LIXIL会長がパワハラメール

住宅設備大手のLIXILグループ(リクシル)の潮田洋一郎・会長兼CEOが部下に対して高圧的なメールを2019年3月4日に送っていた。メールには以下のような脅しのような文言が並んでいるという。
「(社員としての)分をわきまえなさい。何様か」
「経営者としてギリギリの線を考えているのに下らない文章まで会長名で書こうとは何事か」
「広報には向いていない」
「(人事担当役員に)身の振り方を相談しなさい」


A氏が潮田氏の全社員宛てメールの草稿について、ある進言をしたことが、逆鱗に触れたと見られている(「「分をわきまえろ。何様か」リクシル潮田会長が部下に送った“パワハラ”メール」文春オンライン2019年4月10日)。パワハラの自覚がないのだろうか。


LIXILはゴタゴタが続いている。LIXILグループは2018年10月31日、2019年4月までに瀬戸欣哉社長が退任し、山梨広一社外取締役が社長に就任する人事を発表した。現場や業界を無視した経営施策の失敗が更迭の理由と分析されている。これは新社長も同じと見られる。「藤森、瀬戸、山梨と現場から遠いプロ経営者が3代続くLIXILの経営は、迷走が続いている」(林哲矢「迷走リクシル、「2度目の社長更迭」の深刻度」東洋経済オンライン2018年11月12日)。


社長個人の問題よりも、任命と更迭を繰り返す創業家の責任が大きいだろう。2018年10月31日の取締役会では「指名委員会5人の中から瀬戸氏の後任2人を選ぶことを、ガバナンス(企業統治)の観点から疑問視する声も上がった」という(「LIXIL瀬戸氏の不可解な“解任劇”創業家・潮田氏復帰の背後に何があったのか」日経ビジネスOnline 2018年11月7日)。


社長の施策が現場無視と批判されるが、現場が抵抗し、嫌がるような改革が市場からは求められていることもある。ビジネスシーンでは変革に対する阻害要因「チェンジモンスター」をやっつけろという記事さえある(小沢匠「アドビ日本法人が販売モデルを転換、浮上する「チェンジモンスター」の存在」日経XTECH ACTIVE 2018年11月7日)。


高度経済成長やバブル期の「成功体験」を持つ企業は、旧習に囚われたまま衰退する危険の方が高い。右肩上がりの経済成長の時代は何もしなくても売れた時代であった。成功体験と呼ぶよりも成功幻想が似合っている。


現場の腐敗も深刻である。LIXIL子会社の「LIXIL鈴木シャッター」は2019年1月11日、防火シャッターなどの定期検査を行う防火設備検査員の資格を社員13人が不正に取得していたと発表した。資格取得の前提となる防火設備講習を受ける際、上司の指示で実務経験期間が実際は1カ月から2年1カ月であったが、「(受講資格がある)3年以上」と偽っていた。資格取得後、東京都と千葉、長野両県の学校や病院など計68棟で定期検査を行っていたという(「検査員資格を不正取得=LIXIL子会社で」時事通信2019年1月11日)。


私は東急不動産だまし売り裁判の経験からLIXILの企業体質が「さもありなん」と感じる。東急不動産だまし売り裁判の東急不動産代理人はLIXILの前身のトステムが訴えられた裁判のトステム代理人やトステム建材産業振興財団の評議員になっていた。この弁護士は改竄した証拠を提出し、母親の危篤を理由として原告本人尋問を当日になって延期させて証拠収集を行った(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。



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