫県警神戸西署員のまん延防止重点措置無視 #警察不祥事
被害者の20代女性には万引きの過去があり、巡査部長は「万引きは通報しないでやるからそれなりの誠意を見せろ」などと女性に迫り、弱みにつけ込んで性的行為に応じるよう脅した(「万引きの弱みにつけ込み20代女性に性行為を迫った元警察官 「警察活動の根底を揺るがす行為」元刑事が怒り」ABEMA TIMES 2021年7月5日)。
巡査部長は4月7日に強制わいせつ未遂容疑で逮捕された。さいたま地検は2021年4月28日に巡査部長を強制わいせつ未遂の罪で起訴した。産経新聞記事は「池田被告」と書くが、被告は民事訴訟の用語である。刑事訴訟は被告人になる。
初公判は、さいたま地裁で2021年6月17日に開かれた(「強制わいせつ未遂の罪に問われる元巡査部長 懲役2年求刑」NHK 2021年6月17日)。検察側は以下のように指摘した。
「被告人は女性に窃盗の前歴の弱みがあることに付け込み、『万引きをしたらそれなりの誠意を見せてほしい』『月に一回で良いです』『嫌なら留置場に入りますか』などと言ってわいせつ行為を迫った」「アダルトビデオなどの影響を受けた犯行で、幼稚かつ浅はかな動機で酌量の余地はない」(「「懲らしめようと…」強わい未遂の元警察官初公判」テレビ朝日2021年6月17日)
「警察官という立場は、仕事上、個人情報に触れる機会が多く、その情報はプライベートに深く関係するものもある。しかし、警察官がその情報を個人的な欲望のために悪用してしまったら、今後、市民は警察の業務に協力することができなくなるだろう」(河村忠徳「警察業務で取り扱った個人情報で女性呼び出し 強制わいせつ未遂で地域を守る現役警官を逮捕・起訴」FNNプライムオンライン2021年6月1日)
巡査部長は逮捕時の報道では(33)であった(内田優作「「まじめな人」「示しつかない」…駐在所近隣住民に驚きと憤り 埼玉県警巡査部長逮捕」産経新聞2021年4月8日)。起訴時の報道では(34)になった。起訴時には(34)になった。
巡査部長は2008年10月に警察官になり、2017年3月から須影駐在所で勤務しており、犯行後も出勤していた。須影駐在所は東武伊勢崎線南羽生駅の西約1キロの住宅街の一角に位置する。駐在所に妻と二人の子供と暮らしていた。
巡査部長は2021年5月21日付で懲戒免職処分となった。埼玉県警は監督責任があるとして、羽生署地域課課長の男性警部と同課係長の男性警部補を監察官による口頭厳重注意とした。再発防止へ向けて、各所属長に対し、勤務員への面談などを通じた指導や支援を実施するよう通達した(「女性の体を触ろうとした巡査部長を懲戒免職 業務で知った個人情報を不正利用、女性を呼び出す/埼玉県警」埼玉新聞2021年5月22日)。
しかし、管理主義的な公務員組織の面談は逆効果になる。埼玉県警では川越署刑事課の巡査が詐欺未遂と地方公務員法違反で2019年8月7日に、さいたま地裁から有罪判決を言い渡されている。この巡査は病死した埼玉県川越市の男性の遺族から2019年3月に現金50万円ほどをだまし取ろうとした。また、検視を担当した女性の遺族の個人情報を2019年2月に知人の40代男性に漏らした。
この巡査が金をだまし取ろうとした背景には、上司から生活指導を受けて貯金を増やそうとしたことがある(「遺族から現金だまし取ろうとした元巡査、情報も漏らす 地裁が執行猶予「依願退職などすでに社会的制裁」」埼玉新聞2019年8月8日)。管理主義的な締め付けが性犯罪などの警察不祥事を増やしているのではないか。
貯金を殖やそうとして詐欺に走る巡査の思考回路は半グレ・ヤンキー並みに短絡的である。警察組織に欠けているものは消費者に価値を提供して対価を得るという民間感覚である。
警察官の民間感覚の欠如は小説でも描かれている。以下は巡査のセリフである。「わたしたち官には不況というものがいまひとつ実感できないものですから、民間の方の苦労を他人事のように思ってしまって」(奥田英朗「ここが青山」『家日和』集英社、2007年)。
巡査部長は取り調べで「車の中で金を要求したり性行為をさせろなどと言ったが、わいせつ目的の部分が納得できない」と話す(「警察官が強制わいせつ未遂か 業務通じ女性と面識」テレビ朝日2021年4月10日)。矛盾した発言である。公務員の屁理屈である。わいせつ目的でなければ何なのか。
