社会
林田力

社会問題を扱います。

神奈川県警で飲酒会食後に新型コロナ感染

神奈川県警藤沢署員計9人が2021年1月4日に飲酒を伴う会食を行い、このうち4人が新型コロナウイルスに感染した。署員らは当初、会食したことを明かさず、体調不良を感じたのに勤務を続けた者もいたという。この隠蔽体質はデリヘル利用で濃厚接触者になったのに勤務を続けた青森県警巡査部長と重なる。

 

会食には警部以下の署員計9人が参加。午後6時から8時の1次会に7人、一部が入れ替わり8時から10時の2次会に5人が参加した。2次会に参加した2人の感染が10日と11日に判明。署幹部が署員に聞き取りをしたが、会食の事実を明かした者はいなかった。

 

外部から情報提供があり、13日に2度目の聞き取りをして会食が判明。同日、1次会と2次会に参加した40代男性警部補と、2次会に参加した30代男性巡査部長の感染が新たに判明した(「藤沢署員4人が感染 9人で飲酒、調査に事実明かさず」朝日新聞2021年1月14日)。

 

警察官の会食や宴会参加後の新型コロナウイルス感染が繰り返されている。兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。埼玉県上尾警察署では地域課勤務の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。警視庁尾久警察署では署長(60)が十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。

 

自分がどのような立場でどのような仕事をしているか全く理解していない。行動自体に対して自覚が足りなすぎる。警察組織は昭和の宴会文化から脱却できていない。新型コロナウイルス以前の問題として、今は忘年会スルーやメシハラスメント(メシハラ)という言葉が普及している。21世紀に入っても、日本型組織は職員全員に昭和の思想や行動様式を求める傾向がある。組織が大きければ大きいほど古ければ古いほど、無関心勢力や抵抗勢力が変革主導者の足を引っ張る。

尾久警察署長が懇親会参加後にCOVID-19感染

 

多摩川駅近くの線路敷地内で火事

東京都大田区田園調布の多摩川駅近くの線路敷地内で2021年1月9日午後に枯れ草が燃える火事があり、約3時間に渡って東急東横線と東急目黒線が一部区間で運転を見合わせた。ポンプ車など10台が消火活動を行い、枯れ草200平方メートルと、保線作業に使われる資材などが焼けた(「東急東横線・多摩川駅付近で線路脇の枯れ草燃える 一時運転見合わせ」TBS 2021年1月9日)。

 

多摩川駅は多摩川の近くにある駅である。灰と煙が広がった。列車が多摩川の上で立ち往生してている姿も目撃された。出火直後に近くで停車した電車では、煙の侵入を防ぐため窓を閉めるようアナウンスが流された(「沿線の火事で一時運転見合わせ 東横線・目黒線の全線で運転再開」ANNニュース2021年1月9日)。

 

多摩川駅では痛ましい人身事故も起きている。2006年11月25日午前6時25分頃に男性がホームから転落し、下り電車にひかれた。男性は40歳くらいで、両足に重傷を負った。ホームを歩いていて誤って転落したらしい。東横線は渋谷―武蔵小杉駅間で一時上下線とも運転を見合わせた。事故の影響で下り5本が運休し、ダイヤが乱れ、約2000人に影響が出た(「東急東横線、一時運転見合わせ 多摩川駅で人身事故」朝日新聞2006年11月25日)。

 

多摩川駅では車椅子がホームから線路に転落する事故が複数回起きている。車椅子の95歳の女性は2007年9月にホームに転落し重傷を負った。付き添いの家族が離れた時に車いすが動いて線路に転落した。

 

車椅子に乗った川崎市の81歳の女性は2009年9月13日にホームから線路に転落し、死亡した。付き添いの長女とエレベーターで1階改札から2階ホームに移動した。長女が下で待っている利用者のためドアのボタンを押して閉めようと車椅子から手を離したところ、車椅子が動いて約1.2メートル下の線路に転落した。

 

この事故を受けて東急電鉄が調査した結果、別の7駅でもホームの傾斜が原因で車椅子が線路に転落する危険があることが判明した(「東急7駅ホーム過傾斜、車いす転落のおそれ」読売新聞2009年9月26日)。問題の7駅は、新丸子、中目黒、自由が丘、武蔵小杉(以上、東横線)、渋谷、鷺沼、長津田(以上、田園都市線)である。

