社会
林田力

茨城県警牛久警察署トイレで拳銃自殺か

茨城県警自動車警ら隊牛久分駐隊の男性巡査長(29)が2021年2月17日に茨城県牛久市下根町の牛久警察署5階のトイレで拳銃自殺したとみられる。巡査長が倒れていた付近には巡査長に貸与されていた拳銃があった。本人のロッカーからは遺書とみられる手書きのメモが見つかった。

 

巡査長は17日午前8時半頃に出勤したが、パトロール出発時間になっても集合場所に現れなかったため、他の隊員が署内を捜した。午前10時頃にトイレで頭から血を流して倒れているのを発見し、119番通報した。搬送先の病院で死亡が確認された。

 

巡査長は2016年4月に県警に採用され、19年3月に同隊に配属された。内田清司自動車警ら隊長は「職員が拳銃を使用して自殺を図ったことは誠に遺憾」とコメントした(「警察官が署内で拳銃自殺か 茨城県警、29歳男性巡査長」共同通信2021年2月17日)。ピント外れである。自殺した原因を明らかにすることが重要である。

 

「再発防止に努める」とも言う(「巡査長が拳銃自殺か ロッカーに遺書―茨城県警」時事通信2021年02月17日)。しかし、牛久警察署の事件が既に再発である。県警では2016年4月、結城市結城の結城署大町交番1階トイレで、同署地域課の男性巡査(当時23)が拳銃で自殺している(「警察官が拳銃自殺 茨城県警自動車警ら隊の29歳巡査長 牛久署の5階トイレで」茨城新聞2021年2月17日)。再発防止できていない。

 

県警は遺書の内容を明らかにしていない。ここに警察の隠蔽体質を感じる。長崎県警佐世保署交通課の男性警部補は上司からパワハラ(パワーハラスメント)を受け、2020年10月3日に自殺した。この警部補も遺書を残していた。遺書には当時の署長や課長によるパワハラや、2人の指導で時間外勤務を過少申告していたことが書かれていた(「警部補、遺書に「命かけた訴え」 妻が公務災害申請」朝日新聞2021年2月4日)。

 

情報開示姿勢は先進的な民間企業に学ぶ価値がある。「すべての情報を共有する」とは外部に漏れても問題がなく、誰の気持ちも傷つけない情報に限ってすべて共有する」という意味ではない。「法律あるいは規制で禁じられているごくわずかな事柄をのぞき、すべて共有する」という意味である(エリック・シュミット著、ジョナサン・ローゼンバーグ著、アラン・イーグル著、ラリー・ペイジ序文、土方奈美訳『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』日本経済新聞出版、2014年、297頁)。

 

「茨城県警の巡査長が死亡 現場付近に拳銃 牛久署トイレで」毎日新聞2021年2月17日

「警察官が署内のトイレで拳銃自殺か 茨城 牛久」NHK 2021年2月17日

滋賀県警5人で会食後に3人が新型コロナ感染

警察官の会食や宴会参加後の新型コロナウイルス感染が繰り返されている。兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。埼玉県警では上尾警察署地域課の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。

 

警視庁尾久警察署では署長(60)は十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。神奈川県警藤沢署員計9人は2021年1月4日に飲酒を伴う会食を行い、このうち4人が新型コロナウイルスに感染した。多人数の会食は感染リスクが高いという学びになる。

 

滋賀県警では警察官5人が会食後に3人が新型コロナウイルスに感染した。滋賀県警守山署員2人、大津署員、草津署員、甲賀署員各1名が2021年1月29日に草津市内の飲食店2店で会食をした。

 

滋賀県警は2月3日に守山署員2人(共に20代男性)が感染したと発表した(「警官2人が私的な会食で感染、県警「甘い判断」 滋賀の新型コロナ、3日夜発表」京都新聞2021年2月3日)。その後、大津署員(20代)の感染も明らかになった。

 

県警は2020年6月、5人以上での会食を控えるよう指示し、2021年1月には、家族や普段一緒にいる人以外との会食を自粛するよう各部署に文書で通知していた(「警察官5人で会食、3人が感染…「5人以上の会食自粛」通知出ている中」読売新聞2021年2月5日)。自分達の健康を守るためのルールですら無視するならば違法な取り調べが行われることも当然である。

 

