埼玉県警深谷警察署長がトイレットペーパー窃盗 #警察不祥事
埼玉県警深谷警察署の田中敬署長(警視、60歳)は商業施設のトイレからトイレットペーパー5個を盗んだとして懲戒処分を受けた。署長は2021年5月29日午後8時過ぎ、埼玉県鴻巣市のJR鴻巣駅隣の商業施設のトイレで備え付けのトイレットペーパー5個を持ち出した。トイレットペーパーは紙袋などに入れた(「埼玉・深谷署長がトイレ紙盗む 商業施設で、書類送検へ」東京新聞2021年6月3日)。
目撃した人が警備員に連絡。施設側が「トイレットペーパーを持っていった男を確保している」と近くの交番に通報し、発覚した。署長は自宅やコンビニエンスストアの駐車場で焼酎などを数杯飲んだあと深谷市の署長公舎に戻る途中だった。警視は6月3日付けで減給1か月の懲戒処分を受け、依願退職した。
署長は「調べに対し飲酒や持病の影響で腹痛が起きるのが心配で、電車に乗る前にトイレットペーパーを持ち出したなどと説明」する(「警察署長 トイレットペーパーを盗んだとして懲戒処分 埼玉県警」NHK 2021年6月3日)。腹痛が起きることとトイレットペーパーを持ち出すことは関係ない。言い訳になっていない。しかも、5個も盗むことは一回の腹痛の対応を超えている。
持病を持ち出すことで同情を得ようとする手口は卑怯である。産経新聞記事は持病を前面に出す。「県警の事情聴取に対し、持病の影響で腹痛が起きることが心配だったためトイレットペーパーを持ち出したと説明」(「深谷署長トイレ紙盗む 埼玉の商業施設、減給処分」産経新聞2021年6月3日)
これに対して朝日新聞記事は「署長は飲酒などの影響で腹痛を起こしてトイレに入ったと説明している」と持病はカットしている(「警察署長、自宅で飲酒後にトイレットペーパー盗んだ疑い」朝日新聞2021年6月3日)。酒の飲み過ぎで腹痛ならば自業自得の要素が強い。
栃木県警警部補がスーパー万引容疑で書類送検
栃木県警本部勤務の50代男性警部補が宇都宮市内のスーパーで万引したとして書類送検された。書類送検容疑は2020年10月上旬、市内のスーパーで食料品数千円相当を万引したこと。数千円相当は窃盗である。転売しているのではないか。万引も窃盗であるが、警察不祥事の報道で万引と表現することで一般の窃盗よりも軽く見せようとしているならば問題である。
警部補は減給10分の1(3カ月)の懲戒処分を受け、依願退職した(「栃木県警警部補が万引の疑い スーパーで、処分公表せず」共同通信2020年11月20日)。公務員はTax eaterであり、その給与は税金である。納税者に対する背任行為である。職責からして、懲戒処分は免職以外にあり得ない。情状酌量の余地はない。
警察官の窃盗という反社会的問題であるが、県警は公表していない(「男性警部補が万引き 容疑で書類送検、懲戒処分 栃木県警」下野新聞2020年11月20日)。警察組織の隠蔽体質によって反省や改革の機会が失われ、警察不祥事が繰り返される。
神奈川県警でも万引が起きた。神奈川県警伊勢佐木署地域第3課長の警部(41)=横浜市南区=が芳香剤などを万引し、警備員に暴行を加えたとして、2018年10月5日に現行犯逮捕された。逮捕容疑は、同日午後10時5分ごろ、横浜市中区伊勢佐木町3丁目のディスカウントストアで芳香剤1個と靴下2足の計3点(計1267円相当)を盗んだ上、声を掛けるなどしてきた同店の男性警備員(30)の腕を振り払い、胸ぐらをつかんで突き飛ばすなどしたこと。
県警監察官室によると、容疑者は容疑を認め、「金を使いたくなかった。レジを探しているうちに(盗んでも)ばれないと思うようになった」と供述(「警部が万引き、「金使いたくなかった」 神奈川県警が容疑で現行犯逮捕」カナロコ2018年10月6日)。警察官は犯罪を行っても隠蔽されるとでも思っているのだろうか。
「警察官なので、万引きで捕まるわけにはいかなかった」と供述する。しかし、普通ならば「警察官なので、万引きをするわけにはいかなかった」である。警察の常識は市民の非常識である。警部は刑事部の経験が長く、昨年3月から現職(「警察署課長を逮捕=万引き後、警備員突き飛ばす―神奈川県警」時事通信2018年10月6日)。
警部は「他の店でも万引した」と供述している(「「他店でも万引」逮捕の警部供述 神奈川県警」神奈川新聞2018年10月19日)。逮捕された際に所持していた女性用のジャケットについて、近くの別の店で盗んだことを認めたという。当初は「購入した」と説明していた。また、ディスカウント店でクッションを万引していたことも新たに分かった。
芳香剤や靴下がどうしても万引きしなければならないものとは思えない。新郷由起『老人たちの裏社会』(宝島社、2015年)で万引きを繰り返す暴走老人と同じ病理を感じる。警察組織には孤独な暴走老人と似たような環境があるのだろうか。
最早、足にうさぎの入れ墨があるかないかだけの違いだけである。警察官に向いているか、役職や年齢に関係なく、抜き打ちで適性検査する必要がある。採用時、入校時がザルだった可能性もある。特に縁故だと尚更である。適正に問題があれば警察関係の現業から外して 他へ異動させた方が良い。
警部は5日夜、同僚の警察官2人と飲食し、自宅に歩いて帰る途中、量販店に立ち寄った(「伊勢佐木署地域課長を事後強盗疑いで逮捕 神奈川」サンスポ2018年10月6日)。この日は当直明けで、午後3時頃まで勤務後、6時半頃から同僚2人と酒を飲んでいたという(「「警察官が捕まるわけには」万引きし暴行容疑で警部逮捕」朝日新聞2018年10月6日)。
泥酔していたならば、そのままリリースした同僚警察官にも問題がある。睡眠不足ならば酒を飲み行くことが問題である。
神奈川県警警部の万引きは警備員が捕まえた。岐阜県警加茂署の巡査長がプールで女性に痴漢してプール監視員に取り押さえられた事件もある。大阪府警富田林警察署の逃走容疑者は警備員によって捕まえられた。治安維持も公務員の警察官よりも民間に任せた方が上手くいくのではないか。
続警察不祥事