筋違いの言い訳は犯罪警察官に共通する。埼玉県警では鉄道警察隊巡査=さいたま市見沼区=が県警のデータベースを悪用して得た情報をもとに女性宅を訪ね、体を触ったなどとして、強制わいせつや住居侵入などの有罪判決を言い渡された。巡査(32)は、さいたま市のマンションの女性の部屋に2019年8月、不動産業者を装って侵入し、身体を触るなどした疑いで逮捕された。巡査は2018年12月にも同市の別の女性の情報を不正に得ていた。
巡査は逮捕時には「家には入ったが、触っていない」と容疑を一部否認した(「部屋に不動産業者装い侵入 強制わいせつで警察官逮捕」FNN 2019年10月11日)。家には入ったとの言い訳が言い訳になっていない。公判では犯行を認める一方、女性宅を訪ねた動機を「仲良くなるため」と言い訳した(「元巡査に3年6月求刑 埼玉県警データベース悪用、強制わいせつ罪」産経新聞2020年12月9日)。
論告求刑公判は2020年12月9日、さいたま地裁(任介辰哉裁判官)であり、検察側は懲役3年6月を求刑した。検察側は論告で巡査が女性と性的な関係を持ちたいと考え、データベースで対象者の個人情報を収集していたとして「計画的で狡猾(こうかつ)な犯行」と指摘した。
さいたま地裁は2021年1月14日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)の判決を言い渡した。「警察官としての立場を悪用して犯行に及んだことは非常に悪質だ。より強い非難に値する」と非難した(「県警データ悪用の元巡査に有罪 女性宅訪ね強制わいせつ さいたま地裁」産経新聞2021年1月14日)。判決は、「仲良くなるためだった」という巡査の主張について「信用できない」と指摘した。
巡査は2013年2月に県警の警察官となり、2017年3月から鉄道警察隊に所属し、鉄道施設内の痴漢やすりなどの犯罪を警戒する業務に当たっていた(「痴漢を取り締まる巡査逮捕 マンションに侵入、女性触って逃走した疑い 一部否認「家には入ったが」/県警」埼玉新聞2019年10月11日)。
そもそも警察のデータベースを私的目的で利用することが犯罪である。変なことに使わなければ良いという発想が誤りである。警察官は自分達が特権身分と勘違いしているのではないか。警察官にデータを渡してはならないという反面教師になる。例えば何の法的根拠も無い巡回連絡は無視することが正解である。
警察のデータベースを利用した犯罪であり、求刑が軽すぎるのではないか。総じて日本では警察官の犯罪は刑が軽い。公務員の懲戒免職が社会的責任を受けたとして刑の軽減理由になるならば、公務員は前近代の貴族のような特権身分になってしまう。
不動産業者を装う点で知能犯である。埼玉県警では警察官の職務を悪用する警察不祥事が相次いだ。埼玉県警草加署巡査は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。埼玉県警川越署巡査も遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。市民が警察官に警戒するようになったために不動産業者を装うようになったのだろうか。
傷害容疑で紀州のドン・ファン捜査員逮捕
和歌山県警捜査1課の讃岐真生巡査部長(35)は2021年7月28日、面識のない女性に怪我をさせた容疑で逮捕された。逮捕容疑は2021年4月18日午後9時半頃、東京都大田区の京浜急行・天空橋駅で、トラブルから、もみ合いになった面識のない女性(20代)を転倒させ、右膝に怪我をさせたこと。当時「紀州のドン・ファン」こと和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さんが殺害された事件に関する捜査で、東京に出張中だった。
巡査部長は同駅のエスカレーターで、前にいた女性の下半身をスマートフォンで盗撮しようとして気付かれ、トラブルになった(最上和喜「逮捕の巡査部長「盗撮トラブル」供述 ドン・ファン事件で上京中」毎日新聞2021年7月29日)。巡査部長は通報しようとした女性の携帯電話を奪って逃走した(「「盗撮めぐり女性とトラブルに」 “ドン・ファン”捜査員を逮捕」FNN 2021年7月29日)。携帯電話を奪ったならば強盗致傷である。
以下は巡査部長の供述である。
「コンビニ店に出掛けた帰りに好みの女性を見つけ、盗撮しようとした」(「「好みの女性見つけ…」逮捕の和歌山県警の警察官」テレビ朝日2021年7月30日)
「女性を盗撮しようとしたことに気付かれトラブルになった」(「「女性盗撮でトラブル」 和歌山県警巡査部長が供述」産経新聞2021年7月29日)
