吉本興業の闇営業問題

吉本興業の闇営業問題の本質は振り込め詐欺など反社会的な半グレ集団に営業したことである。「現役の犯罪者たちが、その犯罪の看板を隠そうともせずに開催したアゲアゲのパーティーに同席したのみならず、報酬まで受け取っていたわけだから、これは完全にアウトだ」(小田嶋隆「「闇営業」の本筋はそこじゃない」日経ビジネス2019年6月29日)。この点の非難は正しい。


吉本興業は反社会勢力企業がスポンサーに名を連ねるイベントにタレントを派遣していた。「「直営業芸人」が、この反社会勢力のフロント企業を信用したのは、吉本がタレントを派遣したイベントのスポンサーだったからである」(窪田順生「吉本経営陣が宮迫氏らの謝罪会見を頑なに拒んだ本当の理由」ダイヤモンド・オンライン2019年7月25日)。


反社会的勢力とのつながりは国際問題になる。「IMF(国際通貨基金)などあらゆる国際機関は、テロ組織やマフィア、ヤクザだけでなく、振り込め詐欺みたいな犯罪行為に絡む金融取引を、極めて強い意思のもとに排除しています」(「「吉本・芸人・テレビ局、君ら『全員アウト』やで」元経済ヤクザ語る」ダイヤモンド・オンライン2019年7月25日)


宮迫博之の問題として、ギャラをもらっていたにも関わらず、もらってないと嘘をついたことが指摘される。しかし、問題は反社会的勢力と付き合ったことであり、ギャラをもらったか否かは本質ではない。ギャラをもらっていなくても十分に批判される。


これに対して事務所を通さずに営業したことは本質ではない。これを過度に問題視することは、事務所の芸能人支配の強化という時代に逆行する流れになる。今や副業が推進される時代である。この点で最初から吉本興業は論点がずれていたと感じられた。


そこに吉本興業ホールディングスの岡本昭彦社長の記者会見が火に油を注いだ。恫喝発言を「場を和ませるため」と言い訳する。どうしようもない昭和のパワハラ体質である。悪意があることを認めようとしない。パワハラ加害者がパワハラ発言を正当化する共通の論理である。


「発言はパワハラではないかと聞かれた岡本は、座を和ませようとした冗談のつもりだったと言い訳したが、目が泳いでいた」(元木昌彦「”史上最悪の会見”を開いた吉本の時代錯誤」プレジデントオンライン2019年7月26日)

「冗談でしたといって「そっかー、じゃあ仕方がないね」と世間に思ってもらえると思うところが、パワハラ加害者の加害者たるゆえんということにお気づきでない」(「【もやもや】吉本興業・岡本社長の「恫喝は冗談のつもり」発言にパワハラ上司あるあるを感じた、働く30代40代のリアルな反応~その1~」Suits-woman.jp 2019年7月24日)

岡本社長は宮迫の契約解消を撤回したことも問題である。これは反社会的勢力との関係という本来の問題を有耶無耶にしてしまう。パワハラを冗談のつもりという発言は昭和的なパワハラ正当化であるが、契約解消撤回も昭和の温情的発言である。21世紀に不要である。



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