滋賀県警では別人の歯形を証拠として母親を誤認逮捕した。滋賀県警草津署では2020年10月に詐欺の疑いで逮捕された東京都の会社員男性が、国選弁護人の選任を希望したにもかかわらず、同署留置管理課員が「休日」を理由に手続きを拒否して取り調べを行った。「警察は、やってもいない事件を自白させるには手段を選ばない」(「滋賀・日野町事件WEBセミナー」救援新聞2021年2月5日)

 

フランスでは警察官らが同僚の送別会で踊る動画が流出した。パリ北郊オーベルビリエの警察署で今2021年1月22日に同僚の送別会に参加する警察官が映っていた。動画ではソーシャル・ディスタンシングも守らずに歌ったり、踊ったりしていた。

 

警察の不祥事を担当する国家警察監察総監(IGPN)が捜査している(「警察署で歌って踊る送別会、コロナ対策を公然と無視か フランス」AFPBB2021年1月29日)。フランスには警察を取り締まる組織があるところが日本と異なるところである。

 

日本では警察不祥事は組織内の監察官が担当する。組織防衛優先となりがちである。しかも、監察官が警察不祥事の原因であることもある。埼玉県警で監察官を兼ねる第一方面本部副本部長の男性警視(60)は退職届を書かせようとするなどパワーハラスメントを行った。埼玉県警刑事総務課長(50歳代の男性警視)は警察担当の女性記者と不倫したが、この警視も前任部署は監察官であった(「女性記者との不倫がバレた埼玉県警警視 県警が昨春までの所属部署を隠したい理由」デイリー新潮2021年1月28日)。

神奈川県警で飲酒会食後に新型コロナ感染

埼玉県警警視がパワハラや不倫

埼玉県警の警視のパワハラや不倫という不祥事が相次いでいる。埼玉県警第一方面本部副本部長の男性警視(60)は部下に強制的に退職願を書かせるなどのパワーハラスメントをしたとして、2020年11月末に本部長訓戒処分を受けた。

 

男性警視は2020年4月から9月頃に複数の部下に「バカ」などと暴言を吐いたほか、部下の巡査に退職願を書くことを強制したという。巡査は退職しなかったが、県警監察官室はパワハラにあたると判断した。周囲からの報告で判明した(「監察役の警視が部下に「バカ」と暴言、退職願書かせる…パワハラで本部長訓戒」読売新聞2020年12月8日)。

 

テレビ埼玉は「警視は部下に「ばか」と暴言を吐き、退職届を書かせようとしたほか、パワーハラスメントに該当する行為もあった」と報道する(「県警警視を本部長訓戒 部下に退職迫るパワハラ行為/埼玉県」テレ玉2020年12月8日)。暴言と退職届強要以外にもパワハラがあったことになる。

 

埼玉県警の隠蔽体質も露呈した。県警は「懲戒処分ではなく、広報する基準に当たらない」とし、詳細を明らかにしない(「県警警視を本部長訓戒 部下に退職迫るパワハラ行為/埼玉県」テレ玉2020年12月8日)。退職届強要は悪質度合いが高い。本部長訓戒が民間感覚では公務員ぬるま湯的な甘い処分である。

 

個人の責任追及も甘いし、パワハラを生み出す組織の体質には踏み込まない。「誰の責任か分からない」は保身第一の無能公務員体質に共通する責任転嫁の論理である。いかにも問題を認識しているような顔をしながら、しかし別部署になっているなどと言い訳を並べる。

 

情報公開を拒否していると透明性や信頼性を得られなくなる。正しい判断や評価は情報公開を徹底し、データを活用できるようにすることが前提である。情報公開は真に必要な課題を抽出し、意思決定を改善することにつながる。

 

男性警視は不祥事などの調査を行う県警警務部の監察官も兼務している。埼玉県警の不祥事の機能不全も当然である。埼玉県警では機動隊水難救助部隊の佐々木俊一巡査(当時26歳)が訓練中に水死した。佐々木巡査は足を痛めていたため訓練中止を願い出たが聞き入れられず、先輩隊員に息継ぎができないまま水中に3~4回沈められ死亡した。

 

パワハラは退職や転職の大きな理由になっている。「おまえの能力が不足している」などと上司に追い込まれ、仕事が手に付かなくなる。そのことについてさらに原因追究や叱責を受け、疲れ果ててしまう。底知れぬ苦難や心痛は体験しパワハラ被害者本人しか分からないことがある。