「在阪テレビ関係者は「讃岐容疑者が関係者の事情聴取にあたる際にも、上から目線で、さも“応じるのが当たり前”という感じで、仕事ができる捜査員という感じはしなかったそうです」と語る。あまりにもお粗末すぎる」(「お粗末!!逮捕の紀州ドン・ファン捜査員 4月の元妻逮捕直前に〝盗撮〟も発覚」東スポ2021年7月30日)
和歌山県警幹部は「いったい、何を考えているんや。東京は和歌山の田舎と違う。防犯カメラがあちこちにある。バレたら簡単に捕まることがわからんのか。田舎もん過ぎる」と言ったと報道される(今西憲之「「紀州のドン・ファン」捜査の山場で女性の盗撮 逮捕された和歌山県警刑事の呆れた動機」AERA dot. 2021年7月30日)。バレない和歌山県の田舎では盗撮をしていると読める発言である。警察不祥事は氷山の一角である。
「和歌山県警はその10日後の28日、ドン・ファンこと野崎幸助さん(当時77)を殺害したとして、元妻の須藤早貴被告(25)を殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕。早貴は今回の現場に近いマンションに住んでいた」(「「紀州のドン・ファン殺人事件」の捜査員は盗撮犯だった!東京出張ついでにスカート内隠し撮り」日刊ゲンダイ2021年7月30日)
「和歌山県警巡査部長を逮捕 警視庁、女性転倒させ傷害疑い」東京新聞2021年7月28日
「“ドン・ファン事件”で上京中の捜査員逮捕」日本テレビ2021年7月28日
「【独自】「紀州のドン・ファン」殺人事件捜査中に犯行か 和歌山県警巡査部長を傷害容疑で逮捕」FNN 2021年7月28日
和歌山県警では盗撮が露見し傷害を負わせた警察不祥事が過去にも起きている。和歌山県警巡査は女性のスカートを盗撮し、盗撮を注意した人に怪我を負わせて傷害容疑で逮捕された。
巡査は2018年9月9日、大阪メトロ日本橋駅の階段で女性のスカート内にスマートフォンを差し入れているのを男性に注意され、逃げようとしてもみ合いになった(「駅で盗撮の巡査、注意された男性に路上で馬乗り」読売新聞2018年9月22日)。午後5時45分頃に大阪市中央区日本橋の路上で注意した男性を転倒させ、馬乗りになり暴行した。殴られた男性は、右ひじや右膝などに全治9日の打撲を負ったという。
「男性同士が言い合いをしていて『こらぁ』『お前、やっただろう』などとすごい剣幕だった。そして、殴り合いになり、背格好の大きな男が別の男を転倒させて馬乗りになって、何発か殴って、今度はビルに体を押し付けて殴りかかり、逃走」(「「樋田容疑者逮捕」大阪・繁華街での大捕物に色めき立つも犯人は警官」AERA dot. 2018年9月23日)
巡査は2018年9月22日、大阪府警南署に逮捕された。同署は府迷惑防止条例違反容疑でも調べる(「男性に馬乗り、警官を傷害容疑で逮捕「盗撮がばれた」」朝日新聞2018年9月22日)。重陽の節句にスカートの中を盗撮とはどうしようもない。
大阪府警は2018年10月24日に傷害と府迷惑防止条例違反の容疑で書類送検した。和歌山県警は10月25日、巡査を停職1カ月の懲戒処分とした。巡査は同日付で依願退職した(「盗撮・暴行の警察官ら処分 和歌山県警」紀伊民報2018年10月26日)。依願退職で済ませることは甘い。民間警備会社に再就職するかもしれない。
巡査は2018年4月に県警察学校に入校し、10月1日に配属予定だった。最初から不純な動機で警察官を志望したのか、それとも警察学校のパワハラ・セクハラ体質の中で壊れたのか。警察学校自体が正義感とは縁遠い人間を養成するシステムと化している。内部でのパワハラやセクハラも多い。上司のご機嫌をとらないと昇任試験の推薦がされないという問題もある。巡査が盗撮犯を捕まえようとした話ではなく、巡査が盗撮犯の話である。
警察官の性犯罪は多い。盗撮の警察不祥事は業界あるあるである。埼玉県警ではプールの盗撮が繰り返された。埼玉県警蕨警察署の巡査部長(43)は東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。埼玉県警公安2課課長補佐の男性警部(57)は書類送検された。性犯罪の手口が組織内で共有されているのではないか。警察不祥事は大ブーイングである。
続警察不祥事
ホロコースト揶揄の小林賢太郎解任
