埼玉県警川越署巡査の詐欺事件に有罪判決【警察不祥事】

さいたま地裁(高島由美子裁判官)は2019年8月7日、詐欺未遂と地方公務員法違反の罪に問われた埼玉県警川越署刑事課の元巡査に懲役3年、執行猶予4年を言い渡した。元巡査は死因の調査業務などと偽って、病死した埼玉県川越市の男性の遺族から2019年3月に現金50万円ほどをだまし取ろうとした。また、検視を担当した女性の遺族の個人情報を2019年2月に知人の40代男性に漏らしていた。


さいたま地検は2019年5月16日、川越署巡査を詐欺未遂と地方公務員法違反の罪で、さいたま地裁に起訴した。初公判で川越署巡査は起訴内容を認めた(「元巡査 詐欺未遂などの罪認める」テレ玉2019年6月24日)。検察側は川越署巡査が冒頭陳述で警察の運転免許を確認するシステムから個人情報を得ていたと指摘した。


判決は「警察官の立場を悪用した卑劣で悪質な犯行」と指摘する。一時的に貯金を増やそうと犯行に及んだ経緯に「金欲しさの犯行で酌量の余地はない」と述べた。求刑は懲役3年であり、求刑通りとなるが、求刑が軽過ぎる。警察官が職務を悪用したことが問題である。この種の犯罪は機械的に3倍にするような立法が必要である。警察官が職務を悪用した場合の罰は厳格でなければならない。市民は、この警察官を嫌わずにいられない。この警察官の価値観に少しでも歩み寄ることはできない。


さらに執行猶予が理解できない。判決は「懲戒処分となって依願退職するなど社会的制裁を受けている」と説明する。しかし、懲戒処分は僅か停職6カ月である。懲戒免職ではない。民間なら懲戒解雇が当たり前の悪質な事件であり、懲戒処分は減刑の理由にならない。むしろ埼玉県警の処分が甘過ぎて、社会的制裁を受けていない。

依願退職で執行猶予ならば、すぐに転職できてしまう。警察組織による再就職斡旋もなされるかもしれない。元不良警察官が工事現場の警備員になり、歩行者や自転車に高圧的な態度をとり、無駄な迂回をさせる例もある。
元巡査が一時的に貯金を増やそうとした背景には、上司から生活指導を受けたと説明された(「遺族から現金だまし取ろうとした元巡査、情報も漏らす 地裁が執行猶予「依願退職などすでに社会的制裁」」埼玉新聞2019年8月8日)。元巡査の情状酌量の要素にはならないが、上司からの生活指導が公務員的官僚的管理主義的なもので、問題解決には逆効果になるものだったのではないか。


報道は「スマホゲームの課金などで、借金があってやった」など巡査のゲーム中毒を問題にする傾向がある(「警察官が遺族から詐欺 「ゲーム課金で借金」」ホウドウキョク2018年10月12日)。しかし、借金は「スマートフォンゲームの課金などで数十万円」と報道されており(「埼玉県警の22歳刑事を詐欺容疑で逮捕 スマホゲーム課金で借金苦か」産経新聞2018年10月19日)、犯罪に走らなければならないという意味では極端に大きい訳ではない。


管理主義的な警察組織では個人がスマホゲームをしているか申告させることが再発防止策になりそうであるが、それは筋違いであり、プライバシー侵害である。そのような管理主義的な締め付けは、ストレスフルにして性犯罪などの警察不祥事を逆に増やしかねないだろう。

埼玉県警巡査が遺族から金をだまし取る



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