 

昭和の精神論根性論で激励することもパワハラになる。頑張れと無責任なことは言えない。パワハラ加害者は激励したつもりと自分をよく見えるような話をでっち上げる。そしてパワハラ加害者自身も自分が考え出した妄想を固く信じるようになる。

 

埼玉県警の警視と言えば不倫もある。埼玉県警刑事総務課長(50歳代の男性警視)が、共同通信社の女性記者と不倫関係になった。警視は既婚者にもかかわらず、女性と不適切な交友関係を持っていたことが確認され、警視も認めた(「女性問題で警視処分へ 埼玉県警」読売新聞2021年1月19日)。警視は退職届を提出しており、2021年3月に自主退職予定という。

 

以下は埼玉県警関係者の話。「セクハラまがいのことをされたという記者たちの噂をよく耳にしました。容姿は小太りで禿げたオッサン。蓼食う虫も好き好きと言うから断定はできないが、恋愛関係だったとは思えませんね」(「女性記者との不倫がバレた埼玉県警警視 県警が昨春までの所属部署を隠したい理由」デイリー新潮2021年1月28日)

続警察不祥事

 

長崎県警佐世保署の警部補がパワハラ自殺

長崎県警佐世保署交通課の男性警部補(当時41歳)が上司からパワハラを受け、2020年10月3日に自殺した。警部補の妻は2021年2月3日、民間の労災にあたる公務災害の認定を地方公務員災害補償基金に申請した。パワハラと長時間労働による死は東急ハンズ過労死と重なる。

 

公務災害認定請求書によると、警部補は2020年3月23日に同署に異動してからの約半年間、上司だった交通課長から他の職員らの前で「係長としての能力がない」「できないなら係長をやめろ」などの発言を受けた。時間外労働は月200時間前後で休日も出勤。うつ病やストレス障害を発症していたと考えられるとしている(「警部補自殺で公務災害申請 長崎、上司がパワハラ」共同通信2021年2月3日)。

 

記者会見した妻や代理人弁護士によると、パソコンの履歴から推計される時間外労働時間は、佐世保署在任中の約半年間、月200時間前後が続き、2020年9月には249時間に上った。自殺直前は徹夜で勤務し、3~4日眠れていなかったという(「警部補自殺「月200時間の超過勤務とパワハラが原因」」朝日新聞2021年2月3日)。

 

警部補は2020年10月3日、単身赴任先の佐世保市内の自宅で死亡が発見された。交通課長と佐世保署長の上司2人から嫌がらせを受けたとする遺書を残していた(「40代警官、パワハラで自殺か…遺書に上司2人の嫌がらせ示唆」読売新聞2020年10月9日)。

 

遺書には佐世保署に勤務する上司2人から、パワーハラスメントを受けていたという趣旨の内容が書かれていたという。男性は、周囲の後輩にも「上司からパワハラを受けていた」という相談をしていた(「41歳警部補 自宅で自殺か 上司からパワハラ示唆「遺書」」フジテレビ2020年10月9日)

 

県警は2020年12月11日、交通課長の男性警部(50歳代)のパワーハラスメント行為を認定し、戒告の懲戒処分にした。また、監督責任があるとして同署長の警視正(同)を本部長注意とした。2人は同日付で依願退職した。

 

課長は4月から9月にかけて、警部補に対して週1回程度、「お前は能力がない」「(交通課内の役職を)辞めろ」などと他の署員の前で叱責しており、パワハラと認定した(「「上司から嫌がらせ」と遺書、警部補自殺…パワハラ認定し警部を懲戒」読売新聞2020年12月11日)。

 

この交通課長は警部補に何度も時間外勤務を減らすよう話していた。警部補が申告していた月平均40時間以外にも「かなり多い時間外勤務があった」という。時間外勤務を自己申告しにくいような指導を繰り返し、部下の正確な勤務実態の把握も怠っていた(「佐世保署員自殺 パワハラと認定 長崎県警」長崎新聞2020年12月12日)。パワハラとサービス残業は東急ハンズ心斎橋店過労死と同じである。

 

交通課長は亡くなった警部補以外にも、同じ課の30代の男性警察官にも同様のパワハラ行為をしていた(「交通課長と署長は依願退職 警察官自殺で上司2人にパワハラ認定【長崎県佐世保市】」テレビ長崎2020年12月11日)。

 