 

いずれの駅も1メートル当たり2センチ以上の傾斜がある(多摩川駅の傾斜は1メートル当たり2.5センチ)。これら7駅は乗降客の多い駅が集中しており、問題の深刻さをうかがわせる。東急電鉄は、これら7駅について警備員を配置し、11月末までに転落防止柵を設置する。

 

東急電鉄の事故前後の対応には問題があると考える。まず事故前の対応である。多摩川駅の事故は二度目である。最初の事故後に適切な対応をしていれば二度目の事故は防げた。死亡事故が起きないと重い腰をあげないのか。ここには過去の教訓を活かさない企業不祥事に共通する構図が浮かび上がる。

 

次に事故後の対応であるが、転落防止柵の設置は11月までは行わず、それまでは警備員配置で済ませようとしていることである。2回の事故とも家族が付き添っていながら発生しており、警備員の注意力に頼るだけで十分か疑問である。たとえば危険エリアをマーキングして注意を喚起することくらいならば即日対応可能である。

 

東急東横線は人身事故の割合が高い。「東横線でのトラブルで最も多かったのは人身事故で12件。同線はホームドアの設置が進んでおり、人身事故の減少が期待されるが、次いで多かったのは東横線内の遅延(10件)と混雑(8件)」(小佐野景寿「「乗り入れ先」が原因で遅れる地下鉄はどこか」東洋経済Online 2018年2月4日)

 

安全性は人命に関わる問題であり、地域独占の特権を享受する鉄道会社には出費や労力を惜しまない対応が求められる(林田力「東急東横線で車椅子の女性が転落死」ツカサネット新聞2009年9月28日)。

 

尾久警察署長が懇親会参加後にCOVID-19感染

警視庁尾久警察署(東京都荒川区)署長(60)が十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。署長は2020年12月28日、都内の飲食店で署員や地元の交通安全協会のメンバー、合わせて十数人で行われた懇親会に参加した。警視庁では5人以上の会食を控えるよう警務部長名で通達していたが、無視されたことになる。

 

「東京都の小池百合子知事が、不要不急の外出自粛を呼び掛けていた年末28日、大野署長は署員3人とともに地元交通安全協会のメンバーら十数人が出席した懇親会に参加。3日には50代の女性交通課長の感染が確認されており、参加者4人のうち3人の感染が判明した」(「尾久署長ら4人が警務部長の通達を無視 十数人の忘年会で“集団感染”」日刊ゲンダイ2021年1月8日)

 

署長は懇親会後に2次会にも参加した疑いもある。署長は2021年1月1日に37度4分の熱が出た。3日にPCR検査を受け、5日夜に陽性が判明した(「警視庁・尾久警察署の署長がコロナ感染、10数人の懇親会に参加」TBS 2021年1月6日)。

 

署長は1月8日付けで警務部への異動となった(「年末に懇親会参加の署長 新型コロナ感染 同席の課長も 警視庁」NHK 2021年1月6日)。警視庁は新型コロナの感染拡大を受け、1月5日以降は人数に関わらず会食を自粛するよう職員に求めている(斎藤文太郎「警視庁尾久署長がコロナ陽性 自粛求める通達後、十数人で会食」毎日新聞2021年1月6日)。

 

兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。警察組織は昭和の宴会文化から脱却できないのか。自分がどのような立場でどのような仕事をしているか全く理解していない。行動自体に対して自覚が足りなすぎる。

 

新型コロナウイルス以前の問題として、忘年会スルーやメシハラスメント(メシハラ)という言葉が普及している中で昭和の宴会文化から脱却できない警察組織は古い。21世紀に入っているにもかかわらず、日本型組織は職員全員に昭和の思想や行動様式を求める傾向がある。組織が大きければ大きいほど古ければ古いほど、無関心勢力や抵抗勢力が変革主導者の足を引っ張る。

 

埼玉県上尾警察署では地域課勤務の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。巡査はパトカー乗務員。

 