お笑い芸人ラーメンズの元メンバー小林賢太郎氏(48)が2021年7月22日、東京オリンピック開会式のショーディレクターを解任された(田原和宏「小林賢太郎氏を解任 五輪開会式演出担当、ホロコーストをやゆ」毎日新聞2021年7月22日)。ラーメンズのコントの中で「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」と発言し、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を揶揄していた。国際人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターSimon Wiesenthal Centerは「反ユダヤ主義の発言」との非難声明を発表した。
エイブラハム・クーパー氏は「どんなに創造的であっても、ナチスの虐殺の犠牲者をあざける権利は誰にもありません」と述べる(「五輪開会式の演出 小林賢太郎氏も“不適切ネタ”ユダヤ人権団体が抗議」TBS 2021年7月22日)。
「たとえクリエーティブなものであったとしても、ナチスに虐殺された犠牲者をあざける権利は誰にもない。ナチス政権はまた、障がいを持つドイツ人を処刑した。この人物(小林氏)と東京五輪の関係は600万人のユダヤ人の記憶を侮辱し、パラリンピックに残酷なあざけりをもたらす」(木下淳「東京五輪開閉会式ディレクター小林賢太郎氏も不適切ネタ 米人権団体が抗議」日刊スポーツ2021年7月22日)
SWC Condemns Anti-Semitic Remarks by Director of Opening Ceremony of Tokyo Olympics, July 21, 2021
Any person, no matter how creative, does not have the right to mock the victims of the Nazi genocide. The Nazi regime also gassed Germans with disabilities. Any association of this person to the Tokyo Olympics would insult the memory of six million Jews and make a cruel mockery of the Paralympics.
Simon Wiesenthal Centerの非難声明はナチスの障害者虐殺にも言及している。障害者イジメで解任された小山田圭吾氏の問題と一連のものとして捉えていることが理解できる。
今回の解任は、以前の解任と比べると迅速であった。その点は評価できるだろう。中山泰秀防衛副大臣は「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い、お話をしました」とツイートした。Simon Wiesenthal Centerにナチズム関連の情報提供をすることは珍しいことではない。暴走族という恥ずかしい過去を売りにする日本の弁護士は暴走族時代にハーケンクロイツを掲げており、その写真をホームページに掲載していた。それもSimon Wiesenthal Centerに情報提供された。
小林賢太郎問題では逆にリベラル派の一部に「日本の副大臣がユダヤ人団体に通報することはけしからん」という論調がある。ドメスティックな守旧派的発想である。ドメスティックな守旧派的発想である。公立福生病院事件を考える連絡会の「シンポジウム 公立福生病院事件はなぜ起きたのか!?『反延命主義の時代 透析中止・人生会議・パンデミック』の出版にあわせて」では左派がナチスと親和性のある積極的安楽死を進め、右派が抵抗していると説明された。小林賢太郎問題でも左派の方がナチスと親和性があると言えそうである。
https://hayariki.wixsite.com/hayashida/post/symposium_fussa_hospital
兵庫県警神戸西署員のまん延防止重点措置無視 #警察不祥事
兵庫県警神戸西警察署(神戸市西区)の男性警部補ら複数の署員が、2021年7月9日に深夜まで飲食店で飲酒した上、路上でトラブルを起こし110番通報された。店を出たのは午後11時頃だった(「神戸西署の警察官ら「まん延防止」期間中に5人で飲み会 店を出たのは午後11時ごろ」関西テレビ2021年7月19日)。
