社会
林田 力 ノンフィクション著者

京都府警の巡査部長が電車内痴漢で懲戒処分

京都府警東山署の50代の男性巡査部長は電車内で痴漢したため、2019年4月25日付で減給100分の10(3カ月)の懲戒処分にされた。巡査部長は同日、依願退職した。巡査部長は3月19日朝、大阪市のJR大阪環状線の電車内で、女性の体を触っているのを大阪府警の警察官に見つかり、事情聴取を受けた。巡査部長は内部調査に「性的欲求を満たすためだった」と痴漢行為を認めたという(「電車内で痴漢、巡査部長に懲戒処分「性的欲求満たすためだった」京都新聞2019年5月17日)。


性犯罪の警察不祥事は他県で実施することがトレンドなのか。埼玉県警蕨警察署の巡査部長は2018年5月27日に東京都のプールで盗撮したとして、東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。岐阜県警では加茂署の巡査長が大阪市浪速区のプールで女性の体を触ったとして、2018年9月2日に府迷惑防止条例違反容疑で大阪府警浪速署に逮捕された。


欲望を抑えられない供述をしている点は、埼玉県警公安のプール盗撮事件と重なる。埼玉県警の公安2課課長補佐の男性警部はプールで女子高生を盗撮し、書類送検された。男性警部は「若い女性の水着姿に興味があった。これまでにも何回かプールで盗撮した」と話す(「女子高生盗撮の警部を書類送検 勤務中、備品カメラで 埼玉県警」時事通信2010年11月12日)。


神奈川県警でも警察官の痴漢は起きている。神奈川県警港北署生活安全課の20代の男性巡査部長は2018年10月下旬頃、横浜市緑区のJR中山駅で、女性の体を触った疑いが持たれている。女性の被害申告を受けて、神奈川県警が県迷惑行為防止条例違反の疑いで捜査している。瀬谷署地域課の男性巡査は2018年11月に東京都内で痴漢行為をしたとして、警視庁に摘発された(「痴漢で2警官処分へ 巡査部長は書類送検方針 神奈川県警」神奈川新聞2018年12月14日)。

警視庁巡査長を捜査情報漏洩で書類送検

警視庁組織犯罪対策4課の男性巡査長(42)は2019年5月17日、捜査協力者に捜査情報を漏洩したとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検した。警視庁は停職1カ月の懲戒処分にした。巡査長は同日付で依願退職。情報漏洩しても依願退職で揉み消し。身内に甘い組織である。


巡査長は2018年1月下旬から12月上旬にかけ、捜査協力者の20、30代の男性3人に対し、照会端末などで調べた事件関係者9人の氏名や生年月日、犯罪歴、写真などの情報を私用携帯電話の無料通信アプリ「LINE」で送信した。協力者の2人が2018年11月に他県警に逮捕され、携帯電話の解析で発覚した(「捜査協力者に情報漏洩 警視庁組対4課巡査長を書類送検、停職処分」産経新聞2019年5月17日)。


「捜査協力者」という表現はニュートラルであるが、半グレが都合の悪い人物を貶めるために警察を利用するパターンもある。実際、「シャブ山シャブ子」演出が話題になった『相棒season17』第4話「バクハン」は警察官と半グレの癒着を描いた。


埼玉県警の川越署刑事課の巡査(25)(川越市中台元町)も業務で知り得た個人情報を漏らしたとして地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で2019年4月24日に逮捕された。この巡査は女性から現金をだまし取ろうとしたとして、2019年4月4日に詐欺未遂容疑で逮捕されている。

新元号の令和を迎えて

新しい元号の令和が2019年5月1日から始まりました。令和改元は生前退位によって予め計画できたという点で画期的です。これがなければ天皇崩御による改元となり、「令和おめでとう」とは言えなかったでしょう。私は元号自体が単位として不便なもので、西暦を好みますが、計画的な改元は突発的な仕事を減らす素晴らしいことです。


私は埼玉県立浦和高校卒業ですが、浦和高校の同窓会は麗和会と言います。浦和の「浦」に麗という雅字をあてて「れいわ」と読ませます。このために私は「れいわ」には親近感を持っています。

元号は天皇の在位と連動したものに過ぎず、本来は時代を画するものではありません。日本語では江戸時代と明治時代は同じ「時代」のカテゴリーですが、英語ではEdo PeriodとMeiji Eraとなり、明確に区別されます。