巡査は2020年8月25日や28日、29日に同僚や知人と会食した(「<新型コロナ>パトカー勤務員の巡査が感染 知人や署の同僚らと会食する機会、18人が自宅待機/上尾署」埼玉新聞2020年8月8日)。28日に上尾署地域課の警察官6人と飲酒を伴う会食をした。29日に同僚4人で食事をした。30日に勤務した。

 

宿直明けの7月31日夕方に38度以上の発熱があった。8月5日にPCR検査を受け、6日に陽性が確認された(「男性巡査陽性 発症3日前に同僚6人と会食」日本テレビ2020年8月7日)。埼玉県知事が会食を控えることを要請する中で軽率である。

 

埼玉県警の感染者は累計12人となった(「埼玉県警巡査が感染 同僚と会食、18人自宅待機」産経新聞2020年8月7日)。埼玉県警は8月10日に新たに上尾警察署の警察官1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。この警察官は8月7日に感染が判明した警察官と7月29日に会食していた(「上尾警察署の警察官1人感染/埼玉県」テレビ埼玉2020年8月10日)。

 

埼玉県警は日本で最初に警察官の新型コロナウイルス感染が判明した。武南警察署の警察官が2020年3月に感染が確認された。武南警察署長は署員の感染が判明した日の翌朝に署員ら約70人を会議室に集めて訓示した。密集・密閉・密接の三密防止に反している(林田力「埼玉県警武南警察署の警察官がCOVID-19感染」ALIS 2020年3月9日)。新型コロナウイル対策では行動変容が求められるが、その中で警察組織の旧態依然ぶりが際立っている。

https://alis.to/hayariki/articles/2vA8GPGqBwkR

 

埼玉県警が熊谷小4死亡ひき逃げ証拠品紛失

埼玉県警熊谷警察署は熊谷小4死亡ひき逃げ事件の遺品の腕時計を紛失した。事件を担当した交通捜査課の男性警部補が証拠品紛失の隠蔽工作をしたと問われている。警部補は紛失を隠蔽するため、腕時計の記載があった押収品目録交付書を遺族の母親から回収して破棄し、「腕時計」の記載を削除して改めて渡したという(「証拠品紛失を隠ぺい?遺族からリスト回収し破棄か」テレビ朝日2019年2月17日)。

 

母親の代理人弁護士は「腕時計をなくしたことを隠すために文書を回収して破棄し、新たに虚偽の文書を作ったのではないか」と指摘。虚偽公文書作成の疑いがあると主張した(「紛失遺品記載文書を破棄疑い 埼玉県警、元警官を書類送検へ」東京新聞2019年2月17日)。

 

母親は、「事件の捜査もいい加減だったのではないかと不安になっています。警察には本当のことを話していただいた上で、全力で犯人逮捕に向けて動いてもらいたいです」とコメントしている(「埼玉県警 証拠品の10歳男児“遺品”紛失」日本テレビ2019年2月17日)。

 

警部補は定年退職した。起訴時の報道では「上尾市、会社員」となっている。退職金を受領した上に会社員ということは再就職の斡旋がなされたのだろうか。盗人猛々しい。

 

元警部補(61)は2019年9月27日、虚偽有印公文書作成・同行使と公用文書毀棄容疑で書類送検された。元警部補は「腕時計を遺族に返したように装うためだった」と述べた一方で供述が変遷している(「元警部補を書類送検 小4ひき逃げ 証拠紛失隠ぺい 埼玉県警」東京新聞2019年9月28日)。権威を守るために嘘を重ねていけば、色々なことのつじつまが合わなくなり、国家は破滅的な状況に陥る。

 

県警は同日までに、証拠品管理に不手際があったなどとし、熊谷署の元交通課長代理や元警部補の上司ら5人を訓戒や所属長注意とした(「元警部補を書類送検=遺品紛失を隠ぺい疑い-埼玉県警」時事通信2019年9月27日)。

 

さいたま地検は2020年7月17日付で警部補(62)を公文書毀棄の罪でさいたま地裁に在宅起訴した。起訴状では元警部補は腕時計の紛失していたことを隠すため、2015年9月に母親から回収した押収品のリストをシュレッダーで裁断し、破棄したとする(「熊谷ひき逃げ事件 元警部補を公用文書毀棄の罪で起訴」テレビ埼玉2020年7月20日)。裁断した書類は証拠品に関する書類計2通(中川友希「証拠品紛失隠すため文書廃棄 埼玉県警元警部補を在宅起訴 小4ひき逃げ死亡」毎日新聞2020年7月20日)。