路上で酒に酔った警部補が部下の巡査部長(33)に説教するなど大声を出し、騒ぎになった。これを見た通行人が110番通報。現場に駆け付けた生田警察署員に「内輪もめだ。(体に)触れると訴えるぞ」などと詰め寄ったという(「兵庫県警・神戸西署員、禁止の「飲み会」で泥酔 深夜の路上で大声 通報で駆けつけた警察官に悪態…処分へ」ラジオ関西トピックス2021年7月19日)。「触るな、訴えるぞ」などとからんだとも報道された(「ハシゴ酒に大声…警官5人、通報騒ぎに 重点措置の神戸」朝日新聞2021年7月17日)。
神戸市の新型コロナウイルス対策まん延防止等重点措置に違反する。神戸市は11日まで新型コロナウイルス対策まん延防止等重点措置期間中の対象区域に指定されており、酒類の提供は4人以内のグループに対し、午後7時までである。兵庫県警は飲食を伴う会食を自粛するよう通達を出していたが、これも守られなかった。
深夜まで飲酒して騒いだ警察官の人数は報道により差異があるが、いずれにしても、まん延防止等重点措置に違反する点は同じである。
「兵庫県警神戸西署の男性警部補ら署員5人が9日、知人の女性を含む6人のグループで、神戸市内で深夜まで飲酒を含む会食をしていた」(「署員5人が知人女性と深夜まで飲食、路上で騒ぎ通報される…「まん延防止」中」読売新聞2021年7月17日)
「警部補ら署員5人は今月9日夕、神戸・三宮の飲食店で飲み会を開催。店を変えた後、署員1人は帰宅したが、警部補は一般の知人女性1人を呼んで計5人で深夜まで酒を飲んだという」(「神戸西署またトラブル 「まん延防止」中に警官5人で飲み会 深夜に騒ぎ110番される」神戸新聞2021年7月17日)
神戸西署では不要不急の外出自粛要請中の2020年3月27日にも居酒屋で歓迎会を開催した。この歓迎会に署長と副署長も参加した(「自粛要請中に居酒屋で歓迎会、警察署長と副署長が感染…署員120人が自宅待機」読売新聞2020年4月13日)。
神戸西署は歓迎会後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の集団感染が判明した。4月6日に50代の男性警視の新型コロナウイルス感染が判明した。警視とは別の課に所属する男性警部や警視の50代の妻も感染が確認された(「神戸西警察署 別の警察官も新たに感染 ほかに複数が発熱訴え」NHK 2020年4月9日)。
署長と副署長も新型コロナウイルスに感染した。兵庫県警が2020年4月13日に発表した。署長と副署長は共に50歳代男性。副署長は11日に発熱し、12日に感染が確認された。署長は12日に発熱し、13日に感染が確認された。署長と副署長の感染判明で神戸西警察署の感染者は計10人となった。神戸西署の感染者数は2020年7月時点で13人になった(「【神戸市垂水区・須磨区】神戸西警察署の男性巡査が新たに感染/兵庫県警で感染15人のうち神戸西警察署で累計13人と報道」号外NET 2020年7月25日)。
コロナ禍でも宴会を止められない昭和の体質は末期的である。これが生産性に関わらず給料の変わらない公務員の感覚か。2019年末には忘年会スルーとの言葉が生まれた。時代の流れに逆行する。
「北山署長がパワハラで歓迎会を強行し、元監察室長に絶対服従だったという情報も出ている」(「クラスター化した神戸西署へ再電凸取材 感染した北山署長はかつて拳銃をトイレに忘れた不祥事に「警察官としてあるまじき行為」と発言」TABLO 2020年4月15日)
長崎県警巡査部長を女子大生恐喝未遂で逮捕 #警察不祥事
滋賀県警歯形取り違え誤認逮捕国賠訴訟
滋賀県警が証拠を取り違え、誤認逮捕された女性が「違法な取り調べで精神的苦痛を受けた」などとして、損害賠償を求める国賠訴訟を2021年4月26日付で起こした。女性は、逮捕時の取り調べで当初否認したが、警察官から怒鳴られ、虚偽の自白書の作成を強要されたと主張。甚大な精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法に基づき、滋賀県と国に約300万円の損害賠償を求める。鑑定を精査していれば逮捕や起訴はなく、警察や検察は当然の捜査を著しく怠ったと訴える。
警察は以下のような発言をしたとする。
「このままの状態では絶対に子どもを返せない」(「誤認逮捕で国賠提訴 歯型取り違え―大津地裁」時事通信2021年6月17日)
