沖縄県警が無効な令状で逮捕と差し押さえ

沖縄県警は裁判官の押印がない無効な逮捕令状や差し押さえ令状で市民を逮捕し、差し押さえを行った。沖縄県警豊見城署は2018年11月13日、窃盗事件の逮捕状を那覇簡易裁判所に請求した。また、那覇署は傷害事件で差し押さえ令状を請求した。これらは裁判所職員が草稿を起案し、裁判官による捜査資料の審査が行われないまま発付された。

県警は押印がないことに気が付かず、無効な逮捕状のまま15日に逮捕した(「裁判官の押印がない…無効な逮捕状発付 那覇簡裁ミスで容疑者一時釈放」沖縄タイムス2018年12月1日)。発付時と執行前、送検時に確認する機会があったが、全て見落とした(「押印なく差し押さえ令状発付 那覇簡裁 県警は無効気付かず拘束」琉球新報2018年12月1日)。那覇署は16日に無効な差し押さえ令状に基づいて押収を行った。

これは押印を忘れたという問題ではない。日本国憲法第33条は逮捕の制約を定めている。「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない」。裁判官のチェックが形がい化していることを示すものである。

「無効な令状が発付されれば、司法への不信は広がるばかりだ。不当に逮捕されたり、住居に侵入されたりする恐れもあれば、冤罪を生み出すことにもなりかねない」(「「裁判所の存在意義を揺るがす」 那覇簡裁「無効令状」問題、最高裁の対応は?」弁護士ドットコム2019年4月13日)

コインハイブ事件では警察の恫喝的な取り調べが問題視された。「裁判所が(捜索)令状を出しているんだから違法に決まっている」との暴言がなされた(「「お前やってることは法律に引っかかってんだよ!」 コインハイブ事件、神奈川県警がすごむ取り調べ音声を入手」ねとらぼ2019年2月16日)。しかし、警察が無効な令状で逮捕している杜撰な実態が明らかになった。

沖縄県警では捜査第2課が多良間村幹部と地元業者らに絡む贈収賄疑惑で捜索の令状(捜索差し押さえ許可状)がないまま、事実上の強制的な家宅捜索を行っていた。捜査員は警察手帳を提示しただけで、事務所内を確認させるよう要求。事務所内の机や棚を開けて資料を探し、契約書や領収証、通帳などの資料やパソコンなどの備品を調べた。捜索が終わる際には妻に任意提出書に署名させ、工事に関する資料やノートパソコンなど75点を押収した(「業者にも令状なし捜索 多良間贈収賄疑惑 沖縄県警、強制捜査を否定 業者「勝手に棚あさった」」琉球新報2018年11月3日)。



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