県警はパワハラやサービス残業強要と自殺との因果関係は「要因となった可能性はある」にとどめた(「「お前には能力がない」「できなかったら辞めろ」 理不尽発言 繰り返す 佐世保署員パワハラ自殺」長崎新聞2020年12月12日)。パワハラという客観的事実があり、遺書という主観的な訴えもあるのに責任逃れの保身体質が強固である。

続警察不祥事

 

中野相続裁判さいたま地裁コロナ禍で3/19に延期

中野相続裁判さいたま地裁第17回口頭弁論はコロナ禍のため2021年3月19日(金)11時15分からに延期されました。1月29日は裁判が開かれませんのでお間違え無いように。引き続きご支援をお願い致します。くれぐれもお体をご自愛ください。中野相続裁判は2020年4月の緊急事態宣言に際しても第14回口頭弁論が延期されました。


中野相続裁判(Nakano Inheritance Trial)は長男が母親の経管栄養の流入速度を速め、延命につながる治療を拒否したという高齢者医療にも関係する社会的意義のある事件です。経管栄養の操作や治療拒否に違和感を持つことが日本社会の大きな欠損をあぶり出し、人間とは何かという問いかけになります。
是非お時間を頂きまして傍聴や取材をお願い致します。
Do not miss out on this great opportunity if you are keen in inheritance, medical care for the elderly and dignity of life.
事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件
日時:2021年3月19日(金)11時15分から
場所:さいたま地裁C棟105号法廷(石垣陽介裁判長、玉本恵美子裁判官、牧野一成裁判官)
口頭弁論終了後に報告集会を開催します。こちらにもご参加ください。ご多忙の折とは存じますが、是非とも参加して頂けますと幸いです。お気軽にご参加ください。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の状況により期日が変わる可能性があります。変更が入った場合は迅速に連絡します。
https://sites.google.com/view/nakanosouzoku/
林田医療裁判の関連訴訟です。
https://hayariki.wixsite.com/hayashida
#中野相続裁判
#さいたま地裁
#裁判傍聴
#高齢者医療
#相続
#林田医療裁判


緊急事態宣言は延長が予想されている。みずほ総合研究所は2月に医療危機が起き、緊急事態宣言が2度延長され、3月末まで続くとシミュレーションした(酒井才介「緊急事態宣言の解除可能は3月末、首都圏は医療崩壊現実化のリスク」Diamond Online 2021年1月21日)。
西村康稔経済再生相は緊急事態宣言の解除について「(解除の目安とされている)東京では1日当たり500人を下回ったからといって直ちに解除するということではなく、病床の状況などを含めて、総合的に判断していくことになる」と説明した(「緊急事態、基準下回っても「直ちに解除ではない」西村氏」朝日新聞2021年1月25日)。

神奈川県警で飲酒会食後に新型コロナ感染

神奈川県警藤沢署員計9人が2021年1月4日に飲酒を伴う会食を行い、このうち4人が新型コロナウイルスに感染した。署員らは当初、会食したことを明かさず、体調不良を感じたのに勤務を続けた者もいたという。この隠蔽体質はデリヘル利用で濃厚接触者になったのに勤務を続けた青森県警巡査部長と重なる。

 

会食には警部以下の署員計9人が参加。午後6時から8時の1次会に7人、一部が入れ替わり8時から10時の2次会に5人が参加した。2次会に参加した2人の感染が10日と11日に判明。署幹部が署員に聞き取りをしたが、会食の事実を明かした者はいなかった。

 

外部から情報提供があり、13日に2度目の聞き取りをして会食が判明。同日、1次会と2次会に参加した40代男性警部補と、2次会に参加した30代男性巡査部長の感染が新たに判明した(「藤沢署員4人が感染 9人で飲酒、調査に事実明かさず」朝日新聞2021年1月14日)。

 

警察官の会食や宴会参加後の新型コロナウイルス感染が繰り返されている。兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。埼玉県上尾警察署では地域課勤務の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。警視庁尾久警察署では署長(60)が十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。

 

自分がどのような立場でどのような仕事をしているか全く理解していない。行動自体に対して自覚が足りなすぎる。警察組織は昭和の宴会文化から脱却できていない。新型コロナウイルス以前の問題として、今は忘年会スルーやメシハラスメント(メシハラ)という言葉が普及している。21世紀に入っても、日本型組織は職員全員に昭和の思想や行動様式を求める傾向がある。組織が大きければ大きいほど古ければ古いほど、無関心勢力や抵抗勢力が変革主導者の足を引っ張る。

