レオパレス21施工不備で一級建築士資格取消

レオパレス21や大和ハウス工業では建築の施工不備が判明した。レオパレスのアパートには各戸の界壁が小屋裏ないし天井裏に達する設計がされているにもかかわらず、界壁が設計図書通りに設置されていないものがあった。これは長屋または共同住宅における界壁設置義務を定めた建築基準法30条、建基法施行令114条に違反する。


大和ハウス工業は2019年4月12日、同社が建設した賃貸アパートや戸建て住宅の約2000棟が建築基準に適合していなかったと発表した。再調査によって、国から認定されていない基礎を使った不適切住宅が、新たに約1900棟も見つかった。


レオパレス21の施工不備問題では施工不備に責任のある一級建築士が処分されている。2019年12月に3人が処分された。2020年8月31日付でレオパレス21の社員や元社員3人の一級建築士資格が取り消された。国土交通省が9月8日に発表した。9都県のアパート計57件の違法建築を見逃したことが理由(「建築士3人の免許取り消し レオパレス問題で国交省」産経Biz 2020年9月8日)。


免許を取り消された一級建築士の所属は以下。
エムディアイ一級建築士事務所(東京都知事登録、現レオパレス21一級建築士事務所)
レオパレス21一級建築士事務所大宮支店(埼玉県知事登録)、レオパレス21一級建築士事務所(群馬県知事登録)
レオパレス21一級建築士事務所東京支店(東京都知事登録)

国交省は引き続き調査を続けており、例年のペースでいけば20年12月の中央建築士審査会で次の処分者を検討する見通し(池谷和浩「レオパレス施工不備問題、工事監理者3人の建築士免許取り消し」日経XTECH 2020年9月16日)。

設計図書通りに施工されていないということは工事監理が機能していないということである(菅原由依子「レオパレス、偽りの建築確認申請 外部調査委員会が最終報告書を公表、「工事監理」が機能せず」日経xTECH 2019年6月5日)。東急不動産だまし売り裁判の舞台となったマンションでも工事監理の問題がある。

このマンションでは排水時にゴボゴボ騒音が出ることが問題になった。これは施工のピーエス三菱が本来の設計よりも細い配管を使ったことが原因である。それを工事監理者の昇建築設計事務所が確認・是正しなかったことが問題である。さらに工事監理報告書では一級建築士資格を持たない無資格者を構造設計者として記載している(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。

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