 

しかし、虚偽有印公文書作成・同行使容疑は17日付で不起訴処分とした。地検は裁定主文や処分理由を明らかにしていない(「元警部補を在宅起訴 熊谷小4死亡ひき逃げで遺品紛失、捜査書類を破棄」埼玉新聞2020年7月20日)。

 

埼玉県の警察や検察の身内に甘い処分が繰り返された。埼玉県警機動隊では2012年に佐々木俊一巡査(享年26)が朝霞市の機動隊のプールで何度も沈められて溺死した事件が起きた。これも集団リンチ殺人と形容できるが、起訴は業務上過失致死罪に過ぎなかった。

 

さいたま地裁(任介辰哉裁判官)で2020年12月16日に初公判が開かれた。元警部補は「腕時計を紛失したという認識はなく、発覚を免れようとした覚えもない。公文書という認識もなく、書類を破棄した覚えもない」と起訴内容を全面的に否認した。裁判を傍聴した母親の代里子さんは以下のように話す。

 

「した行為すらも全否定だったので、犯人も見つかってませんし、腕時計も見つかっていないので、ずさんさが目に見えているように感じました」(「県警元警部補 証拠品書類破棄の罪 否認/埼玉県」テレビ埼玉2020年12月16日)。

 

「法廷での発言を聞いていると、証拠品の保管態勢だけでなく、『本当にひき逃げの犯人を逮捕する気があったのか』と当時の捜査態勢にまで疑問を感じてしまう。男には真実を話してほしい」(「<熊谷小4ひき逃げ>母親がくぜん…息子の腕時計紛失で公文書破棄、元警部補が否認「犯人ではない」/地裁」埼玉新聞2020年12月17日)

 

腕時計には犯人につながる重大な手がかりがあったのではないか。犯人を庇うための証拠隠滅ではないか。それとも無能公務員体質によるものか。無能公務員は目の前の問題を片づけることしか考えられない。解決できない事件に直面すると、証拠品を始末して事件を潰す。

 

紛失を隠蔽した点で悪質である。腕時計は母親からの十歳の誕生日プレゼントだった。事件当時も身に着けており、母親が事件直後に署に任意提出していた。子どもの大切なものをきちんと管理せずになくし、紛失をなかったことにしようとした。自己の責任逃れしか考えない公務員体質である。腕時計は遺族にとっては形見である。公務員感覚は民間感覚と乖離している。民間企業と異なり、税金が収入源のためにモラルハザードが起きている。

 

埼玉県警では草加署刑事課巡査が遺族から金を騙し取る事件が起きた。警察の要求には一々合理的な目的を確認する必要がある。被害者や遺族にも警察対応で弁護士が必要になるのではないか。事件や事故が発生した場合は最初に警察内部の犯行かを捜査する。外部への捜査は、その後である。

北海道警の吉本警部補を証拠隠滅罪で起訴

北海道警交通機動隊の吉本潤警部補はスピード違反の取締りでデータを偽造し、違反切符を交付した容疑がある。警部補は制限速度を超えて走るパトカーから動かない電柱や家の壁にレーザーをあてて、速度の記録紙をでっち上げていた。警察は点数稼ぎのための冤罪製造機になっている。

 

吉本警部補(58)は2020年11月2日に証拠隠滅罪などで起訴された。起訴状によると、吉本警部補は2019年8月から2020年5月にかけ、10人に不適正な取り締まりを行い、記録を偽造して交通事件原票を作成したとされる。

 

警部補の部下である30代の巡査長3人も不正な取り締まりを行ったとして証拠偽造と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検された。3人は警部補と共謀し、パトカーで車両を追跡中に電柱などの静止物にレーザーを照射して測定した値を車の速度として記入し記録用紙を偽造、上司に書類を提出するなどして取り締まりを行った容疑がある(「北海道警、3警官を書類送検 速度違反捏造疑い」共同通信2020年10月31日)。パトカーには警部補の他、交代で部下3人が同乗していた(「不正関与の警察官3人も書類送検 北海道警警部補 違反データねつ造事件」北海道ニュースUHB 2020年10月31日)。