尾久警察署長が懇親会参加後にCOVID-19感染

 

多摩川駅近くの線路敷地内で火事

東京都大田区田園調布の多摩川駅近くの線路敷地内で2021年1月9日午後に枯れ草が燃える火事があり、約3時間に渡って東急東横線と東急目黒線が一部区間で運転を見合わせた。ポンプ車など10台が消火活動を行い、枯れ草200平方メートルと、保線作業に使われる資材などが焼けた(「東急東横線・多摩川駅付近で線路脇の枯れ草燃える 一時運転見合わせ」TBS 2021年1月9日)。

 

多摩川駅は多摩川の近くにある駅である。灰と煙が広がった。列車が多摩川の上で立ち往生してている姿も目撃された。出火直後に近くで停車した電車では、煙の侵入を防ぐため窓を閉めるようアナウンスが流された(「沿線の火事で一時運転見合わせ 東横線・目黒線の全線で運転再開」ANNニュース2021年1月9日)。

 

多摩川駅では痛ましい人身事故も起きている。2006年11月25日午前6時25分頃に男性がホームから転落し、下り電車にひかれた。男性は40歳くらいで、両足に重傷を負った。ホームを歩いていて誤って転落したらしい。東横線は渋谷―武蔵小杉駅間で一時上下線とも運転を見合わせた。事故の影響で下り5本が運休し、ダイヤが乱れ、約2000人に影響が出た(「東急東横線、一時運転見合わせ 多摩川駅で人身事故」朝日新聞2006年11月25日)。

 

多摩川駅では車椅子がホームから線路に転落する事故が複数回起きている。車椅子の95歳の女性は2007年9月にホームに転落し重傷を負った。付き添いの家族が離れた時に車いすが動いて線路に転落した。

 

車椅子に乗った川崎市の81歳の女性は2009年9月13日にホームから線路に転落し、死亡した。付き添いの長女とエレベーターで1階改札から2階ホームに移動した。長女が下で待っている利用者のためドアのボタンを押して閉めようと車椅子から手を離したところ、車椅子が動いて約1.2メートル下の線路に転落した。

 

この事故を受けて東急電鉄が調査した結果、別の7駅でもホームの傾斜が原因で車椅子が線路に転落する危険があることが判明した(「東急7駅ホーム過傾斜、車いす転落のおそれ」読売新聞2009年9月26日)。問題の7駅は、新丸子、中目黒、自由が丘、武蔵小杉(以上、東横線)、渋谷、鷺沼、長津田(以上、田園都市線)である。

 

いずれの駅も1メートル当たり2センチ以上の傾斜がある(多摩川駅の傾斜は1メートル当たり2.5センチ)。これら7駅は乗降客の多い駅が集中しており、問題の深刻さをうかがわせる。東急電鉄は、これら7駅について警備員を配置し、11月末までに転落防止柵を設置する。

 

東急電鉄の事故前後の対応には問題があると考える。まず事故前の対応である。多摩川駅の事故は二度目である。最初の事故後に適切な対応をしていれば二度目の事故は防げた。死亡事故が起きないと重い腰をあげないのか。ここには過去の教訓を活かさない企業不祥事に共通する構図が浮かび上がる。

 

次に事故後の対応であるが、転落防止柵の設置は11月までは行わず、それまでは警備員配置で済ませようとしていることである。2回の事故とも家族が付き添っていながら発生しており、警備員の注意力に頼るだけで十分か疑問である。たとえば危険エリアをマーキングして注意を喚起することくらいならば即日対応可能である。

 

東急東横線は人身事故の割合が高い。「東横線でのトラブルで最も多かったのは人身事故で12件。同線はホームドアの設置が進んでおり、人身事故の減少が期待されるが、次いで多かったのは東横線内の遅延(10件)と混雑(8件)」(小佐野景寿「「乗り入れ先」が原因で遅れる地下鉄はどこか」東洋経済Online 2018年2月4日)

 

安全性は人命に関わる問題であり、地域独占の特権を享受する鉄道会社には出費や労力を惜しまない対応が求められる(林田力「東急東横線で車椅子の女性が転落死」ツカサネット新聞2009年9月28日)。

 