「自白すれば子どもは返ってくる」(「滋賀県警が証拠の歯型取り違え誤認逮捕 女性が損害賠償求め提訴 国と県は争う姿勢」読売テレビ2021年6月24日、「乳児かみつきで誤認逮捕の母 歯型取り違え「自白強要された」 損賠訴訟始まる」京都新聞2021年6月24日)
「歯型を提出して何もバレないと思ったのか」(「誤認逮捕で損害賠償請求 国と県は争う姿勢/滋賀」BBCびわ湖放送2021年6月24日)
「お前はクロや」(「「違法な取調べで精神的苦痛」滋賀県警に誤認逮捕された女性が提訴」関西テレビ2021年6月25日)
大津地裁(堀部亮一裁判長)で2021年6月24日に第1回口頭弁論が開かれた。県と国はいずれも争う姿勢を見せた。
滋賀県警は別人の歯形を証拠として母親を誤認逮捕した。滋賀県警は2019年10月17日に乳児の腕にかみつき、全治1週間のけがを負わせたとして母親を逮捕した。母親は逮捕から起訴後の保釈まで23日間勾留された。
県警の鑑定官が母親ら複数の関係者から歯形を採取し複製を作ったが、その際に別人の複製に母親の名前を記入した。その複製と傷痕を照合して「おおむね一致」との結果を得た。母親が犯人との決めつけが、そのような結果になったのではないか。
この事件は児童相談所の通報が出発点である。警察は公務員の身内感覚から役所からの通報を鵜呑みにして、思考停止しているのではないか。
母親は逮捕時に容疑を認めたが、公判で起訴内容を否認した。女性は「取り調べでウソの自白を強要された」と主張している(「証拠を取り違え…女性を”誤認逮捕”した「滋賀県警」、トップの本部長が公の場で「初めて謝罪」」関西テレビ2020年10月2日)。逮捕前の任意の調べで県警の男性刑事から「夫や両親を呼び出す」などと脅されたとする(「滋賀県警が別人の歯型を証拠に誤認逮捕 自白強要か、起訴取り下げ」中日新聞2020年9月18日)。
大津地裁では2020年1月に鑑定官への証人尋問が行われた。弁護人の植平朋行弁護士が母親の歯型と傷痕の歯の本数が一致しない点などを指摘したところ、鑑定官が「入れ違いの可能性がある」と証言し、公判が中断した。
大津地検は9月18日、地裁に起訴を取り消す申し立てをしたと発表した。地検は「警察から送られた重要な証拠内容の誤りに気づかなかった。女性は事件の実行行為者ではないと判断した」とする。地裁は同日、公訴(起訴)棄却を決定した(「乳児のかまれた跡は別人の歯形、滋賀県警が証拠取り違え母親を誤認逮捕 公訴棄却決定、県警と地検が謝罪」京都新聞2020年9月18日)。
この事件の報道後の9月20日の『笑点』大喜利では奇しくも誤認逮捕のネタが披露された。「警察官が4人以上逮捕することを止めました。誤認逮捕がなくなりました」
滋賀県警の滝沢依子本部長は10月2日、県議会土木交通・警察・企業常任委員会で「鑑定の過程で、歯型を別人のものと取り違えたことなどにより、母親の女性を本件の被疑者として逮捕してしまい、大変申し訳なく思っており、警察本部長として心よりおわび申し上げる」と謝罪した(「議会で謝罪「母親に大変申し訳なく、心よりおわび」」京都新聞2020年10月2日)。県議からは同県東近江市の湖東記念病院の患者死亡事件で3月に再審無罪判決が出たばかりだと指摘された(「滋賀県警本部長が起訴取り消しを謝罪 傷害事件で別人の歯型を証拠採用」毎日新聞2020年10月2日)。
#警察不祥事 #誤認逮捕 #冤罪 #国賠訴訟
東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った
『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』は東急不動産消費者契約法違反訴訟を豪快発表する。東急不動産消費者契約法違反訴訟は、隣地建て替えによる日照・眺望・通風喪失という不利益事実を隠したマンションだまし売りを消費者契約法第4条第2項の不利益事実の不告知で取り消した。
フランス法の法諺に「何人も自己の恥ずべき行為を援用しては、その要求を容れられない」がある。マンションだまし売りは、これに該当する。不利益事実を隠して不動産契約を締結しながら、消費者に契約上の義務貫徹を要求することはできない。
不利益事実を隠してマンションをだまし売りする東急リバブル東急不動産営業には「本当に人間ですか」と言いたくなる。マンションだまし売り営業は消費者を欺いても許される特権扱いとでも思っているのだろうか。マンションだまし売り営業やマンション投資の迷惑勧誘電話営業は主人公の敵役に相応しい。