 

組織的な問題であることを示している。ところが、3人は11月2日に不起訴となった。北海道警察は2020年11月2日に吉本警部補を懲戒免職とした。吉本警部補の部下の巡査長3人と上司の50代警部らあわせて10人を減給6月や戒告の懲戒処分とした。

 

道警によると、吉本警部補や巡査長らは、47人に不適正な取り締まりを行い、反則切符を交付したという。別の警察官らも2017年4月から2020年6月まで、不適正な取り締まりで7人に反則切符を交付したことも判明した(「逮捕の警部補を懲戒免職 速度取り締まりで証拠偽造 北海道警」時事通信2020年11月2日)。道警の不正は47件に7件を加えて計54件になる(「スピード違反”証拠ねつ造”58歳男性警察官「免職」…部下3人含む10人も懲戒処分 計54件の不正判明」北海道ニュースUHB 2020年11月2日)。

 

交通ジャーナリストの月居吉彦さんは以下のように指摘する。「交通取り締まりの目的そのものが忘れられている。安全確保、事故防止、交通の円滑化による公害防止が法律の目的だが、警察官自らの業績を上げるためにねつ造してまで検挙すると!」(「スピード違反データ偽造の背景…逮捕の警部補「実績をあげたかった」と供述」HBCニュース2020年10月14日)

 

警察官の職務を利用した立派な詐欺行為である。警察官が職務を騙って犯罪を行う警察詐欺が起きている。埼玉県警草加署巡査は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。川越署巡査は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。このような詐欺に警察官が走る背景にも交通違反取り締まりの構造的腐敗があるだろう。

 

吾峠呼世晴『鬼滅の刃 6』で胡蝶しのぶは「鬼は嘘ばかり言う。自分の保身のため、理性も無くし、剥き出しの本能のまま人を殺す」と語る。これは警察不祥事の不祥事警察官に重なる。

続警察不祥事

 

鷺沼駅前地区再開発反対運動

鷺沼駅前地区再開発が住環境破壊の再開発と批判されている。川崎市宮前区の中心にある区役所・市民館・図書館を区民の合意を得ずに、区の外れの鷺沼駅前に突然移転決定したことに反対運動が起きている。移転先の鷺沼駅前に2つの巨大タワーマンションが計画されている。これは交通混雑の激化や風害、日照被害など深刻な環境被害をもたらす。川崎市宮前区役所・市民館・図書館の移転に反対し鷺沼再開発を考える会が活動している。


鷺沼駅前地区再開発の問題は進め方にもある。出発点は2015年に川崎市と東急電鉄株式会社が「駅を中心とした沿線のまちづくり包括連携協定」を締結したこと。住民は蚊帳の外の東急優先の街づくりである。「2017年8月には、鷺沼駅前地区再開発準備組合を東急系3社・農協・銀行で設立しました。一般地権者は存在しません」(小久保善一「川崎市 一体誰のためのまちづくりか 鷺沼駅前再開発に伴う区役所・市民館・図書館の移転に反対する住民運動」『住民と自治』2019年12月号)

 

「東急系3社の実態が無いまま準備組合設立、市はそれを認めるという信じ難い事業です。組合施行の市街地再開発には、土地の所有権者が最低5社必要です。5社中、東急 ( 株 ) を始め東急系3社の土地所有の実態がないことを追及すると 20年9月になり、ようやく敷地面積の0.5%という極小土地を東急系2社が所有していると説明する有り様です」(「多額な補助金を使い530戸のタワマン建設とコミュニティの破壊」景住ネットNEWS No.19 2020年11月10日 6頁)

 


鷺沼駅前地区再開発の問題は同じく東急グループ主導の再開発の二子玉川ライズと重なる。二子玉川ライズも東急グループと世田谷区の協定(住民から見れば密約)から始まった。二子玉川ライズも公共的な公園を不便な場所に移転させた(林田力『二子玉川ライズ反対運動』Amazon Kindle)。

 