尾久警察署長が懇親会参加後にCOVID-19感染

警視庁尾久警察署(東京都荒川区)署長(60)が十数人の懇親会参加後に新型コロナウイルスに感染した。署長は2020年12月28日、都内の飲食店で署員や地元の交通安全協会のメンバー、合わせて十数人で行われた懇親会に参加した。警視庁では5人以上の会食を控えるよう警務部長名で通達していたが、無視されたことになる。

 

「東京都の小池百合子知事が、不要不急の外出自粛を呼び掛けていた年末28日、大野署長は署員3人とともに地元交通安全協会のメンバーら十数人が出席した懇親会に参加。3日には50代の女性交通課長の感染が確認されており、参加者4人のうち3人の感染が判明した」(「尾久署長ら4人が警務部長の通達を無視 十数人の忘年会で“集団感染”」日刊ゲンダイ2021年1月8日)

 

署長は懇親会後に2次会にも参加した疑いもある。署長は2021年1月1日に37度4分の熱が出た。3日にPCR検査を受け、5日夜に陽性が判明した(「警視庁・尾久警察署の署長がコロナ感染、10数人の懇親会に参加」TBS 2021年1月6日)。

 

署長は1月8日付けで警務部への異動となった(「年末に懇親会参加の署長 新型コロナ感染 同席の課長も 警視庁」NHK 2021年1月6日)。警視庁は新型コロナの感染拡大を受け、1月5日以降は人数に関わらず会食を自粛するよう職員に求めている(斎藤文太郎「警視庁尾久署長がコロナ陽性 自粛求める通達後、十数人で会食」毎日新聞2021年1月6日)。

 

兵庫県警神戸西警察署では居酒屋で歓迎会を開催し、新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた。警察組織は昭和の宴会文化から脱却できないのか。自分がどのような立場でどのような仕事をしているか全く理解していない。行動自体に対して自覚が足りなすぎる。

 

新型コロナウイルス以前の問題として、忘年会スルーやメシハラスメント(メシハラ)という言葉が普及している中で昭和の宴会文化から脱却できない警察組織は古い。21世紀に入っているにもかかわらず、日本型組織は職員全員に昭和の思想や行動様式を求める傾向がある。組織が大きければ大きいほど古ければ古いほど、無関心勢力や抵抗勢力が変革主導者の足を引っ張る。

 

埼玉県上尾警察署では地域課勤務の20代の男性巡査が同僚6人と会食後に新型コロナウイルスに感染した。巡査はパトカー乗務員。

 

巡査は2020年8月25日や28日、29日に同僚や知人と会食した(「<新型コロナ>パトカー勤務員の巡査が感染 知人や署の同僚らと会食する機会、18人が自宅待機/上尾署」埼玉新聞2020年8月8日)。28日に上尾署地域課の警察官6人と飲酒を伴う会食をした。29日に同僚4人で食事をした。30日に勤務した。

 

宿直明けの7月31日夕方に38度以上の発熱があった。8月5日にPCR検査を受け、6日に陽性が確認された(「男性巡査陽性 発症3日前に同僚6人と会食」日本テレビ2020年8月7日)。埼玉県知事が会食を控えることを要請する中で軽率である。

 

埼玉県警の感染者は累計12人となった(「埼玉県警巡査が感染 同僚と会食、18人自宅待機」産経新聞2020年8月7日)。埼玉県警は8月10日に新たに上尾警察署の警察官1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。この警察官は8月7日に感染が判明した警察官と7月29日に会食していた(「上尾警察署の警察官1人感染/埼玉県」テレビ埼玉2020年8月10日)。

 

埼玉県警は日本で最初に警察官の新型コロナウイルス感染が判明した。武南警察署の警察官が2020年3月に感染が確認された。武南警察署長は署員の感染が判明した日の翌朝に署員ら約70人を会議室に集めて訓示した。密集・密閉・密接の三密防止に反している(林田力「埼玉県警武南警察署の警察官がCOVID-19感染」ALIS 2020年3月9日)。新型コロナウイル対策では行動変容が求められるが、その中で警察組織の旧態依然ぶりが際立っている。

https://alis.to/hayariki/articles/2vA8GPGqBwkR

 

