埼玉県警で証拠品紛失を隠蔽

埼玉県警は警察署で保管していた死亡小学生の遺品の腕時計を紛失した。腕時計は母親からの十歳の誕生日プレゼントだった。事件当時も身に着けており、母親が事件直後に署に任意提出していた。事件を担当していた男性元警部補(61)=定年退職=が紛失を隠すために目録文書を偽造した容疑がある。

警部補は腕時計の記載があった押収品目録交付書を遺族の母親から回収し、破棄した。さらに「腕時計」の記載を削除して改めて渡した(「証拠品紛失を隠ぺい?遺族からリスト回収し破棄か」テレビ朝日2019年2月17日)。元警部補は「腕時計を遺族に返したように装うためだった」と述べた一方で供述が変遷しているという(「元警部補を書類送検 小4ひき逃げ 証拠紛失隠ぺい 埼玉県警」東京新聞2019年9月28日)。

埼玉県警は2019年9月27日、虚偽有印公文書作成・同行使と公用文書毀棄容疑で捜査に関わっていた男性元警部補(61)=定年退職=を書類送検した。県警は同日までに、証拠品管理に不手際があったなどとし、熊谷署の元交通課長代理や元警部補の上司ら5人を訓戒や所属長注意とした(「元警部補を書類送検=遺品紛失を隠ぺい疑い-埼玉県警」時事通信2019年9月27日)。

母親の代理人弁護士は「腕時計をなくしたことを隠すために文書を回収して破棄し、新たに虚偽の文書を作ったのではないか」と指摘。虚偽公文書作成の疑いがあると主張していた(「紛失遺品記載文書を破棄疑い 埼玉県警、元警官を書類送検へ」東京新聞2019年2月17日)。

母親は、「事件の捜査もいい加減だったのではないかと不安になっています。警察には本当のことを話していただいた上で、全力で犯人逮捕に向けて動いてもらいたいです」とコメントしている(「埼玉県警 証拠品の10歳男児“遺品”紛失」日本テレビ2019年2月17日)。

紛失を隠蔽した点で悪質である。子どもの大切なものをきちんと管理せずになくし、紛失をなかったことにしようとした。自己の責任逃れしか考えない公務員体質である。腕時計は遺族にとっては形見である。公務員感覚は民間感覚と乖離している。民間企業と異なり、税金が収入源のためにモラルハザードが起きている。

税金を使って働いて給料を貰っている自覚も無く再発防止もできず、毎日のように警察不祥事が起きている。不祥事が発覚すると杜撰な管理と隠蔽体質。調査をしても大した成果は出ない。警察不祥事は、もっと大問題にしないといけない。

警察組織はグループシンク(集団浅慮Groupthink)が起きやすい。不合理あるいは危険な意思決定が容認されやすい。集団の凝集性が高い場合や外部と隔絶している場合に起きやすい。グループ・シンクを避けるためには、異なった意見を十分に受け入れ、建設的な批判を重視し、選択肢の分析に時間をかけることが必要である。

埼玉県警では草加署刑事課巡査が遺族から金を騙し取る事件が起きた。警察の要求には一々合理的な目的を確認する必要がある。被害者や遺族にも警察対応で弁護士が必要になるのではないか。

続警察不祥事



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