鷺沼駅前地区再開発には他人のふんどしでビジネスする東急の卑怯さがある。区役所・市民館・図書館があることは利便性のアピールポイントになる。自らの物件の価値で勝負しない点は東急不動産だまし売り裁判に重なる。東急不動産だまし売り裁判では二面採光・通風をアピールポイントにしていたが、それはだまし売りでなくなるものであった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。

 

外環道シールド工事真上の市道が陥没

東京外郭環状道路(外環道)のシールドトンネル建設工事現場の真上の道路が2020年10月18日陥没した。現場は東京都調布市東つつじケ丘の住宅地。市道が縦約5m、横約3mに渡って陥没した。10月18日午前9時30分頃に路面の沈下が発見され、午後0時30分に陥没を確認した。空洞は舗装の下で縦6m、横5m程度に広がっていた。深さは約5m、大きさは約140m3とみられる。


外環道の工事は土かぶり47.4mの大深度地下で行われていた。工事を発注した東日本高速道路会社はトンネルの掘削が影響した可能性があるとし、4カ所で進めている外環道の本線トンネルの掘削工事を全て中断した。シールド機通過時に近隣で大きな振動があったとする(青野昌行「大深度トンネル直上で道路陥没、1カ月前にシールド機通過」日経クロステック2020年10月23日)。


地下工事による道路陥没は相鉄東急直通線の新横浜トンネル建設工事でも起きている。外環道は大深度地下である点が特徴で、大深度地下工事は地上に影響を及ぼさないとの前提で進められていたが、その前提は公務員的な無責任な安全神話に過ぎなかった。私は国土交通省に対して7回、外環道の問題点を指摘し、行政処分の取り消しを求める意見陳述を実施している。

相鉄東急直通線シールド工事で道路陥没

2016年8月26日、都市計画事業承認の取り消しを求める陳述
2016年9月27日、都市計画事業承認の取り消しを求める陳述
2016年11月18日、地中拡幅部の都市計画事業の変更承認の取り消しを求める陳述
2017年2月15日、地中拡幅部の都市計画事業の変更承認の取り消しを求める陳述
2017年2月24日、地中拡幅部の都市計画事業の変更承認の取り消しを求める陳述
2017年3月27日、地中拡幅部の都市計画事業の変更承認の取り消しを求める陳述
2017年4月27日、地中拡幅部の都市計画事業の変更承認の取り消しを求める陳述

 

新潟県警巡査部長にのぞきと下半身露出容疑

新潟県警長岡署地域第2課自動車警ら係の巡査部長=燕市吉田日之出町=は女子大学生が一人で暮らす部屋をのぞいた容疑と下半身を露出した容疑がある。巡査部長(34)は2020年8月18日に長岡市のアパートに侵入し、女子大学生が一人で暮らす部屋を玄関のドアスコープを使ってのぞいた容疑で逮捕された。住居侵入と軽犯罪法違反(のぞき見)の容疑である(「のぞき容疑で長岡署員逮捕」新潟日報2020年8月19日)。

 

新潟県警は9月2日付で巡査部長を住居侵入容疑で追送検した。送検容疑は8月1日午前10時頃、女性と同居する燕市内の70代男性の住宅の敷地内に侵入、16日午前10時半頃にも同市内の20代女性らが住むアパートの部屋に侵入したこと。巡査部長は「性的欲求を満たしたかった」といずれも容疑を認めている。巡査部長は10年間常習的にのぞきをしていたという。

 

新潟地検は9月8日、巡査部長を邸宅侵入と建造物侵入の罪で起訴した(「建造物侵入罪で巡査部長を起訴 のぞき見容疑逮捕 /新潟」毎日新聞2020年9月9日)。巡査部長は9月10日付で懲戒免職にされた(「のぞき見警察官追送検 別の2軒、侵入疑い 懲戒免職 /新潟」毎日新聞2020年9月11日)。

 

ドアスコープは外側から直接肉眼でのぞいても室内の様子を見えないが、巡査部長は外側からでも見える特殊レンズを使用していた。警察不祥事が悪い意味で専門化している。埼玉県警公安2課課長補佐の男性警部は県警の備品のビデオカメラを使って水泳大会で女子高生を盗撮していた(「埼玉県警 警部が水泳大会を無断撮影 勤務中、ビデオカメラで 埼玉県警」時事通信2010年8月3日)。