埼玉県警が熊谷小4死亡ひき逃げ証拠品紛失

埼玉県警熊谷警察署は熊谷小4死亡ひき逃げ事件の遺品の腕時計を紛失した。事件を担当した交通捜査課の男性警部補が証拠品紛失の隠蔽工作をしたと問われている。警部補は紛失を隠蔽するため、腕時計の記載があった押収品目録交付書を遺族の母親から回収して破棄し、「腕時計」の記載を削除して改めて渡したという(「証拠品紛失を隠ぺい?遺族からリスト回収し破棄か」テレビ朝日2019年2月17日)。

 

母親の代理人弁護士は「腕時計をなくしたことを隠すために文書を回収して破棄し、新たに虚偽の文書を作ったのではないか」と指摘。虚偽公文書作成の疑いがあると主張した(「紛失遺品記載文書を破棄疑い 埼玉県警、元警官を書類送検へ」東京新聞2019年2月17日)。

 

母親は、「事件の捜査もいい加減だったのではないかと不安になっています。警察には本当のことを話していただいた上で、全力で犯人逮捕に向けて動いてもらいたいです」とコメントしている(「埼玉県警 証拠品の10歳男児“遺品”紛失」日本テレビ2019年2月17日)。

 

警部補は定年退職した。起訴時の報道では「上尾市、会社員」となっている。退職金を受領した上に会社員ということは再就職の斡旋がなされたのだろうか。盗人猛々しい。

 

元警部補(61)は2019年9月27日、虚偽有印公文書作成・同行使と公用文書毀棄容疑で書類送検された。元警部補は「腕時計を遺族に返したように装うためだった」と述べた一方で供述が変遷している(「元警部補を書類送検 小4ひき逃げ 証拠紛失隠ぺい 埼玉県警」東京新聞2019年9月28日)。権威を守るために嘘を重ねていけば、色々なことのつじつまが合わなくなり、国家は破滅的な状況に陥る。

 

県警は同日までに、証拠品管理に不手際があったなどとし、熊谷署の元交通課長代理や元警部補の上司ら5人を訓戒や所属長注意とした(「元警部補を書類送検=遺品紛失を隠ぺい疑い-埼玉県警」時事通信2019年9月27日)。

 

さいたま地検は2020年7月17日付で警部補(62)を公文書毀棄の罪でさいたま地裁に在宅起訴した。起訴状では元警部補は腕時計の紛失していたことを隠すため、2015年9月に母親から回収した押収品のリストをシュレッダーで裁断し、破棄したとする(「熊谷ひき逃げ事件 元警部補を公用文書毀棄の罪で起訴」テレビ埼玉2020年7月20日)。裁断した書類は証拠品に関する書類計2通(中川友希「証拠品紛失隠すため文書廃棄 埼玉県警元警部補を在宅起訴 小4ひき逃げ死亡」毎日新聞2020年7月20日)。

 

しかし、虚偽有印公文書作成・同行使容疑は17日付で不起訴処分とした。地検は裁定主文や処分理由を明らかにしていない(「元警部補を在宅起訴 熊谷小4死亡ひき逃げで遺品紛失、捜査書類を破棄」埼玉新聞2020年7月20日)。

 

埼玉県の警察や検察の身内に甘い処分が繰り返された。埼玉県警機動隊では2012年に佐々木俊一巡査(享年26)が朝霞市の機動隊のプールで何度も沈められて溺死した事件が起きた。これも集団リンチ殺人と形容できるが、起訴は業務上過失致死罪に過ぎなかった。

 

さいたま地裁(任介辰哉裁判官)で2020年12月16日に初公判が開かれた。元警部補は「腕時計を紛失したという認識はなく、発覚を免れようとした覚えもない。公文書という認識もなく、書類を破棄した覚えもない」と起訴内容を全面的に否認した。裁判を傍聴した母親の代里子さんは以下のように話す。

 

「した行為すらも全否定だったので、犯人も見つかってませんし、腕時計も見つかっていないので、ずさんさが目に見えているように感じました」(「県警元警部補 証拠品書類破棄の罪 否認/埼玉県」テレビ埼玉2020年12月16日)。

 

「法廷での発言を聞いていると、証拠品の保管態勢だけでなく、『本当にひき逃げの犯人を逮捕する気があったのか』と当時の捜査態勢にまで疑問を感じてしまう。男には真実を話してほしい」(「<熊谷小4ひき逃げ>母親がくぜん…息子の腕時計紛失で公文書破棄、元警部補が否認「犯人ではない」/地裁」埼玉新聞2020年12月17日)