しかし、昭和から平成のタイミングが冷戦崩壊と重なり、日本型とされる昭和のシステムの見直しが求められました。平成から令和のタイミングもAIやInternet of Things, Digital Transformationの発達と普及に重なります。古い日本の村社会的体質から脱却する時代認識として令和マインドは有益です。


計画的な改元は素晴らしいものですが、僅か一か月前の改元と十連休は公務員の世間知らずによるドタバタ感がありました。改元をめぐる混乱や負担にうんざりして、将来的には元号の利用が減少し、西暦一本化の動きが進むでしょう。公務員が介入できない点で西暦が優れています。


元号に起因とした混乱を見るにつけ、西郷留守政府が太陽暦を採用したことは大きな改革と感じます。元号以上に農作業など生活に影響のあるものでした。それを考えれば元号は民間の暦などで残し、公式には西暦への一本化も十分な選択肢になります。伝統や日本の独自性の観点から西暦一本化に抵抗があるならば、公務員が介入できない仕組みを考えていくべきでしょう。

Earthquake in Miyazaki

A magnitude 6.3 earthquake struck southwestern Japan on May 10, 2019. Quake occurred at a depth of about 20 kilometers under the seabed off Miyazaki Prefecture. Following a large earthquake (the main shock), there continues to be shaking again and again. It caused damage.


The place where I live is far from Miyazaki, so I have not suffered from the earthquake. I am very sad to hear about the earthquake that has occured and how much damage it has caused. I am deeply saddened and shokked by the earthquake damage. My father grew up in Miayazaki.

中央区長選挙立候補者の高層マンション問題意識

中央区長選挙・中央区議会議員選挙立候補予定者公開討論会の指定発言「SDGs 住み続けられるまちづくりを」の観点から中央区長選挙の候補者の政策を振り返ります。


私は2019年4月2日の中央区長選挙・中央区議会議員選挙立候補予定者公開討論会で指定発言者として「SDGs 住み続けられるまちづくりを」を話しました。そこではSDGsの観点からの中央区の課題として、人口減少・超高齢化社会における持続可能な街づくりと参加型街づくりを挙げました。会場からは再開発による高層化への疑問やビル風被害の声が出ました。そこで高層化の是非という観点から検証します。


中央区長選挙では山本泰人さん、上杉隆さん、西田主税さん、熊倉哲也さん、梅原義彦さんが出馬し、山本さんが当選しました。尚、山田英久さんも立候補しましたが、4月14日付で辞退しました。各候補者の政策は選挙公報とWebサイトから取得しました。


山本さんは「水と緑に恵まれた名橋「日本橋」の景観整備」と日本橋の景観を重視しています。しかし、高層化の再開発への問題意識は不明です。


上杉さんは「75. 容積率を緩和して、緑と資産価値を増やす。八重洲再開発など(特区)」としており、高層化推進となります。


上杉さんはビル風対策を掲げており、これは公開討論会の問題意識に直接応えた内容です。上杉さんは多彩な公約を発表していますが、ビル風対策は選挙公報にも掲載しており、前面に出しています。ビル風対策を前面に出した選挙公約は画期的です。


但し、具体的な対策は「51. 湾岸地区のビル風対策で地下歩道を早急に設置。「動く歩道」も」です。ビル風の発生の抑制ではなく、人間の方がビル風の起きる場所を避ける案です。ビル風によって安心して外を歩けない状態は解決しません。また、税金で地下歩道を設置するならば、不動産業者の開発による外部不経済を税金で尻拭いすることになります。


西田さんは持続可能をキーワードに掲げています。政策では「地域特性に配慮した景観条例を検討するなど、持続可能な街にふさわしい景観・美観の維持改善に取り組む」を掲げます。高層化への歯止めになり得ます。


熊倉さんは「高層マンションの建設ラッシュにストップをかけ、古い街並みの風情を残しながらも、災害に強い街づくりを行います」を掲げます。高層化への問題意識を明確に有しています。


梅原さんは「自然で癒される 自然が身近にある街づくり」を掲げ、自然を重視しています。高層化の再開発への問題意識は不明です。「屋上公園の拡大」や「屋上芝生化・菜園化」を掲げており、高層化への問題意識とは別の形と考えられます。