 

巡査部長は2018年3月に長野市の駅構内で自身の下半身を露出した容疑もある。2020年10月に下半身を露出した罪で追起訴された(「“のぞき”で逮捕・起訴された元警察官 下半身露出した罪で追起訴【新潟】」NST新潟総合テレビ2020年10月14日)。

続警察不祥事

 

兵庫県警や高知県警で女子トイレ盗撮容疑

兵庫県警や高知県警で警察官が警察署内の女子トイレを盗撮する事件が相次いで起きた。淡路島にある警察署の交通課の40代の巡査部長(41)が庁舎内のトイレで同僚の女性を盗撮したとして、県の迷惑防止条例違反と建造物侵入容疑がある。巡査部長は2020年8月下旬、勤務する警察署の女子トイレに侵入した。女子トイレの個室に入り、ドアの上から手を伸ばして隣の個室に入った女性職員にスマートフォンを向け、数秒間、動画を撮影した(「兵庫県警・警察署の女子トイレで「盗撮」 巡査部長を停職3ヵ月」ABCテレビ2020年10月8日)。

 

同僚が女子トイレから出る巡査部長を目撃したことから発覚した。巡査部長は「面識がある女性のふだんと違った姿を見たかった」「平成23年頃から前任の警察署や買い物先で数十回にわたって盗撮した」と話す。兵庫県警察本部は2020年10月7日、神戸地方検察庁洲本支部に書類送検し、停職3か月の懲戒処分にした。巡査部長は同日、依願退職した(「同僚女性盗撮疑い警察官書類送検」NHK 2020年10月7日)。

 

高知県警南国署地域課の巡査部長(56)=高知市葛島1丁目=は盗撮目的で女子トイレに侵入したとして、窃盗、建造物侵入の両罪と、県迷惑防止条例違反(盗撮)に問われている。

 

巡査部長は2020年7月上旬、高知県南国市の南国署内で換気扇の蓋(時価1500円相当)を盗み、その蓋に小型カメラを取り付けた。その蓋を女子トイレ個室の天井部にある換気扇のものと交換し、同月21日から9月2日まで29回の盗撮を重ねたとされる(「盗んだ換気扇の蓋にカメラ設置して交換…警官、署内女子トイレで盗撮29回」読売新聞2020年9月24日)。

 

また、巡査部長は9月1日午前9時から2日正午頃に女子トイレに侵入した容疑がある。2日正午過ぎ、トイレに入った同署の女性職員が個室の高窓に置かれていたペン型のカメラを発見、盗撮だと騒ぎとなった(「警察署女子トイレ侵入疑いで56歳の巡査部長逮捕」日刊スポーツ2020年9月3日)。

 

巡査部長が「業者の人のペンじゃないか」と言って持ち去ろうとしたため、不審に思った署員が事情を聴いたところ、盗撮目的で置いたと説明したという(湯川うらら「盗撮目的で警察のトイレ侵入容疑、巡査部長を逮捕 高知」朝日新聞2020年9月3日)。

 

高知県警は3日に巡査部長を建造物侵入容疑で逮捕した(「署の女子トイレにカメラ 侵入容疑で巡査部長逮捕―高知県警」時事通信2020年9月3日)。「盗撮するために入った。これまでにも署内でやったことがある」と供述し、容疑を認めている(「南国署員が盗撮目的で署内の女子トイレ侵入 容疑で逮捕」高知新聞2020年9月3日)。地検は9月23日、巡査部長を窃盗、建造物侵入の両罪と、県迷惑防止条例違反(盗撮)で起訴した。巡査部長は10月7日付で停職6か月の懲戒処分になった。巡査部長は同日依願退職した(「警察女子トイレの換気扇にペン形カメラ、29回盗撮の警官に停職処分」読売新聞2020年10月8日)。

 

