神奈川県警警部補を残業代虚偽申告で書類送検 #警察不祥事
虚偽の時間外勤務を申告し、残業代約25万円をだまし取ったとして、神奈川県警鶴見署の男性警部補(55)は2021年6月18日、電子計算機使用詐欺容疑で書類送検され、懲戒免職となった(「うその申告で残業代 男性警部補を書類送検 神奈川県警」時事通信2021年6月18日)。
送検容疑は2019年12月から20年12月に嘘の時間外勤務を勤務状況管理システムに入力し、残業代約25万円を不正受給したこと。警部補は18年3月から同署で勤務時間や給与を管理する部署に勤務していた。署員の残業時間を管理するシステム上の権限を悪用し、自分の残業時間を水増しして不正に超過勤務手当を受け取った疑いがある。
警部補の残業代について同僚が不審に思い、当時の副署長に申告。副署長がデータを照らし合わせたところ、不正が判明した。警部補は「借金があり、少しでも生活が楽になればと思った」と話している。この問題は2021年3月に最初に報道された(「残業時間の水増しで不正受給か 警察官が権限悪用…」テレビ朝日2021年3月11日)。
勤務時間や給与を管理する部署の勤務者が残業を水増しする点は、特権を持つ人が不正する警察不祥事の構造である。警察不祥事の悪質なパターンとして警察官の職務を装って市民に金を請求するものがある。埼玉県警では警察官の職務を悪用する警察不祥事が相次いだ。埼玉県警草加署巡査は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。埼玉県警川越署巡査も遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。特権者の不正体質が組織構造に蔓延しているのだろう。