詐欺未遂容疑の埼玉県警巡査を守秘義務違反で再逮捕

埼玉県警の川越署刑事課の巡査(25)(川越市中台元町)が業務で知り得た個人情報を漏らしたとして地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で2019年4月24日に再逮捕された。この巡査は警察官の立場を悪用して遺族女性から現金をだまし取ろうとしたとして、2019年4月4日に詐欺未遂容疑で逮捕された。


再逮捕容疑は2月4日、以前に取り扱った業務を通じて知り得た秘密を、別の業務で知り合った男性にメールで知らせた疑い。巡査は2018年11月、川越市内の63歳の女性が自宅で病死した際に検視を担当した。その女性の遺族の住所や名前などの個人情報を、携帯電話のショートメールで40代の男性に教えた。


「40代の男性は去年10月、川越警察署の管内で起きた傷害事件の被害者で事件の担当だった糸井容疑者と数十回メールのやりとりをしていました」(「遺族の個人情報漏えいの疑い 県警巡査を再逮捕/埼玉県」テレビ埼玉2019年4月24日)

「男性は昨年10月末に発生した傷害事件の被害者で、今年2月ごろからやりとりを始めた」(「巡査を守秘義務違反で再逮捕=埼玉県警」時事通信2019年4月24日)


報道では何のために巡査が漏洩し、何のために男性が個人情報を取得したがっていたか不明である。市川海老蔵傷害事件のように半グレ・ヤンキーが「被害者」として現れることはある。警察と半グレ・ヤンキーの癒着による情報漏洩という可能性がある。


個人情報がオレオレ詐欺など特殊詐欺に悪用される可能性がある。遺族から金をだまし取ろうとした巡査である。遺族を食い物にするブラック稼業に加担していたとしても不思議ではない。犯罪の隠れ蓑としては警察官の立場はもってこいである。埼玉県警には免許証も見せたくないとの声がある。


警察不祥事は怒りや疑念を呼び覚ます。市民の憤り、恐怖と不安は想像を絶する。警察の対応は不信を育てる肥沃な土壌である。情報公開なしの警察改革はナンセンスの上にナンセンスを積み重ねるものでしかない。

埼玉県警川越署で警察車両を無免許運転

埼玉県警川越署刑事課の女性巡査(22)は2019年4月26日、無免許で警察車両を運転したとして道交法違反(無免許運転)の疑いで、さいたま地検に書類送検された。巡査は停職6月の懲戒処分とされ、同日付で依願退職した。


書類送検容疑は、1月10日から15日まで、川越市内などで4回にわたり、無免許で警察車両を運転した疑い。容疑を認め、「免許を持っていないと言えば、刑事を降ろされると思った」と供述しているという。


巡査は2018年11月頃から2019年1月16日まで十数回にわたり、無免許で警察車両を運転していた。同日、川越署の駐車場で警察車両が当て逃げされる事故が発生。この車を駐車したのが巡査だと判明し、運転免許証を確認したところ、普通自動二輪の免許しか持っていなかった。


県警は警察官の運転免許証の所持について、4月と10月に自己申告に基づいて確認を取ることになっている。巡査は二輪車の免許しか持っていないにもかかわらず、自己申告書に普通免許や中型免許を持っていると虚偽の記載をしていた(「無免許でパトカー運転か=警察官を聴取―埼玉県警」時事通信2019年1月24日)。


自己申告だけで済ませていることが問題である。市民には何度も免許証の提示を要求するにもかかわらず、身内は自己申告で済ませることはアンフェアである。実物を何故、確認しなかったのか。民間企業では免許証のコピー提出が行われている。不祥事を起こした警察官の名前は公表されていない。外部監視の目が届かず、再発抑制が脆弱な環境と言える。警察官の犯罪や規律違反は通常よりも厳罰化すべきである。


警察不祥事は怒りや疑念を呼び覚ます。市民の憤り、恐怖と不安は想像を絶する。警察の対応は不信を育てる肥沃な土壌である。情報公開なしの警察改革はナンセンスの上にナンセンスを積み重ねるものでしかない。


巡査は2015年4月に埼玉県警の警察官になり、2016年1月から川越署に勤務していた。2016年11月頃、免許を取得するために自動車教習所に通ったものの、9時間の講習を受けただけだった。「面倒くさくて通わなくなった」と供述しているという(「川越署刑事課の女性巡査、警察車両を無免許運転した疑いで書類送検 県警が処分、署の駐車場で当て逃げも」埼玉新聞2019年4月27日)。


