埼玉県警が北本で第二の桶川ストーカー事件

埼玉県警で第二の桶川ストーカー事件と呼ぶべき事件が起きた。元県職員の無職の男性(加須市久下、62)が2020年1月16日に北本市内の小学校敷地内で、知人女性の顔を拳で複数回殴った上、車で女性をはねて負傷させ、助けに入った別の女性も殴って負傷させた。

それまでも元県職員は女性への攻撃を繰り返していた。最初は元県職員が女性の車のタイヤを刃物で刺したとして、鴻巣署に器物損壊容疑で逮捕された。元県職員は女性と示談し、ストーカー規制法に基づく接近禁止命令を受け、釈放された。ところが、釈放直後に、元県職員は女性方近くを車で走り、女性の通報により、署から再度警告を受けた。その数日後の女性が子どもを迎えに行った小学校で事件が起きた。

埼玉県警の対応に問題がある。警察は女性に事件について口外せず、転居や転職を求められたという(「女性に暴行、車ではねる…北本の小学校で ストーカー逮捕 公表せぬ県警、女性に口外禁止や転居転職求める」埼玉新聞2020年3月31日)。加害者が公務員ということで身内意識が働いたのか。

元県職員は2001年、公務と偽って別の女性の親族の戸籍謄本などを不正取得した有印公文書偽造などの事件で有罪判決を受けた。その執行猶予中に、この女性の中傷ビラをまいたなどとして、ストーカー規制法違反と名誉毀損の罪で実刑判決を受けていた。

公務と偽った個人情報の不正取得は埼玉県警でも行われている。埼玉県警岩槻署の男性警部補は2010年2月から2014年6月にかけ、「捜査に必要」と偽り、携帯電話会社などに知人女性の個人情報を照会した。埼玉県警川口署地域課の巡査は公用端末で不正に取得した女性の住宅に侵入し、現金などを窃取した(「個人情報不正照会、住居侵入、捜査書類偽造… 埼玉県警、2人免職、1人停職」産経新聞2015年1月24日)。警察不祥事と類似の所業の元職員に親近感を抱いたのだろうか。

元職員は殺人未遂容疑で逮捕されたが、傷害罪で起訴された。女性の顔を殴り、車ではねる行為が殺人未遂とならないことが不思議である。初公判は2020年3月25日、さいたま地裁で開かれた。検察側は懲役2年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は4月8日に言い渡される。

北本市は北本いじめ自殺事件が悪名高い。北本いじめでは同級生から「きもい」と悪口を言われ、下駄箱から靴を落とされ、「便器に顔をつけろ」と言われていた。ところが、北本いじめ自殺裁判の東京地裁判決(舘内比佐志裁判長、杉本宏之裁判官、後藤隆大裁判官)は、これらの事実を認定しながら、「一方的、継続的ではなく、自殺の原因になるようないじめがあったとは認められない」と、いじめを否定した。市民感覚と乖離している。公務員かばい合いの意識が強いのだろうか。



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