『イノセンス 冤罪弁護士』第6話

『イノセンス 冤罪弁護士』第6話(2019年2月23日)は銃殺事件の弁護と子どもの誘拐事件が並行して進む。冤罪事件の解決というよりもエンタメ要素が強い。シリアス話も刑事ドラマ的な内容である。第1話の冒頭にあった誰でも人質司法の被害者になるという啓発色がなくなった。一般視聴者迎合の視聴率テコ入れだろうか。

それでも日本の刑事司法の問題の描写はある。検察官が弁護人に対し、情状酌量が無難と弁護方針を押し付けようとしている。これは越権であるが、この種の不透明なやり取りが存在することを示している。但し、多くの視聴者にとっては東京地方検察庁には指宿林太郎(小市慢太郎)検事しか存在しないのかという点が気になるところである。

穂香(趣里)の息子の晴斗は和倉楓弁護士(川口春奈)にプロポーズする。『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけのような四歳児である。黒川拓弁護士(坂口健太郎)はコミュ症気味のイメージがあったが、子どもにはコミュニケーション能力が高い。ベースにも造詣がある。

樽前裕也(須賀健太)は人間の屑である。須賀健太は『今日から俺は!!』ではヤンキー高校生であった。それが大人になったような存在である。冤罪被害者があらゆる意味で聖人君子ではなく、そうであっても冤罪は許されないというドラマの描き方は正当である。しかし、今回は、あまりにあからさまに屑過ぎて現実味が乏しい。実際の人間の屑は、もっと卑怯で狡猾なところがある。被害者と加害者を逆転させるような狡さを持っている。

また、親の財力で揉み消しをしながら、息子の悪事と人間性を露見させて終わっている。親の事業も悪徳商法であり、それも明らかになるという展開の方がドラマチックではないだろうか。別府所長は裕也の悪事が冤罪ではないとの理由で弁護活動を断るが、それは弁護士の存在意義として問題がある。

次回予告には「青梅のカサノバ」が出ていた。紀州のドンファンが下敷きか。黒川真(草刈正雄)は「本当のことを知りたいという動機で成り立つ弁護活動はない」と批判する。『99.9 刑事専門弁護士』では真実を知ることが冤罪を明らかにすることであった。『99.9 刑事専門弁護士』よりも深い問題を突くのか注目される。



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