巡査は2019年4月時点で22歳であり、2015年時点では18歳となる。埼玉県警では草加署巡査が死体検案名目で遺族から金をだまし取った。この巡査も22歳である。和歌山県警巡査は女性のスカートを盗撮し、盗撮を注意した人に怪我を負わせて傷害容疑で逮捕された。この和歌山県警巡査も22歳である。


草加署巡査は2015年4月に警察官となり、16年1月から草加署に勤務し、2018年3月から強行犯係を担当していた(「草加署巡査を逮捕、病死男性の娘から82万円詐取容疑 以前通報で駆け付けた際、男性に多額の預金あると知る」埼玉新聞2018年10月20日)。2015年に警察官になり、2018年で22歳となると高卒だろうか。


このような事件があると、大卒は意味のある資格であると感じる。大学はレジャーランドと言われているが、逆に自由であるために最低限の自律心がなければ卒業できない。ここは高校までの学校とは大きく異なるところである。ゲームにはまって授業に出なくなれば単位がとれず、卒業できない。大学で単位を取得するだけの能力があれば、自動車教習所を「面倒くさくて通わなくなった」とはならないだろう。

工事業者が警察の取り調べや連行に国賠提訴

警視庁中野署の警察官から、違法な取り調べ・身体拘束をされて、精神的な苦痛を受けたとして、東京都の工事業者の男性が2019年4月26日、国家賠償法に基づき、東京都に慰謝料など計330万円の支払いをもとめて、東京地裁に提訴した。
工事業者に中野署の警察官が職務質問をしてきた。工事業者が車の中を見せたところ、普段の工事で使用している工具(電工ナイフ、ガラスクラッシャー、マイナスドライバー)があったことから、「軽犯罪法違反で検挙する」として、中野署に連行されてしまった。


取調室で警察官は工事業者の承諾がないのに、ポケットに手を入れたり、服の上から肛門や男性器を執拗に触るなど、所持品検査をおこなったという。工事業者は「東京都や国から正式な許可をもらっている業者だ。なぜ検挙されないといけないのか」と主張したが、まったく聞く耳をもってもらえなかったという。それどころか、両手の指紋スキャンや顔写真の撮影も行われた(「工事業者の男性「工具もってただけで警察に連行され、取り調べ受けた」国賠提訴」弁護士ドットコム2019年4月26日)。


ITエンジニアも警視庁の警察官から、理由もなく所持品検査に応じるよう求められるなど、違法な職務質問を受けて精神的苦痛を負ったとして、2017年8月21日に都を相手取り慰謝料など計165万円を求める国家賠償請求訴訟を起こした。代理人の清水勉弁護士は会見で「今回の職務質問そのものが違法であり、職務質問に伴って許容される所持品検査も違法で許されない」と述べた(「「公妨だ!」警官10人に取り囲まれ、執拗な所持品検査…エンジニア男性が国賠提訴」弁護士ドットコム2017年8月21日)。


日本の治安の良さと言われるものは、点数稼ぎで得た見せかけの実績に過ぎない。「怪しいと思ったから」と言う警察官の説明は不自然である。携帯で録画録音することが効果的である。公務員の公務中には肖像権はない。警察官は難癖をつけて録画を止めるように言ってくるだろうが、淡々と録画をしてはいけない理由を質問する。


警察の点数稼ぎは考えられる限り、最低の仕事である。公務員仕事は利潤を株主に配当しないだけで、真っ当な民間企業よりも目先の利益優先である。違法な職務質問は自己決定権の侵害である。自分の体が傷つけられたり、切り取られるようなものである。水の中に無理矢理引きずり込まれるような危険極まる息苦しさがある。警察被害者の怒りは的確な方向性を与えてやらなければいけない。解放してあげなければいけない。

林田医療裁判訴訟団が東京消防庁の蘇生中止方針に要請

林田医療裁判訴訟団は、東京消防庁「第33期東京消防庁救急業務懇話会答申」の蘇生中止方針に対して、消防記念日の平成31年3月7日付で林田医療裁判の経験に基づく要請文を提出しました。