盗撮は伝統的な警察不祥事の類型である。埼玉県警公安2課課長補佐の男性警部は県警の備品のビデオカメラを使って水泳大会で女子高生を盗撮していた(「埼玉県警 警部が水泳大会を無断撮影 勤務中、ビデオカメラで 埼玉県警」時事通信2010年8月3日)。近時の問題は警察不祥事に手が込んでいることである。よほど職務が暇なのか。新潟県警では巡査部長が特殊レンズを使用して女子大生の部屋をのぞいた。

 

兵庫県警巡査長が駐在所の外壁を焦がす

兵庫県豊岡市の九日市駐在所で男性巡査長(27)が2020年10月1日、外壁を焦げさした。巡査長は駐在所の裏庭で薫製を作り、使い終えた木炭を外壁近くに置き、外出した。巡査長は午後6時20分頃、「外壁が焦げて熱を持っている」と110番した。消防隊員が消し止めた(「駐在所でぼや 非番で燻製作り、木炭で外壁焦げる」神戸新聞2020年10月2日)。

 

火事の警察不祥事ではもっと恐ろしい事件が起きている。警察官が元交際相手にストーカーし、そのアパートを放火した。神奈川県警南署警備課の巡査部長(40)=横浜市緑区長津田みなみ台=は2020年3月3日、元交際相手の女性が住む横浜市内のアパートのごみ置き場に侵入。ごみに火をつけ、カセットガスボンベに引火させて爆発させた。巡査部長は警察の運転免許情報を調べることができるシステムを通じ、転居していた女性の住所を把握した。

 

巡査部長は2014年頃、既婚者であるにもかかわらず、独身と偽って女性と交際を開始。偽名を使い職業も警備員と説明していた。巡査部長は不倫になる(「元不倫相手の女性宅敷地に放火 神奈川県警巡査部長を逮捕」産経新聞2019年7月18日)。

 

女性は2018年末頃、別れ話を切り出し、2019年3月上旬に関係清算のため横浜市内のアパートから転居した。巡査部長は女性の運転免許のデータから現住所を不正に入手。3月下旬から4月上旬にかけ、女性宅のドアノブに接着剤を注入し、物を送りつけるなどのストーカー行為を繰り返した。

 

4月上旬、女性は「元交際相手からストーカー行為を受けている」と相談。同月中旬、県公安委員会が巡査部長に対し、ストーカー規制法に基づき、つきまとい行為などを止めるよう禁止命令を出した。その後の県警の捜査で、巡査部長が放火などを行った疑いが浮上。7月18日午前7時頃、出勤する巡査部長を任意同行した。巡査部長は7月18日に逮捕された。巡査部長は容疑を認めた上で「彼女に対してうらみがあった」などと供述しているという。

 

横浜地検は2019年8月7日、建造物等以外放火罪などで起訴した。神奈川県警は同日、懲戒免職処分にした(「ストーカー、放火…神奈川県警が男性巡査部長を懲戒免職」産経新聞2019年8月7日)。

 

横浜地裁(中川卓久裁判官)は9月25日、初公判を開いた。検察側は懲役1年を求刑した。検察側は冒頭陳述で、元巡査部長が名前や職業、既婚であることを偽って女性と交際し、別れを切り出されると、「末期の胃がんで余命半年」と嘘をついたとする女性の供述調書も読み上げた(「既婚の元警官、女性に交際解消され「逆恨み」…放火で懲役1年求刑」読売新聞2019年9月26日)。不祥事警察官は虚栄心が人一倍大きく根っからの嘘つきである。

 

横浜地裁は2019年10月18日、懲役1年、執行猶予3年(求刑・1年)を言い渡した。中川卓久裁判官は判決理由で「女性との復縁がかなわず、驚かせる目的で及んだ犯行で、悪質な嫌がらせ。警察官の立場にありながら身勝手で、強く非難されなければならない」と指摘した(国本愛「ごみ置き場放火 元巡査部長有罪 地裁判決/神奈川」毎日新聞2019年10月19日)。

 

警察官と付き合うことは危険である。不祥事警察官は警察の権限を悪用して個人情報を取得する。埼玉県警岩槻署の男性警部補は2010年2月から2014年6月にかけ、「捜査に必要」と偽り、知人女性の個人情報を照会するための書類を携帯電話会社などに提出した。公用端末での不正照会を含め、計10人66件の個人情報を不正取得した。

続警察不祥事

 




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