マンションだまし売りやマンション投資の迷惑勧誘電話が起きている日本の状況を正しく伝える必要がある。マンションだまし売りやマンション投資の迷惑勧誘電話は日本人の奴隷化を進めるものである。マンション投資をしたものの、投資物件がガラ空き状態で家賃収入が入らず、住宅ローン破産する事例が起きている。
ステルス値上げが問題になっている。商品の内容量や数量を減らしつつ、価格を据え置く行為です。実質的な値上げであるが、消費者が気付かないうちに行われるため、ステルス値上げと呼ばれる。隣地建て替えによる日照・眺望・通風喪失という不利益事実を伝えずに新築分譲マンションをだまし売りすることはステルスだまし売りである。
東急不動産だまし売り裁判を『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』風にすると『林田力と東急不動産だまし売りの囚人』になる。林田力は東急リバブル東急不動産に新築分譲マンションをだまし売りされる。東急リバブル東急不動産営業は吸魂鬼(ディメンター)のように消費者の心をえぐる。そこで林田力は逆転時計を使用する。新築分譲マンションをだまし売りされる前にタイムリープし、マンション購入契約を白紙に戻した。これが消費者契約法による契約取り消しの始まりになった。
『笑点』(2020年11月22日)の大喜利で「障子と政治家の公約はすぐ破れる」とのネタが披露された。東急リバブル東急不動産の消費者への約束も都合が悪くなるとすぐに破られる。辞職勧告がTwitterの2020年11月26日のトレンドになったが、マンションだまし売りの東急リバブル東急不動産には廃業勧告が相応しい。
東急不動産だまし売り裁判からマンション管理の問題が派生した。問題のマンションは東急不動産のグループ企業が管理会社として指定されていた。東急不動産の抱き合わせ販売であり、消費者が東急コミュニティーを選択した訳ではない。マンション管理に正面から取り組むと、東急コミュニティーに不信感を抱くことが多くなる。問題点を全区分所有者で共有し、試しに他の複数の管理会社から見積もりをとることが出発点になる。
長期修繕計画が東急コミュニティー不信の発端であった。駐車場料金や駐輪場料金は現実には一般会計に入れられているが、東急コミュニティー作成の長期修繕計画では修繕積立会計に入れられていた。このため、修繕積立会計が現実よりも収入があるように見せられていた。しかし、現実は10年目の大規模修繕でも資金不足に陥ってしまう。
修繕積立金が不足しており、大規模修繕を予定通り行うならば各戸から一時金を徴収しなければならないという情報は区分所有者にとって重大な問題でる。速やかに共有する必要がある。それは改革の原動力にもなる。
神奈川県警警部補を残業代虚偽申告で書類送検 #警察不祥事
虚偽の時間外勤務を申告し、残業代約25万円をだまし取ったとして、神奈川県警鶴見署の男性警部補(55)は2021年6月18日、電子計算機使用詐欺容疑で書類送検され、懲戒免職となった(「うその申告で残業代 男性警部補を書類送検 神奈川県警」時事通信2021年6月18日)。
送検容疑は2019年12月から20年12月に嘘の時間外勤務を勤務状況管理システムに入力し、残業代約25万円を不正受給したこと。警部補は18年3月から同署で勤務時間や給与を管理する部署に勤務していた。署員の残業時間を管理するシステム上の権限を悪用し、自分の残業時間を水増しして不正に超過勤務手当を受け取った疑いがある。
警部補の残業代について同僚が不審に思い、当時の副署長に申告。副署長がデータを照らし合わせたところ、不正が判明した。警部補は「借金があり、少しでも生活が楽になればと思った」と話している。この問題は2021年3月に最初に報道された(「残業時間の水増しで不正受給か 警察官が権限悪用…」テレビ朝日2021年3月11日)。
勤務時間や給与を管理する部署の勤務者が残業を水増しする点は、特権を持つ人が不正する警察不祥事の構造である。警察不祥事の悪質なパターンとして警察官の職務を装って市民に金を請求するものがある。埼玉県警では警察官の職務を悪用する警察不祥事が相次いだ。埼玉県警草加署巡査は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。埼玉県警川越署巡査も遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。特権者の不正体質が組織構造に蔓延しているのだろう。