東京消防庁の懇話会は、2019年2月12日に救急隊の蘇生中止の手続きを定める答申を出しました。そこでは心肺停止の患者本人が事前に書面に残していたり家族と話したりして心肺蘇生を望んでいないことが分かった場合は、患者のかかりつけの医師に連絡し、かかりつけ医師が了承し家族が同意書に署名すれば蘇生や病院への搬送を中止できるようにする制度を提言しています。


この答申の重要なポイントは、「本人の希望、かかりつけ医師の了承、家族の同意書」の三つの要件を課し、それを満たした場合のみ心肺蘇生の中止を認める、としているところにあります。本人の希望とは別に、かかりつけ医師の了承としたことは、単に本人の希望に応えるのではなく、医師の倫理(ヒポクラテスの誓い「自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない」、ジュネーブ宣言「人命を最大限に尊重し続ける」)から判断することが求められているからだと思われます。救急救命という緊急時でも、このような要件を課さなければ中止は認められない、としています。


その上で林田医療裁判の経験からの懸念があります。林田医療裁判では、患者の長男が母親の治療を独断で拒否した上、数々の治療拒否を他の家族達には説明していませんでした。医師も長男の意向に応じました。特定の家族の意見や医師の理念だけで蘇生が中止されてしまう危険があることを強く懸念します。


この要請文に対し、東京消防庁より、平成31年3月12日に以下のお返事が届きました。「貴重なご意見ありがとうございます。第33期東京消防庁救急業務懇話会の答申を踏まえ、心肺蘇生を望まない傷病者に対する救急隊員の対応について、今後具体的に進めてまいりますが、その際の参考とさせていただきます。」

要請書は、林田医療裁判Webサイトに掲載しています。
https://hayariki.wixsite.com/hayashida/request

沖縄県警が無効な令状で逮捕と差し押さえ

沖縄県警は裁判官の押印がない無効な逮捕令状や差し押さえ令状で市民を逮捕し、差し押さえを行った。沖縄県警豊見城署は2018年11月13日、窃盗事件の逮捕状を那覇簡易裁判所に請求した。また、那覇署は傷害事件で差し押さえ令状を請求した。これらは裁判所職員が草稿を起案し、裁判官による捜査資料の審査が行われないまま発付された。

 

県警は押印がないことに気が付かず、無効な逮捕状のまま15日に逮捕した(「裁判官の押印がない…無効な逮捕状発付 那覇簡裁ミスで容疑者一時釈放」沖縄タイムス2018年12月1日)。発付時と執行前、送検時に確認する機会があったが、全て見落とした(「押印なく差し押さえ令状発付 那覇簡裁 県警は無効気付かず拘束」琉球新報2018年12月1日)。那覇署は16日に無効な差し押さえ令状に基づいて押収を行った。

 

これは押印を忘れたという問題ではない。日本国憲法第33条は逮捕の制約を定めている。「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない」。裁判官のチェックが形がい化していることを示すものである。

 

「無効な令状が発付されれば、司法への不信は広がるばかりだ。不当に逮捕されたり、住居に侵入されたりする恐れもあれば、冤罪を生み出すことにもなりかねない」(「「裁判所の存在意義を揺るがす」 那覇簡裁「無効令状」問題、最高裁の対応は?」弁護士ドットコム2019年4月13日)

 

コインハイブ事件では警察の恫喝的な取り調べが問題視された。「裁判所が(捜索)令状を出しているんだから違法に決まっている」との暴言がなされた(「「お前やってることは法律に引っかかってんだよ!」 コインハイブ事件、神奈川県警がすごむ取り調べ音声を入手」ねとらぼ2019年2月16日)。しかし、警察が無効な令状で逮捕している杜撰な実態が明らかになった。

 

沖縄県警では捜査第2課が多良間村幹部と地元業者らに絡む贈収賄疑惑で捜索の令状(捜索差し押さえ許可状)がないまま、事実上の強制的な家宅捜索を行っていた。捜査員は警察手帳を提示しただけで、事務所内を確認させるよう要求。事務所内の机や棚を開けて資料を探し、契約書や領収証、通帳などの資料やパソコンなどの備品を調べた。捜索が終わる際には妻に任意提出書に署名させ、工事に関する資料やノートパソコンなど75点を押収した(「業者にも令状なし捜索 多良間贈収賄疑惑 沖縄県警、強制捜査を否定 業者「勝手に棚あさった」」琉球新報2018年11月3日)。




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