 

腕時計には犯人につながる重大な手がかりがあったのではないか。犯人を庇うための証拠隠滅ではないか。それとも無能公務員体質によるものか。無能公務員は目の前の問題を片づけることしか考えられない。解決できない事件に直面すると、証拠品を始末して事件を潰す。

 

紛失を隠蔽した点で悪質である。腕時計は母親からの十歳の誕生日プレゼントだった。事件当時も身に着けており、母親が事件直後に署に任意提出していた。子どもの大切なものをきちんと管理せずになくし、紛失をなかったことにしようとした。自己の責任逃れしか考えない公務員体質である。腕時計は遺族にとっては形見である。公務員感覚は民間感覚と乖離している。民間企業と異なり、税金が収入源のためにモラルハザードが起きている。

 

埼玉県警では草加署刑事課巡査が遺族から金を騙し取る事件が起きた。警察の要求には一々合理的な目的を確認する必要がある。被害者や遺族にも警察対応で弁護士が必要になるのではないか。事件や事故が発生した場合は最初に警察内部の犯行かを捜査する。外部への捜査は、その後である。

北海道警の吉本警部補を証拠隠滅罪で起訴

北海道警交通機動隊の吉本潤警部補はスピード違反の取締りでデータを偽造し、違反切符を交付した容疑がある。警部補は制限速度を超えて走るパトカーから動かない電柱や家の壁にレーザーをあてて、速度の記録紙をでっち上げていた。警察は点数稼ぎのための冤罪製造機になっている。

 

吉本警部補(58)は2020年11月2日に証拠隠滅罪などで起訴された。起訴状によると、吉本警部補は2019年8月から2020年5月にかけ、10人に不適正な取り締まりを行い、記録を偽造して交通事件原票を作成したとされる。

 

警部補の部下である30代の巡査長3人も不正な取り締まりを行ったとして証拠偽造と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検された。3人は警部補と共謀し、パトカーで車両を追跡中に電柱などの静止物にレーザーを照射して測定した値を車の速度として記入し記録用紙を偽造、上司に書類を提出するなどして取り締まりを行った容疑がある(「北海道警、3警官を書類送検 速度違反捏造疑い」共同通信2020年10月31日)。パトカーには警部補の他、交代で部下3人が同乗していた(「不正関与の警察官3人も書類送検 北海道警警部補 違反データねつ造事件」北海道ニュースUHB 2020年10月31日)。

 

組織的な問題であることを示している。ところが、3人は11月2日に不起訴となった。北海道警察は2020年11月2日に吉本警部補を懲戒免職とした。吉本警部補の部下の巡査長3人と上司の50代警部らあわせて10人を減給6月や戒告の懲戒処分とした。

 

道警によると、吉本警部補や巡査長らは、47人に不適正な取り締まりを行い、反則切符を交付したという。別の警察官らも2017年4月から2020年6月まで、不適正な取り締まりで7人に反則切符を交付したことも判明した(「逮捕の警部補を懲戒免職 速度取り締まりで証拠偽造 北海道警」時事通信2020年11月2日)。道警の不正は47件に7件を加えて計54件になる(「スピード違反”証拠ねつ造”58歳男性警察官「免職」…部下3人含む10人も懲戒処分 計54件の不正判明」北海道ニュースUHB 2020年11月2日)。

 

交通ジャーナリストの月居吉彦さんは以下のように指摘する。「交通取り締まりの目的そのものが忘れられている。安全確保、事故防止、交通の円滑化による公害防止が法律の目的だが、警察官自らの業績を上げるためにねつ造してまで検挙すると!」(「スピード違反データ偽造の背景…逮捕の警部補「実績をあげたかった」と供述」HBCニュース2020年10月14日)

 

警察官の職務を利用した立派な詐欺行為である。警察官が職務を騙って犯罪を行う警察詐欺が起きている。埼玉県警草加署巡査は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。川越署巡査は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。このような詐欺に警察官が走る背景にも交通違反取り締まりの構造的腐敗があるだろう。

 

吾峠呼世晴『鬼滅の刃 6』で胡蝶しのぶは「鬼は嘘ばかり言う。自分の保身のため、理性も無くし、剥き出しの本能のまま人を殺す」と語る。これは警察不祥事の不祥事警察官に重なる。

続警察不祥事

 




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